VRロボゲの元絶対女王を隣の席の俺が幸せにするまで 作:Amisuru
最終話です。
よろしくお願いします。
「──ってな感じなんだけど、どう……かな?」
「────」
……
未来の公式大会で、俺と渡良瀬が死力を尽くした名勝負を繰り広げるという──今の時点では、荒唐無稽に過ぎる俺の妄想。
果たしてこいつは、どんな風に感じただろうか。俺の語った夢物語を。
俺の考えていた『
「──陽彩くん」
ほんの少しの沈黙を挟んで、渡良瀬が口を開いた。
声だけでは、その感情を読み取ることは出来なかった。
「初めに言っておきます。今から私が口にするのは、私の中にいる──『serin』としての意見。あなたのことを愛している、渡良瀬凛音という女の子の言葉ではないと──そう捉えて頂戴」
「……お、おう」
……本当に、当然のように。
急に言われると心臓に悪い。この辺りの覚悟の違いが、ギーザーが言う釣り合いの差ってやつなんだろう。
だけど俺は──その気持ちに、応えてやりたい。
巷じゃきっと、こういうのを激重感情とか言うんだろうけども。
こんなの全然重たくないぜって、堂々と言えるような。そんな自分に、なりたいって思う。
──などと胸中で、決意を新たにしている
続けて放たれた、渡良瀬の──否。
『serin』の言葉は俺にとって、青天の霹靂とでも言うべき、衝撃だった。
「だったら、あなた──
「……!?」
「今すぐランクマッチに潜るなり、
……それは、本当に。
もう一つの人格が顔を出したかのような、豹変っぷりであった。
ただひたすらにストイックで、妥協を許さぬその姿勢。人一倍の時間を費やし、自分を突き詰めろと煽り立てる、その有り様は。
──紛うことなく、
「……陽彩くん。あなたのその計画、お母さんが私達の活動に期限を設ける前に思いついたものでしょう?」
「……当たり」
「そうだと思ったわ。今のあなたの実力で、特別な努力もせず1年ちょっとで私を追い抜くつもりだったのなら──流石の私も、再びあなたの首へと手が伸びていたかもしれないもの」
「……せめてそこは、手を出す前に6秒数えてくれるとありがたいね」
「あれは無意味よ」
それについては全面同意します。
そう──実際、1年や2年で達成出来る目標と思ってはいなかった。大学入学後、或いは社会人になってからも
だからその頃まで、根気強く俺も努力を重ねていけば。
遠い遠い
「……あのね、陽彩くん。確かにWTは買い切りゲーだから、ソーシャルゲームのようなサービス終了の心配はないけれど……公式大会の方は、いつまでも開かれるとは限らないわよ?」
「──あ」
「それにあと数年もすれば、WTにだって続編か何かが出ているかもしれない──勿論そちらに舞台を移すというのならそれでもいいけれど、そもそも期限を設けないというのが良くないわね。これは私の読んでいる、とある漫画の受け売りなのだけれど──」
と、今更になって間抜けな気付きを得てしまった俺に対して。
「いいかしら? 陽彩くん。目標に期限を設けないというのはね、自分の失敗を正しく認識出来ないことに繋がるのよ」
「……うん?」
「仮にあなたが、来年になっても私との実力差を埋められないままだとしましょう。それでも期限を設けなければ、またその来年、再来年──と、成功か失敗かの判定を無限に
「……お前、その理屈──」
「だから、期限を定めるのは努力の結果と向き合う手段の一つになり得るという話よ。──何か言いたげな雰囲気を醸し出しているわね? 陽彩くん」
「いや……もしかしなくても、お前の読んでるその漫画ってさ……」
たった今、
実に──実によく、
この話の出てくる回はもう、10回以上は読み返したと思う。いつまで経っても
まあ読み返すだけで、実践に移せてはいなかったんだけれども。今の今まで。
とにかく──
実に、よく、知っている。
「──ええ。あのお母さんもビジネス書代わりに購読している上に、世界の大谷翔平選手までもが読んでいると評判の大人気漫画よ」
