目玉   作:kkrr

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ハッピーエンドの中のハッピーエンドにするか、


ハッピーエンドの中のバットエンド……メリバにするか迷ってます


正体

ビビビビビ

 

自分の携帯が鳴り、面倒だと思いながら、電話に出る。

 

「…もしもし」

 

「あなたが、我々に情報共有をした魔術師ですね」

 

スペアの携帯から、掛かってきたため、個人情報はバレていないと考える。

 

「……な、なな、なんの事だか、さっぱり……」

 

「……そうですか……いえ別にそれはもういいのです。義勇軍として、兄弟団からの襲撃を守って欲しいのです」

 

「……?兄弟団の襲撃ですか……銀の黄昏ではなく?」

 

「はい、銀の黄昏によって、窮地に立たされた兄弟団が、苦し紛れに繰り出した苦肉の策です。正直、その情報を得た時、理由がわからず困惑していたのですが、貴女が情報をくれた事でわかりました。」

 

「…私じゃないですけどね……それで、襲撃の護衛ですが……断らせてもらいます。」

 

「!?」

 

まさか、断られるとは思っていなかったのだろう。電話の向こう側から驚きの声が聞こえてくる。その後、脅しをしてきたが、逆探もできないようにしている私に死角など……ない!

 

 

その後も交渉は続いていたが、断り続けた。面倒くさくなったのか、途中から小馬鹿にするような発言を何度も言い続けた。だから、彼らの逆鱗に触れるのだろう。

 

 

 

「……この手は使いたくありませんでしたが、仕方がありません……!」

 

あまりに堂々とした言い回しで、ライカに緊張が走った。そんなことを言って動揺を誘っても無駄だと伝える。しかし、それでも彼らの雰囲気はかわることがなかった。やがて、準備が完了したのか、

「これでおわりだ!」

 

10秒たっても、何も起こらない。ただの虚仮威しかと思い、ソファに腰を下ろす。その瞬間、地面に魔法陣が出現する。驚きのあまり、口を開いたまま、何も出来なかった彼女はそれを止めることはなかった。

 

冒涜的で見ているだけで気分が悪くなる生物が私の前に姿を表した。これはなんだ?下級神話生物を掛け合わせたような見た目をしている。

 

困惑していると、政府の人物から、それはセイカが作った失敗作だと言われる。彼女が危険な人物であることを再認識する。セイカを抱え、門の創造をしようとする。しかし、そのためにはここに貼っている結界を解除しなくてはならない。しかし、これを解除した場合、国に場所がバレてしまう。

 

 

「くそ、ここでやるしかないのか……セイカ起きて!」

 

彼女が意識を失ってから、まだ少ししか経っていない。最短で10分は必要だろう。セイカが目を覚まさない様子を見て、決心をする。

 

 

電話の向こう側から、げらげらと甲高い声が響いている。それにイライラしながら、呪文を唱える。魔力を全て捧げ、繰り出した一撃は、キメラの心臓部を穿った。しかし、邪悪な雰囲気を漂わせたそれは、再生をする。こんなことはありえない。彼女は驚きの表情をかくそうともしなかった。それは、魔術に色々な細工をし、再生能力がある敵でも一撃で葬れるように何度も試行錯誤を繰り返したからだ。

 

ため息を思わず吐いてしまう。面倒くさそうにポケットから赤く輝く石を取り出し、再度呪文を唱える。唱え終わったあと、神話生物の集合体であるキメラは、バラバラになっていた。

 

門の創造の応用技であるこの技は、多大な魔力と精神的を必要とする……だから、思いついても実行に移す者は、少なかった。

 

「ふぅー、危ないところだった。……もうこんだけしかないじゃん!」

 

しかし、彼女の精神はなくなっていた。SAN値が0であるため、正気を捧げる必要性がないのだ。彼女の本当の名は、『アン・シャトレーヌ』何百年と生きた魔術師だった。ではなぜ、こんなにも歳の割には幼い発言を繰り返していたのか、それは実験の失敗による記憶の欠如だった。

 

記憶がなくなってしまったアン・シャトレーヌは、銀の黄昏に連絡を入れずに、自分探しの旅に出た。当然だろう、記憶がなくて自分が自分でない恐怖に襲われたのだから。記憶はないが、経験はあった。風呂や買い物、そういった行為だって体が覚えていた。何不自由なく、生活していた彼女は、日本に住むようになった。

 

そこで、人格が形成され始めた。アン・シャトレーヌのことを知っている教団員はそのことを本部に報告せず、彼女に全てを捧げた。自分の好きなように生きた彼女は、本来の性格からかけ離れてしまったが……

 

 

教団員のコネで仕事と戸籍を得た彼女は、いつしか自立し、起業をするようになった。そこで、何年も生活している内に、過去のことを忘れるようになった。『アン・シャトレーヌ』として生きてきたという意識も、なくなっていった。

 

あまりに帰ってこないトップに不安と不信感を抱いたのだろう。銀の黄昏は暴走を開始する。アン・シャトレーヌの提案した政策に背を向け、他教団のことを気にしなくなった。

 

 

現在にもどる

 

熟練の魔術師であることを再認識した政府は、警戒レベルを高めた。そして、彼女を手駒に収めたいと思うようになった。先程の行為を謝り、セイカの身元を保証するといった。

 

どうやら、『輝くトラペゾヘドロン』は、ナイアルラトホテップが元凶である可能性が出てきたかららしい。研究室に入り込む姿が確認できたと言われた。

 

あちらの要求が変わり、セイカの身分を保証する代わりに作戦に参加しろとなった。作戦への参加は、渋々認めるとして、セイカの身元は保護させないことにした。代わりに、魔力を貯める石を大量に請求することとした

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