ソロライブを終えてもまだまだ一位への道は遠い。それでもあと少し頑張ってみようと思っていた矢先、一通のメールがかぐやのところにやって来た。
『Black onyx 帝アキラさんからのメッセージ
初めましてかぐやちゃん!
俺はブラックオニキスの帝アキラ ファン数 百万人おめでとう!
ここからは提案なんだけど、KASSENで帝VSかぐやの竹取合戦
ってのはどう?
かぐやちゃんが負けたら……やっぱ俺と結婚、かな?
こっちが負けたら、何でもお願い聞くよ
俺らでツクヨミ盛り上げようぜ!
PS.パパにちょーっと話があるって言っておいてね』
実兄がこんなメッセージを送ってきたことに頭がくらくらする。ここ最近ずっと元気なのに、今一番体調が悪いかもしれない。かぐやはノリノリで対戦申し込みを受諾した。まぁ確かに話さないといけない時期なのかもしれないけど、娘に兄貴が求婚してくるっていう状況を私はどう解釈すればいいんだろうか。古代じゃないんだぞ。
「あの……ということでこういうメッセージが来ました」
「……ふーん」
カツカツカツと楓が机を人差し指で叩いている。目が全然笑ってない。
「話があるのはまぁ分かるよ。俺も話さないととは思ってたけどなんだかんだでなぁなぁになってた部分はあるし。ただね、その前の部分はちょっと看過できないなぁ。俺の娘は確かにどこに出しても恥ずかしくない子だけども。俺はちゃんと彩葉さんのお母さんに筋通したんだし、お義兄さんにも筋通してもらいましょうか……統括管理に申請、アカウントに強制介入を……」
「わー、何してんの!」
半分狂気に染まった目でヤチヨに何かを申請しようとしていた楓を取り押さえた。これは長くなりそう。というか、かぐやが結婚するときにこれだとすると、今後私たちの娘が生まれた時、結婚の挨拶に来る相手は大変そうだ。最低でも楓と同等のスペックを求められるのだから。
ツクヨミの統括管理補佐と同じ実力があるやつがいるなら是非お目にかかりたいところではある。むしろそこまでいけば全力でお任せしたい。
「ちょ、これは必要な……」
「それにしたっていきなりすぎ! ちゃんと話もしないで、いきなりは無しでしょ」
「……分かった。ここは彩葉さんに免じて一時見逃す。今のところは」
「将来にわたってしないでくれる!?」
あぁ、これは大変なことになったぞぉ。お兄ちゃんがかぐやの配信を見ていたのが普通に驚きではあるんだけど、それにしたって色んな目的がありそうだ。私のこともそうだし、かぐやのこともそうだし、いい機会だと思ったのかもしれない。ブラックオニキスとの対戦なんて大きなカードは中々出てこない。その影響か、登録者数はさらにうなぎのぼりだった。
もしかしたら、お兄ちゃんからのプレゼント的なものだったりするのだろうか。そんなこんなで試合は決定し、当日がやって来た。
『注目のイベントが始まります! 王者ブラックオニキスが異例の速度でのし上がった超新星かぐや・いろPに宣戦! そしてまさかの求婚! 運命を懸けたKASSENが今まさに、ここツクヨミ特製スタジアムで始まろうとしています! なお、ブラックオニキスのファンは一時騒然としましたが、まぁ多分なんも考えてないだけでしょう、これは』
世紀の竹取合戦なんて大看板を背負って始まってしまった。超満員の大会場の中、モニター席では実況の元プロゲーマー・乙事照琴と解説を務める忠犬オタ公が盛り上げ口上を述べている。
『ヤチヨカップの結果発表も残り一時間ですよね』
『この勝負の結果次第ではかぐや・いろPの逆転も!?』
『ルールはSENGOKU! 三本勝負になります』
