光輝の都の頂へ〜元社畜、欲望渦巻く魔都にて傭兵生活を始める 作:ズブ左衛門
「ちょっと伝えなきゃいけないことがあるんだ。その……みんなの前では言いにくい事だから人気のない工事前のトイレまで来てもらったんだけど」
「まさか……また勝手にヤミ金から借金しちゃったとか?」
「流石に昨日の今日でそんなバカなことしないよ!? スミスさんを怒らせてここも追い出されたら、いよいよ僕の人生終わりどころか詰みだから!」
「そりゃそうだよな……もしこれで本当にやってたら本物のヤバい奴って認定してたよ」
懸念していたことではないため安堵のため息が漏れた拓郎だが、集中していた作業を中断させられたために少しだけ茶化してみるも、誠はそれに対して怒りも反論もせずじっと彼を見据えているため、神妙な面持ちのままごくりと生唾を飲み込んだ。その様は何かよくないことを告げようとしているようで、思わず緊張が走る。
「昨日診察した患者さんのことだけど……あれから夜中の三時まで処置してみて、何とか痛みや腫れは少し落ち着いたんだけど、あの二人は持って一週間くらい。想定よりも症状が進行し過ぎていて、デトクサーでも免疫調整でも普通の対症療法よりマシぐらいにしかならない」
「そ、そんな……! 既に手遅れになってたなんて!」
「……僕からすれば、よくあんなに重症になるまで働けたものだと思ってる。多分だけど数カ月は激しくなる痛みや増える浮腫に耐えながら必死に生きてたんだろうね……医療機関がない、治療費が払えないってだけであんな辛くて苦しい目に遭わなきゃいけないなんて、絶対に間違ってるよ」
そして誠の口から放たれた非情な言葉に拓郎は少なからず衝撃を受けた。彼の表情や口調からしてそれが決して冗談の類ではなく、事実であることはもはや疑いようがない。
自分の頑張りに大して意味が無かったことへの落胆も混じってはいるが、このままでは二人が助からないことに対する絶望の方が遥かに大きかった。ただ耐用年数を大幅にオーバーしたサイバネ機器を着けていた、それだけで避け得ぬ死が迫ってくる。それは借金のカタにと幾つもの機器を無理やり埋め込まれた拓郎にとって決して無関係な話ではないのだから。
「どうにか……どうにかならないのか!? あんなに頑張って働いてる人がこんな理不尽に命を失う運命だなんておかしいだろ」
「そりゃあ僕だって何とかしたいよ。でも、あそこまで症状が進行してるとなると、僕の診療所にある設備でも難しい……それこそ一定規模以上の病院の手術室や何人も医療従事者を集めて診療体制を整えないと危険すぎる」
「でもそんなヒトもカネもここにはないぞ。マトモな医療従事者だって、八〇過ぎたヨボヨボのお婆ちゃんしかいないんだし」
当たり前のような話だが、メガコーポたちが支配するアシハラに公的な社会保険などない。故に企業などが提供する私的な医療保険に入っていない者たちは高額な治療費を全額自己負担せねばならず、それが低所得者の受診率を下げ、本来ならさして重篤でない疾病すら彼らの命や仕事を容易く奪う悪疫へと早変わりさせている。
金のない人間に人権などない。そんな冗談みたいな話が拭い難い現実となって押し寄せてくるのが、人類社会を支配する企業群をはじめ数多の人々の欲望によって形作られ発展してきたアシハラという街の姿なのだ。
「……午前中の作業が終わったら、ちょっとスミスさんにかけあってみる。従業員二人の命にどこまで擲ってくれるかは分からないけど、何もしないでいるよりはマシだと思うから」
「就任一日目でいきなりボスに直訴するのか……患者のことを第一に考えてるんだな」
