リィンカーネーションの花弁〜夢に囚われた狩人〜   作:アキヤマ ハルト

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読者の皆様方、こんにちは。秋山悠人と申します!

今話では少しだけ、狩人の過去に触れることになります。いったいどんな過去を経て、こういった性格になったのか……ご自身の目で確認していってください!


第14話『緊急会議、そして獣狩り』

前回のあらすじ!!

 

看病組だったニュートン・アインたちは柳生と灰都が目覚めるまで見守っていた。目覚め、灰都を慰めた上でアインは狩人たちに起きたことを伝えに向かっていった。そして残ったニュートンが手持ち無沙汰の時に霧で出来た狩人の幻影が現れ、ニュートンたちにノイマンⅡについて教えていった。そんな時、本体を経由して幻影は野良の廻り者が現れ、襲撃していることを知ったためニュートンたちを連れて会議室へと連れていくことになった………

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「よし、ここだ。さぁ入るぞ」

 

ニュートンたちを連れて俺が歩いていき、会議室についたため扉を開ける。すると、オリジナルの俺を含めて全員座っていた…アインも含めてだ。

 

【おいおい、オマエ…いつの間に霧を出していやがった?】

 

「少し待っててくれ…霧よ、戻れ

 

俺が合図を出すと、霧は形を崩し……俺の首に漂う霧の一つとして合わさる。よし、これでいい……

 

「で、いつだった…と言われると、ヒトラーの機嫌が悪くなった時に足裏から霧を出して病室に向かわせた」

 

「な…っ!?///き、機嫌なんか悪くなって『あぁ、なんだ。そん時かよ…ちゃんと報告はしやがれよ』項羽、遮るな!理解も示すな!!」

 

俺と項羽に照れながら怒るヒトラーをポル=ポトに落ち着かせ、ニュートンたちを座らせてから会議を始める。ふむ…まるで円卓会議だな。

 

「では、会議を始めよう。まず北束、どんな報告が入った?今襲撃にあった者たちが帰還中なのはわかっている」

 

「あいよ…まず、俺は部隊の奴らに頼んでたことがある。南毅の奴には項羽から聞いた、東耶と灰夜が関わった一番最初の廻り者……フィッシュの現れた高架下の調査を任せた。他の奴らにはゲイシーのいた森の調査とかを任せたんだが……襲われたのは森の調査を担当していた奴らだ。突然背後に現れた()()()()()()()()()に襲われた。とっさに銃は撃ったが、どうにも効いている感じがしなかったらしいが……たまに動きを止めたと思えば、頭を抱えながら腕を振り回していたんだとよ」

 

「洋装の獣……まさか、な……」

 

「巨躯と言われるとフィッシュが浮かびますけど…獣ではないですから、違うんでしょう」

 

【他に情報はねぇのか?その獣の正体に関わるもんとか】

 

「…正直眉唾なんだがな。廻り者のお前らならわかるかもな……その獣なんだが、頭を抱えているときになにか叫んでたらしい。確か……()()()()、だったか?」

 

その名を聞いた時、俺は目を見開き…予想が当たっていることに、またあの人と戦ってしまうことに絶望してしまった。そんな俺に気付いたのか、ヒトラーが「お、おい狩人…?どうかしたのか?」と心配そうに顔を覗いてきた。

 

「…あぁ、大丈夫だよ、ヒトラー……北束、その襲撃者は俺が知っている人らしい」

 

「あん?本当か?」

 

「おそらくな…彼は俺と同じ狩人()()()人だ。名をガスコインという。手練れの狩人だった…最終的に妻を探しに病が蔓延する街に飛び出たが、自らも獣の病に罹り……私が介錯したはずの人だ」

 

【…なるほどな。言いたいことはわかるぜ、これから狩りに行くっていうんだろ?】

 

無意識に過去の自分の一人称に戻っているがそのままにして項羽の言葉に頷き、東耶を指差しながら話を続ける。

 

「あぁ、彼を狩れるのは私や他の狩人のみだ。だが、君らは恐らく会議を続けるだろう?だから、項羽・北束・東耶を主として話を続けてくれ」

 

「…え、僕ですかっ?」

 

急に自分が代わりに選ばれたことに驚く東耶をよそめに見ながら、

 