なんでこんなことになってしまったのだろうか。まさか、娘の背中を押して一緒に頑張っていたら実の兄と対戦することになるなんて、想像もしていなかった。そして、普段通りを装いながら、どう考えても普通じゃない目をした楓が凛と私の隣に立っている。
楓は参戦はしないけど、始まる前に「ご挨拶」だそうだ。
『そして注目すべきは帝と我らがツクヨミの無敵守護神・アメツキカエデとの関係性! かぐやへのメッセージではお話があるとのことでしたが、一体どういう話なのか?』
『かぐやの父親枠なのは確定ですからね。そこに挨拶ということは、存外本気で求婚するつもりなのかもしれません』
かぐやは中々来ないブラックオニキスに不満げ。今回参加してくれる真実は憧れの帝に会えるということでショート寸前だった。なぜ楓ではないのかというと、彼が普通に真実に負けたからである。開発者なのにあんまり強くはないのが楓だった。
『来ました! 黒鬼です!』
忌々し気な目でその登場を見上げながら、楓の手はずっと動いている。なおも増え続ける観客に対応して会場の設備を更新しているのだろう。この試合そのものには不満があるのかもしれないが、それを楽しみにしている観客の夢や喜びは壊したくない。運営としてのプライドが垣間見える瞬間だった。かぐやのために暴走しかかっていたけど、本来はこういう素敵な人なのである。
『黒鬼! ご来臨――――!』
盛大な歓声に迎えられ、ブラックオニキスの三人が登場した。
「どーも、対戦受けてもらってありがと」
「あの、私っ、ふぁふぁふぁファンでっっ」
「まみ、悪いけど今日は手加減できない」
ウインクと名前呼びに『!?』という顔をした真実は止まる直前の駒みたいにくるくると倒れて行った。真実の彼氏はこれをどう思っているんだろう。
「真実、大丈夫!?」
倒れた真実に様々なグルメの写真を見せていく。ラーメン、チキンオーバーライス、ビリヤニ……ダメだ起きない。
「なんていう尊厳破壊……あぁ、一応大丈夫みたい。感情があまりにも昂りすぎて強制ログアウトさせられたね。大丈夫、すぐに戻れるとは思う。リアルの彼女が気絶していなければだけど」
楓がログを見ながら冷静に判断していた。
「ねぇ、どうする~?」
確かに問題だ。真実がいないと戦力が……最悪楓にお願いするしかないか。真実よりは弱いけど、開発者なので何か裏ワザとかは知っているかもしれないし。かぐやは真実のアバターからおにぎりとメロンパンを毟っている。こら、やめなさい。そんな事を考えていると空から巨大な玉手箱が降って来る。楓が小さくため息を吐いた。
「じゃっじゃーん! 呼ばれて飛び出てヤチヨだよ~」
「えええええええええ!?」
「えへへっ、絶対勝とうね」
可愛いポーズ。元々お兄ちゃんに娘を渡すつもりなんてこれっぽっちも無いし、参戦できない楓に代わって全力で守るつもりだった。そんな風に燃えていた私の心に、一気にガソリンが投下される。うぉぉぉ、勝ってやるぜ。今の私は誰にも負けない。そんな怪気炎を上げる私とは対照的に、静かな青い炎を出している楓はお兄ちゃんと視線を交わしていた。
「ご無沙汰しています、帝アキラさん。この前の大会以来ですね」
「おぅ、守護神。久しぶりだな」
「平素よりツクヨミを盛り上げていただきありがとうございます。ただ、本日は早急に敗北いただきまして、その口を閉じ……じゃなかった、俺の娘への求婚という頭のおか……些か異常な行動をおやめ頂けると幸いです」
取り繕えてないぞ~旦那様~。口元が引き攣っているのが分かる。あれは相当お冠だなぁ。まぁ手塩にかけて育てた娘をやれないって気持ちは痛いほど理解できる。だからこそ私はかぐや以上に燃えているわけだし。妥当兄貴、妥当ブラックオニキス。黒鬼がなんぼのもんじゃい。母親の愛を舐めるなよ。