「急に露骨なマーケティングが始まったな……」
「とにかく、知っているなら話は早いわね。それなら──今のあなたが私を目標にするというのが、どれだけ
「……ああ。
とある漫画の理屈はこう続く。目標を達成出来ず
この問題は己を知り、適正な
その
「──お前の言う通り、まずはひたすらランクマッチに篭りまくる。そんでもってまずは──
「──ふうん?」
「そこから先は、昔のお前と一緒だよ。ただひたすらに勝ち続けて、負ける度にリプレイを見返して、敗因を徹底的に洗って、対策をしっかりと練った上で再戦に臨む──愚直にそれを繰り返す。俺にはお前ほどの
一段。そして、また一段。自分が登れる小さいステップを踏み越えて、着実に力を付けていく。その行動を、努力と呼ぶ。
今までの俺は──WTに辿り着くまでの、早々とゲームを投げ出して次の
赤嶺陽彩、自認香取葉子です。他の奴が言ってたら問答無用で殺しに行ってるわこれ。キリトかなーやっぱwとか言ってる奴より生かしておいてはいけない存在だと思う。世界のために。誓って胸は盛ってません。
「──そのやり方で、強くなってみせるよ、俺も。来年の8月までに間に合うかは、かなり怪しいところだけどな。階段理論に同調しておいてアレだが、やっぱこうなると何かしら
「──あら。おかしなことを口にするのね、陽彩くん?」
などと、ようやく大まかな方針のようなものを打ち立てかけていた俺に対し。
俺の目標であり、WT最強のプレイヤーでもある少女が──実にあっさりとした調子で、言った。
「
「──は?」
「今日から1年4ヶ月、私が直々にあなたを鍛え直してあげるわ、陽彩くん。『
「い──いやちょっと待て。お前に勝つためにお前自身に教えを乞うっていうのは、なんていうか……」
「そんなにおかしな話かしら? 世界で一番売れている漫画のキャラクターだってやっていることよ。目の前に世界一の
眼鏡になったり三刀流になったり忙しいな今日の俺は。
だがまあ、確かに──理には適っている。これ以上の存在なんて、
そのやり方で、こいつの
他の一切は、些細なことだ。恥も外聞も知ったこっちゃないね。
「……ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い致します。
「うむ。よろしい」
粛々と頭を下げる俺に対して、満足げに腕を組んで頷く
本当に、心の底から楽しみにしているのだ、こいつは。
たった今生まれたばかりの弟子が、いつしか自身の喉元へと喰らいつく日が来る──その時を。
俺は今、間違いなく──
かつて、その重みに耐え切れず折れてしまった一振りの
何せ俺は、
こいつに喰らいつくためなら、矢でも鉄砲でも杭打ち機でも何でも使うことだろう。
だからまあ、アンタよりは
もうWTのことなんざ、忘れちまったかもしれないが──草葉の陰から見守っててくれ。今はまだクソザコの、後任者のことを。
勝手に殺すなっつってぶった斬られそうだなこれ。いや本当に、結局どんな奴だったんだろうなあ……ワンチャン復活ねえかなあ……。
いや別に、会ったところで何が起こるでもないとは思いますけどね。
「さあ、そうと決まったら忙しくなるわよ? 陽彩くん。これからあなたは私と毎日、寝る間も惜しんでWT漬けの日々を過ごすのよ。朝から晩まで四六時中──と言っても流石に、もう学校をサボってまで遊び呆けようとは思わないけれど。高校生活は優等生で過ごすと決めたものね?」
「……言っとくけど、そんな生活してたら休まなくたって100
「そこは9月から死ぬ気で追い込んで挽回しましょう。大丈夫よ、高校だってそれで無事に受かったんだもの。ソースは私よ」
「……なあ。思ったんだけどさ」
意気揚々と未来への展望を語っている
だが、それよりも。
今の俺が一つ、引っ掛かっているのは──
「──お前は本当に、それでいいのか?
