リィンカーネーションの花弁〜夢に囚われた狩人〜   作:アキヤマ ハルト

13 / 16
読者の皆様方、こんにちは。秋山悠人と申します!

今回の話はあまり進まないので、もしかしたら冗長に感じるかもしれないです、申し訳ありません!


第13話『目覚め、そして事態の深刻化』

前回のあらすじ!!

 

話し合いを開始した灰夜たち。様々な話し合いや和解、新たなる協力者となるノイマンが用意していたAIである、ノイマンⅡを含めて情報のまとめやどうするかを考えていくところだったが、そんなときに北束の持つ通信機に入った衝撃の情報。それは、廻り者による襲撃を受けた、というものだった……そして、そんな事態になる少し前、灰都の看病を担当していたアイン・ニュートンたちの方でもある事態の変化が生じていた。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「武蔵、大丈夫かしら…」

 

「大丈夫だよアイン。狩人くんも加減していたみたいだし…どうやら柳生の方もスパイだったカエサルが狩人くんのことを思って致命傷にならない程度で済ませてたみたいだからね」

 

心配そうに武蔵のベッドの近くで右往左往するアインを落ち着かせようとしている。最初東耶くんも武蔵が心配だったからなのか僕らと一緒に来ようとしていたけど、偉人の杜側として彼には会議に参加しといて欲しかったからね。狩人くんだけでも良かったんだけど、彼はあまり人に頼ることを知らないみたいだし、元々仲良くしていた東耶くんであればもう少し頼るはず…だよね??

 

「…っ?こ、こは……?」

 

「!起きたかい、柳生?」

 

「…リンゴ頭……あぁ、ニュートンか。ということはあの女も…「えぇ、いるけど何か!文句でも!!あるのかしら!?」…はぁ、目覚めたばかりの怪我人の近くで大声を出すな。それにそこに武蔵も寝ているんだろう、無理に起こしてはお前も望んでいないはずだ」

 

「ぐっ……!」

 

柳生の容赦のない正論に口を止めるアインに「まぁまぁ」と宥めながら柳生にもある程度の説明をする。ここがどこなのか、あれ以降何が起きたのか…柳生は少しだけ目を瞑り、「…そうか」とだけ口にした。なんだか、落ち着いてるね……?

 

「あまりいけ好かないが、不意打ちであってもあのカエサルに一杯食わされたのは事実、か……少しばかり瞑想する。あまり騒いでくれるなよ、特にアインシュタイン」

 

言われなくても分かってるわよ…!!

 

「アイン器用だねぇ……」

 

小声で怒りを露わにするアインに感嘆の息を漏らしながら、武蔵を見る。柳生と武蔵は互いにしのぎを削り合っていた。仲がいい部類のはずだけど、心配しないのは信頼の表れなのかな……?

 

「あぁ、ニュートン。すっごい少し頼んでよいだろうか?」

 

「ん、僕?いいよ、どうかしたかい?」

 

「おそらく、この施設の中にいるのだろう。狩人だったか?奴に、手合わせお願いしたいという伝言を頼む」

 

「狩人くんにかい?構わないけど……」

 

こっちから質問をするより先に話しかけるなとでも言いたげの雰囲気を醸し出しながら瞑想し始めた柳生を見て声をかけるのをやめた。邪魔しちゃあ申し訳ないからね……それにしても、狩人くんはやっぱり柳生から見ても手合わせをしたいと思うんだねぇ。さすがは狩人くんだ。

 

「…んん……?」

 

「!武蔵!大丈夫!?」

 

「いやいやアイン、起きてばっかりじゃ大丈夫かどうかも分からないよ…意識はちゃんとある?」

 

目覚めたばかりだからなのか、本当に少しだけ開いた目をこちらに向けていた。アインが迫りすぎるのを引き留めながら、聞いてみるけどまだ意識が目覚め切ってないのか

 

「…アイン、とニュートン……?なんでここにぃ…?」

 

とほわほわとした感じで喋り始めた。ここをいつも寝てる場所って勘違いしてるみたいだね……

 

