ウマ娘プリティーダービー 4th season 妄想プロット   作:サンデー狂

24 / 25
後日談開始です


終部 愛の陽は登る
23話 呪いから光へ 


病院の個室。

 

夕陽がカーテンの隙間から差し込み、ベッドに横たわるダイヤちゃんの横顔を淡く照らしていた。その枕元にはキタちゃんを部屋から追い出した時にまとめたキタちゃんのぬいぐるみが置かれていた。

 

去年拒絶したプレゼントもトレーナーから受け取った。カレーはトレーナーから「辛かったけど美味しかった」と返された。花束はドライフラワーになった。マックイーンのスイーツ食べ放題はマックイーンのサイン入りの食べ放題奢ります券となった。

 

 

キタちゃんが持ってきてくれた花瓶の花が、静かに揺れている。

 

ダイヤちゃんは天井を見つめ、静かに息を吐いた。

 

誰もいない部屋で、ようやく心の奥底に溜まっていたものを、言葉にしてみる。

 

ダイヤちゃん(独白・小声)

……あの有馬記念の後

 

6着で終わって、みんなの視線が痛かった。

キタちゃんが笑顔で「お疲れ様、ダイヤちゃん」って声をかけてくれた瞬間……

胸の奥が、熱い針で刺されたみたいに痛んだわ。

 

キタちゃんはピークのまま綺麗に引退して、G1七勝の有終の美を飾って……

 

私はただ惨敗を積み重ねて、ただの石ころみたいに転がっていた。

 

「キタちゃん」って呼べなくなって、名前を呼ぶだけで自分が惨めになるのが嫌だった。

 

それだけじゃなかった。

 

スピカにアーモンドアイが入ってきて、トリプルティアラを達成して、JCで世界レコードまで出して……

 

私の輝きが、全部塗り潰されていく気がした。

 

「二度と私に話しかけないで!!」って叫んだあの日、本当は心の底で思っていた。

「キタちゃんも、アイさんも、みんな輝いてるのに……私はどうして……」

 

その無力感が、嫉妬に変わって、憎しみに変わって……

 

マインドドーピングみたいに自分を追い込んで、漆黒の力を無理やり引き出していた。

 

……でも、その力は私の体を蝕んでいった。

無理やり引き出した代償で、今こうして全休になって……

 

やっと気づいた。

私はただ、自分の惨めさを誰かにぶつけたかっただけだったんだわ。

 

ドアが静かに開く。

 

キタちゃんとアイが、トレイにフルーツを持って入ってきた。

 

お見舞いは人間の場合は感染リスクのため家族しか無理だが、ウマ娘はある程度緩和されているので、比較的お見舞いに行けるのだ。

 

キタちゃん「ダイヤちゃん、果物持ってきたよ。体にいいものばかり選んだから、食べてね」

 

アイ「みんな気にかけているわよ」

 

ダイヤちゃんはキタちゃんとアイの顔を見て、胸が少し痛くなった。

 

でも、もう逃げない。

 

ダイヤちゃん「……キタちゃん、アイさん。座って。……少し、全部話してもいい?」

 

キタちゃんとアイはベッドの横の椅子に座り、静かに頷いた。

 

ダイヤちゃん「私は……キタちゃんのことが、妬ましくて仕方なかった。

キタちゃんはあの宝塚の大敗さえ乗り越えて、綺麗に有終の美を飾って引退した。

対して私は凱旋門賞の後、成績が落ちて、G1を勝てなくなった頃、

みんなが『キタサンブラックは幸せな引退だった』って言ってるのを聞いて……

胸が焼けるみたいだった。

『私もあんな風に栄光を掴みたかった』って、ずっと心の中で叫んでいたの。……凱旋門賞に挑んだこと自体を、後悔してる。 あの時、『更なる輝きを』って無謀な挑戦をせずに、テイエムオペラオーとメイショウドトウ、ウオッカさんとスカーレットさんのようにぶつかり合っていれば…… 綺麗に終われたかもしれないのに。ウオッカさんの言ったように凱旋門賞という太陽に挑んだ無謀なイカロスだった。 あのレースで私の『輝き』は全部燃え尽きて、ただの石ころになってしまった。 それが全部、私の選択の結果だった……。それだけじゃない。スピカにアイさんが入ってきて、トリプルティアラを達成して、JCで世界レコードまで出して……、京都大賞典でようやく勝ててほんの僅かな輝きを掴み取れたのに、私の輝きが、全部塗り潰されていく気がした。

