ウマ娘プリティーダービー 4th season 妄想プロット 作:サンデー狂
だいぶ長くなったので、アニメにすれば「ウマ娘プリティーダービー4th season アーモンドアイラストラン1時間スペシャル!!!!!!!!!」な感じです
アバンシーン
アーモンドアイの秋天勝利で日本初の芝G1八勝でジャパンカップを待たずに引退するのではないかと実しやかに囁かれたが・・・
トレーナー「状態は良さそうですし、予定通りジャパンカップに行きたいと思います」
アーモンドアイのラストランは大々的に報道がなされた!!
『アーモンドアイ、ジャパンカップがラストラン!!』
『コントレイル、デアリングタクトもジャパンカップ出走!!』
『三冠ウマ娘3人、夢の競演!!!』
本編
オグリ「イナリ、そろそろ引っ越しの準備をした方がいい。アーモンドアイがG1八勝目をしたからな」
イナリ「そうか、永世三強がまた別れちまうんだな」
タマ「ちゅうかサトノが反省しとるんか!?」
オグリ「もしかしたら、ほんの少しだけ、心に光が差し込んでいるかもしれないからな。」
ダイヤ(ジャパンカップ、あのレースはアーモンドアイが私がやっと掴んだ希望を砕き、クラちゃんを引退に追い込み、シュヴァルさんの栄光を大レコードで塗り潰した。本当ならコントレイル達を応援したい。なのに、この感情、なんなの?嫉妬……?それとも……まだ、ほんの少しだけ、昔の光を思い出してる……?わからない……わからないわ……)
ダイヤはスマホを握りしめ、静かに目を閉じた。
その指先が、わずかに震えていた。
TVでマイルチャンピオンシップ特番が組まれた。トレセン学園内の簡易スタジオからのリモートであるが。
司会「本日のゲストはディクタストライカさん、ダイタクヘリオスさん、デュランダルさんです」
ディクタ「俺の予想はグランアレグリアだな。アーモンドアイの完封は圧巻だったぜ。ここ数年は阪神レース場開催だから桜花賞(阪神)、安田記念(東京)、スプリンターズステークス(中山)で勝ってるから、京都開催だったら主要4場G1制覇になったのにな」
ディクタの予想通り、グランアレグリアの勝利となった。
アイ「グランちゃん、やっぱりマイルだと敵わないわ!」
ラヴ「私は適正距離の面でグランちゃんとは戦う機会はなさそうね。それよりもアイさん、テイオーさんの叫びのこと」
アイ「ええ、会長が仕事をエアグルーヴに押し付けてコントレイルとタクトちゃんの育成に力を注いでいるって。その結果無敗のクラシック三冠とトリプルティアラを達成できたけど」
ラヴ「世間には光を灯したけど、生徒会に闇を生んじゃったわね。」
ジャパンカップ3日前
スペ「ジャパンカップかぁ、思い出深いレースだなぁ」
ダスカ「フランストゥインクルシリーズで当時モンジューと共に二強と呼ばれたブロワイエに勝利したのよね」
スズカ「エル(エルコンドルパサー)に嘘吹き込まれて引退に追い込まれちゃったのよね」
スペ「うう」
スペは思い出した。エルに『良い勝負をしましょう』とフランス語で何と言うのか聞いた結果、『La_victoire_est_à_moi』と教えてもらったが、それは『調子に乗んな』という意訳であった!!