「────」
──そう。
最初にこいつはこう言った。今から私が口にするのは、私の中にいる『serin』としての意見である──と。
……それなら。
今日から1年4ヶ月、WT漬けの生活を送って。そこから先は死に物狂いで、受験勉強の日々を過ごす。仮にそんな高校生活を、俺達が送ろうというのなら──
……俺達は、大学に合格するまで、その。
いや、まだ肝心の告白もしちゃいないんだけどさ。確かにこいつさっき言ったよな? あい──いや、まあ、とにかく。
こいつ自身、
にも拘らず、これからの約2年間を丸々、WTと学業に費やそうというのは──
……『serin』ではない、
そんな女に惚れてしまった、一人の男としては、思ってしまうのでありました。
「……そうね」
その相槌を吐き出すまでに、こいつが費やした沈黙は。
先の渡良瀬凛音から、『serin』に切り替わるまでのそれより──遥かに、長かった。
「それじゃあ、マイクを切り替えて──渡良瀬凛音としての意見を、口にさせてもらうわ」
「……今更なんだけどさ。二重人格とかって訳じゃないんだよな、お前」
「──そんなもの、この世に存在なんかしないわ。陽彩くん」
不意に思い浮かんでしまった、俺の馬鹿げた考えは。
当然の如く一瞬で、切って捨てられた。
「こんなのは所詮、ただの
「……ま、そうだよな」
「……でもね? まるっきり矛盾するようなことを、口にするのだけれど──」
そう言って、また一歩。
俺の方へと、渡良瀬は足を前に進める。
黒髪の少女の顔が、今や目と鼻の先にある。仮にこれが
そのままゆるりと、
本当にささやかな、押し込まれる感覚。実際に触れられている訳でもない、電気信号が生み出しているだけの──
好きな女の子に寄り添われているような、
それはただの、
たったそれだけのことで──心臓が、跳ねる。
その鼓動までは決して、彼女に伝わることは、ないのだけれど。
「わ、渡良瀬……?」
「……ねえ、陽彩くん。
「……は?」
「もしかしたら、今のWTにはいるのかもしれない──3年前には存在しなかった、『serin』を満足させてくれるような強者が」
「…………」
「……でもね? あなただけなんだよ。渡良瀬凛音も、『serin』も──
その言葉と共に。
左胸を押し込む
最早寄り添われているというより、寄りかかられていると言った方が近かった。
今の渡良瀬は、俺の身体に──全てを、預けていた。
「──私、どうしようもなく欲張りなの。だからあなたには、どっちの私も
「────」
「あの時あなたが、お母さんに言った通り──『serin』という名の私も、幸せにしてみせて?」
「……わかったよ」
……そういうことなら。
確かに他の誰にも、譲る気なんて起きやしない。
──ああ、なりたいね。
心の底からそう在りたいと思ってるよ、兄者殿。
アンタなら知ってるんじゃないかな。英雄っていうのは英雄になろうとした瞬間に失格になる、なんて言葉。俺も世代じゃないんだけどさ、ギーザーが観ろ観ろやかましいから全話観ましたよ。
まあとにかく。
それでも俺は、渡良瀬にとっての
別に世界を救うとか、悪を倒すとかそっち方面の活躍にはまるで興味がない。ただ一人、渡良瀬にとっての
そのくらいの願望であるなら、かのスーパー弁護士様も許してくれることだろう。
──仮に
その物語の
「きっちり幸せにしてやる。表も裏も、二人まとめてな。だから──ちょっとばかし待っててくれ、
「……うん。待ってる。──先に私が
「……どっちもお前なんじゃなかったのか?」
「だから言ったでしょ? 矛盾してるんだよ、私
……いやはや、まったくもって。
何ともややこしい女を、好きになってしまったもんだ。
とはいえ、だからこそ──やり甲斐がある。
必ず成し遂げてみせよう。世界で俺しか達成することの出来ない、偉業ってやつを。
渡良瀬凛音絶対幸福
それは面倒どころか、実に──胸が躍るような試みに、違いなかった。
「……でもね、陽彩くん」
「──あ?」
「流石に今から2年間、何の
「……あー……」
……それは、うん。
そりゃ、つれぇでしょ。
何なら俺だって辛い。2年間だぞ? それもただの2年じゃない、貴重な貴重な高校生活の2年間だ。正直、俺がそんな甘酸っぱい願望を抱く日が来るとは思ってもみなかったけれど、
……とりあえず、手の一つくらいは、繋いでみたいし。