「ひゅ~、手厳しいねぇ」
「それと、ご挨拶ですね。どうも、あなたの将来の義弟です。どうぞよろしく」
シンと静まり返って二人の会話に耳を傾けていた会場が一気にざわめきに満ちる。
『おおっっとぉ! ここでまさかのカミングアウトぉ!?』
『かぐやといろPが娘と母の関係、かぐやと守護神が娘と父の関係、いろPと守護神は将来的な夫婦、つまりは許嫁に近い関係でした。とすると、帝アキラは……』
『いろPの兄ということになります!! なんということだ、世間は意外と狭いぞぉ』
私もそう思う。オタ公の意見に全面的に賛同だった。どうしてこんな狭いところに濃い人間関係が出来上がってるんだろうか。
「俺はツクヨミに来た時からアンタの世話になってるし、認めてもいいんだけど……。お兄ちゃんとしては複雑なんだよな。妹がいつの間にかそんな関係の相手がいるってのは」
「彼女を置いて出て行ったのに?」
「うげ、痛いところを突くなぁ。でもそうか……そういう話が出来るくらいには、なってるのか」
「おかげさまで。あと、先日お義母さんにもご挨拶しまして、娘をよろしくと言われたということも合わせてご報告しておきますね」
お兄ちゃんは相当意外だったようで目を丸くしている。私が小さく頷いたのを見て、事実だと認識できたみたいだ。その顔は驚愕もありつつ、どこか安堵しているようでもある。なんだ、その顔。私を置いて出て行ったくせにさ。あの家の中に、母と私を二人きりにしたくせに。
気持ちは分かる。私だって家を出た。同じような理由だったのだろう。お兄ちゃんの方がずっと要領が良かった。続けていたサッカーもやめて、何度も私を庇ってくれた。生意気で向こう見ずなガキみたいだった性格も、静かで穏やかになった。まるで、お父さんみたいに。もしかして、私がお兄ちゃんの配信を見続けていたように、私のことも気にしていてくれたのだろうか。
楓は私を手招きする。それに応じて、私は彼の隣に立った。
「……幸せか?」
「うん」
私はその問いに、間髪入れずに返答した。だって、言うべき答えはこれ以外に存在していないのだから。
「……そうか」
「と、言うことなので。これからもよろしくお願いしますね、お義兄さん?」
「認めがたいなぁ」
「こっちのセリフです」
「……」
「……」
二人とも笑っているんだけど目が笑ってない。
「そろそろ時間なので、俺は元のレフェリー役に戻りますね」
「参加しないのか?」
「俺はそんなに強くないですから。負けそうになったら、あなたの個人情報を全部抜き取ってしまいそうですし」
「怖いなぁ、それは」
「ただ、娘をいきなり取られそうになったのは普通に腹立たしいので、精神攻撃を少しばかり」
そう言って、楓は私を抱き寄せる。
「いえ~いお兄さん見てる~? 彼女は俺のだから、そこんとこよろしく~」
めっちゃ恥ずかしい。衆人環視の下でこれは流石に羞恥心が凄い。顔が赤くなる。でも、どうしてか身を預けてしまう私がいた。お兄ちゃんは露骨にショックを受けた顔をしていた。なんなら楓も若干ダメージを受けている。慣れないことをして精神的に疲れたらしい。
ならやらなければいいのに、もう。なんだかんだで独占欲が強いのが彼なのだ。その向けられた重みがたまらなく好きなのだけど。
『大胆な告白! まさに宣戦布告と言ったところでしょうか!』
『守護神を敵に回したら怖すぎて、私なら全電子機器を回線から外して逃げますがね』
『義理の兄弟対決は一応義弟の勝利でしょうか!? しかーし今日の本題はまだまだ。義理の兄弟が義理の父子になるかもしれないという良く分からない展開。正直実況していて頭がおかしくなりそうですが、全員血は繋がっていないので多分OKなのでしょう!』
