ウマ娘プリティーダービー 4th season 妄想プロット   作:サンデー狂

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21R アイ、G1八勝目に挑む

スピカ部室

 

秋の風が窓を軽く叩く午後、アイは部室の中央に立ち、静かに息を整えていた。

 

アイ「もうすぐ秋天ね!!」

 

トレーナーは資料を広げ、みんなに真剣な視線を向けた。

 

トレーナー「今回の出走メンバーは12人と寂しいが、ルームメイトのブラストワンピース、キセキ、去年の秋華賞覇者クロノジェネシスがいる。どう動くか警戒した方がいい。特にG1八勝目がかかった大事なレースだ。より実践的な並走トレーニングをやっといた方がいい。マックイーンは斜行、スズカは怪我するなよ」

 

ダスカは腕を組み、少し呆れた顔で言った。

 

ダスカ「まだ引っ張るの?」

 

秋天直前 TV特番(リモート収録)

 

感染症対策で、トレセン学園内の簡易スタジオから中継が行われた。

 

司会「本日のゲストはクラシック三冠ウマ娘、ミスターシービーさん」

 

シービー「よろしく」

 

司会「オグリキャップさんの同期のヤエノムテキさん」

 

ヤエノムテキ「どうも」

 

司会「日本総大将スペシャルウィークさん」

 

スペ「よ、よろしくお願いします!!」

 

司会「以上の方々とトレセン学園から中継が行われております!天皇賞(秋)ですが、どのウマ娘が勝利すると予想しますか?」

 

シービー「わたしはクロノジェネシスが勝つと思うわね」

 

ヤエノムテキ「私はブラストワンピースの復活に期待しています」

 

スペ「わたしはやっぱりアイちゃん!!G1八勝目がかかった大事なレースですから!!」

 

部室に戻ったスペは、興奮冷めやらぬ様子でみんなに報告した。

 

スペ「みんな、特番でアイちゃんに挑戦状叩きつけてたよ!」

 

アイは静かに微笑んだが、瞳の奥には強い決意が宿っていた。

 

アイ(クロノちゃん、ブラスト、キセキちゃん……、みんな強い。でも、わたしはここで止まらない。芝G1八勝……、ルドルフの壁を、絶対に越えてみせる……)

 

 

秋天当日になった。

 

トレーナー「キタサンの時と違って天気に恵まれたな。バ場も良だ!!」

 

アイ「クロノちゃんは悪路に強いから今回はこっちが有利ね?」

 

レース開始!!

 

アイはキセキと共に逃げを打ったダノンプレミアムを追う形となった!!

 

キセキ「アイちゃん、このレース、勝たせてもらうよ!!」

 

アイ「わたしだって負ける気はないわ!!」

 

アイ(3番手にキセキちゃん、その後ろにブラスト、クロノちゃんは後方ね)

 

キセキは2番手になったが、先頭との差が縮まらない!

 

アイ(抜群の手応え!!)

 

領域(ゾーン) 輝く一番星(シャイニングスター)

 

ついにダノンプレミアムを捉えた!!が!!!

 

クロノ「行きますよ、アイ先輩!!!(オグリさん、タマさん、オペラオーさん、皆さん、力を貸してください!!)」

 

領域(ゾーン) 時の観測者(クロノゲイザー)

 

外側からクロノとフィエールマンが迫ってきた!!

 

アイ「負けてたまるか〜〜〜!!!!!!!!!」

 

アイはフィエールマンとクロノを振り切り、1着でゴールした!!!!!!!!!

 

実況「なんとアーモンドアイ、皇帝ルドルフの壁を超えた!!G1八勝目!!見事です!!恐れ入りました!!

 

アーモンドアイは遂にシンボリルドルフ以降、テイエムオペラオー、ディープインパクト、ウオッカ、ジェンティルドンナ、キタサンブラックが超えることができなかった芝G1八勝を達成したのだ!!

 

アイはゴール後、静かに息を整えながら小さくガッツポーズをした。

 

アイ「ふん、当然よ(やっ、やった〜〜〜〜!!!!!!!!!)」

 

クロノがすぐ横に並び、笑顔で頭を下げた。

 

クロノ「G1八勝おめでとうございます」

 

ウオッカが駆け寄り、アイの背中を叩いた。

 

ウオッカ「アイ、大丈夫か!?」

 

トレーナー「もうルドルフの壁は超えた。もう引退しても」

 

トレーナーは安堵の表情で言った。

 

アイ「まだジャパンカップが残ってるわ。あのレースはわたしが一番の輝きを得たレース。それを制覇してみせるわ」

 

アイは強い眼差しで答えた。

 

 

レース後 チーム用の観戦エリア

 

オグリキャップはモニターに映るアイのゴールシーンを、静かに見つめていた。

 

やがて小さく、しかしはっきりと言った。

 

オグリ「負けたよ、アーモンドアイ」

 

彼女の瞳には、悔しさよりも、どこか満足げな光が浮かんでいた。

アイの決意——G1八勝、そしてその先の覚悟——を、間近で感じ取っていた。

オグリはスマホを取り出し、短く息を吸った。

 