「東耶は機転もあるし、地頭がいい。ただ…良くも悪くも率直にモノを言うからな。そういった部分で何か大きなトラブルが起きたようなら、報告だけはよろしく頼む。解決に動くかはわからないが……」

 

と言っておく。前からそうだが、東耶は自身の本音を隠して合理的に動く癖がある。狩人的な視点で言うなら私情を挟まないようにできるところは美点だが、灰夜としては直すとまではいかずともある程度感情を優先してほしいところだ…予想として、考えで齟齬が起きて衝突するなら―――東耶と灰都だろう。合理的な東耶と感情的な灰都では普通は反りが合わないものだ。

 

「まぁいい。とりあえず、襲撃者の対応が出来るのが灰夜しかいねぇなら仕方ない…なら俺は少し南毅を迎えに行ってくる。あいつがいねぇと説明が難しいことが多いからな」

 

【なら、いったん全員自由にしてろ。北束が戻ってきたら再度開始だ…】

 

さっそく仕切ってくれている項羽と北束に内心で感謝しながら霧となろうとした時、机の中央に置かれた携帯とヒトラーから『灰夜!』「狩人!」と呼び止められた。振り向くと、東耶に持ってもらっているノイマンとポル=ポトの肩に乗っているヒトラーが近づいてきた。

 

「どうかしたか?ノイマン、ヒトラー」

 

「…心配する必要はないのかもしれない、が……無事に帰ってきてくれ、狩人。ボクは少なからずとも、き、ききき、キミのことを……た、大切に思っているからな!!///

 

『…ふふ、灰夜のせいで毒牙に掛かったものが増えているのは仕方のないこととして……私はオリジナルではない、だからこそAIとしてに近い言葉にはなってしまうが…オリジナルの分まで応援している。無事に帰ってこれるように祈っておこう』

 

2人の心配の言葉を聞いて、俺は思い出すことのなくなっていた昔を思い出してしまった。故郷で俺に笑いかけてくる灰色の髪に紅の瞳の女性…その女性も、俺のことを心配してくれていた……はず、だ。(彼女は、一体、誰なんだ……?いや、これ以上思い出せないな)と思考を完結させ、俺はすぐにヒトラーとノイマンに対して「…ありがとう。ちゃんと帰ってくるよ」と言って、AIであるノイマンにはできないがヒトラーの頭を帽子を取った上でポンポンとしてから霧となり……懐かしい気配がある森へと移動してきた。鬱蒼とした森で、どこか霧が舞っている。だが、俺はすぐにしゃがみ込み…はぁぁぁ、と深くため息を吐きながら木に寄りかかりながらしゃがみ込む。

 

「…困ったな、人として良くないが……二人とも大切にしたい。俺のそばにいてほしい……ったく、ゲールマンのことを悪く言えねぇなぁ…狩人って存在は重くなってしまうもんなのかね…」

 

嘆きながら感情を吐露し続け、ようやく落ち着いたタイミングで立ち上がり意識を灰夜から狩人としての思考に変える。ガスコイン神父と戦うなら、狩人として狩らないとな。

 

「…懐かしい限りだ。あの頃もこのように静かだった。そして近づけば近づくほど、死体に斧を叩きつける音が響いていた……だが、貴方はもう獣に堕ちてしまったのだな…」

 

右手に曲剣、背中にはその曲剣に取り付けることで一つの大鎌となる柄。左手には愛用するエヴェリンを持ちながら歩いていくと…前に座り込んでいた獣がいた。獣の姿でいるそれは、かつてのヤーナムで狩ることになった先達の狩人、ガスコイン神父だった。するとひとりでに私の周囲を漂う霧が一塊になり始めた。予想は出来てはいたが、やはり出てくるか……出てきたのは、私が救いあげ、狩人として育てたガスコイン神父の娘のアンネだった。*1

 

「―――お兄ちゃん、私もやる!」

 

「ふむ、やれるのだな?アンネの父親が相手だぞ」

 

「聞いてたからわかってるよ!でも、獣狩りとしても生き残った娘として…最後に弔いたいの!お願い、お兄ちゃん!!」

 

力強い意志を持ってそう豪語するアンネに、成長を感じてしまい涙腺が緩むのを感じるがどうにか抑え、師匠兼兄としてではなく、一狩人として返答する。

 

「…分かった。その覚悟、しっかり受け取ろう。私は援護に徹するぞ、アンネ」

 

「っ!ありがとう、お兄ちゃん……ううん、レイン!」

 

「どういたしまして。さぁ、やるぞ…!」

 

俺とアンネが構えると、ガスコイン神父は立ち上がり…咆哮をあげて、こちらにとびかかってきた………!!