累計視聴者数が相当な数になった。こんなに大勢の人たちに見られていると思うと若干緊張はするけど、強い目的意識がそれを上書きする。
『守護神は堂々と中央に向かう! さぁ、間もなく試合開始です!!』
「統括管理者たる月見ヤチヨに代わり、この勝負の公平なることを担保します。両名相対し、持てる力を出し尽くして戦うこと。かぐやたちー、三人とも~応援してるよ~。それでは! いざ尋常に! 勝負!」
最後の最後まで私情たっぷりの開戦宣言だったけど、それでも会場は大いに沸いている。私はかぐやとヤチヨの方を見た。二人ともやる気十分。正直プロ相手にどこまでやれるかは分からないし、作戦とかもかぐやの結構適当な作戦だけ。それでもやれるところまで足掻いてみようじゃないの。負ける前から敗ける気なのはダサいし。それに――
「母は強しって教えてやろうじゃない!」
私は二人を率いて走り出した。
と、勢いよく言ったんだけど、やっぱり相手は強い。そりゃそうだ。その強さを知らない人は、ツクヨミ内に存在していない。ヤチヨの尊さと楓の実力を知らない人がこのツクヨミユーザーにはいないであろうことと同様に。
お父さんがいなくなって、いつしかお兄ちゃんはゲームが好きになって、プロになって上京した。アキラって名前で活動しているのは知ってたから、配信はちょこちょこ見ていた。その後ツクヨミが出来た。幾つもゲームがリリースされて、その中での大会で優勝して。帝アキラの名前が広まっていくのを見ていた。まだあの頃は楓と知らなかったアメツキカエデが優勝を称えながら優勝レイを渡しているのを何度も見てきた。
何年も積み重ねた腕。それに勝てる見込みは凄く低いのかもしれない。積み上げた技術って言うのはそういうものだ。何か一つを極め続けた楓やお兄ちゃんに対して、私は中途半端だ。なんであっても一番になれたわけじゃない。人類最強のウィザードにも、ツクヨミ人気ナンバーワン配信者にも、勝てはしない。そんな事は分かっている。分かり切っている。
それでも、負けたくない思いは誰にも負けない。気持ちだけでどうにもならないことも分かっているけど、気持ちが無いよりずっといいはずだ。あと一歩攻めきれないけど、逆に言えばあと一歩があれば攻めきれる場所まで来たのだ。
ぎゃぁ~と奇声をあげながらかぐやが隣に転がってきて、すぐにまた立ち上がる。
「ち~くしょ~! だが勝つ!」
瞳はまだ輝いている。そら、彩葉。頑張らないと。娘がまだ諦めてないのに、母親がリタイアなんてできるもんですか。一瞬だけかぐやと目線を交わす。それだけで私たちには十分だった。私たちは武器を入れ替えて、高台から狙う。
帝の周囲に円を描くようにして武器を投げては交換しながら足場を破壊し、柱の前まで追い込んでいく。このゲームを設計した楓は言っていた。フィールドにあるモノはなんでも使える、と。アドバイスはできないけど、と前置きしつつギリギリのラインでヒントをくれた。お行儀よく戦っていたのでは勝てないかもしれないけど、周囲にあるモノを全部使えばいいんだ。
ワイヤーを伸ばしたままの双剣の片割れを帝の背後に勢いよく突き刺した。ワイヤーの先のアンカーはかぐやのハンマーに刺さっている。かぐやは帝を攻撃しようとして空振りしたハンマーを地面にめり込ませてしまい、頑張って抜こうとしている――フリをしている。
「ゲームセットだ」
帝がかぐやにトドメを指そうとしたその時、柱に刺さっていた双剣を引き抜いてたわませていたワイヤーを巻き取り、帝を締め上げて拘束する。
「ハンマーにワイヤー? 囮はかぐやちゃん!」
作戦は結構大雑把。それに、これで倒せるとは思っていない。ワイヤーは大きく動けなくするけど、それでも解除するための方法が無いわけじゃない。だからこそ、もう一個作戦は立ててある。