この発言により国際問題を起こしたことで、エルは責任を取らされて引退、スペは有馬勝利で引退回避だったのがグラスに負けたことで引退となってしまったのだ。
ウオッカ「俺もジャパンカップがG1七勝目だったからな」
キタちゃん「あたしのラストイヤーのジャパンカップは落鉄でシュヴァルちゃんに負けちゃったんだよね(だから原作と違ってピークアウトじゃないんだって)。あれ勝ってたらゼンノロブロイ以来の秋シニア三冠とグランプリ勝利込みでの芝G1八勝だったのに」
マック「野球で例えればシュヴァルはキタサンの失投を見事に打ち取って勝った感じですわ」
ゴルシ「また野球にたとえたな」
ラヴ「有馬勝たせてあげるからジャパンカップは負けてかしら?」
秋の陽が少し傾いたグラウンドで、カツラギエース、タップダンスシチー、ダイタクヘリオス、メジロパーマーの4人が集まっていた。
カツラギエース(エース)「なあタップ、お前もあたしと勝ちG1同じだろ?」
タップ「ああ、そうだね。宝塚にジャパンカップ、ジャパンカップでシンボリのウマ娘に勝ってるな」
エース「有馬でシンボリに負けてるのもな」
そこへダイタクヘリオスが明るく駆け寄ってきた。
ダイタクヘリオス(ヘリオス)「ラギぱいせ〜ん!!パマちん連れて来、ちゃんタプも!?」
エース「来たか二人とも。今回はキセキの件だ。フジキセキの方ではないし、ケイエスミラクルでもヒシミラクルでもないぞ」
タップ「あいつの逃げは基礎能力は大きく向上してるけど、どんな背中かが欠けてるよ」
パーマー「あたしは自由な背中ってイメージがあります」
エースは少し遠い目をして、静かに言った。
エース「キセキ、お前はジャパンカップでの三冠ウマ娘との戦いで答えを出せるのか……」
タップが突然スマホを突き出した。
タップ「それもいいけど見ろよエース、感染症禍で暴落した株を買い漁ったけど、ここで大きく上がってるんだよ!」
エース「お!すごいな!優待株もいい感じ」
パーマー「メジロ家もそういう情報早いからね」
ヘリオスがニヤニヤしながら言った。
ヘリオス「ナカヤマとかFXに手を付けて大損してんじゃね?」
4人は笑い合いながら、スマホの画面を囲んだ。
キセキの成長を語る声と、感染症禍での株の話題が混ざり、グラウンドに軽やかな空気が流れた。
スピカの部室
トレーナー「学園の遠征スタッフのビザが取れなかった。すまんラヴ」
ラヴ「香港がダメなら有馬しかないのかしら・・・」
テイオーがスマホのニュースを見ながら、明るく言った。
テイオー「こんな状況下でもフランスからサンクルー大賞を勝ったウェイトゥパリスがラストランとして参加、もうすでに日本に滞在してるみたいだね」
ウオッカ「こんな戦績で参加かよ。オベイユアマスターみたいな伏兵か?」
スペ「サンクルー大賞って、日本でいう宝塚記念に相当するレースですよね?エルちゃんも勝った」
ゴルシ「エルコンドルパサーが勝ったサンクルー大賞は10人立てだったが、こいつが勝った時は5人立てだぞ」
藤井の出版社
藤井「今年のジャパンカップは2年ぶりに海外ウマ娘が参加する。せやけど今年の注目は三冠ウマ娘夢の競演や!!」
よし子「アーモンドアイが一番人気ですね」
藤井「実は三冠ウマ娘同士の勝負はキャリアが短い方が勝っとるというジンクスがある。シンボリルドルフVSミスターシービーはルドルフが先着、オルフェーヴルVSジェンティルドンナはジェンティルドンナが勝っとる。」
よし子「つまり、今回はクラシック級が勝つと?」
藤井「しかしアイはこれまでジャパンカップのレコード更新は海外ウマ娘がするというジンクスを覆してあの大レコードを樹立しとるし、ルドルフの壁の芝G1七勝を超えとる」
よし子「と言うことは!?」
藤井「有終の美の可能性大やな。せやけどあくまで僕らは記者。記事は中立や。あんな騒動を起こした責任もあるしな」
ジャパンカップが近づいた頃、TVでジャパンカップ特集が行われた
司会「芝G1八勝を遂げたアーモンドアイのラストランのジャパンカップが近づいております。そのアーモンドアイを迎え撃つのは無敗クラシック三冠を達成したコントレイルと日本初の無敗のトリプルティアラのデアリングタクト!!今回のゲストは日本のウマ娘で初めてジャパンカップを優勝したカツラギエースさん」
