リィンカーネーションの花弁〜夢に囚われた狩人〜   作:アキヤマ ハルト

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読者の皆様方、こんにちは。秋山悠人と申します。

さて、今回はある人物が暴走した状態との戦いです。一体狩人はどう戦うのか、どういった勝ち方をするのか………どうぞお楽しみください!


第10話『異質な廻り者たち』

前回のあらすじ!!

 

ノイマンと一時決別した灰夜。ナイチンゲールに一手勝ち、アインとニュートンを連れて項羽の城へ。そこへ来た東耶と項羽の対話により東耶は項羽の手助けをする…と思いきやそこへ来た謎の存在に警戒する一同。来たのは一体誰なのか!?

 

———————————————————————————

 

聖剣をいつでも抜けるようにして構えていると、扉がゆっくりと開き……鎧姿のカエサルが現れた。カエサル……?そんなはずは———

 

【あん?カエサルじゃねぇか。灰夜の察知能力も弱くなったのか?】

 

「カエサルさん!?ていうか、柳生さんがボロボロに……!」

 

「…いや、違う!カエサル、貴殿は何を連れてきている……?森から全力で向かってきているな!?」

 

「はっはっは!狩人の言う通りでね!女片手に戻ってきたが申し訳ない、項羽と狩人!!とりあえず五右衛門くん、彼女の処置を頼んでもいいだろうか!きっと君たちの助けになるはずだ!」

 

カエサルが東耶に柳生十兵衛を託すと同時に、城の扉が弾け飛んだ。項羽は自分と東耶の元へ飛んでくる瓦礫を防ぎ、俺は後ろのダルモンたちへ被害が及ばない範囲の瓦礫を防ぐ。あれは……刀を見るに灰都さんか?だが、見た目だけでは判別がつかないほどに真っ黒…それに、周りを蠢くのは、ムカデ、なのか?

 

「…灰都、さん?」

 

「正真正銘武蔵だとも!元気そうだろ?どれくらい元気かっていうとッ……」

 

カエサルはサイコロを落とすと同時にさまざまな遠距離を放てる武器を取り出し、攻撃をする。カエサルの才能である()()()()だ。だが、灰都さんは全てを弾いていた。その後もカエサルがありとあらゆる武器を取り出し斬りかかり、刺し貫こうとするがどれもクリーンヒットしなかった。灰都さんは凌ぎ切ると、咆哮のような声をあげてから刀を構えた。

 

「ね、ヤになるくらいには元気だろう」

 

【…まさに、花弁の化物か。何を捨ててでも強くなりたかったんだな……だが、戻れるうちは無理やりにでも戻ってもらうぜ。力尽くで鎮めるぞ、灰夜、ノス!!】

 

「私は構わん。久しぶりにあのレベルの者と戦うことになるとはな……」

 

「ほっほっほ、さすがは狩人殿……ですが項羽様、一つ提言がございます」

 

【言ってみろ、内容によっては受けてやる】

 

不敵に笑うノスに嫌な雰囲気を感じ、止めようとしたが間に合わず……ゆっくりとノスが口にしたのは、「狩人殿の本気、見たくはありませんかな?」という一言だった。あぁ、最悪だ…!

 

「……ん、んん??ノ、ノストラダムス殿、なにを言って…」

 

【それ採用だ、ノス。カエサル、ダルモンの所まで下がんぞ。東耶もだ、早くしろ】

 

「おい項羽!?お前、なにを言って……」

 

【さっき言ったよな、あのレベルのやつと戦ったことがあるみてぇなこと……じゃあ1人でも勝てるよな?】

 

「なっ………はぁ……何を言っても意味はなさそうだな…分かった、やってみよう。ただし、俺の戦い方はトライアンドエラーだ。見苦しい姿は見せるぞ?」

 

【んなもん気にすんな、それともあれか?ヒトラーにはそんな姿見せたくないってか?ならそこは尊重するぜ〜?】

 

「ぶっ飛ばすぞ……!?はぁ〜、見てぇんだったら見せてやるよ!ただし本気でやるってなると玉座辺りまで行かねぇと巻き込まれるぞ」

 

俺が睨みながらそう言うと、【おぉ、怖ぇ怖ぇ……とっとと行くぞ〜】と言ってノスたちを連れて行った。なんでこんなことになったんだか………はぁ………やるか。

 

