リィンカーネーションの花弁〜夢に囚われた狩人〜 作:アキヤマ ハルト
今話から罪人軍と偉人の杜の戦闘になります、どうぞお楽しみください!!
偉人の杜にて罪人格であるヴラド三世の排除を手伝っていた灰夜。だが、そこについこの前同盟を結んだ項羽が!項羽が来たことで偉人の杜と別れることになったためスパイであるとノイマンたちに発覚!その結果、ノイマンが灰夜への想いを自覚し甘々な雰囲気になって別れた……その後にヒトラーたちとの模擬戦で勝ったため罪人軍のメンバーに認められ、戦争のタイミングを待つのみとなった。
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鞘のついた刀を地面に突き立てたまま棒立ちで立っていた灰夜は、周囲に突然増えた複数の気配を察知して、目を閉じていた状態から開いて一言呟く。
「…来たな」
【なんでオマエそんな気付くの早いんだよ、マジで……なんか見えてんのか?】
「慣れだよ、私の故郷はいつ何処から獣や鉛玉が飛んでくるか分からなかったからな」
【どんな世紀末都市だか…んじゃま、やるか。
「それで構わない。他は仕方のないものとして見よう……では、私は先に向かっている。幸運を祈っているよ」
【オマエもな】
刀を腰に提げ、城の正門から出ていった灰夜の後ろ姿を見ながら項羽はため息をつく。
【はぁ、あの殺意は慣れねぇなぁ……抑えるよう言ってみたものの抑えてあれらしいが、一体アイツはどんな場所で殺し合いをしてたんだ …?】
「………項羽、話は聞いているが本当にいいのかい?狩人の言ったこととはいえ、
【別にオレは構わねぇな。誰が来ようとどうにか出来るし、アイツも譲歩したんだろ…じゃなかったら交友のある人物、なんて縛りはつけねぇだろうしな。それに、オレがミスしてもカバーしてくれんだろ】
「ずいぶんと信頼してるね…」
【ま、オレより強ぇしな!とりあえず、5人以外は定位置につかせるぞ】
項羽の出した黒いモヤに入っていく罪人軍のメンバーたち。全員が入り、残った5人は各自で話している中、項羽とダルモンは穏やかに話し始める。
「……項羽、わたしはどうすればいい?」
【オレと一緒にいろ。そしたらオレが守ってやるから、心配すんな】
「…うん、わかったっ」
少し笑顔を浮かべながら頷くダルモンは、幸せそうな雰囲気を醸し出しながら項羽に寄り添っていた。
「ふーむ……まだ動き始めていないな。少し話に行くか」
気配が多くある方向へ、森の中を通りながら歩いていく。近づいていくと共に話し声が聞こえ始め、開けた場所に出ると様々な偉人格たちがノイマンの話を聞いていた。
『ようし、これで皆の役割が決まったな……ん?』
「あーらら、ちょうど作戦会議終わった?そりゃ残念、話聞けたならもうちょっと動きやすくなったのに……っと、危ないな」
ノイマンがこちらに気付いたため、少し演技するように話すとすぐさま一本の刀が首目掛けて向かってきたためすぐ後ろに下がる。ふむ…眼帯に和服の一刀流……なんだろうな。佐々木小次郎?もしくは柳生十兵衛かもしれないな……
「……お前は誰だ?」
「えぇ、それを先に聞くのが普通じゃないかなぁ…まぁいいや。どうやら俺の知らない人もいるみたいだし、自己紹介と行こうか………霧と病に満ちた都市にて、狩人は目覚める」
一つの文言を呟きながら、両腕を横に振ると…霧が辺り一面を埋め、晴れたと思えば花が咲き誇っていた。
「…私は獣狩りの狩人。ついこの間まで偉人の杜に居たけど、今はワケあって項羽軍に属している。だから警戒は解かなくていいし、奇襲もどうぞご勝手にしたまえ…夢から覚めたいのであれば、いつでも介錯するさ。そうだろう、
『……!』
後ろからする気配の者に向かって声をかけるとすぐさまノイマンの方へ逃げていった。これで全員か…気配としては16人かな。
「ま、今は警戒を解いてくれ、私は返事をしにきただけだからね……というわけでノイマン、少しだけ話を聞いてくれないか?」
『いいが、ここでするのか?』
「やはり、そうだったか……あぁ、ここでするとも。すぅ~、はぁ~……俺は君の想いを受け止める。だから、また素の君と今度話させてくれ…こんな返事しか出来なくてごめんな」
俺がそう言うと、ノイマンは少し不思議そうな顔をした後に『…わかった』と少し頷いた。簡単に返事ができりゃ良かったんだがな…しっかりと