エース「よろしくな」
司会「ジャパンカップで9バ身さで勝利した遅咲きのスター、タップダンスシチーさん」
タップ「どうも」
司会「そしてG1七勝を果たしたキタサンブラックさん」
キタちゃん「お願いしまーす」
司会「今回のジャパンカップでどのウマ娘が勝つか、皆さんのご意見を伺います」
エース「あたしはキセキだな。一緒に鍛えてるから三冠ウマ娘に一杯喰らわせてやってほしいよ」
タップ「あたしもエースと同意見だね」
キタちゃん「あたしはアイさんの勝利を願ってます!!」
ジャパンカップ当日 スピカ部室
感染症禍のため、入場制限が厳しいジャパンカップ当日。
スピカの部室は、いつもより少し静かだった。
キタサンブラックが窓の外を見つめながら、ポツリと言った。
キタちゃん「そろそろジャパンカップですけど、アイさんは今ウオッカさんと向かってますね」
テイオーはソファに座ったまま、残念そうに肩を落とした。
テイオー「ボクたちも行きたいけど、入場制限があるからね」
コンコンコン
マックイーンが扉に向かって優雅に声をかけた。
マック「どちら様?」
扉が開き、マルゼンスキーが入ってきた。後ろにはオグリキャップたちも控えている。
マルゼンスキー「あなたたち、ジャパンカップ見に行かない?ちょっとルドルフにモーレツに言いたいことがあるの。オグリちゃんたちも一緒に行くわよ」
部室が一瞬、静まり返った。
キタちゃんは目を輝かせ、すぐに立ち上がった。
キタちゃん「マルゼンスキーさん……みんなで応援に行けるんですね!」
アイはすでにレース場に向かっている。
ウオッカとトレーナーだけが同行を許された今、部室に残ったみんなは、画面越しにでもアイのラストランを見守るつもりだった。
そこへマルゼンスキーたちの突然の誘いが舞い込んだ。
テイオー「カイチョー……いや、ルドルフに言いたいこと……、ボクも行きたい!」
マックイーンが優雅に微笑んだ。
マック「これは、絶好の機会ですわね」
マルゼンスキー「全員は無理よ。あと3人だけなら大丈夫よ」
部室に、期待と緊張が一気に満ちた。
感染症禍の静かなレース場で、最後の大舞台が、今、幕を開けようとしていた。
ジャパンカップ当日 東京レース場
秋の陽が少し傾き始めた東京レース場。
アイはトレーナーとウオッカと共に、関係者ゲートをくぐろうとした。
アイは少し驚いた顔で振り向いた。
アイ「あ、あなたはノっちゃん?」
ノっちゃん「はい!!抽選が当たって観戦できるんです!!おドウは外れましたが」
ウオッカがノっちゃんを見て、感心したように言った。
ウオッカ「お前は来年からトレセン学園に入るのか?」
ノっちゃん「はい!実は私には中央トレーナー資格を持ってる個人トレーナーがいるんです」
トレーナーは小さく苦笑した。
トレーナー「お前の実家太えな(スズカが言ってた驚異ってこいつか?)」
その時、ウオッカが少し離れた入り口に視線を向けた。
ウオッカ「ダイヤ!!」
アイもすぐに気づいた。
アイ「シュヴァルちゃんにクラウンちゃんも」
ダイヤたちは一瞬、足を止めたが、気まずそうな表情でそのままレース場の中へ入っていった……。
トレーナー「やっぱ今はそっとしておくべきかもな」
アイは小さく呟いた。
アイ「ダイヤちゃん・・・」
プルルルル
ウオッカはスマホを取り出した。
ウオッカ「もしもし、あ、スズカ先輩、え!?キタサン、テイオー、マックイーンがそっちに向かってる!?」
トレーナーは慌ててスマホに耳を寄せた。
トレーナー「今は関係者しか入れないんだぞ!!!え、生徒会の協力もある!?」
部室から離れた場所で、アイは静かに空を見上げた。
最後の舞台が、静かに幕を開けようとしていた。
レース開始前
ゲート前で、ウェイトゥパリスが激しく暴れた。
ラストランであるはずのフランスウマ娘は、ゲート入りを頑なに拒否し、出走が5分遅れてしまった。
その結果、翌日から出走停止とゲート入り再審査が決定された。
ウェイトゥパリスはゲートの中で、荒々しく叫んだ。
ウェイトゥパリス「La_victoire_est_à_moi!!Japonais!!(調子に乗んな!!日本人!!)」
アイは自分のゲートの中で、呆れたように小さく息を吐いた。
アイ(ラストランなのに何やってんのかしら・・・)
スタート!!