中学生かよって思ったか? そこのイマジナリー
実際のところ、まるで経験なんてないんだけど。
……いや本当に、我慢出来るかな、これから2年。
何処ぞの乙女座の男じゃないが、俺は我慢弱く落ち着きのない男なん──
「……だからね? 少しだけ、
「──は?」
「……そのまま、ね? 動かないでね、陽彩くん──」
などとまあ、取り留めのない思考にリソースを回していたものだから。
その
「──ん……」
──ちゅっ、と。
俺の口元で、俺のものではない唇の、震える音がした。
ただでさえ近くにあった渡良瀬の顔が、今や視界を埋め尽くすほどに広がっている。いつの間にそんなものを使ったのか、
──その唇は確かに、俺のものと、重なり合っていた。
口付けを、交わしたのだ。
それでも今、紛れもなく──
──キスされたのだ、俺は。
他の誰でもない、渡良瀬凛音という、女の子から。
「──は、ぁ……」
そして、ゆっくりと。
吐息と共に、少女の顔が、離れていく。
気のせいだろうか──いや、だろうだなんて言葉を付け足す必要はない。それは絶対に、錯覚以外の何物でもあり得ないのだけれど。
それでも、ほんの一瞬。
ただの
ほんのりと朱色に染まっているのを、見たような気が、した。
「……今のところは、
「────」
「……だから、続きは一旦お預け。これから2年の時が過ぎて、『serin』のことを幸せにしてもらって、
その言葉と共に、少女の瞼が開かれて。
真っ直ぐに、俺だけを見据えて。
言った。
「──今度こそ、本当に──
「……!」
「わっ、私──もも、もう寝ちゃうね! おやすみなさい陽彩くん、またあした!」
「──な、あ、ちょ──」
一方的に、言うだけ言って。自分で勝手に、恥ずかしがってる有様で。
実にあいつらしい、締まらなさ加減で。渡良瀬の姿は、ブロックノイズの中へと掻き消えた。
残されたのはたった今、とびっきりの不意打ちを貰い、まだ混乱から立ち直れていないままの──
──とんでもない
「……なんて……なんてことしやがる、あの野郎……」
……恐ろしい。
渡良瀬凛音。あいつは、とんだ──魔性の女だ。
そんなの──そんなのな、お前──
……
どうなっても責任取らねえぞ、俺は。
責任を取らないといけなくなるようなことは、しでかすかもしれないけれど。
段階がどうとか知ったことか。何もかもあいつが悪い。
上等だよ。耐えてやる。耐え抜いてやる、今から2年。
ただし、その代わりに。
本当に2年の時が過ぎて、俺もお前も気持ちに変わりがなかったら、その時は──
……その間に積み重ねた
泣こうが喚こうが何しようが、DV男と言われようが、もう知らん。
それはもう、お茶の間にお届け出来ないくらいの──
……
──半ば衝動的に、そこまで考えて。
ようやく、肝心なことを一つ、思い出した。
……結局、
いやまあ、流れ的に仕方ないっちゃ仕方ないんだけど。
それでも、やっぱり。
こういうことははっきり、言葉にして伝えるべきだと、思うから。
──今度こそ。
「──はあっ、はあっ、はあっ……!」
──熱い。
自分でも信じられないくらい、身体中が──熱い。
私──ああ、なんてことを。
勢い余って、とんでもないことを、してしまった。
「あ、ああっ……あーっ! あ──っ! うわああぁ──っ!!」
「リンちゃん!? 本当に大丈夫なのリンちゃん!? お母さんまだ入ったらダメ!? お願いだから無事を確かめさせてちょうだい!」
「あー、うん。もう僕らの出る幕は完全に無さそうだから失せようか瞳さん。後は若い二人に任せてごゆっくりってやつだよ。──青春だねえ、リン」
部屋の外から何か聞こえるけれど、もうそれどころじゃなかった。
恥ずかしい。恥ずかしすぎる。流石に
結局私達、まだ恋人にも
気持ちだけが先走り過ぎて、ブレーキが効かなかった。
私はやっぱり、どこまで行っても、止ま
「──はあああああぁ……あぁぁぁあ……」
スーツを脱ぐのも忘れて、崩れ落ちるようにベッドへと倒れ込む。ゴーグルを外したばかりの頭をぐりぐりと枕に押し付けて、そのまま暫く身悶えしていた。芋虫か何かのように。
それでも確かに、してしまった。
私──私。
陽彩くんに、キ──キス、しちゃったんだ……。
「……うあぁぇう」
口から意味不明の呻き声が漏れ出した。
どうしよう。どうするの、こんなので。
こんな
──
私は──私達は一体、どうなってしまうんだろう……?