「せっかく診療所の工事が始まったばかりなのに暗い話題でごめん……でも薬品のために体を張って空き巣犯を退治してくれた君たちにはちゃんと真実を伝えたかったんだ。僕はちょっと患者さんの様子を見てくるから、何かあったら端末までいつでも連絡してほしい」
こっちは人さまが買い揃えたであろう薬品を戦利品として勝手に協力者の木っ端ギャングに分け与えたというのに、彼は自分のような一介の傭兵に対しても誠実であろうとしている。そんな負い目を感じた彼は昨日やってしまった自らの瑕疵を伝える間もなく、誠は仮設病室として昨夜から占拠し続けている『ウキヨエ』のキャスト控え室へと向かっていく。
「本当に患者第一でやってきたんだなカノさんは……よし、俺だって少しでも貢献できるように作業を頑張らないと!」
そうして張り切った状態で午前の作業を終え、満面の笑みでカジノからようやく戻ってきたファンと合流して午後の作業を行っていると、不意に端末がメッセージの受信を告げる。次の休憩時に開くとそれはスミスからであり、内容は『依頼の話をしたいため、今夜九時に『ウキヨエ』の事務所に来てほしい』というものであった。
依頼とはいうが、次は一体何なんだろうか。鬼哭衆の奴らがまた戦力を回復させて、ここに再び良からぬ企みを仕掛けつつあるとでもいうのか。そんなことを頭の片隅で時おり反芻しながら仕事をこなし、午後五時にこの日の作業を終えて一旦宿に戻ると、いつもより少しだけ早く夕食を摂って再び69番街、その中心である建物へと足を運ぶ。
すっかり顔パスとなった状態で裏口から入って事務所へと顔を出せば、既にスミスと誠が真剣な表情で三人を待っており、勧められるがままにソファーへと座ると話が始まった。既に三人の前には前回会った際に頼んだ飲み物が置かれており、準備は万端である。
「三人ともご苦労さま。診療所の作業は想定より二割近く早く進んでいるとカノから報告を受けているわ……この調子なら予定より数日早く開業できそうね」
「そ、それは、傭兵や自警団の方含めて、このエリアの皆さんが積極的に手伝ってくれるからですって……僕の力じゃないんです」
「依頼とはいえ、それだけ人を集められるのは皆がアナタに期待しているからよ。是非これからも頑張ってちょうだい。良い働きには相応の褒賞でもって報いるわ」
そんな誠への賛辞で始まった会合はいつものようにある程度の雑談を挟むことはなく、すぐに本題へと移っている。スミスがよほど急いでいるのは拓郎にもすぐ理解できた。
「……さて、今日はアナタたち『チーム拓郎』に指名依頼をしたいと思っているわ」
「や、やっぱりその名前のままかぁ……指名依頼は嬉しいけど」
「拓郎にミキモト、他にいい案を出してなかったのかよ……」
「あちゃー……昨日は色々あったせいでチームの名前決めるって言ってたのに忘れちゃってたね」
スミスの『チーム拓郎』呼びによって、自分たちの括りがカルロスに『もっとマシな名前をつけろ』とまで言われた名称のままである事実を思い出した三人であったが、今そんなことにこれ以上口を挟むほどの蛮勇は持ち合わせていない。
「ああ、まあ、その、個性的な名前ね……アタシはそれでもいいとは思うけど……」
流石のスミスもこれが仮名でもなく現状のチーム名であることに驚いていたようで、若干ながら笑みを引きつらせていたが、今回ばかりは余裕がないためすぐに話を戻している。
「……あら、脱線してしまったわ? 話を戻しましょう……これよりアナタたち『チーム拓郎』に対して正式な依頼を出すわよ。密輸組織『クーリエ・インターナショナル』の秘密倉庫に侵入して、モバイル・アンビュランスと呼ばれている車輌を盗み出してほしいの。これはアタシだけではなく、隣に座っている我らがドクター、カノからの依頼でもあるわ」