ようやくレースが始まった。
キセキのエキサイトな大逃げ!!
先頭を大きく引き離し、まるで自分の物語の主人公になるかのように、力強く飛ばしていく。
キセキ(この大逃げで今度こそ主人公になる!!あのカツラギエースさんのように!!そして、ダイヤちゃんたちの闇を消し去るんだ!!)
寮の部屋にて観戦中
栗東寮の一室では、カツラギエースとメジロパーマーが画面を見つめていた。
エース「キセキのやつ、大逃げしてるな」
パーマー「大丈夫かな」
二人は少し心配そうに、しかし熱い眼差しでレースを見守っていた。
レース場
アイはグローリーヴェイズの後ろを追走していく
第三コーナーを過ぎ、トーラスジェミニが後退
そして最終コーナーを回り、キセキの逃げが限界を迎えた。
アイ(痺れるような手応え!!これはいける!!)
キセキ(の、伸びない!?これじゃまるで道化だ!!)
その瞬間、アイがバ場の真ん中へ移動した。
外から、猛烈な影が迫ってきた——コントレイルだ!!
コントレイル「アーモンドアイ!!!」
アイ「コントレイルちゃん、わたしに嫉妬してるのね」
さらに外から、もう一つの影が急接近——デアリングタクト。
デアリングタクト「トリプルティアラの歓声、わたしも浴びたかった!!」
アイは静かに、しかしはっきりと言った。
アイ「理解したわ、あなた達の闇」
コントレイルとデアリングタクトの領域が、漆黒に染まった!!
コントレイルの暗黒
デアリングタクトの暗黒
二人がアイに迫る中、アイは目を閉じ、深く息を吸った。
アイ「闇は消すことはできない。でも、向き合うことはできる!わたしは、あなたたちの、みんなの闇を引き裂きたい!!」
アイは力を振り絞り、
アイの進化した
一瞬、アイの体が白い光に包まれたかのように感じられた!!
その光は、コントレイルとデアリングタクトの漆黒を切り裂き、後方に1と4分の1バ身の差をつけた!!
アイ(ああ、わたしの現役がもうすぐ終わる・・・。ルドルフの壁を超えた。でもララとのライバル勝負も途中で終わってしまった。もっと他のライバルとも勝負したかったな。やっぱりあなたには敵わなかったわ、オグリさん)
アイは力強く、しかし優雅に1着でゴールした。
有終の美を飾り、彼女の現役生活は幕を閉じた。
アイがゴール板を駆け抜ける瞬間、ダイヤ、サトノクラウン、シュヴァルグランの3人は、有料観戦席から静かにその姿を見ていた。
サトノ家のコネで確保した特別席。
3人とも制服のまま、言葉もなくレースの結末を見つめていた。
しかし——
そんな3人の心の中では、まったく別の光景が広がっていた。
3人の心の中
深い闇に包まれた心中で、勝負服を着た3人が膝を抱えて蹲っていた……。
クラウン(秋天で負けてから掲示板に載ることなく惨めに引退した、冠もボロボロ・・・)
シュヴァル(キタサンを差し切ったジャパンカップの栄光もアーモンドアイに塗りつぶされた。僕は姉さんたちの陰だ・・・)
ダイヤ(凱旋門賞以降、私の、サトノ家の輝きは失われた。サトノダイヤモンドなんてただの名前、今の私はただの惨めな石ころ・・・)
その時——
現実のレース場でアイが走り抜ける瞬間、3人の心の闇が、まるで光の刃のように引き裂かれた!!