「んじゃ、私は帰ろうとするか……あぁ、東耶は誰と進軍してくるのか聞いても?」
「僕は「東耶くんはこの船坂と共に行くことになっておりますよ」……そうなっています」
「お、船坂さんとか。なら大丈夫そうだな、頑張ってくれ東耶!あと灰都さんも」
「え、ついでなの私!?」
驚く灰都さんを横目に、森の中へ帰ろうとしたが……飛来してきた何かに向けて、振り向くと同時に刀を抜き放ちながら左手にエヴェリンを取り出し、構える。スパッと斬れたのがいったい何だったのかは………足元に落ちている銃弾を見れば分かることだった。
「…あー、そういやシモヘイヘもいるんだっけ……撃つのやめてよ、帰ろうとしてるんだし。あと貴方はうちのチームにも同じタイプがいるから、その人と殺り合って?俺はあんまり銃が好きじゃないから…あと、ノイマン。そこのパイロットっぽい廻り者はこの地においては動けないよ。じゃ、今度こそさいならー」
手を振りながら去っていき、どこに行くか悩み始める。確かヒトラーはポル・ポトと共に偉人の殲滅を担当することになっていたはず……じゃあヒトラーから手伝うか。東耶たちにはあの娘を経由して渡すし…
「さーて、いつもの口調で行くか……んー、んっん…では、行くとしようか。獣を狩る私の慣れたスタイルではないが、守護の戦いだ。全力で行くとしよう………!」
「まさか狩人殿が来るとは思わなかったでありますな。それも柳生殿の刀を簡単に避けるとは……さすがであります」
「………」
「…どうかしましたか、東耶くん?」
「え、あ……少し考え事をしてました」
「そうでありましたか。それは構いませんが、警戒は怠らないようお願いするでありますよ」
「えぇ、分かってます……」
船坂からの言葉に返答しながら、考え事を再びする。東耶の中で、灰夜の言葉はすごく違和感を覚えるものだった。
(素のノイマンと話したい…廻り者ではない時のことか?でもそれは彼も不可能だとわかっているはず……だとすれば———ノイマンの中に別の人格のようなものがある?だとすれば素のノイマンというのは本来の人格のノイマンということになるから違和感もないが………今のノイマンさんは普通の状態じゃない?それに、一体誰がそんなことを…?)
「東耶くん、少々考え事をやめれますか?」
「あ、はい。なにかありましたか?」
「いえ、目の前を見ていただきたいのですが……あれは一体なんだと思われますか?」
船坂に呼びかけられ、東耶が見たものは…おそらく罪人軍であろう者たちが倒れ伏し、その中でも体躯の大きい男の上に座っている少女だった。左手には散弾銃のようなものを持っており、右手には少しばかり小さめの斧を持っている。
「…少女?それも、罪人軍らしき人達を倒してますね……」
「ん〜、お兄ちゃんが言ってた人が来ないから私暇だよぅ……あれ?」
誰かへの文句を垂れながら、膨れていた少女は東耶たちの方を見て笑顔を浮かべた。
「あ〜!もしかしてお兄さんたちが…えっと、トウヤ?って人とフナサカって人!?」
「なっ……!」
自分たちの名前が知られていることに驚く東耶だが、船坂はすぐさま「えぇ、そうでありますよ」と返す。すると少女は倒れた男の上から跳ぶようにして降りると、東耶達に近付き……ある物を手渡した。
「やっと来た〜!これ、お兄ちゃんから渡してってお願いされたの!必要になる…とかって言ってたよ!」
少女の手にある3枚のカードには、赤色に染まった三日月が描かれていた。
「…これは、月のマークが入ったカード、ですね。月というとハミルトン・フィッシュが浮かびますけど……」
「ですが、これは違うであります。赤い月なので、おそらくは…狩人殿ではないでしょうか」
「灰夜さんが…!?でも、一体なんのために……それに、罪人軍の仲間だったはずでは?」
「こちらも分かりませんが、おそらくは悪意はないと思われますよ。ひとまず受け取るとしましょう」
「ですが、3枚だと1枚余りますね。ファーブルさんは気付いた時にはいないですし……」
「…むぅー、そろそろ邪魔だよお兄さん!」
何かに怒りを抱いたのか、左手の銃を仕舞ってから右手の斧の柄の部分を刃先の方へ引っ張ると同時に伸びる。それにより、とてつもない大きさの斧に変化し……刃の方ではない部分を少女は自身の背後へと目掛けて振り回した。すると、なにかにぶつかった音がした後に地面の石が飛び散った。