間抜けたやり取りのせいで少しだけ出鼻をくじかれかけたものの、数秒かけて冷徹なフィクサーの仮面を被り直したスミスは、改めて依頼内容を三人へと伝えた。
「『クーリエ・インターナショナル』にモバイル・アンビュランス? 病院を盗むってどういうことなんだ?」
しかしよく知らない単語が同時に二つも出てきたため、拓郎は何のことだかあまり理解していないようであり、それを察したファンがそれぞれについて簡潔に補足している。裏社会というものはえてして秘密主義に満ちており、例え何十年もの間どっぷりと浸かっている者ですら自分に関係ない分野のことを全く知らないなんてことはザラにあるからだ。
「前者はここ数年世界各地でめきめきと勢力を拡大している新興の密輸シンジケートで、後者は
「そんな凄い車があるのか……」
「ま、俺たちみたいなアシハラの底辺にいるパンピーだと、軍やメガコーポの医療部隊に入らない限りまずお目にはかかれないだろうからな。お値段だって相応にするらしいぞ。なんでも、クレジット換算だと一輌あたり億を超えるお値段らしい……」
ファンの説明を受けてとりあえず納得した拓郎。そこで話が一区切りしたことを見計らったスミスが本題を再び口を開いた。
「……先に明言しておくけど、今回の依頼はこれまでより格段に危険度が高いわよ。後ろ暗い趣味のある金持ちと黒い繋がりのある密輸組織の拠点を襲って、目的のものを奪ってオサラバする。当然だけど警備はそこらのチンピラやギャングのアジトより遥かに厳重で、構成員の質も装備も比べ物にならないくらい高いわ」
「ええ、分かってますともマダム。仮に借金取り時代にそこに踏み込めって言われていたら、すぐさま退職届を叩き付けていますから」
ファンが半ば無理やりに軽口で返したように、拓郎たちが今まで戦ってきたチンピラや小規模なギャングといった連中とは格が違う相手である。防衛戦力も各国の軍のあぶれ者や傭兵を雇っており、生半可な戦力では目的を達するどころか生きて帰ることすらままならないだろう。
彼らも犯罪者に分類されてはいるが密輸のプロフェッショナル集団であり、一世帯が一生遊んで暮らせるほどの大金を端金のように扱うクライアントとの契約を守るためならば、命を賭してでも外敵を排除する。そして生き残りがいれば徹底的に拷問して背後関係を洗い出し、二度とこのような愚かしいことを実行しないよう厳重な『警告』を与えるのだ。
「……正直、今のアナタたちにはちょっとばかり荷が重いんじゃないかとフィクサーとしてのアタシは思ってる。だから、この依頼を受けなくたって評価は下がらないし、ましてや追い出すなんて下劣なマネは絶対にしないわ。うちの主戦力のアナタたちに断られるのは確かにキツいけど、一応他にツテはないわけじゃない。だからリスクとリターンを比較して、よく考えてから答えてちょうだい……明日の朝までくらいなら待てるわ」
正直なところ、スミスはこの仕事を拓郎たちに回すかどうか直前まで迷っていた。新進気鋭の有望株とはいえ、オレンジ級二人と直接戦闘能力に乏しいレッド級のハッカーだけで突破できるかどうかと言われれば、成功率はどれだけ贔屓目に見ても二割にすら届かず、過半の確率で無様に全滅するだろう。
無論、スミス自身が言ったようにこの依頼を他に任せられる人物はいるし、単純に成功率だけ見るならばそちらに任せておいた方が双方にとって確実で安全なのは間違いないのだ。
「ツテっていうのは、この間言ってた変わり者のことなのか? 凄い強い傭兵ってことと変わり者だって噂しか知らないけど」
「そうよ。これ以上は秘密保持のためにアタシの口からは言えないけれど、ブルー級の実力者で依頼の成功率は九七・三パーセント。足手まといになるからって他の傭兵と組まないタチバナとも複数回仕事をしているってもっぱらのウワサよ」
