リィンカーネーションの花弁〜夢に囚われた狩人〜   作:アキヤマ ハルト

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読者の皆様方、こんにちは。書きだめを投稿してる関係で、これからストックを増やしていかなければいけないことに絶望している秋山悠人と申します。

いやはや、1話ぶりですね。まぁ書いたのは1話の後すぐなので文章に成長はございませんが……あ、それとなんですが。有識者の方にお聞きしたいこととして、使いやすくていい感じのフォントをご存じではありませんか?使いこなすのが難しいもので………活動報告の修正場所のところに書いていただけると幸いです。

では、第2話もお楽しみください!


第2話『獣狩りの狩人』

前回のあらすじ!!

 

ある高校に通う灰夜と灰都、そして東耶の3人はある満月の夜の高架下にて出会った。そこは今まで様々な事件を起こした連続殺人犯の男が妙な異形に変化して警官を殺している現場でもあった。そこにて灰都が輪廻の枝というナイフの説明をしたと同時に、灰夜は拾ったその輪廻の枝で首を掻っ切ってしまった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「……ノイマン。あれって輪廻返りしてないよな?」

 

 灰都が真面目な顔をして誰かに話しかけると、腰につけていた携帯の電源がひとりでにつき、声が聞こえ始めた。

 

ピピ……予測演算開始……あぁ、していない。私の計算でももう動かないという解になっている』

 

「……ナイチンゲールでどうにかならん?」

 

『ならないだろうな。彼が不死であるならありえるが、普通の人間であれば確実にありえない』

 

「そっか〜……ちょいと残念だ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()………」

 

『……なに?今、なんて言った?』

 

「ん?いや、輪廻返りしてるあたしより強いって……」

 

『……それは生物学的に人間とは言わないと思うが……』

 

 携帯からため息をつく音と共に、ずっと無視されていた巨躯の男がイラついた雰囲気で話し始めた。自分が蔑ろにされていることが嫌いなようだ。

 

「少年が輪廻返りできる才能がなかったようでとても可哀想に思えますねぇ……ですが、ずっと私のことを無視するのはやめてもらいましょうか!」

 

「うーん……お前のことは別にどーでもいいんだけど、コイツは放っておけよ?コイツ部外者だからさ」

 

 灰都が東耶のことを指さしながらそう言うと、男は「ふむ……?」と口にした―――直後に東耶のことを殺すために飛びかかった。

 

「………おや?」

 

 だが、そう動くと予想していた灰都が目にも見えぬ早さで東耶を引っ張って物陰に隠れた。それによって男は潰せていないことに驚いているようだった。

 

「わっかりやすい奴~……てか、東耶大丈夫?」

 

ははは……どうやら僕はかなり疲れているようだ。こんな幻覚は初めてだ……それもなかなかにファンタジックなもの、しかも灰夜くんまで出てくるとは……これは意外な発見だな………

 

「おいおい、こっちは現実逃避~?東耶にとっちゃ起こってることが現実な方がいいだろ、才能を得るチャンスなんだから」

 

 その灰都の言葉を聞いた途端に、東耶は驚いたような顔をして灰都の方を見た。

 

「さっきも灰夜にぽい話をしたけどさ。あの花弁は証なんだ、前世から才能を引っ張り出した証」

 

『さっきのあの青年が使ったナイフ、『輪廻の枝』で首を切ることで前世を遡り才能を引っ張り出すことを輪廻返りという。さっきから灰都が口にしていたな……そして輪廻返りを成した者を『廻り者』と呼ぶ。今はこの程度でいいだろう………あまり騒がしくするとあの男にもバレてしまう。ところで灰都、先程の彼の死体はどうなっている?』

 

「うん?んーと………なんだアレ?なんか、霧が死体から出てるぞ?それと、その霧を払おうと……ハミルトンだっけ?そいつが頑張ってる」

 

『やはりか……周辺一帯のカメラが止められている。こちらからは一切それを見れないんだ、携帯をそちらに向けられるか?』

 