だから……憎しみで無理やり力を出して……、マインドドーピングみたいに自分を追い込んで……、体がボロボロになるまで……。それだけじゃない、リスグラシューさんを利用してスピカを潰そうとした。レーヴちゃんにスピカを潰すのを託そうとした」

 

ダイヤちゃんの声が震え、目に涙が浮かぶ。

 

ダイヤちゃん「本当に……ごめんなさい。キタちゃんの幸せを、心の底から祝福できなかった。

自分が惨めな分、キタちゃんの、アイさんの、スピカの輝きが許せなかった。あの頃の私は、もう『ダイヤモンド』じゃなくて、ただの黒い石ころだった……」

 

キタちゃんは涙を堪えきれず、ダイヤちゃんの手をそっと握った。

 

キタちゃん「ダイヤちゃん……」

 

アイも静かに、優しい眼差しでダイヤちゃんを見つめた。

 

部屋に、夕陽の光と3人の息遣いだけが静かに響いていた。

 

ダイヤちゃんの長い告白が終わった後、部屋に静かな沈黙が落ちた。

 

キタちゃんは優しく微笑んだ。

 

キタちゃん「ダイヤちゃん……ありがとう、全部話してくれて。あたしは……あの時、ダイヤちゃんが苦しんでることに本当の意味で気づけなかった。自分の引退が、ダイヤちゃんをあんなに傷つけてたなんて……。ごめんね。でも、凱旋門賞に挑戦したこと自体は、絶対に間違ってなかったと思うよ。ダイヤちゃんはただ、輝きたかっただけなんだよね。あたしも……ダイヤちゃんと、もっと普通にぶつかり合いたかった。あたしはダイヤちゃんのことが大好きだよ。これからは、ちゃんと一緒にいられるよね?」

 

ダイヤちゃんはキタちゃんの手を強く握り返し、涙をこらえながら微笑んだ。

 

ダイヤちゃん「……ええ。もう、妬んだりしない。キタちゃんの輝きを、ちゃんと祝福できる自分になるわ。アイさんとも向かい合う。……ゆっくり、時間をかけて。」

 

キタちゃんは嬉しそうに、でも優しく頷いた。

 

キタちゃん「妬んだっていいよ、あたしは全部受け入れる覚悟があるよ!ダイヤちゃん、あたしたち、本当の親友になれたね!」

 

ダイヤちゃんの目に、再び涙が溢れた。

 

今度は、悲しみの涙ではなく、温かい解放の涙だった。

 

アイは二人の様子を静かに見守り、そっと微笑んだ。

 

アイ「二人とも……よかったわ」

 

部屋に、夕陽の暖かな光が差し込み、3人の間に、ようやく穏やかで、優しい空気が流れ始めた。

 

キタちゃんとの会話が一段落した頃、ダイヤちゃんはベッドの上でゆっくりと体を起こした。

 

少し迷った後、スマホを手に取り、震える指でメッセージを送った。

 

翌日、部屋のドアが静かにノックされた。

 

リスグラシューが入ってきた。 

 

彼女はテレビ出演の疲れが残る体で、控えめに微笑んだ。

 

リスグラシュー「ダイヤちゃん……呼んでくれたんだね」

 

ダイヤちゃんはベッドの上で深く息を吸い、静かに口を開いた。

 