「かわ…って、違う!!武蔵、ここはいつもの剣道場じゃないわよ!」

 

「…はぁ。騒がしくするなと言っただろうが……少し退け」

 

「ん、柳生…?なにをす―――「ふんっ!」えぇ!?」

 

僕とアインを押しのけて武蔵に近づいたと思えば、チョップを武蔵の額目掛けて振り下ろした。食らった武蔵は「いでっ!」と声をあげて額を押さえた。アインが怒りのままに柳生に近づこうとしてるのを全力で止めてると、痛みで目が覚めた武蔵が「いったぁ……って、ありゃ?柳生とアイン、それにニュートン??なんでいんの?え、てかここどこ!?」と起きたばかりだっていうのに元気に周囲を見回し始めた。

 

「ふぅ、これで目が覚めただろう。寝ぼけていても周りを警戒するぐらいはできるようにしておけ、あとはニュートン。任せるぞ」

 

「え、全部丸投げ!?うっそぉ……まぁいいけどさ…」

 

自分のベッドに戻って瞑想を再開した柳生に何を言ってもどうにもならないことが分かっているので、仕方なく説明を始める。内容としては柳生に伝えたことと同じだけど、一つだけ……武蔵がなんだか変な姿になって、それを狩人くんが抑えたということを教えた。これは狩人くんと相談の末に決めた部分で、説明して武蔵がどんな反応をするのか観察して後で教えてほしいのだとか。

 

「はえぇ~…あたしそんな暴れてたんだ……なんか、結構キツイな~…」

 

武蔵が自分の暴走のせいでいろんな人に迷惑をかけたことを知り、少し表情が暗くなった。アインが慰めている中で、僕は狩人くんの予想の精度に驚いていた。狩人くんは目覚めたときの武蔵に説明した際の反応すら完全に予想していた。狩人くんに言われた通りなら、これで元気になるらしいけど……

 

「まぁ、武蔵も暴走したくてしたわけじゃないからね。あ、でも狩人くんが言ってたよ?暴走してる時より普段の武蔵の方が強かったって!ただ力が強くなっただけで培われた技術がなくなってたとかって言ってたかな…って、近いっ!?」

 

「それ、ホントかニュートン!?灰夜がそう言ってたの!?」

 

「う、うん。アインも聞いてたよ?」

 

「えぇ、そうね。あの男が珍しく褒めてたから覚えてるわ」

 

アインと僕がそう証言すると、武蔵が怪我人であるとは思えないほど機敏に飛び跳ねた。本当にうれしいのか、表情がにやけている。狩人くん、武蔵の理解度が高いなぁ…完全に戻ったよ……

 

「うへへ~…モチベが爆上がりだぁ~!早く鍛錬したいなぁ……」

 

「さすがにダメよ!軽傷で済んでるとはいえ、怪我人なことには変わりないんだから…安静にしてちょうだい!」

 

「そうだね。安静にして快復したら鍛錬もするといいよ。もしかしたら時間があれば狩人くんが手合わせもしてくれるんじゃない?」

 

もしかしてと思い、狩人くんの名前を挙げると武蔵は落ち着かない様子だったのがゆっくりと落ち着き始め…柳生に教えてもらいながら瞑想をし始めた。アインと二人で病室の外に出て廊下で話し始める。

 

「なんか、武蔵の狩人くんへの信頼がすごいデカい気がしてきたんだけど、僕だけかな???」

 

「私も薄々そんな気がするわ…なんだか、全幅の信頼を置いてる感じよね。父親とかに対する感情的な……」

 

「それだね。家族のような仲なんだ…それに、前から武蔵に特訓をつけてたらしいから、狩人くんから見ても弟子的な存在だから理解度が高いんだろうね……僕は怖かったよ、狩人くんの名前を挙げてくだけで言うこと聞いてくれるなんて思わなかったよ」

 

「私もよ…そういえば、武蔵と柳生が起きたことを伝えに行った方がいいわよね?私が行ってくるわ」

 

