ウマ娘プリティーダービー 4th season 妄想プロット   作:サンデー狂

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11R 八重咲のライラック

アバンシーン

 

シュヴァルはイギリスに遠征していた

 

そのイギリスの滞在先のホテル(サトノグループ系列)にて・・・

 

シュヴァル(また惨敗、ドバイの勢いで遠征したけど、明らかに衰えがある・・・。世間の声も痛い・・・)

 

 

世間の声A「日本で強いウマ娘に勝ったっていう触れ込みだったけど、ありゃ期待外れだな」

 

世間の声B「ゼンノロブロイとかいうやつの方がよっぽど強かったよな。ヨーロッパの芝で2着だぜ」

 

シュヴァル(僕のジャパンカップの栄光もアーモンドアイの大レコードで塗りつぶされた・・・。アーモンドアイめ!!)

 

その瞬間、シュヴァルの瞳からハイライトがゆっくりと消え始めた。

 

心の奥底で、何かが音を立てて崩れていく感覚がした。

 

シュヴァル(心の声)

(……もう、いい。輝きなんて……いらない。アーモンドアイ……キタサンブラック……スピカの連中……。全部、憎い……)

 

窓の外ではロンドンの雨が激しく叩きつけ、部屋の明かりを揺らめかせる。

 

シュヴァルは壁に背を預け、ゆっくりと目を閉じた。

 

姉たちの輝きに隠れ続けた劣等感も、かつてジャパンカップで掴んだ栄光も、すべてが黒い渦となって胸を埋め尽くしていく。

 

シュヴァルの心も、暗く染まっていった。

 

 

 

本編

 

夏合宿

 

スピカはアイの活躍に伴い、リギルが使用しているホテルのトレーニング施設を数日のみではあるが使わせてもらえることとなった。

 

施設の一角で、テイオーがエアグルーヴに声をかけた。

 

テイオー「エアグルーヴ、カイチョーはどこ?」

 

エアグルーヴが少し疲れた顔で答えた。

 

エアグルーヴ「会長は今、コントレイルとデアリングタクトの師として練習に付きっきりだ。おかげで私に生徒会の仕事が回ってきて……。ほぼ抜けたブライアンの穴埋めとして、マルゼンスキーとミスターシービーに戻ってもらっている」

 

テイオーが小さく苦笑した。

 

テイオー「ウチと同じことやってるね(カイチョーの仕事ほっぽり出すなんて……)」

 

ゴルシが腕を組み、別の話題を振った。

 

ゴルシ「オグリキャップと北原はどこにいるんだよ」

 

エアグルーヴが続けた。

 

エアグルーヴ「オグリキャップと北原は今、サウジアラビアへ視察に行っている。来年から新しい国際レースが設立されるみたいだからな」

 

マックイーンが優雅に微笑んだ。

 

マック「さすがはURAの広告塔ですわ」

 

ダスカが隣で補足した。

 

ダスカ「Light Sports(ベルノライトの実家)の広告塔でもあるわよね」

 

スズカが静かに付け加えた。

 

スズカ「会長はどちらかと言えば政治家よね」

 

夏の陽射しがホテルの窓から差し込み、光を追う者と、影に沈む者の動きが、静かに交差していた。

 

 

夕方ごろ 合宿場のトラック

 

夏の夕日が差し込むトラックで、ラッキーライラックは一人、汗だくで駆けていた。

 

息が荒く、足取りは重い。

 

ララ「はあ、はあ……足りひん、こんなんや勝てへん!!」

 

その姿を見かねて、アイが声をかけた。

 

アイ「ララ、練習手伝おうか?」

 

ララは足を止め、荒い息のまま強く首を横に振った。

 

ララ「これは、これはウチの問題や!!ティアラ路線のウマ娘みんなの憧れのトリプルティアラ、あんたはそれを手に入れた!!情けはいらん!!」

 

アイが少し俯き、静かに続けた。

 

アイ「そんなことしたら……ダイヤちゃんたちみたいに」

 

ララの瞳に、一瞬だけ痛みが走った。

 

しかし彼女はすぐに視線を逸らし、再びトラックへ足を向けた。

 

夏の熱気が、二人の間に重く漂っていた。

 

その時、背後から低い、威圧的な声が響いた。

 

オルフェーヴル「なら、余が付き合おう」

 

なんと、オルフェーヴル(オル)が現れた。

 