ダイヤちゃん「……リスグラシューさん。来てくれてありがとう。……ずっと、謝りたかったの」

 

リスグラシューはベッドの横の椅子に腰を下ろし、静かに耳を傾けた。

 

ダイヤちゃん「コックスプレート……あなたを、あのレースに誘ったのは、ただの親切じゃなかった。あの頃の私、クラちゃん、シュヴァルさんはアイさんを、スピカを憎んでいた。私は……スピカを、アイさんを潰したかった。あなたを道具のように利用して、有馬でアイさんを潰して、スピカの光を消したかった……。本当に、ごめんなさい……」

 

ダイヤちゃんの声が震え、目に涙が浮かんだ。

 

リスグラシューは一瞬、目を伏せた。

 

しかし、すぐに優しい笑みを浮かべた。

 

リスグラシュー「……ダイヤちゃん。あのレースは、私にとって本気の挑戦だったよ。検疫のことも、サトノ家のサポートも、全部受け止めて、私は全力で走った。結果、勝てて嬉しかったし、特別奨学金ももらえた。……利用されたって思うより、あの時の私は、ただ勝ちたかっただけ。ダイヤちゃんの気持ちは、ちゃんと受け取った。もう、いいよ。許すから」

 

ダイヤちゃんは涙をこらえきれず、声を詰まらせた。

 

ダイヤちゃん「……ありがとう……本当に……ありがとう……」

 

リスグラシューはそっとダイヤちゃんの手を握った。

 

リスグラシュー「これからは、ちゃんと自分の力で走ろうね。私も……ダイヤちゃんの新しい輝き、見たいから」

 

部屋に、夕陽の暖かな光が差し込み、2人の間に、静かで優しい空気が流れ始めた。

 

 

 

トレセン学園・アグネスタキオンの実験室

 

夕暮れの光が実験室の窓から差し込み、ガラス器具やデータモニターを淡く照らしていた。

 

ダスカは分厚い封筒を両手でしっかりと握りしめ、タキオンの前に差し出した。

 

その手はわずかに震えていた。

 

ダスカ「タキオン先輩!!ダイヤたちの医療データです。体がボロボロになるくらいのマインドドーピングの悪影響を、今後の研究に役立ててください。もう……ダイヤたちのような、憎しみで強くなるウマ娘をみたくありません!」

 

タキオンはいつもの飄々とした笑みを浮かべ、封筒を受け取った。

 

中からデータシートを数枚取り出し、イっちゃってる瞳を細めて一枚ずつ確認していく。

 

タキオン「ふふっ……これはこれは。心の闇を力に変えるマインドドーピング……。肉体への負担は想像以上だねぇ。ダイヤ君たちのデータ、しっかり解析させてもらうよ。憎しみで強くなるウマ娘……二度と生み出さないために、このデータはとても貴重だ。ありがとう、スカーレットくん」

 

ダスカは封筒を渡した後、ようやく肩の力を抜いた。

 

しかしその瞳には、まだダイヤたちの苦しみが焼き付いていた。

 

ダスカ「……お願いします、タキオン先輩。ウマ娘が、ただ走るだけで輝ける世界に……、変えてください」

 

タキオンはデータシートをゆっくりとめくりながら、静かに微笑んだ。

 

タキオン「任せて。この研究が、いつかみんなの『光』を守る盾になるように……、私も、全力でやってみるよ」

 

実験室に、夕陽の光と二人の静かな決意だけが、穏やかに満ちていた。

 

タキオンは分厚い封筒からデータシートをゆっくりと取り出し、いつもの飄々とした笑みを浮かべながら一枚ずつ確認し始めた。

 

モニターの青い光が、彼のイっちゃってる瞳を不気味に照らしていた。

 