「……好き……」
ああ──もう、本当に。
それだけしか、ない。
「好き……陽彩くん、大好き……」
……この気持ちを。
無理です。無理。絶対に無理。何なら今すぐにでも逢いたい。今だからこそ逢いたい。この身体中の熱が冷めないうちに、彼の胸へと飛び込んで──
──後はもう、好きなように。
「…………!」
ぎゅうううっ、と。
羽交い締めするかのように、掛け布団を抱き込む。
ああ──そういえば、私。
彼のことも、こんな風に、抱き締めたんだっけ──
「──陽彩くん……陽彩、陽彩……私の、私だけの──」
──
ああ──私、本当に。
転生なんか出来なくて、本当に、良かった。
この世界で、彼と出逢えて──本当に、良かった──
『……駄目よ、まだ早い。
逸る気持ちを落ち着けるように、胸の内から声がする。
うん──そうだね、理解ってる。
理解ってるよ、
ああ──どうしよう。二重人格なんかじゃないって、彼には言ってしまったけれど。
今の私は、もう。
──
彼に──赤嶺陽彩に、恋してしまっている。
(そう……そうだよね。私が本当に
『ええ、そうよ。だから今日はもうお眠りなさい、私。明日もまた、学校で彼と逢うんでしょう? 好きな男の子に寝不足のむくんだ顔なんて、見せたくないじゃない?』
(うん、そうだね──そうする……)
──だからこれも、一種の
なんだかもう、本当に声が聞こえるような気もするのだけれど。
とにかく、そんなやり取りのおかげで。
どうにか私は、夢の中へと落ちていくことが、出来そうだった。
(ああ……だけどその前に、着替えなきゃ……)
ついでに言うならシャワーも浴びたい。いや、そこまで汗を掻いた訳ではないのだけれど。
今の私は盛大に、身体が火照ってしまっているから。
冷や水でも浴びせ掛けないと、収まる気がしない。この熱は。
きっとどれだけ浴びたとしても、冷めることなんてないのだろうけれど。
私が初めて、
「…………」
……あと2年。
2年間、この想いを育てていくのよ、私。
そうして、今度こそ。
──かくして、この日。
とある二人の少年少女が、胸中で一つ、誓いを立てた。
初めてまともに言葉を交わしたのは、3日前。
少女の方に気持ちが芽生え始めたのが、2日前。
少女が完全にその気持ちを自覚したのが、1日前。
そうして、二人はすれ違い──少年もまた、己の本心を理解して。
互いが互いを想い合えるようになったのが、今日の話。
そんな彼らが、一体。
やがて訪れる
……ええと、はい。
要するに、結局のところ。
この二人の滑稽な
つまりはそういうこと、らしかった。
……バカ……!
これにて完結(暫定)です。
暫定というのはどういうことかと言いますと、
数日前までのUAの枯れっぷりにこりゃ続き需要ねえな…と思った作者が
本作に見切りを付けてひっそりと別の話を書き始めてしまい、
今はそちらの書き溜めを作る方に力を注いでしまっているためです。
ところが幸運にも某作者様にXで取り上げて頂いたことからぽつぽつとUAが増え始め、
お気に入りや高評価も一定数頂けたことから
『完全にぶん投げるのはまだ早いんじゃないか…?』くらいまで気持ちが傾いてきましたので、
一旦保留の意味も込めて完結(暫定)という形にさせて頂きます。
スラムダンクの第一部完みたいなものだと思って下さい。それ永遠に続き出ないやつじゃんね。
でも25年後くらいに作者自ら手掛けた新作映画が出たりするかも、くらいの気持ちで。
お待ち頂けたら幸いでございます。
ご愛読いただきありがとうございました。
ワールドトリガーは毎月4日発売のジャンプSQにて好評連載中です。応援よろしくお願いします。