ララが目を見開き、声を裏返らせた。

 

ララ「オ、オルフェーヴルさん!?」

 

オルが腕を組み、見下ろすように言った。

 

オル「余では不服というのか」

 

ララが慌てて首を横に振る。

 

ララ「い、いえ、あなたと練習できるのが光栄なんや!」

 

アイ(……緊張して話し方めちゃくちゃになってる!!でも、憧れの人に会えたらああなっちゃっても仕方ないわよね)

 

ララとオルの合同練習が始まった。

 

夏の陽射しの下で、暴君と低迷するライラックが、静かに並走を始める。

 

オルフェーヴルはララの走りをじっと見つめ、静かに言った。

 

オル「お前はアーモンドアイの影を追い続けてるのではないか?」

 

図星だった。

 

ララはデビューからアイに負けるまで勝ち続け、最優秀ジュニア級ティアラ路線ウマ娘まで獲得しているのだ。

 

それがアイとの勝負に3連敗して、1年以上勝ちなしの状態だ。

 

オルが低く、しかし明確に続けた。

 

オル「無理に追い求め続けるな。狂わされるぞ」

 

ララが息を飲んだ。

 

ララ「うっ!!」

 

オルフェーヴルの言葉は、さらに核心を突いた。

 

オル「アイと同じ光を求めるな。お前自身の光を求めろ」

 

ララは立ち止まり、荒い息のまま、静かに拳を握りしめた。

 

ララ「ウチの光……。わかった……おおきに、オルフェーヴルさん」

 

ほとんど散っていたララの心のライラックが、再び咲いた。

 

八重咲きである。

 

夏の夕日が、彼女の影を優しく照らしていた。

 

 

ホテルのラウンジ

 

おハナと新興勢力トレーナーが、静かにコーヒーを飲んでいた。

 

おハナが穏やかに微笑んだ。

 

おハナ「ラッキーライラックへの進言、ありがとうね」

 

新興トレがニヤリと笑った。

 

新興トレ「うちのオル貸し出したことですが、スペシャルメニューとして一週間分のディナーの奢りで」

 

おハナが顔を引きつらせた。

 

おハナ「ううっ!」

 

八重咲の代償は財政的に高くついたwww

 

 

新興勢力の宿泊先

 

ドリジャが腕を組み、興味深そうにオルを見た。

 

ドリジャ「珍しいね、オルが他人を指導するなんて」

 

オルが静かに目を細めた。

 

オル「彼女に、ラッキーライラックに姉上と同じ感覚を覚えたのです」

 

オルは思い出した。

 

ドリジャもまたジュニア級王者になってから、G1を勝てない日々が続いていたからである。その間にスピカのウオッカとダイワスカーレットが台頭していたのだ。いわゆる強いティアラの時代である。

 

姉が夜中に一人で泣いていた姿。

 

「もう勝てないんじゃないか」と呟いていた弱々しい声。

 

それを見て、オル自身がどれほど焦り、怒り、そして無力感を抱いたか——。

 

オル(……姉上が泣く姿を、もう見たくない。ラッキーライラックも、姉上とは異なるが、同じように影を追って自らを壊しかけている。私が放っておけば、また同じ悲劇が繰り返される。姉上の弱さを知っているからこそ、私は……彼女に手を差し伸べた)

 

夏の夜の空気が、静かに部屋を満たしていた。

 

暴君の瞳に、珍しく優しい影が宿っていた。

 

 

 

夏合宿後

 

夏合宿を経てパワーアップしたが、ラヴの足に炎症が発生し、秋華賞を回避せざるを得なかった。

 

トレーナーが厳しく、しかし優しく言った。

 

トレーナー「無理をするな、ラヴ。お前はあのオークスで注目されたウマ娘だ。オークスの消耗もある。今は休め」

 

ラヴが静かに頷いた。

 

ラヴ「ルームメイトのクロノちゃんを応援するわ。アイさんはエリザベス女王杯?」

 

アイが力強く首を振った。

 

アイ「いいえ、私が狙うのは王道路線、天皇賞(秋)よ!!」

 

トレーナーが資料を見つめながら呟いた。

 

トレーナー「……ジャパンカップも秋天も東京レース場だ。ジャパンカップのときみたいに最高のパフォーマンスが発揮できそうだ(だがそうなるとアイの師匠をスカーレットからアイツに変えるか……いや、スカーレットは中山も走れる。幅広いレース場を走れる技術も必要だ)」