「はいよ……これでどう?」

 

『……なんだこれは……演算結果がありえないものになっている。これが合っているとすれば、解は………()()()()()()()%()()()()、マイナスになるぞ……?』

 

「……てことは、どういうこと??」

 

「つまり……灰夜くんは死んでいない、と?」

 

『東耶の言う通りだ。死んでいるにしては妙………っ!?もう動くぞ!』

 

 ノイマンがそう言ってから灰都と東耶が灰夜の方を見ると、霧を出していた死体が粒子のように消え、霧も全て無くなった後に…………どこかから赤子の泣き声が聞こえた。そして獣の咆哮のような声もしたと同時に……さっきまで灰夜の死体があったはずの場所に、謎の男が立っていた。全体的に黒色の服、だが時代感が1900年代の異国の服装……頭に被った帽子には枯れた羽根が付いていた。*1

 

「ふぅ………久しぶりの力仕事、どうなるか……まずは貴殿を狩るとしよう、獣ではないがな。いや、肉に飢えた獣といえば獣か」

 

「貴方は……一体どなたですか?花弁が舞っていない……ということは廻り者ではない?」

 

「廻り者?……おそらく違うが、まぁそういうことにしておこう。ひとまず………潰れるといい」

 

ガキィィンッ!!

 

 何も持っていない状態で棒立ちしていたはずの謎の男はハミルトンに対してとてつもない速度で近付き、謎の車輪を振り下ろした。だがハミルトンも驚異的な反応速度で受け止めるが、力で負け始めた瞬間に後ろに下がった。*2

 

「ふむ………今のを受け止めるか。力はあるようだな」

 

「!?な、なんですか今の……!」

 

『……いや、そんな、まさか……』

 

「ノイマン?どした?いやまぁ、蘇ったのは驚くことだとは思うけど」

 

『いや、そうじゃない……動きが、予測できない?計算の一部にあの男を挟もうとすると、計算にズレが生じる………これは、一体?』

 

「……あれは、先程言っていた廻り者、なんですか?にしては異質なような………」

 

「んー………廻り者じゃないと思う。花弁も舞ってないし、舞ってるのは霧だし。でも灰夜のことだからなんかワケはあるよ、絶対。それに戦い方も灰夜と全く同じだからね、あの初手から殺りにくる感じは」

 

『……先に疑問を片付けるか。先程から灰都は灰夜と戦ったことがあるようだが、それは本当か?』

 

「あるよ?なんならあたしは輪廻返りして戦ってる」

 

『はぁ……秘匿しろというルールを破っていることは後で別で話すとして………灰夜は生身でか?』

 

「そそ。あたしは武器もいつも通りの2つでやって、灰夜は生身で木刀かな」

 

『………それで、灰夜が勝ってるのか?』

 

 ノイマンに問い掛けられた灰都は、ピタリと固まり………目を逸らしながら口笛を吹いて喋り始める。

 

「………ま、まぁいい勝負はしてるけどね!最後には負けるだけで!!」

 

『ふむ、完膚なきまでに負けているんだな……だとしたら、灰夜自身もああなったことは予想通りな可能性がありえるか……?』

 

「あ、でもあたしと戦ってる時に時折違和感あったかもしれんね。木刀を持ってるはずなのに、刀身の長さを間違えてたり………いつも使ってる武器が違かったのかも?」

 

「と、とりあえず………あの、灰夜くんは大丈夫なんですか?」

 

「うーん………確かに、問題ないとは思うけど~………あたしも戦いたいし、行ってくるっ!」

 

 そう言って竹刀袋から輪廻の枝を取り出し、首を掻っ切る灰都が倒れたのを東耶は背中から抱き止めた。東耶は平然と首を切って倒れる人を見ながらも平静を装おうとするような表情をしている。

 

「わ、分かってはいても驚きますね……」

 

『それはそうだろう。普通慣れることのないものだが、東耶も廻り者になるのなら慣れるさ』

 

「やはは、そうなるよ!あ、ノイマンよろしく東耶!」

 

 立ち上がりながらそう言って携帯を東耶に渡した灰都は、「……腹削ぎ、首刈り、来ませい」と言った。それと同時に両手に刀が一本づつ現れ、1歩踏み出すと………その瞬間にハミルトンのことを斬り飛ばしていた。

 

ザンッ!!