—————東耶視点—————

 

「……夢は終わらず、永遠に続く。ありとあらゆる人と獣の血で染まろうとも、夢の管理者の狩りは終わりを知らず———悪夢よ、形を為せ

 

「灰夜くん、本当に大丈夫なんでしょうか…?」

 

【あん?なんだ、アイツお前らの前で本気出したことねぇのか?】

 

「ないよ、ヴラド三世の時が最後に見た狩人くんの戦闘だからね」

 

僕の言葉に呆れたような素振りを見せる項羽さんにニュートンさんが答えると、項羽さんは【なら仕方ねぇか。アイツは強ぇぞ、簡単に言えば……オレに勝ったぐらいだ】

 

項羽さんの言葉に驚く僕らをよそに、灰都さんは棒立ちのままの灰夜くんに斬りかかった。音が遅れて聞こえるほどの速度で振られた刃は灰夜くんを左右に真っ二つにした………()()()()()()。斬られた灰夜く?の身体は霧になって無くなり、空間に濃い霧が漂い始めた。そして灰夜くんの声が響き渡る。

 

ふむ、1キルだ灰都。ここから何キル取れるか、見ものだな?

 

その言葉を最後に漂っていた霧が1つに纏まり、そこに灰夜くんが再び現れた。すぐに気配を察知した灰都さんが斬りかかったが、灰夜くんは今度はしっかりと右手に持つ人一人の大きさの大剣で受け止め、弾くことで灰都さんの体勢を崩してから左手に持っていた銃を放った。

 

ドォーンッ!!!

 

ものすごい轟音と共に放たれた弾は散弾で、それをゼロ距離で腹に食らった灰都さんは苦痛による叫びと痛みに悶える呻きが上がっているが、すぐに刀を構え直した。

 

「なによ、あれ……!?どう見たって武蔵は強いはず、なのにまるで遊んでるみたいにやり合ってるじゃない……!」

 

「……どうやら、思ってた以上に狩人は強かったようだね。あれではまるで、大人と子供のような差だ………」

 

「当然だろう。狩人が狩るのは獣だ、人ではない。理性のある人間と理性のない獣であれば、獣の方が狩り慣れているのだよ」

 

アインさんとヒトラーの驚愕の声に反応したのは、気付かぬ間に僕の隣に立っていた灰夜くんだった。「うわっ!?」【うおっ、テメェいつの間にこっちに出しやがった!?】と項羽さんですら驚いていた。

 

「1度死んだ時だ。霧をこっちに漂わせ、いつでも実体化できるようにしていた。まぁ私は幻影で、本物はあちらだがな」

 

灰夜くんの幻影は今もまだ武器を変えながら打ち合っている灰夜くんを指しながら霧から取り出したカップの中に入っている紅茶を飲み始めた。本物が戦ってるとは思えないほど優雅な姿に、僕は無意識に「灰夜くんから見て、今の灰都さんはどんな評価なんですか?」と聞いていた。

 

「ふむ、評価か……率直に言って、弱い。あれは恐らく激情に支配された末になった姿、そのせいで動きが単調なのだ。まぁ私が過去戦った獣より動きに思考していることが分かりはするが、それでも多少程度。あれなら普段の灰都どのの方が強いとも」

 

【…なるほどな。パワー任せの今の武蔵とやらじゃあ、オマエの手馴れた戦いでしかないのか。てことはもう決着つくのか?】

 

「あぁ。そろそろ灰都どのも仕掛けるだろう……ほら、来るぞ」

 

幻影の灰夜くんの言葉に、全員が戦闘を見ると……灰都さんが二刀を十字になるように構え、

 

「………いびつにてん、礼法……無住・相抜………

 

と口にした。その瞬間に灰都さんと灰夜くんの周囲に重苦しい空気が放たれ始めたのを感じ、灰夜くんを見るとおもしろいものを見るような顔で思考を口にしていた。

 

「ほう、面白い技だ……相手と自分に刃に囲まれているイメージをさせることで死の恐怖で動けなくさせる、と………確かに強い技だろう。今の灰都であれば死など怯えに値しないから一方的に斬りかかれるのだろうな………()()

 