闇が裂けた隙間から、暖かな光が溢れ出した。
そこに、キタサンブラック、トウカイテイオー、メジロマックイーンの幻が現れた。
キタちゃん(幻)「ダイヤちゃん!!」
ダイヤ「……キタサン……」
テイオー(幻)「アイちゃんの走り、どうだった?」
クラウン「……綺麗よ、でももう私たちはそっちには……」
マック(幻)「何度でもやり直せますわ!!」
ウオッカ(幻)「来いよ、お前ら!!」
すると、アイを除くスピカメンバーの幻が現れた。
レース場にいるメンバー(キタ、テイオー、マック、ウオッカ)ははっきりとした姿で言葉をかけ、いないメンバー(スペ、スズカ、ダスカ、ゴルシ、ラヴ)は淡く、声を発さなかった。
幻のスピカメンバーが、朽ちた冠と黒く染まったダイヤモンドに想いを込めると——
綺麗なダイヤモンドを散りばめた冠が現れた!!
その冠は、暖かい光を放ち、3人を優しく包み込んだ。
クラウン「……この光、暖かい。ああ、思い出していく……」
シュヴァル「姉さん、ヴィブロス、パパ、ママの愛、キタサンと競い合った日々……」
ダイヤ「キタサンと一緒にテイオーさんとマックイーンさんの応援に行った日々、あの頃の約束……」
3人は涙を流し、ゆっくりと立ち上がった。
そして、幻のスピカメンバーに向かって、よろよろと、しかし確かに駆け寄っていった。
現実の観戦席
ダイヤは静かに目を閉じ、そっと頰を拭った。
クラウンとシュヴァルも、同じように涙を堪えきれずにいた。
3人の心に、ほんの小さな——本当に小さな、光が差し込み始めていた。
一方その頃トレセン学園にて
アイがゴール板を駆け抜けた瞬間——
ドカーン!!
トレセン学園の敷地内にあるルドルフ像の頭上に、突然の爆音が響き渡った。
隕石のような物体が、真上からルドルフ像に直撃した!!