 

「おろ?今ので吹っ飛ぶんだ、もしや思ったより強くない?」

 

「いや、私と戦っていた分の体力消費と、気付いていなかったからだろう……あまり甘く見積もっていると足元を掬われるぞ、いつもの私との模擬戦のようにな?」

 

「うわ、いつもの灰夜だ!性格悪いぞ!」

 

「貴公は老人か………それで、貴公はなんのために来たのかね?」

 

「もちろん……戦うために決まってるじゃん!」

 

 灰夜の方を向きながら、ニヤッと笑った灰都を見た灰夜が「やはりそうか……戦闘狂は伊達では無いな」と言いながら右手を振ると車輪が消え、刀が鞘から出た状態で現れていた。

 

「お、刀使う感じ!?」

 

「貴公と共闘するならな。それに、私自身も刀の方が得意だ」

 

「ふっふっふ………今度殺りあおうではないか!」

 

「そう言うだろうな、分かっている。だが、まずはあの獣だ……さぁ、来るぞ」

 

 灰夜が刀を構えてハミルトンの方を見ると、ハミルトンが立ち上がっていた。戦闘が始まろうとする……そんな時に、学生が2人歩いてきた。学生2人は状況を理解できないまま、携帯で写真を撮っている。

 

「なになに?撮影?」

 

「なわけねぇだろ〜?うわ、すげぇでけぇ!?着ぐるみとかか?」

 

 男子学生がハミルトンに触れようとした瞬間に、2人一緒に巨大な手に掴まれ握りつぶされた。そしてハミルトンはその2人の潰れた肉、そして滴る血の一滴までもを口に入れていく。

 

「なっ!」

 

「………やはり、獣だったか」

 

 灰都が驚き、灰夜は冷静に反応していた。灰都は若いものとして当然の雰囲気、そして灰夜は()()()()()()()()()()によって平然としていられた。

 

「何してんだ、てめぇ!!!」

 

「ふぅ……カバーに回るか……」

 

 灰都が怒りのまま突っ込んだのを見た灰夜も遅れて走り出す。灰都がハミルトンを斬ろうとすると、ハミルトンの姿が残像を残して消え…………腹を殴られ、灰都が為す術もなく吹き飛ばされた。

 

「がっ!?」

 

「おっと……!」

 

 灰都が吹き飛んでいく直前で、その直線上にいた灰夜は灰都を受け止めたまま自身の周囲を漂う霧から出した火炎瓶を4個同時に落とすことで発生した火による煙でハミルトンから姿をくらまし、東耶のところへ向かった。

 

「………ひとまず、身を隠すことは出来たな。東耶、すまないが灰都のことを任せていいか?」

 

うえっ………わ、わかりました………

 

「……目の前で人が喰われたのだ、そうなってしまうのも当然。その感情は忘れることのないようにな」

 

 東耶の横の壁に灰都を寄りかからせると、こちらを探してキョロキョロと辺りを見回しているハミルトンの方へ向かおうとする。その時に、灰夜へ

 

『待て、灰夜とやら。お前、いや君は……その姿のことを知っているのか?』

 

 というノイマンの問い掛けが来た。立ち止まった灰夜は、ノイマンが話してきている携帯の方を向いた。

 

「……あぁ、知っている。この姿は、ある街にて蔓延した獣になる病に罹った者を殺すことで救った、狩人の姿だ。名を『獣狩りの狩人』という……では、灰都を任せたぞ」

 