オグリ「あ、もしもし、ベルノか?オグリだ。頼みがあるんだが・・・」

 

アイはG1八勝を達成した。

 

しかし、1310人しかいないレース場に、ウイニングライブの歌声はなかった。

 

ただ、風だけが静かに通り抜けていく。

 

 

翌日 スピカの部室

 

部室の扉が開き、大きな酸素ボックスが運び込まれた。

 

ウオッカが目を丸くして近づいた。

 

ウオッカ「これって、リギルが使ってる酸素ボックスじゃねえか!!」

 

トレーナーはボックスを軽く叩きながら、笑顔で説明した。

 

トレーナー「オグリキャップの紹介で友人(ベルノ)の実家のコネでジャパンカップまでの間だけど、安くレンタルできることができたんだ。大切に使ってくれよ、G1八勝のウマ娘」

 

マックイーンが優雅に微笑んだ。

 

マック「ミホノブルボンには近づけさせませんわ」

 

ダスカ「いつも機械壊しちゃうからね」

 

スペ「後で使ってもいいかな?」

 

スズカ「壊さなければね」

 

部室に、G1八勝の余韻とジャパンカップへの期待が静かに満ちていた。

 

酸素ボックスは、まるで“次の戦いへの贈り物”のように、静かにそこに鎮座していた。

 

ラヴ「あれ、テイオーさんとキタさんは?」

 

 

河川敷にて

 

秋の柔らかな陽が川面に反射する河川敷。

 

テイオーはルドルフの隣を歩きながら、静かに切り出した。

 

テイオー「デアリンクタクトとコントレイルの次走、ジャパンカップみたいだね」

 

ルドルフは穏やかに頷いた。

 

ルドルフ「ああ、だいぶ育ってきた。世代交代を告げるくらいに強くなったはずだ」

 

テイオーは足を止め、ルドルフを真正面から見据えた。

 

テイオー「アイを無礼(なめ)るなよ」

 

ルドルフは身構えてしまった

 

かつて自身が中央転入して間もないオグリにしたようにテイオーがルドルフにしたのだ

 

テイオー「次のジャパンカップ、アイちゃんは本気で勝ちに行くよ、()()()()()()()()

 

ルドルフ「テイオー・・・」

 

自分を『カイチョー』と慕ってくれていたテイオーが、『シンボリルドルフ』と呼び捨てにした。

 

その瞬間、ルドルフの胸に、静かな衝撃が走った。

 

 

リギルの部室にて……

 

一方、リギルの部室では、おハナがコントレイルの肩に手を置いていた。

 

おハナ「もうすぐジャパンカップよ、世代交代を告げる準備はいい、コントレイル!!」

 

コントレイルは静かに、しかし力強く頷いた。

 

コントレイル「了解」

 

部室の空気は、静かで、しかし確かな決意に満ちていた。

 

 

学園にて・・・

 

秋の柔らかな陽が校庭に差し込む昼下がり。

 

キタサンブラックは、廊下の端で立ち止まるダイヤの背中に声をかけた。

 

キタちゃん「ダイヤちゃん!!」

 

ダイヤはゆっくりと振り返り、いつもの冷たい表情のまま、わずかに目を細めた。

 

ダイヤ「キタサン・・・」

 

キタちゃんは一歩近づき、優しく、しかし真剣に言葉を続けた。

 

キタちゃん「アイさんは宣言通りG1八勝を果たしたよ!!だからお願い、あの頃を思い出して!」

 

ダイヤは一瞬、視線を逸らした。

 

その瞳の奥で、複雑な感情が渦巻いているのがわかった。

 

ダイヤ「ごめん、まだ気持ちが纏まらない。嫉妬と希望がごちゃごちゃして」

 

キタちゃんはそれでも微笑み、優しく手を差し伸べた。

 

キタちゃん「じゃあシュヴァルちゃんやクラちゃんと一緒にアイさんのラストランを、ジャパンカップを見て!!」

 

ダイヤは少しの間、沈黙したあと、静かに答えた。

 

ダイヤ「考えておくわ」

 

キタちゃんはそれ以上追わず、ただ優しく頷いた。

 

ダイヤは背を向け、ゆっくりと歩き出した。

 

その背中は、まだ少し影を帯びていた。

 

ダイヤたちの闇は晴れるのだろうか・・・

 

オグリのチームの部室

 

秋天のレースが終わった直後、オグリのチーム部室はいつもの熱気とは違う、奇妙な緊張感に包まれていた。

 

クリーク「さあ秋天負けたからでちゅねごっこするわよぉ〜〜〜❤️」

 

クリークは満面の笑みで大量のスモックを抱え、みんなに次々と着せ始めた。

 

罰ゲームとして、幼児のような「でちゅねごっこ」を強制しようとしている。

 

オグリ「すまない、みんな」

 

クロノ「トホホ・・・」

 

タマ「本気やったんかい!!」

 

イナリ「チクショーーーー!!!」

 

オペラオー「ハ、ハハハ・・・」

 

ドトウ「救いはないのですか〜〜!!」

 

クリスエス「ジーザス……」

 

ロブロイ「恥ずかしいですぅ〜〜〜!」

 

ディクタ「何で俺まで!!」

 

ギゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!

