仕事を終え、ダラダラと帰っていた時、ちっこいガキがこちらに話しかけてきた。
「……すいません。えっと、泊めてもらえないでしょうか?」
面のいい女が話しかけてきて、テンションが上がっていたが、すぐに冷めてしまった。こいつは猫を被っていると……仕事上、怪しい人物を警戒しなくてはならない。
周りに人がいないのを確認して、ナイフを首元に当てる。当てても、パニックにならないことから、こいつは訓練された人物だと考える。見捨ててしまった方が楽だが、警察に通報されると面倒だ。
『記憶を曇らせる』魔術を彼女の意識がナイフに向かっている時に使う。咄嗟に反撃の体制を取っていたが、私の魔術が効く方が早かった。
「……すいません。えっと、泊めてもらえないでしょうか?」
「……いいよ」
彼女が敵対存在だとしても、ボロボロの服を着た人物を見捨てるのは、心が痛む。
彼女は嬉しそうな顔をしたあと、すぐに冷静を装った顔をした。
彼女を先に歩かせ、山奥にある家へと案内する。着いた瞬間に再度『記憶を曇らせる』魔術を使う。
これで彼女が逃げることはない。いや、逃げれることはない。隠蔽魔術を掛け直す。
短期間にかけすぎたせいで、意識を失ってしまったが、これはこれで好都合だ。彼女を家の中まで運び込み。身分証やアーティファクトを持っているかどうかを確認する。
アーティファクトではないが、身体から鱗が消えていく様子を目撃する。こいつは『インスマス』なのか……?いや、インスマスが人間になる魔術は発見されていない。……逆なのか?人間から『インスマス』になったのか?下着もつけていなかったし、こいつは痴女なのか?
「んんぁ」
不味い、意識が回復し始めている。あの魔術は前後の違和感を無くす副作用もあるが、この状況だと絶対に怪しまれる。私はすぐに風呂場に運び込んだ。私も入らないと違和感を持たれるのでは?考えれば考えるほど、全ての行動が怖くなっていく。
「え、その、やめてください。は、入ってるので」
「泊めてあげてるんだから、いいでしょ?私も予定があるからさ」
危ねぇーー!不信感は持たれたが、違和感は持たれていない。
恐らく、キモイなどの不快感が勝ってくれた。サンキュー私。ナイス判断だ。……せっかくだから…
私は、彼女の背中を撫でるように触った
「ひっ!や、やめてください」
おいおいおいおい、期待以上の反応をしてくれるじゃーあないか。
その後も、胸を触ったり、抱きついたりもしたが、反抗されることはなかった、
『泊めてあげてる』その一言が効いているのだろう。
彼女は、少女のようだった。彼女の年齢を高く見積って20だとしても、自分の体の洗い方がたどたどしかった。親に教えられたり、温泉などで他人の洗い方を見たことがないのか?
「ちょちょちょいまって。初めて洗った?」
こいつは、ショゴスかなんかか?
「いや、あの記憶が曖昧で」
いや、そんなことはない。自転車がいい例だ。例え、乗り始めた時の記憶がなかったとしても、体が覚えているはず……本当にショゴスなのか?
「仕方ないなぁ〜、私が洗ってあげるよぉ」
「……いや、いいです」
「いいですじゃあないんだよ。汚いの」
「……はい」
しっかりと教えながら、弄った。色々
洗い終わったあと、湯船にも入らず、顔を赤くして飛び出てしまう。しかし、服がないと気づき、風呂場に戻ってきた。
「あの、すいません。服を貸していただけないでしょうか。えっと、なくて」
「いや……かな。」
「あ、そ、そうですか。」
……あっちにあるな……どうしよ。彼女は焦った様子で、玄関に向かい、逃げようとする。それを見て、私はすぐに追いかけた。
「……まだわかんない?お前が下で私が上なの。わかったら、返事しなよ。あ、ごめん。そもそも返事出来なかったね。ふふ」
服がないことに、絶望している彼女が再度逃げることがないように、首を絞め、痛めつける。何度も何度も魔術を使って、精神的に追い詰め、何度も何度も体に教え込んだ。だが、記憶があると厄介だ。戸棚に隠してあった宝石に触れ、魔力を戻す。そして、『記憶を曇らせる』魔術を使った。
彼女の体が覚えているのだろう。首を絞められた記憶しかないのに、あんなに声が震えていたのだから
「ご、ごめ……んなさい。私をここに置いて……ください」
私は、口角が上がってしまうのを抑えきれなかった。
『記憶を曇らせる』
これ使えば、色々できるんですけどね