 

スペが明るく手を挙げた。

 

スペ「私も取ってます!!」

 

スズカが少し寂しげに微笑んだ。

 

スズカ「私は怪我しちゃったのよね」

 

ウオッカが腕を組んだ。

 

ウオッカ「俺なんて大接戦ドゴーンだからな」

 

ゴルシが隣でニヤリと笑った。

 

ゴルシ「マックちゃんは斜行降着だもんな」

 

マックが冷たく目を細めた。

 

マック「タヒにたいのですの?」

 

秋の風が部室に吹き込み、光の次なる舞台が、静かに定まっていった。

 

 

10月 秋G1シーズン直前

 

日本の秋G1シーズンが始まろうとするなか、一足先にフランスで凱旋門賞が開催された。

 

結果はキセキ7着、ブラストワンピース11着、アイと同期の菊花賞ウマ娘のフィエールマンは12位(最下位)。

 

やはり壁は高かった。

 

部室でその結果を見ていたスピカの面々が、それぞれの感想を述べた。

 

ウオッカが腕を組み、低く呟いた。

 

ウオッカ「向こうのバ場はまじひでえ状態だったから、出なくて良かったな」

 

マックが優雅に頷いた。

 

マック「トゥインクルシリーズファンからは、早めの回避が英断との評価ですわ」

 

ゴルシがボソっと呟いた。

 

ゴルシ「ナカヤマ(ナカヤマフェスタ)のやつも、凱旋門賞では日本のウマ娘はまず消すと言ってたな」

 

ダスカが少し困った顔で続けた。

 

ダスカ「それに関連して副会長(エアグルーヴ)がナカヤマ先輩を生徒指導室に呼ぶようにと探してたわ」

 

テイオーが首を傾げた。

 

テイオー「賭けてたのかな?」

 

スズカ「日本では禁止されてるわよ」

 

秋の風が部室に吹き込み、遠すぎる頂点の壁が、静かに再確認されていた。

 

 

カペラの部室

 

薄暗い部室に、サトノダイヤモンドが一人座っていた。

 

テレビ画面には、凱旋門賞の結果が冷たく表示されている。

 

ダイヤが低く、抑揚のない、しかし底知れぬ憎悪を滲ませた声で呟いた。

 

ダイヤ「……凱旋門に、呪われなさい」

 

それは、自身のキャリアに引導を渡したキセキとブラストワンピースへの、凍りついた呪詛だった。

 

ダイヤ(……みんな、惨めに散りなさい。あんたたちも、私と同じように……輝きを失って、ただの黒い石ころになればいい。凱旋門という太陽に焦がされて、灰になって、誰からも忘れられて……。私だけが惨めなまま終わるなんて、絶対に嫌。あんたたちも、同じ闇に落ちなさい)

 

ハイライトを完全に失った瞳が、画面をじっと見据える。

 

口元には、苦痛と狂気じみた満足が混じり合った笑みが浮かんでいた。

 

かつて自らも凱旋門賞で燃え尽き、黒い石ころになった彼女の声は、冷たく、そして誰にも届かない祈りのように響いていた。

 

部室の明かりが微かに揺れ、影が長く、濃く伸びていた。

 

秋華賞特番が組まれた。ゲストはスイープトウショウ(スイーピー)、メジロドーベル、カワカミプリンセスだった。

 

秋華賞後

 

その後、クロノジェネシスが秋華賞を制覇した。

 

桜花賞のグランアレグリア、オークスのラヴズオンリーユーと合わせ、ティアラ三冠を分け合うこととなった。

 

部室でその結果を見ていたテイオーが、少し感慨深げに呟いた。

 

テイオー「なんかBNW思い出しちゃった」

 

マックが優雅に頷いた。

 

マック「ビワハヤヒデ、ナリタタイシン、ウイニングチケットの分け合いは有名ですわね(史実1993年)」

 

ウオッカが腕を組み、続けた。

 

ウオッカ「ノーリーズン先輩、ギム先輩(タニノギムレット)、ミラ子先輩(ヒシミラクル)も三冠分け合った(史実2002年)けど、長く活躍したのはミラ子先輩だったな」

 

キタちゃんが静かに口を開いた。

 

キタちゃん「ダイヤちゃんもクラシック三冠分け合ったんだよね……」

 

キタちゃんは顔を暗くした。

 