 ハミルトンの方へ向かい始める灰夜の格好が少しずつ変わっていく………鴉の羽根がついた装束に、トップハットを被り………灰色のズボンに足を包み、なにか分からない意匠が記された手袋に変わった。*3

 

「人をお探しかな、貴殿?」

 

「……おやおや、あの少女は何処へ?まぁいいでしょう……喰われに来たのですか?あなた1人で勝てるわけが無いと思いますが?」

 

「かもしれないな。だが、一つ聞かせてくれないか?貴殿は、自身のことを血肉に飢えた獣だと思っているか?」

 

 肩を竦めながらそう言う灰夜。謎の問いかけをされたハミルトンは妙に思いながらも問いかけに応じた。

 

「……私は、獣ではないですよ。獣は紳士的な食事などできませんから」

 

「そうか………やはり、時代が変わろうと、獣はいるのだな………」

 

 どこか悲しんだような雰囲気を出した後に、剥き出しになっていた刀を鞘に仕舞い、取り出すと同時に血が刀身にまとわりつくようになった。*4

 

「問いに答えてくれて感謝しよう。その返礼に、せめて苦しまずに終わらせよう」

 

「勝てるといいですね、今の私に!!」

 

灰夜を掴もうと無防備に近付くハミルトン、だがその瞬間に動き方を改めることになる………その理由は、手隙になっていた左腕を斬り落とされたからだった。

 

「……!?」

 

「ふぅ………久しぶりだからか、鈍っているな。四肢を落とすつもりでいたのだが」

 

 そう言う灰夜はもう刀を鞘に仕舞っていた。気付かぬ間に腕を斬られたハミルトンは警戒度を上げ、動きを止めたが、それを見た灰夜は、「ふむ、攻めてこないのか?であれば……」と言いながら懐から淡く光っている骨を取り出し、握り潰した。

 

こちらから、やらせていただくとしよう

 

 とてつもない威圧感を放ち始めた灰夜は鞘に仕舞っていた刀の柄に手を置きながら走り出す。近付いてくる灰夜に対して腕を振るハミルトンだが、灰夜がステップを踏むと霧のようになって避けられてしまう。灰夜はそのまま走り続け、ハミルトンの首に向けて刀を振り抜く。それは居合いの要領であり………

 

「その首、貰うぞ」

 

「っ……!?」

 

 ひとたび刀を振れば………その瞬間に、斬られた者は苦悶の声すらあげることなく死する技だった。ボトッという音と共にハミルトンの首が落ち…花弁となって消えていった。

 

「YOU HUNTED……獣は須らく狩ろう、それが私が狩人たちから受け継いだ意志だ」

 

 血を振り落とし、鞘に仕舞うと同時に鞘ごと消え、代わりに杖を片手に東耶たちの方へ向かう灰夜。満月であったはずの夜月は、赤く染まっていた―――

*1
装備は狩人の狩装束

*2
ローゲリウスの車輪

*3
トップハット・鴉羽の狩装束・騎士の手袋・狩人のズボン

*4
血魂刀・千景




はてさて、第2話お楽しみいただけましたか?設定的に主人公である灰夜はブラボ基準で全エンドを終わらせて、最後にDLCエンドを終わらせた時に気付けばこの世界に新しい身体を得て来てました。記憶はあったけれど、過去の力(アイテムや装備を取り出す等)は使えない代わりに経験は残っていたので灰都と模擬戦やらをしていた、というわけですね。

ステータスはいわゆる最大値。武器・防具も全て揃っている、という形になります。独自設定として、最大強化された武器は使い続けることで名前に銘のような新たな名が付くようになります。なので千景は最大強化された上で灰夜の愛用です。

では、明日あがる第3話ではノイマンたち率いる偉人の杜とのご対面です。どうぞお待ちください!

主人公以外のキャラの視点はいる?いらない?

  • いる
  • いらない
  • どちらでもいい
  • 主人公と三人称のみでいい
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