灰夜くんは右手の武器を刀に変えながら躊躇なく走り始め、灰都さんに迫り始めた。今の言葉が本当なら、今の灰夜くんには大量の刃が刺さるイメージが反映されているはず……なのに、顔は平常のまま走り続けている。

 

【おいおい、灰夜相手に選ぶ技が悪ぃぜ。アイツは死に慣れてる、だから痛み程度じゃあ止まらねぇよ】

 

「……そろそろ長引きすぎているからな。寝ていてもらおう、灰都…………借りるぞ、()()()()殿()

 

いつもとは違う雰囲気を醸し始めた灰夜くんを警戒する灰都さんだったが……刹那、右手が一瞬動いたその瞬間、その警戒が意味を成さなかったことだけが分かった。灰都さんがその瞬間に倒れ伏したからだ。何が起きたのか分かっていない僕やアインさん・ニュートンさんたちだったが、ノストラダムスと項羽さんだけが笑っていた。

 

「ほっほっほ、あれは果てしない技量ですなぁ………」

 

【あぁ、ありゃすげぇ。オレですら見るのが精一杯だった……そりゃ一発で意識を刈り取られるわけだな】

 

「なにが起きたか、見えたんですか?」

 

僕が聞くと、ノストラダムスは「いえいえ、私めは予言書で分かっていたのみ。項羽さまのみでしょう、見えたのは」と返答してきて、項羽さんは【見えたが、本当に一瞬だぜ。アイツは一瞬で鞘から刀を抜き、撫でるように武蔵の首を斬った。オレが見えたのはここまでだが、推測するに……斬ったのは首ではなく、意識を保つための糸のようなもんを斬ったんだろうぜ……ったく。あの野郎、あんな力があるなんて知らなかったぞ………?】

 

意識だけを刈り取られた。聞くだけなら簡単だが、確実に難しいだろう。まず意識を保つための糸というのも理解の範疇を超えているし、その上それを的確に相手を傷つけずに斬るなんて尋常じゃない。自分が超えるつもりの壁がとてつもない高さであることを実感しながら、灰都さんが倒れると同時に、先程まで身体を這っていた黒い百足のようなものも消えてあられも無い姿で倒れている灰都さんがいた。この瞬間アインさんから「アンタは見んじゃないわよ!!」と後ろから蹴りが飛んできた。避けることも叶わず、食らって倒れそうなところをニュートンさんに支えられた。

 

「おっとっと、大丈夫かい東耶くん?」

 

「だ、大丈夫です……アインさんが言ったことしその通りだと思いますし………」

 

再度灰都さんを見てみれば、灰夜くんが手馴れた様子で灰都さんの身体を隠すように霧から取り出した服を上から被せて隠していた。

 

「ふぅ……終わったぞ、項羽———って、なんだその目は?信じられないものを見たような目をして………」

 

「いやいや、そりゃすんだろ…お前がいた街は今のソイツみてぇな真っ裸のやつが大量にいんのか?あまりに対応が慣れすぎだぜ。あと、トライアンドエラーもクソもない勝利じゃねぇか」

 

「…あぁ、そういう目か。まぁ人から獣になった時は服は破けるからな。それに、私としても想定外だ。灰都の強さはどうやら戦術理論に長けていたからだったらしいな、天性の戦闘の才能が活かせない状況ではこうもなるとわけだ。それにしても、この大所帯………一体どこに行くつもりなんだ?ここに篭もり続けるわけにはいかないだろう?」

 

項羽さんに驚かれた灰夜くんだったが冷静に疑問に答え、それとは別の潜伏場所について項羽さんに尋ねると、項羽さんは少しニヤッとしてから「一つツテがあってな……恐らくは交渉内容によっちゃ上手くいくはずだぜ?」と言い黒い靄を広げてここにいる全員を包んだ—————




第10話、終了!さてさて、狩人の強さが発覚したと同時に謎が一つ増えましたねぇ…なぜ、狩人がSEKIROに出てくるボス『葦名一心』の技を使えたのか?これはいずれ明かされますよ、狩人の過去と一緒にね!どうぞお待ちください!!

主人公以外のキャラの視点はいる?いらない?

  • いる
  • いらない
  • どちらでもいい
  • 主人公と三人称のみでいい
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