秋天の前日

 

オーストラリアの検疫が改定されたことで、リスグラシューはコックスプレートに出走できることとなった。

 

秋天の前日、リスグラシューのコックスプレート優勝が伝えられた。

 

日本のウマ娘では初のコックスプレート優勝。

 

特別奨学金も受け取った。

 

リスグラシューが力強く宣言した。

 

リスグラシュー「目指すはティアラ路線初の春秋グランプリ制覇です!!」

 

秋の風が部室を渡り、光と影が、静かに次の舞台へと移り変わっていた。

 

 

オグリの部屋

 

プルルルル……

 

オグリキャップが電話に出た。

 

オグリ「もしもし」

 

ディクタストライカの声が響いた。

 

ディクタ「俺だよ、オグリ」

 

オグリが少し声を明るくした。

 

オグリ「ディクタか!久しぶりだな!!今アメリカじゃなかったか?オベイには会ったか?」

 

ディクタが少し残念そうに答えた。

 

ディクタ「残念。俺は今オーストラリアだ。コックスプレートを見に行ったんだ」

 

オグリが興味深そうに続けた。

 

オグリ「近いうちに日本に戻るのか?」

 

ディクタ「ああ、検疫のこともあるから金曜日に着くはずだ。フォークインも一緒に来る。あと、リスグラシューの件できな臭いことがあるんだ」

 

オグリが軽口を叩いた。

 

オグリ「私は餅を食べる時は醤油派だ」

 

ディクタが呆れたように言い返した。

 

ディクタ「きな粉じゃねぇよ。サトノグループって知ってるか?」

 

オグリは顔を引きつらせた。

 

サトノ家がスピカメンバーの何人かを栗東寮から追い出したからだ。

 

オグリ「詳しく聞かせてくれ!!帰国後に会おう!!個室つきの店も取る!!」

 

ディクタ「おい、ちょっ——」

 

ピッ!

 

オグリが受話器を置き、低く呟いた。

 

オグリ「……サトノか……」

 

オグリは嫌な感じがした。

 

リスグラシューとサトノ家の繋がり。

 

それがただの偶然とは思えなかった。

 

そこへドアがノックされ、テイエムオペラオーが入ってきた。

 

オペラオー「オグリさん、ロブロイ君がシュヴァル君の事で話したいことがあるとのことです」

 

オグリが少し考えた。

 

オグリ「いつ頃だ?」

 

オペラオー「色々調べ物があるので、金曜日になるかと」

 

オグリが首を横に振った。

 

オグリ「悪い、その日は旧友が帰ってくるんだ」

 

そのとき、タマモクロスが後ろから顔を出した。

 

タマ「ならウチとイナリが代わりするで。ウチはフォークインと関わりあらへんし、イナリはディクタと関わりがあらへん。両方と関わりあるクリークもオグリと一緒に向かわせればええやろ」

 

オペラオーが頭を下げた。

 

オペラオー「タマさん、すみません」

 

オグリは小さく頷き、窓の外を見つめた。

 

秋の夜風が静かに部屋を満たし、光の裏側に潜む影が、さらに濃くなっていた。

 

オグリ(サトノの動きが……リスグラシューを利用して何を企んでいるのか……光と闇の対立が、ますます複雑になってきたな……)

 

トレーナーの豆知識  凱旋門賞

 

トレーナー「よう、スピカのトレーナーだ。今回は凱旋門賞について解説しよう。凱旋門賞はフランスのパリロンシャンレース場で開催されるトゥインクルシリーズ最高峰の芝レースだ。海外ブックメーカーでの賭けも盛んになっている。日本のウマ娘の最高順位はエルコンドルパサー、ナカヤマフェスタ、オルフェーヴルの2着が最高順位、日本のウマ娘どころが欧州以外のウマ娘の優勝は存在しないぞ!!」

 

キタちゃん「凱旋門賞後は成績落ちちゃうんだよね」

 

 

次回予告

 

ララ「忘れてはいかん、忘れさせてはあかん!ウチの記録はウチであるための記録!!覚醒の時が来た!ラッキーライラックが蘇ったという事実の意味をトゥインクルシリーズに思い出させたる!!もう、アイさんだけやないということを」

 

次回は「五花弁 の ライラック」です

 




次回予告およびサブタイトルはコードギアス風です

五花弁のライラックは幸運のライラック、つまり『ラッキーライラック』です
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