「そこまで言うと、割と個人が特定できてしまうのでは……?」
「……アタシの口から名前も主な武器や戦術も言ってないからノーカウントよ。少なくとも、現時点でうちに対しては味方寄りの中立といったところね」
『彼』は69番街の一員ではないが、ブルー級という地位に相応しい実力と依頼に対する誠実さは極めて高く評価しており、ようやくひよっ子から脱した三人組ではなく、こちらを呼び出して依頼するべきであるとフィクサーとしてのスミスは判断していた。
これは勢力間の微妙な外交問題となる危険性を孕んでおり、いざとなれば何の躊躇いもなく関係を否定できる人材、しかもお抱えの主力部隊より遥かに強力とあらばそちらに頼りたくなるのも道理である。
ただし、この間は向こうにもそれなりの事情があったからこそ格安で何度かこき使えたのであり、当たり前の話だが普通に依頼すれば相応の対価を要求される。いかにスミスが膨大な資産を有しているとは言ってもそれは有限のもので、株や債券が定期的に資金をもたらしてくれるとはいえ、それ以上に野放図な使い方をしていればいつか尽き果ててしまうのだ。
「そんな強い傭兵をこき使えるのに、何で俺たちにこの依頼を?」
「金銭的問題よ、アナタたちには厳しそうな仕事があるたびに彼を呼び続けたら、いくらアタシでも老後資金が無くなっちゃうわ。それで……受けてくれるかしら?」
無論、拓郎はこのハイリスク・ハイリターンな依頼を受けたいと思っている。不埒者に対して苛烈な報復を与える密輸組織の前哨基地に忍び込み、荷物を奪い取る。どういう原理かは皆目見当がつかずとも確かに評価され、傭兵としての格が上がるとなれば自然と意欲が湧いてきたのだ。
それにこのままでは緩やかに、しかし確実に死を迎える者への憐憫や同情も多分に混じっているが、彼を動かす基本原理はこの街で成り上がりたい、よりよい生活がしたいという強い欲求である。
いつかはインディゴ級の強力な傭兵タチバナすら超える最強の高みへと達し、この輝きに満ちた街の頂へと上る。そんな見果てぬ──口さがない者からすれば荒唐無稽でしかない夢に向かって愚直に邁進する彼からすれば、そんな場所から大荷物を華麗に盗み出し、数多の追っ手を煙に巻くような仕事こそ待ち望んでいた大舞台だからだ。
「俺は参加したいと思ってるけど、二人はどうする? 一回持ち帰って明日の朝に結論を出すほうがいいかな?」
「まあマダムの依頼だから厄ネタではないだろうが……奴らを甘く見るなよ拓郎、七大ギャングにこそ劣るがそこらで粗末な武器を振り回して粋がってる有象無象どもとは絶対的に格が違う。今の俺たちで上手くいくかどうかは……ちょっと厳しいかもな」
「あーしは……一晩だけ考えさせて。今までのチンピラとかとはヤバさが違うのは感じてるから」
傭兵の舞台、すなわち戦場とは常に負傷や落命のリスクと隣り合わせであり、それを過度に恐れていてはそもそも傭兵業が成り立たない。しかし恐れなどないとばかりに考えなしの吶喊ばかりしていてはすぐに命を落としてしまう。
適切に恐れを抱きながらも、本当に必要な時には命すら一切の出し惜しみせず荒れ狂う。そんなギリギリのラインを綱渡りすることによってのみ傭兵として生き延び続け、更なる高みへ至りや栄光や富を掴むことができるのだ。
「確かに、難しい問題だものね。じゃ、また明日の朝九時に返事を聞かせてちょうだい。傭兵の前でこんなことを言うのはフィクサー失格だと思うけれど、いい返事を期待しているわ」
この場では決まらないことを察したスミスのその一言で緊急の会合はお開きとなり、多少は容態が安定した患者を看病する誠を見送ると三人は殆ど交わさずに宿へと帰っていく。そこで一晩各々で依頼を受けるかどうか考え、朝食時に上で意思を表明した決めることにしたのだ。