「な、なにかにぶつかった!?一体何が……」
「………なんと。気付いていたでありますか」
驚く東耶に反して、少し愕然とした雰囲気を出す船坂に東耶は聞いてみる。
「船坂さんは何が起きたのか分かるんですか?」
「……えぇ。東耶くんは長らく勘違いしていたようでありますが、ファーブルはずっと自分たちに着いてきていました。昆虫記などで知られるファーブルの才能は虫たちや様々な生物にバレないよう観察できていたことに関係する才能、いわゆる完全なステルスであります。一切の音や姿は分からないのでこちらも分からないのですが……」
「も〜、お兄さんが悪いんだからね!お兄ちゃんからのお願いを早く終わらせてお姉ちゃんの所に戻りたいんだから!」
「……そのファーブルが、あの子にバレて攻撃をされたと…そう言いたいんですか?」
「おそらくはそうでしょう。なにも居ないところに怒鳴りをあげていますし、間違ってないと思うでありますよ」
東耶と船坂はひそひそと話していたが、少女はどうやら満足したらしく……東耶たちの方に視線を戻し、ファーブルの分を紙を東耶に手渡した。
「仕方がないからあの見えないお兄さんの分はトウヤお兄さんが持ってて!」
「え!?わ、わかりました……」
押し付けるように渡された東耶が戸惑っているのも束の間、少女は嬉しそうに「よーし!じゃあ私はお姉ちゃん達のところに戻るね!このまま真っ直ぐ行けば、えっと〜……コウウ?おじさんがいるお城まですぐ行けるよ!」と言ってから霧に包まれるようにして消えてしまった……
「…霧で消えたということは、やはり狩人殿の関係者でありましたね」
「えぇ……灰夜くんが、こういった人を呼ぶことも可能だとは…」
「それももちろんのことですが、あの子は警戒を怠っていなかったであります。自分が動こうとすればすぐさま斧を振りぬけるよう構えていましたから…まるで歴戦の兵士でありました」
船坂が普通かのようにそう言うが、そんなことには気付いていなかった東耶はまたもや驚いた。それもそうだった……あの少女は東耶に対しては一切の圧を掛けず、船坂にだけ圧を向けていたのだから。気付かないのは当たり前とみてもいいだろう。
「ですが、僥倖な点もありました。どうやらこの先に地の中継地があるようですから、このまま突き進んで問題はないと思われますよ」
「そうですね、それじゃあ…」
「進みましょう」と、東耶がそう言おうとした途端に一つの銃声が聞こえた。東耶はすぐさま辺りを見回すが、もちろん姿は見えず、2個目の銃声もしない…東耶が疑問に思っている時、その銃声の発生元である、時計塔の天辺にて狙撃銃を構えていた男のチャールズ・ホイットマンは驚いていた。
「…これが、狩人どのの言っていた狙撃手か!私の弾丸を止めるとは……血沸く!」
ホイットマンが笑みを浮かべながら弾丸を放つも、再び止められる。どうやらマズルフラッシュを見てから弾丸同士がぶつかるように相手は銃を撃っているようだ。
「マズルフラッシュを見られては困る、だが次こそは
―――!」
スコープを覗くと、その瞬間辺りから音が消えた。風の音も、その風に揺れた時の葉の音すら……スコープから目を離し、ホイットマンが周りを見回すと一面銀色の雪景色だった。
第6話終了です!ここで説明するんですが、原作の方だと疑われていた東耶くんでしたが、本作の場合は灰夜がスパイと判明したことで東耶への疑いは沈静化しています。ただ、プライベートを尊重するとはいえ、頻繁に携帯の電源を切っているので船坂さんに監視を頼むほどではないけれど、ノイマンに多少疑われている形です。
ここからポンポンと展開が進んでいくわけですが、灰夜のみではなく他キャラの視点を書かなきゃかなぁ…と思っています!では、次回の第7話をお待ちください!!
主人公以外のキャラの視点はいる?いらない?
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いる
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いらない
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どちらでもいい
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主人公と三人称のみでいい