像の頭部が粉々に砕け散り、上半身がぐらりと傾き、地面に崩れ落ちる。
エース「な、何だ!!??」
タップ「ルドルフ像に隕石が!!」
ヘリオス「うわぱねぇ、壊れてるし」
パーマー「会長の時代の終わりなの!?」
4人は呆然と立ち尽くし、崩れ落ちた像の残骸を見つめた。
かつての皇帝の威光を象徴していた像は、今やただの瓦礫の山と化していた。
S指定席
レースが終わった直後、S指定席は重苦しい沈黙に包まれていた。
ルドルフは呆然と立ち尽くし、震える声で呟いた。
ルドルフ「コ、コントレイルとデアリングタクトが負けた・・・」
おハナは膝から崩れ落ち、絶望の表情を浮かべた。
おハナ「こ、これで私のキャリアが終わった……」
そこへ北原穣が静かに近づき、封筒を差し出した。
北原「それはちげーよ」
ルドルフ「北原トレーナー!!」
北原「おハナさん、あんたは新興勢力に勝って最多勝利の輝きを取り戻すために焦りすぎた。こちらの紹介状を渡します。俺の昔の教え子が勉強しているアメリカのトレーナーの学校です。新興勢力のトレーナーもその学校で勉強したみたいです」
おハナは封筒を受け取りながら、弱々しく言った。
おハナ「でも今のリギルを放置するわけには・・・」
北原「代わりを務められそうな中央資格を持つトレーナーも見つけました。一度会ってみてください」
おハナ「・・・考えておくわ」
ルドルフは深く頭を下げた。
ルドルフ「北原さん、もしその時はよろしくおね」
そこへエアグルーヴが荒々しく近づいた。
エアグルーヴ「会長、だいぶ仕事が溜まっているんですよ、このたわけ!!」
おハナ「エアグルーヴ!あなた会長に向かってたわけって!!」
その瞬間、マルゼンスキーとミスターシービーがルドルフの腕を、シンボリクリスエスとエアグルーヴがおハナの腕を掴んで連行する
ルドルフ「何をするマルゼンスキー!!」
マルゼンスキー「生徒会の仕事放っていたからよ!!ざまぁ味噌漬けよ!!」
エアグルーヴ「近くのホテルをとってます。暫くは缶詰です。あとダジャレ言ったら学園のトイレ掃除ですよ」
オグリ(さっきルドルフ像に隕石が落ちて壊れたと連絡が入ったが、ルドルフの呪いは終わったのだろうか・・・。ルドルフはちょっと悲惨だが。アーモンドアイ、君は確かに勝った。だが、私はライバルに恵まれた。ピークアウトの惨敗という絶望のトンネルも経験した。でも
六平(東條、お前さんはこの感染症禍の社会に光を差そうとしてコントレイル達の指導をするのにルドルフをつけた。だが、その強すぎる光はテイオーの失望やエアグルーヴへの負担という闇を生んじまった。対してスピカはただ騒がしい日常を届けた。それは小さな光だったが、幸せの青い鳥のようにすぐそばにある光だった。本当の光は日常の中にあったのかもしれねえな)
アイが1着でゴールした瞬間、控室近くの通路にウオッカとトレーナーが駆け寄った。
ウオッカ「アイ!!おめでとうな!!」
トレーナー「お疲れ様だな」
アイは息を荒げながら、ゆっくりと微笑んだ。
アイ「ええ、でも、なんか物凄い疲労感があるの・・・」
ウオッカの表情が一瞬固まった。
ウオッカ「もしかしてピークを過ぎたのか!?」
トレーナーはアイの肩を支えながら、静かに言った。
トレーナー「ゴールと共にピークアウトか。なんか運命じみたものを感じるな」
その時、向こう側の関係者ゲートで、何やら揉め事が起きていた。
キタちゃん「ちょっと通してください!!」
テイオー「友達がいるんです!!」
係員「ちょ、ちょっと!!」
マック「許可証ならありますわ!!」
ウオッカ「キタサン、来たのか!」
ウオッカは声の方向に気づき、思わず笑みを浮かべた。
レースが終わった直後、キタサンブラックは係員の静止を振り切り、ダイヤたちのいる方向へ全力で駆け出した。
キタちゃん「ダイヤちゃん!!」
ダイヤはゆっくりと振り返り、震える声で呟いた。
ダイヤ「キタサン・・・」