タキオン「ふふん……これは興味深いねぇ。まずはサトノダイヤモンド……。凱旋門賞での惨敗以降、ピークアウトして以降G1で一度も掲示板に乗ることなく引退。ドリームトロフィーシリーズ移籍後、憎悪と嫉妬で無理やりピーク以上の力を引き出した結果……、筋肉繊維の微細断裂が複数確認できるね。特に下肢の靭帯に深刻な負担がかかっている。心肺機能も、過剰なアドレナリン分泌による慢性炎症が残ってる。来年全休は妥当だねぇ。これはマインドドーピングの典型例……。負の感情がウマ娘の限界を超える力を生む、貴重なサンプルだよ。感情が肉体を蝕むメカニズムを、定量的に測れるデータがここまで揃ってるなんて……、研究者冥利に尽きるねぇ」

 

ダスカの表情が強張り、封筒を握る手が白くなった。

 

タキオンは次のシートに移り、指で軽く叩きながら続けた。

 

タキオン「次、サトノクラウン……ダイヤほど極端ではないけど、かなり重いねぇ。秋天での敗戦以降の精神的ダメージがピークアウトと重なって身体にまで影響を及ぼしている。筋力低下と回復力の低下が目立つ。特に腱鞘炎の兆候と、ストレスホルモンの過剰分泌による免疫系の乱れが顕著だよ。ダイヤの次に深刻だね。マインドドーピングの影響が、ダイヤより緩やかに、しかし確実に蓄積しているタイプだ」

 

タキオンはさらに次のシートをめくり、軽く眉を上げた。

 

タキオン「そしてシュヴァルグラン……ふむ、ダイヤやクラウンほど重くないねぇ。主に精神的ストレスと軽度の筋疲労。身体のダメージは比較的軽めで、回復の見込みも早そうだ。ただ、心の傷はまだ残っているようだね。比較的軽い理由はラストランの有馬記念でアーモンドアイに先着できたからかな……。あの『先着できた』という小さな勝利が、身体への負担をある程度抑えていたみたいだよ」

 

タキオンは三枚のシートを並べてモニターに映し、興味深げに目を細めた。

 

タキオン「3人とも、負の感情を力に変えた結果、身体に深刻な負担がかかっている……。特にダイヤ君のケースは、マインドドーピングの教科書になりそうだね。憎しみや嫉妬がアドレナリンを過剰に分泌させ、一時的に限界を超える力を生むけど、代償として筋肉・靭帯・心肺機能が蝕まれる……。これを研究すれば、ウマ娘が憎しみや嫉妬に頼らずに強くなる方法が見つかるかもしれないよ」

 

ダスカは封筒を握った手を少し緩め、静かに頷いた。

 

ダスカは唇をきつく結び、拳を握った。

 

ダスカ「先輩……お願いします。ダイヤもクラウンもシュヴァルも、もうあんな目に遭わせないでください。憎しみで力を引き出すなんて……あの子たちはもう十分に苦しんだんです。体も、心も……ボロボロになって……」

 

タキオンはデータシートをゆっくりとまとめながら、静かに微笑んだ。

 

タキオン「心配しなくてもいいよ、スカーレット君。私はただ、事実を記録し、可能性を探るだけさ。ダイヤモンド君たちの『闇』がどれだけウマ娘の限界を超える力を生むのか……。これは是非とも研究させてもらうよ。逆のパターンもできそうだしねぇ。これは感情的な要素を排除するエアシャカール君には到底できないことだからねぇ」

 

ダスカ「逆のパターンって一体?」

 

タキオン「心配しなくていいよ、スカーレット君。ウマ娘の心の闇がどれだけウマ娘の限界を超える力を生むのか.......。それを知ることで、逆に『光』で限界を超える方法も見つかるかもしれない。……それに、君たちのスピカが示した『日常の光』も、ちゃんとデータに入れておくよ。あれもまた、立派な『可能性』だからねぇ」

 

ダスカは少しホッとしたように息を吐き、でもまだ不安げにタキオンを見つめた。

 