「え、アインが?男ばっかなのになんでわざわざ……はっ!?ま、まさかアインまで狩人くんに好―――「んなわけないでしょ、磨り潰すわよ!!」いろどりッ!?」

 

予想を口にしようとした瞬間、流れるような拳を食らった。さすがの切れ味…!ボクサーになれるね……

 

「私は柳生と相性が悪いから、なら私が呼びに行った方が早いわ。アンタは柳生と武蔵の仲介でもしててちょうだい」

 

「あいたた……分かったよ。ただ、一つだけお願い。狩人くんと東耶くんを連れてきて、たぶん彼らは会議の結論がついているはずだから、僕らもその話は知っておくべきだからね」

 

「分かったわ、それじゃあね」

 

廊下を歩いていくアインの背中を見て、姿がいなくなったのを確認してから病室内に戻ると柳生と武蔵が各自のベッドの上で瞑想していた。さて、僕はどうしていようかな…と手持ち無沙汰で立っていると、後ろから急に声が聞こえた。

 

「失礼するぞ、ニュートン、灰都、柳生十兵衛」

 

「おわぁっ!?か、狩人くん!?な、なんでここに…って、あれか!また霧の幻影だね?」

 

「あれ、灰夜だ!おはよ~!」

 

「あぁ。二人は…目覚めたようだな。アインはどうした?」

 

「君らの方に行って武蔵と柳生が起きたことを伝達しに行ったよ。狩人くんはなんでここに?」

 

「発覚した情報を伝えておこうと思ってな。少し失礼するぞ…あった」

 

机の上に乱雑に置かれたままの携帯を狩人くんが手に取ったと思えば、ICカードが入っていないことを確認した上で電源を付けた。すると携帯の画面に見覚えのあるマークが映ったと思えば……聞き覚えのある声が聞こえた。それと同時にいつでも放てるように重力の実を構える。

 

『…ふむ。同時に私がいるな、今のところ二つか……情報は同期してあるから私への説明は不要だ、灰夜。ニュートンたちへの説明を優先するといい』

 

「あぁ、わかった…だから警戒は解いてくれ、ニュートン。事情は説明する…あと灰都は警戒しなさすぎだ、柳生を見習え」

 

「うえっ!?」

 

ベッドの上でちょこんと座っている武蔵に狩人くんがダメ出しをした。ゆったりしすぎだもんね、やっぱりお父さんみたいだなぁ……

 

―――――事情説明―――――

 

「なるほど…そのノイマンはオリジナルの才能に影響されないAIで、電子の海に潜ることはできないけど計算だったりは可能なんだね?」

 

「あぁ、そういうことだ。会議中に東耶が気付いてな…先にメンバーの携帯に入れておこうと考えたわけだ」

 

『オリジナルと比べて性能は大きく落ちるがな』

 

「落ちてもコンピュータより上なら優秀だとも」

 

説明を聞いただけである程度理解はできた。確かにノイマン相手にコンピュータじゃ無理だから、影響されずにコンピュータ以上のスペックがあるものは必要だろう。

 

「ふむ…それにしても、灰都も柳生も傷がないようで良かった。柳生はカエサルのせいだから一発殴ったが、灰都が怪我をしていたら私のせいだったからな……」

 

無問題(モーマンタイ)!でも負けたのは悔しいから今度手合わせしてね!!」

 

「あぁ、構わないとも。そのためにも安静にしておくといい……ん?」

 

どこか虚空を見て、険しい顔になった狩人くんに聞くより先に狩人くんが僕の方を見て

 

「どうやら全世界で廻り者が動き出したようだ。ニュートン、灰都、柳生も会議室についてきてくれ…どうやら、安静にする時間などないようだ」

 

と言い放った―――

 




第13話、終了!

次回から大きく話が進む(予定)なので、お楽しみに!

主人公以外のキャラの視点はいる?いらない?

  • いる
  • いらない
  • どちらでもいい
  • 主人公と三人称のみでいい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。