 

―――――アンネ視点―――――

 

お父さんが飛び掛かってくると、お兄ちゃんが銃を撃ったことで動きが乱れたところに力強く振り下ろした。けど、お父さんは機敏な動きで弾いてきた。腕が痺れるけど、体勢は崩しちゃいけない!

 

「やぁっ!!」

 

斧を変形させて、弾かれた勢いを利用して振りかぶる。お父さんの身体に深い傷がついて、お父さんは「ガァァァ!!」と叫び声をあげた。痛そうだけど……このままにしておく方がお父さんは苦しいはず!

 

「お兄ちゃん、お願い!」

 

「任されよう、ふんッ!!」

 

お父さんの後ろに立っていたお兄ちゃんに声をかけると鎌で斬りかかった。気付いてなかったお父さんは痛みに苦しみながらお兄ちゃんを振り払った。お兄ちゃんも当たる前に下がったけど、どこか焦燥とした顔をしてる…?

 

「アンネ!気を付けろ、ガスコイン神父は―――私と同じ、()()()だ!!」

 

お兄ちゃんがそう叫んだと同時に、お父さんが葉っぱすら揺らすほどに咆哮をあげ……周囲を漂ってた霧がお父さんを包んだ。霧が晴れた時に居たのは………懐かしい、顔と姿をしたお父さんだった。目には光があって、私を見て静かに微笑んでいる………

 

「……愛しの娘、そして夜明けの狩人。改めて久しぶりだな」

 

「………まさか、逆だとは。だが、そうか…獣の病に侵されていても貴殿は強かった。であれば侵されていない姿が真の全力か」

 

「夜明けの狩人と名高い君にそう言われては、自身の実力を過信してしまうな………さて。愛しの娘、アンネ……元気にしていたかい?」

 

お兄ちゃんとお父さんが話してたけど、私の耳には入ってこなかった。だって…出会えるはずが、話せるはずがないと思ってたお父さんだから……!でも、抱き着きはしない。もちろん抱きつきたいけど、獣に油断してはいけないから。

 

「…お父、さん…っ!」

 

「………そうだ、獣に油断してはいけない。私が教える予定だったけれど、教えられなかったからね……彼には感謝しかない」

 

「……お父さんのお陰で、私強くなれたよ。お父さんがたまに見せてくれた動きのお陰で……お兄ちゃんにも褒められたんだ、すごいって……!」

 

「あぁ、受けたから分かるよ。強くなったんだね、アンネ……私も撫でてあげたいけれど、これには制限時間がある。だから、早く始めよう」

 

お父さんはたまに頭痛に我慢するように頭を抑えているからそんな気はしたけど、時間があるんだ……でも、そうだよね。会えただけ奇跡なんだもん………お兄ちゃんの横に立って、斧を構える。お兄ちゃんも横で鎌を構えた、どこかお兄ちゃんのようでお兄ちゃんのようじゃない構えだけど、お父さんは見覚えがあったみたいで、お兄ちゃんを見て「……狩人の祖、ゲールマンの構え………そうか、弔いを継いだのか。さすが夜明けの狩人………」と、なにか呟いていた。そしてお父さんも構え、静かな時間が過ぎ………3人一斉に、土煙が舞い散るほどの勢いで接近戦を始めた―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1




第14話、終了!

さて、ここでようやく主人公・マリア以外の狩人が2人出ましたね。アンネは女の子っぽく書くだけでいいんですが、ガスコイン神父の口調が分からない……こんぐらい爽やかでいいんでしょうか?ボス戦の時は病に罹っているからあの粗暴な口調だと考えているんですが………

次回第15話はガスコイン神父戦の最後までです、お楽しみに!

主人公以外のキャラの視点はいる?いらない?

  • いる
  • いらない
  • どちらでもいい
  • 主人公と三人称のみでいい
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