帝は強い。だから、ここで倒してもリスポーンされたら負ける可能性が出てくる。リスポーンさせないけど動けなくするにはどうすればいいのか。フィールドにある全部を使えるというヒントが私に作戦を立てさせた。
楓がこうすると読んでいたわけではないだろうけど、きっとこのヒントで私が勝ち筋を見出してくれると信じてくれたんだ。こっちは一年間毎日一緒にいたんだ、その信頼度はブラックオニキスの三人にだって負けていない。
「かぐや!」
「りょ~か~いーー!」
かぐやが思いっきりハンマーでフィールドの大地を破壊する。それにより、大量の瓦礫が空を舞った。私の双剣がその間を飛び交い、ワイヤーを大量に絡ませる。そしてそれを帝にぶつけていく。岩盤に囲まれて、その身体は完全に動けなくなった。これで誰かが救助してくれるまで自分ではリスポーンできない。そもそも動けなくすれば戦力外になる。
こんなの公式試合でやった日には外道作戦そのものだし、今までやった人もいない。それでも、何かしら効果があればと思ってやってみたけど、ちゃんと効果はあるみたいだ。現に動けなくなってどうにかしようと藻掻いている。
「かぐや!」
「りょ!」
動けなくなっている帝を放置してライドに乗りながら天守を目指す。私を見送る目がどこか優しかった。そんな顔をされたら、どういう感情をすればいいのか分からない。それでも、また昔みたいに戻れたらいいなと思った。私たちの関係性も、私たちの愛すべき娘も、この後生まれてくるであろう子供たちも、きっと愛してくれると思うから。
家族が必ずしも一緒にいる必要は無いのかもしれない。それでも、お互いに幸せなら一緒にいれたらいいと思うのだ。
「ママが危なくなったら、かぐやが助ける!」
「なーに言ってんの。助けるのは、私の側! 親なんだから」
二人で笑う。あぁ、楽しいな。心の底から、そう思う。この子がいてよかった。私たちのところに来てくれてよかった。私たちを選んでくれてよかった。あなたを守るから、必ず、絶対に。
『帝アキラ、動けなくなっています!』
『これはw酷い~w。なるほど、そもそもリスポーンさせなければいいって言うさくせんですかぁ』
『乃依と雷もヤチヨ相手に苦戦中! 守護神はかぐやのうちわを振り回して応援しております!』
『露骨ですが、まぁこればっかりは仕方ないですね』
『かぐやチーム、天守閣に到着!』
「こっからは見てて! かぐや大活躍!」
どりゃ~! と叫びながらNPCを蹴散らしていく。私も追いかけながら、かぐやの勝利を――待って。
「かぐやストップ」
「えぇ、なんでぇ!?」
敵を倒すにはまず敵を知るべき。データは嘘を吐かない。勝利を求めて頭を捻っていた私に、楓はそう言った。その言葉になるほどと思い、これまでの彼らの試合を観察した。それこそ、膨大な数。AIの力も借りつつ、彼らの特徴を掴む。帝アキラが切り込み隊長だが、ブラックオニキスの参謀は彼ではない。雷の方だ。そして雷は――いつも、万が一の際のトラップや逃げ道を考えて用意しておく。
私は適当なNPCの首根っこを掴んで天守台の前に放り込んだ。途端にドカーン! と大爆発が起こる。あっぶねぇー、やっておいてよかった。この天守を落とせるかどうかに全てがかかっている。
『雷の地雷トラップを解除ーー!』
「かぐや、行って!」
「どっせーーーい!!」
かぐやの巨大なハンマーが達磨落としを弾き飛ばし、城門の中に叩き込んだ。そして、爆音を響かせながらブラックオニキス側の天守が吹き飛んだ。
「っっっしゃぁぁぁぁ!」
かぐやがどや顔で燃え盛る天守閣を背景に拳を突き上げていた。