リィンカーネーションの花弁〜夢に囚われた狩人〜 作:アキヤマ ハルト
今回でストックが消えてしまいますので、もしかすれば更新が遅れる日があるかも…?一週間に2、3話投稿していく予定ではあります!
花弁の化け物と化した灰都を相手にタイマンすることになった狩人。夢の管理者としての力を使える状態で戦い、一度の死で無力化に成功した狩人は灰都さんへ気を遣って真っ裸になってしまったのを服で覆う形で隠し、ノストラダムスなどの全員を含めて隠れる場所として項羽が提案した場所へ、とある場所へと転移した。
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【よっと。着いたぜ、灰夜】
「ここは……様々な機械、世界全域を映すモニター……どこかの秘匿された施設か? よくこんなところに…………おや? 貴公は……」
項羽が怪我をしている柳生や灰都たちを先に行かせ、項羽と同時に来てから周りを見渡して情報を得ていると、視界に見覚えのある人物がいた。
その男も最初は東耶の方の対応をしていたが、俺らが現れると同時にこちらを振り向き……そして俺と目が合っていた。
「……お前、灰夜か? お前も廻り者かよ、ったく……」
「北束殿か、説明は後になるが……なるほど、項羽の言っていた宛てというのは北束殿の所属する黒鋭部隊だったか。であれば安全だな」
【あん? 灰夜、お前コイツらのこと知ってんのか?】
ため息を吐く北束と納得がいった俺だったが、関係性を知らない項羽に尋ねられると「あぁ、知っているとも。というより……北束殿の特訓相手だからな」と返す。
【ほぉー? そうだったのか、なら話は早ぇな。北束、だったか? 今回ばっかりは敵になりに来たわけじゃねぇ、協力関係を結ぼうぜ】
「……協力? その言い方だとテメェら以上のやつがいるみたいだが、その認識で間違ってないんだな?」
【あぁ、その通りだ。強大な敵がご登場だぜ】
項羽と北束が話している間に中央にあったモニター群にノイズが走り、ノイズが直ったと思えばノイマン・ナイチンゲール・そして……仕立てのいい衣装を身にまとい、儚げな雰囲気を放つ銀髪の女性。腰には俺の愛用する千景に似た武器を持つ女性がいた。
俺は、抱えていた灰都を落としてしまいそうになるほどに驚いていた。
「なん、だと……? 貴女がなぜ、そこに……! 」
【あん? どうした、灰夜?】
俺の反応の理由を項羽が聞こうとした時、モニターからノイマンの声が流れ始めた。
『御機嫌よう、人類諸君。我々は──偉人の杜である』
「ノイ、マン……!?」
驚く東耶だが、モニターから流れるノイマンの言葉を止まることなく……偉人類計画の話の後、デモンストレーションとして流されたモニターには信じ難い光景が流れていく。
ノーベルと呼ばれた鎧の存在がオーストラリアの大規模地域の爆破。
ニコラ・テスラと呼ばれた存在がユーラシアの雪山を溶かし。
ガガーリンによる地球への空爆。
とてつもない規模の映像を目の当たりにした東耶や北束たちは唖然としていたが、その後映った映像を見た瞬間に俺は背筋に悪寒が走ったのを感じた。
そして鋭い感覚を持つ項羽も動揺していた。満月を映すだけの映像……北束たちもそう思っていた。だが、俺は怒鳴りにも近い声をあげて机を叩いた。
「なんだと!? ノイマン、いや……この場合はナイチンゲール殿か!! ふざけるのも大概にしたまえよ……!!!! 」
【……おいおい、ありゃなんだ……?】
どうやら
それを聞いた北束もすぐさま部下たちに伝達し、目を閉じた。俺と項羽は目を閉じることなく、映像を見続けると……ただの満月が少しずつ赤くなり、月から降りてくるようにしてナニカが見えてきた。
痩せ細った大きな人間のような体格に、顔があるであろう位置には目も鼻も口もなかった。ただ大きな穴が空いていて、触手をたてがみのように靡かせ、どこか神々しさと禍々しさを併せて持った怪物が降り立っていた。
【……は、はは。アイツは、なんだ……?】
「……月の、魔物だ。ヤーナムに定着した外なる神……見たものを狂わせ、自らを崇拝させた、人智を超えた怪物……なぜ、アイツがこの世界にいる……!?」
項羽ですら青い顔に冷や汗を浮かべるほどの映像がようやく終わり、ノイマンが映る。ノイマンの声が聞こえてくると同時に北束たちも目を開け、流れる言葉をしっかりと聞いていた。
『さて。如何だっただろうか? 楽しんでもらえたなら幸いだ……ノーベル〖死の商人〗、ニコラ・テスラ〖世界システム〗、ユーリ・ガガーリン〖神の不在〗……紹介したのは我々、偉人の杜が持つほんのひと握りだ。だが怯えずともいい、すぐに行動に移すわけじゃない』
『計画の実行は1月1日。約3か月の猶予はいわば我々からの手向けだ……何が起きているのか解りもしない者たちはのうのうと、解る者たちは恐々と最期の西暦を楽しむといい……では、良き終末を』
その言葉を最後に映像がプツンと消える……かと思いきや、映像はそのまま続き、ノイマンではなく隣に立つ銀髪の女性が話し始めた。
「久方ぶりに出会うことになるのだろうな、狩人。いいや、レインだったか?」