「この機会を逃したくない……」
とはいえ、拓郎の腹は既に決まっている。密輸組織だか何だか知らないが、多数の敵兵を馬鹿正直に相手することなく忍び込み、お目当てのものを頂いて帰る。自分のニューロンブースター、ファンの射撃技術と卓越した裏社会の知識によるフォロー、そしてアリサのハッキング能力が合わされば並大抵のことはできると信じていた。
「っても、ファンが真面目な顔で甘く見るなっていう位だからなぁ……」
しかし入浴する彼の脳裏に浮かぶのは古今東西に語られる伝説的な大怪盗よろしくお目当てのものを奪い取る自らの姿ではなく、仕事中以外は滅多に見せない表情で拓郎に警戒を促すファンであった。
今まではお前に任せるとしか言わなかった彼が、露骨に警戒しろと言った意味をしばし考える。今まで相手してきたチンピラやご当地木っ端ギャング、鬼哭衆の下っ端や手先とは違うとわざわざ言い切ったということは、それだけ危険度が高いのだろうと思っていた。
「……もし二人が反対したら、残念だけど大人しく退こう。当分は診療所の開設に向けて作業を手伝いながら、鬼哭衆に対する警戒を続ければいいさ」
拓郎は孤独でも孤高を気取る傭兵でもなく、二人の仲間がいる。確かに彼はリーダーだが、だからといって自分一人で何もかもを決めていいわけではないのだ。
「焦らず、でも確実に……死ねばそれまでだけど、命があれば次がある」
そんなことを考えつつ風呂から上がるとすぐ眠りについて翌日を迎えたのだが、反対寄りらしき微妙な反応であったファンとアリサが二人揃って依頼を受けることに賛成したため、拓郎は首を傾げている。昨夜の時点では二人とも明らかに乗り気ではなさそうであったが、何故コロッと方針転換をしたのかとつい尋ねてしまった。
「最初はそう思ったんだがな、どうせもっと上の等級になったら、嫌でもこんな切った張ったの仕事ばかりになるだろうし、今のうちから危険な依頼に慣れとかなきゃな」
「みんなとの約束を果たすためには、このくらいでビビって止まってたらダメじゃんね」
そう語る二人の眼力は彼がたじろぐほどに強く、場当たり的な決断ではないことを理解した拓郎はその旨を昨日と同じくらい『ウキヨエ』の事務所で待っていたスミスに伝えた。すると出迎えた時の朗らかな顔がスッと固まり、冷徹なフィクサーとしての顔に変わった。
「この依頼は作戦支援の関係上、一度受けたら絶対に後戻りはできないわよ? それでもアナタたちはそれを承知で行くのね?」
そのままかなり強い口調で念押しされてしまうが、傭兵稼業を始めたばかりならともかく今はそれくらいで怯むことなどない。それが威圧ではなく己の覚悟を問うための儀式であることは知っているし、何より目の前にいるちょっと奇抜な格好の支配者は何より自分たちを案じてくれているとわかっているからだ。
「俺たちは行く。アシハラに名を轟かせている傭兵だって、最初から強かったり有名だったりしたわけじゃない。何度も死線をくぐり抜けて難しい依頼を達成していったんだから」
「……そう、なのね。アナタたちの覚悟、確かに受け取ったわ。じゃあ段取りを進めるわね」
そんな三人の決断を見たスミスは一瞬経ってからニコリと笑い、昨日言いたかった言葉を続けている。
「……ちょっと協力者に話をつけてくるわ。決行は今日の午後一〇時。移動がてらにちょっとしたブリーフィングをするから九時に裏口前に集合よ。アナタたちを信じてるわ」
もう、後戻りはできない。後は無事に目的のものを盗み出すか、無様に死ぬかの二択しかない。そんな覚悟を決めた三人は出来る限りの準備をするべく、簡潔に礼を述べてから事務所を後にした。