キタちゃんは息を切らしながら、ダイヤの目の前に立った。
キタちゃん「ダイヤちゃん」
その瞬間、サトノクラウンが突然頭を下げた。
クラウン「ごめんなさい!!」
キタちゃん「!!!」
シュヴァルグランも、声を震わせて続けた。
シュヴァル「僕も姉さんたちのG1勝利数のコンプレックスや、キタサンが去ってから勝てるチャンスがあると思った矢先にアイの力を見せつけられたことから相まって!!」
ダイヤの瞳に、初めて大粒の涙が浮かんだ。
ダイヤ「スピカを、
ダイヤの目に涙が浮かんでいた
キタちゃん「!!!!!!!!!」
ダイヤ——いや、
その瞬間、キタちゃんの胸に、温かいものが溢れ出した。
キタちゃん「いいよ、ダイヤちゃん、シュヴァルちゃん、クラちゃん!!!!!!!!!」
ダイヤちゃんは涙を拭いながら、震える声で言った。
ダイヤちゃん「アイさんの引退パーティー、参加して、ううっ!!」
キタちゃん「ダイヤちゃん、みんなどうしたの!?」
ダイヤちゃんの顔が急に歪んだ。
ダイヤちゃん「緊張の糸が切れたら、身体中に痛みが・・・」
クラウンも顔を押さえながら呻いた。
クラウン「うう、マインドドーピングしすぎたかも・・・」
ウオッカが慌ててスマホを取り出した。
ウオッカ「今救急車呼ぶからな!!」
マックイーンが冷静に、しかし心配そうに言った。
マック「六平トレーナーの危惧が現実になりましたわ」
キタちゃんは3人を支えながら、涙を浮かべて微笑んだ。
キタちゃん「もう大丈夫……みんな、戻ってきてくれてありがとう……」
救急車のサイレンが、静かなレース場近くの通路に響き渡った。
ダイヤ、サトノクラウン、シュヴァルグランの3人がストレッチャーに乗せられ、救急隊員に運ばれていく。
ダイヤちゃんはキタサンブラックの顔を見て、弱々しく微笑んだ。
ダイヤちゃん「キタちゃん、わたし、だいぶボロボロみたい・・・」
キタちゃんは運ばれるダイヤちゃんの手を必死に握った。
キタちゃん「わかったからダイヤちゃん、無理しないで!!」
テイオーがもう片方の手を握り、優しく言った。
テイオー「ダイヤちゃん、今まで無理してきたんだ。ゆっくり休んでね」
ルドルフはマルゼンスキーたちに両脇を抱えられ、ワゴンへと連行されていた。
ルドルフ「マルゼンスキー!!私は自分で歩ける!!無理矢理連行するな!!テイオーたちも見てるんだぞ!!」
ルドルフは必死に抵抗したが、マルゼンスキーは容赦なく引きずっていった。
ルドルフ「テイオー、なんとか」
テイオーは涙を浮かべながら、しかしはっきりと言った。
テイオー「イーだ!!しっかり反省してね!!」
カンヅメ先のホテルへ連行されていくルドルフは、まるで幽閉先の監獄へ連行される皇帝のようであった。
ウオッカがキタちゃんたちに声をかけた。
ウオッカ「キタサン、テイオー、マックイーンと一緒に病院に付き添え。アイの引退会見は俺が立ち会うから」
トレーナー「ダイヤはお前の親友だろ?」
トレーナーは静かに頷いた。
闇に堕ちて力を得た代償は病院行きというものだった。
一方、サウンズオブアースは……
彼女はあの件をあまり気にしていなかった。ただ静かに、いつものようにオペラオーとドトウのオペラの伴奏としてバイオリンを弾いていた。
エース「帰ってきたらキセキと話し合わないとな」
タップ「アイに負け続けてるからな」
22.5R 新たな友情
アイがゴール板を駆け抜けた瞬間、スタンドは静かだった。
無観客のレース場に響いたのは、わずかな拍手と風の音だけ。
URAの方針により、今年いっぱいはウイニングライブが行われない——
アイはターフに別れを告げた。
アイ(ああ、ウイニングライブなしで引退するのか・・・、寂しいなあ)
引退インタビュー(スタッフロールも兼ねて)
会見場で、アイは静かにカメラに向き合った。
彼女は穏やかで、しかし力強い声で語り始めた。