「……レイン? 一体誰のことを……」
「……私の、前世の名だ。話したのは二人にだけ……彼女、マリアともう一人だけだ」
東耶の疑問に画面から目を離さずに答えた俺。だが、画面から目は逸らさない。
今から話される言葉が……自身の疑問を解消するものになってくれると理解しているから。マリアは穏やかな笑みを浮かべながら言葉を連ね始める。
「薄々予想はできるよ、貴公の考えは。大きく分けて3つ……①彼女、ノイマンの安全。②かの怪物、月の魔物はなぜいるのか。③私がなぜいるのか、だろう? まず答えると、ノイマンの安全は私が保証しよう。彼女に粗雑な対応や暴行は誰にもさせない。する者がいれば私が処罰を与える」
「……よかった。ノイマンの救出は急がなくてもよさそうだ。彼女がいるのなら、いかなるものもノイマンに傷はつけられないだろう」
マリアの言葉に安堵するが、すぐに睨むような目でモニターを見る。どんなにノイマンが無事であろうと、あの怪物が現れればノイマンどころか世界が終わるからだ。
「次に月の魔物だが、あれはいるわけではない。私たち狩人がいた街、ヤーナムに再びあの怪物が現れたのを私は確認した……そして、あの怪物の狙いは自身の権能を持ったまま姿を消した貴公だ、レイン。ちょうど計画決行の1月1日……その2ヶ月後にヤツはこの世界に来る。あぁ、それと……あの映像は東耶とやらが持つ携帯の位置情報で特定したそこにしか映していない。だから一般人の精神の心配はせずともいいよ」
その言葉で東耶は焦るようにしてポケットから取り出した携帯を見ると、確かに位置情報が特定されているようだった。
東耶はすぐさま電源を切ると、マリアは「おや、どうやらいま切ったみたいだね。まぁいい……その位置情報を見たのは私とノイマンだけだ、そこに襲撃は来ないから警戒は程々にするといい」と言った。
「さて、では最後だが……私は貴公と同じようにしてこの世界に来た。まぁ貴公はおそらく死んではいないのだろうが、私は貴公のおかげであの夢から覚め……再び意識を取り戻した時にはこの世界に生まれ直していた。だが高すぎる目標はもう飽きていたのもあり、こうして貴公の敵となっている」
「……なるほど、そういうことか。彼女は戦闘狂だ、というのはルドウイークとシモンから聞いていたが、その通りだったようだな……」
「あの頃は夢に囚われていたことで私も本来の力の半分も発揮できていなかった。だが、いまであれば……最大の力で戦うことが出来る。これほどまでに気分が高まるのは師、ゲールマンと戦った時以来だ。師以外で私の初めてを奪ったのだから、責任は取りたまえよ?」
「それはさすがに言い方が悪いだろ!?」
モニター越しで素でツッコミを入れるが、マリアはクスクスと笑うのみで返答は来る訳もなく……マリアは最後に、
「それと、1つ。私は貴公たちの目標の方が合っていると思っている……正直に言えば、ノイマンを救えるのなら私が救っている。だが私はこの世界で過ごしてきて知ったことがある…………それは、恋する乙女は好きな男に救われることが世界で最も嬉しい、ということだ。だから彼女を救うのはレイン、貴公がするといい。それまでの保護は私がするがな」
「……変なこと学んでいませんか、あの人?」
「言うな、東耶……変なポップカルチャーのハマり方してるな、マリアさん…………?」
ため息を吐きながら、頭を抱えるが……深呼吸してから真剣な顔に戻り……おそらくは終わりに近づいてきたモニターに映る映像を見ていた。
「まぁ、そういう事だ。私と貴公が戦うのは貴公がノイマンを救いに来る時……つまりは決戦の時だ。その時を楽しみにしているよ、後輩くん! なんてな……参った、少し気恥かしいな……///」
よく分からないセリフを言い放ち、そのせいで照れている姿を最後にプツンとモニターの映像が消えた。最後のマリアの話により空気がどんよりしたものからぐだぐだとした雰囲気になってきたが……俺は更に頭を抱えて、
「……あの人、どんなハマり方してるんだよぉ…………!」
と項垂れてしまった──。
第11話、終了!
まさかのマリアさん、そして月の魔物のエントリーです。自らの一部を持ったまま、自分のいる世界から離れた灰夜を追って来ようとしているんですね。そして、マリアさんは灰夜が消えて少し経った後にこの世界に来ているので、月の魔物が現れたのだけ見た、ということです。
マリアさん以外にもブラボ関連のキャラが多く現れますので、誰が出るのか予想しながらお楽しみください!次回は3陣営による方針会議です!
主人公以外のキャラの視点はいる?いらない?
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いる
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いらない
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どちらでもいい
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主人公と三人称のみでいい