 

絶叫が部室中に響き渡った。

 

惨劇(?)から辛うじて逃れた北原は、壁に背を預け、遠い目で天を仰いだ。

 

北原「……合掌」

 

 

 

マルシュロレーヌが出走したJBCレディスクラシックの結果は、3着であった。

 

 

エリザベス女王杯を制した瞬間、スタンドは静かだった。

 

無観客のレース場に響いたのは、わずかな拍手と風の音だけ。

 

G1四勝目——ラッキーライラックは確かに勝利を手にした。

 

しかし、控室に戻ったララの表情は、勝者とは思えないほど暗かった。

 

スマホの画面には、すでに次の話題が流れていた。

 

「コントレイルとデアリンクタクト、ジャパンカップへ。本気で世代交代を狙う」

 

ララはスマホを握りしめ、唇を強く噛んだ。

 

ララ(ウチの勝ちよりも今はコントレイルたちの練習に力が注がれとる……。エリ女で勝ったって、みんなの関心はもうあっちに移ってるんや……。おハナさんも、ルドルフ会長も、無敗の三冠とトリプルティアラの力を示すことしか頭にないんやろ……。ウチは……ただの通過点やったんか……。G1四勝しても、ラストランが有馬やというのに、誰もウチのことを本気で祝ってくれへん……、悔しい……、でも、それ以上に……寂しい……)

 

ララはスマホをゆっくりとテーブルに置き、静かに天井を見上げた。

 

その瞳には、勝利の喜びよりも、深い孤独と、ルドルフやおハナへの複雑な感情が渦巻いていた。

 

 

スピカの部室

 

ラヴ「はあ、府中ティアラステークス(G2・1800メートル)で5着、エリザベス女王杯も去年と同じ3着……」

 

アイはラヴの隣に座り、優しく声をかけた。

 

アイ「勝てなくて困ってるの?」

 

ラヴの目に、うっすらと涙が浮かんだ。

 

ラヴ「ええ、去年のエリ女から勝ててなくて……。マルちゃんは今年2勝できてるのに、わたしはまだ……」

 

テイオーが明るくフォローした。

 

テイオー「でもヴィクトリアマイルや府中ティアラステークスよりも鳴尾記念(G3・2000メートル)とエリザベス女王杯の方が好走できてるよ。ボクもマックイーンと戦った春天で負けちゃったし、ラヴちゃんは2000~2410かもね。」

 

キタちゃん「あたしは3200までいけるけど、逆にマイルとかは無理だね。」

 

テイオーは少し声を落として、キタちゃんに尋ねた。

 

テイオー「キタちゃん、話は変わるけど、カイチョー、()()()()がマークして怪我させた夢を見たんだよね?夏合宿の時にこっそり聞いちゃったんだ」

 

キタちゃんは少し驚いた顔をしたが、静かに答えた。

 

キタちゃん「テイオーさん、聞いてたんですね。会長を慕ってるテイオーさんだから言えなかったんです」

 

テイオーは真剣な目で言った。

 

テイオー「今のルドルフは信じることが難しいんだ」

 

アイ「わたしは振り切ったわ。だから芝G1八勝できたわ。ジャパンカップも勝つわよ」

 

テイオーは突然、瞳から大粒の涙を溢れさせ、声を震わせて叫んだ!!

 

テイオー「お願いアイちゃん、ルドルフの、カイチョーの目を覚まして!!!ボクは……ボクはカイチョーの、あの強い背中が大好きだったのに……今のカイチョーは、ボクの知ってるカイチョーじゃないんだよぉぉぉ!!!」

 

その叫びは、部室全体に響き渡り、みんなの動きを一瞬止めた。

 

テイオーの声は、いつもの明るさとは違う、胸の奥底から絞り出したような痛みを帯びていた。

 

 

トレーナーの豆知識 天皇賞(秋)

 

トレーナー「よう、スピカのトレーナーだ。今回は天皇賞(秋)、通称秋天について解説するぞ。秋シニア三冠の最初のレースとなっているレースだ。昔は春天と同じく3200mだったが、ミスターシービーが勝った時から2000mになっている。サイレンススズカの怪我は『沈黙の日曜日』と今でも言われているぞ!!」

 

ステゴ「私はその目撃者だ」

 

次回予告

 

ダスカ「ねえゴルシ先輩、アイはジャパンカップがラストランよね」

 

ゴルシ「ああ、ターフに別れを告げるんだよな」

 

ダスカ「寂しくなっちゃうわね」

 

ゴルシ「スピカからいなくなるわけじゃないぞ」

 

ダスカ「トゥインクルシリーズが寂しくなるのよ!!」

 

ゴルシ「でもゴルシちゃんは元気だぜ」

 

ダスカ「あたしも元気よ!!」

 

次回は『アーモンドアイはターフに別れを告げる』です




次回予告およびサブタイトルはBACCANO!からです。再現するの難しい。早く新刊出て欲しいです。
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