アイ「皆さん、わたしは遂に皇帝シンボリルドルフの芝G1勝利数7を超えて九勝しました。しかしわたしはクラシックはライバルがいましたが、それ以降は共に競い合うライバルと呼べる存在がいませんでした。さらにわたしは多くのウマ娘たちから羨望のみならず妬み嫉みを買いました。先輩の友人に勝利した際、その結果から先輩の友人との友情も壊してしまいました。ですが、一言言わせてください。どんな人にも輝ける瞬間がある。たとえばカツラギエースの日本のウマ娘初のジャパンカップ制覇、サトノ家に待望のG1タイトルをもたらしたサトノダイヤモンドの菊花賞優勝、姉たちが先に取っていた中でまだ獲得できていなかったG1タイトルを獲得できたシュヴァルグランのジャパンカップ優勝、成績不振に悩んでいたラッキーライラックのエリザベス女王杯連覇、他にも色々な輝きがあると思います。その輝きを大事にしてください。でも、その輝きに囚われてもいけません。その輝きを糧にして次へ向かってください。しかし焦ってもいけません。焦ってしまうと、より大きなミスをしてしまいます。わたしの言いたいことはこれで全部です」
カメラの向こうで、スタッフが静かに頭を下げた。
アイも小さく微笑み、深く一礼した。
真22R アーモンドアイは女王のままターフに別れを告げる
ルドルフとおハナはホテルでカンヅメにされていた・・・
おハナ「なんで私が生徒会の仕事をしないといけないのよ!!」
ルドルフ「エアグルーヴ、少し手伝ってくれないか?最近仕事のカンが鈍っていて・・・」
エアグルーヴ「べーだ!!人に仕事押し付けてコーチ専念してた報いですよ、たわけ会長!!」
トレーナーの豆知識 モンジュー
トレーナー「よう、スピカのトレーナーだ。今回は会話の中に出てきたモンジューについて解説するぞ。モンジューは当時のフランスのトゥインクルシリーズでブロワイエと共に二強と呼ばれたウマ娘だ。ブロワイエがアイリッシュダービーと凱旋門賞を勝った年にモンジューはジョッケクルブ賞を、翌年はブロワイエがサンクルー大賞を、モンジューがタタソールズゴールドカップとキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスを勝ってG1勝利数を3で分け合った。モンジューは日本語を話せたからもし凱旋門賞でモンジューが勝ってたらスペは引退せずに済んだかもしれないぞ!!」
スペ「エルちゃん恨むよ!!」
次回予告
トレーナー「ああ、アイも引退した。これでこのシーズンも終わりだな」
キタちゃん「何言ってるんですか!!まだ後日談がありますよ!!」
トレーナー「何!?今回が最終回じゃないのか!?いつもラストランが最終回になってたからつい」
キタちゃん「ダイヤちゃんのお見舞いとか、色々とあるんですよ!!」
トレーナー「俺の出番あるんだろうな!?」
キタちゃん「次回、ウマ娘プリティーダービー4th season23R、呪いから光へ」
アイ「その時、府中に風が吹く」
ブロワイエとモンジューが同時に存在してますが、本作では実馬のモンジューがG1六勝だったので
・モンジュー
ジョッケクルブ賞
タタソールズゴールドカップ
キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス
・ブロワイエ
アイリッシュダービー
凱旋門賞
サンクルー大賞
このようにG1を争ったライバルである設定にしています
まさかのラストランが最終回じゃないのはシングレに後日談があったのをオマージュしました。次回予告のノリはゾイド-ZOIDS-35話予告から、締めセリフはゾイドフューザーズの「その時、Ziに風が吹く」からです。
エアグルーヴがベーとしたのは史実のトニービン産駒に舌遊びの癖が高確率で遺伝したためネタにしました。
新興勢力については、リギルの穴になっている世代ともいえるのがいたので、そっちに当て嵌めてチームを作ってしまおうと考えてしまったからです。
隕石がルドルフ像に落ちてきたのはルドルフの呪いの終わりを表現しました。