ダスカ「……お願いします、先輩。ダイヤやクラウンやシュヴァルが……もう二度と、あんな目で誰かを妬まないように。キタサンやアイが取り戻した輝きを、壊すような研究はしないでくださいね」

 

タキオン「ふふ、約束するよ。私はただ、ウマ娘がもっと幸せになれる方法を探してるだけさ。……それに、ダイヤモンドのデータは貴重だ。彼女が『石ころ』から『ダイヤモンド』に戻る過程も、ちゃんと記録しておかないとね」

 

タキオンは最後のデータシートをテーブルに置き、いつもの飄々とした笑みを浮かべたまま、ゆっくりと振り返った。

 

タキオン「ふふん……わかったよ、スカーレット君。このデータはしっかり研究させてもらう。ウマ娘のメンタルケアを体系化できれば、ダイヤ君たちのような娘を増やさないですむかもしれないね。」

 

彼女は一瞬、笑みを止めた。

 

イっちゃってる瞳が、わずかに細くなる。

 

実験室の冷たい照明の下、タキオンは自分の手を見つめ、ぽつりと呟いた。

 

タキオン「……私の世代は、私も含めてポッケ君もカフェ君もクロフネ君も、故障して選手を引退、トレーナーコースに進まざるを得なかった。私だって本当はもっと走りたかった。ダンツ君も故障から回復後、地方で走っても成績が回復せず、心が壊れてしまった。私もあんな辛い目にあったウマ娘は見たくないんだよ!」

 

その声は、いつもの飄々とした調子とは違い、静かで、わずかに震えていた。

 

ダスカは封筒を握ったまま、驚いたようにタキオンを見つめた。

 

タキオンはすぐにいつもの笑みを戻し、データシートを軽く叩いた。

 

タキオン「ふふ、気にしないで。ただの昔話だよ。さあ、このデータで何か役に立てるように頑張ろうか。」

 

ダスカは深く頭を下げ、ラボを後にした。

 

廊下に出た瞬間、彼女は小さく息を吐き、胸に手を当てた。

 

ダスカ(独白)

……ダイヤ、クラウン、シュヴァル。もう大丈夫だよね。あんたたちの新しい輝きを、私はちゃんと見守ってるから……。

 

 

Bパート

 

マルゼンスキーたちに強引に連行され、ホテルに「カンヅメ」されたルドルフは、積み上がった生徒会の書類の山を前にため息をついていた。

 

カツラギエースが見張りとしてドアの前に椅子を置いて座り、腕を組んで監視している。

 

ルドルフはペンを置いて、ふとエースに声をかけた。

 

ルドルフ「なあエース、芝G1七勝したらそれ以上勝てなくなることをルドルフの呪いと言われているが、本当のところどうなんだ?」

 

エースは壁に寄りかかったまま、ニヤリと笑った。

 

エース「ああ、本当の話だ。まるでお前の顔を立てるのは構わない、だが超えてはならないといわんばかりにな」

 

ルドルフは眉をひそめ、苛立った声で言い返した。

 

ルドルフ「ふ、私が他人を呪うようなウマ娘に見えるか?」

 

エースは肩をすくめ、からかうように続けた。

 

エース「ああ、自分でも気づかないくらい奥底にそういった気持ちがあるな」

 

ルドルフの顔が一瞬で赤くなり、声を荒げた。

 

ルドルフ「貴様!!」

 

エース「あたしのラストランの有馬、翌年のジャパンカップのギャロップダイナ、徹底的にマークしてたじゃないか!それにアメリカ遠征でも何の爪痕も残せなかった!!」

 

ルドルフは顔を歪め、声を荒げた。

 

ルドルフ「ううっ!しかしアメリカの件は日本との差を思い知っただけだ!」

 

エースは静かに、しかし鋭く続けた。

 

エース「海外との差はあたしも認めるよ。でも、後進のウマ娘はドバイや香港は勝ててもアメリカG1をほぼ勝ててない、勝ったとしてもシーザリオのように故障して終着点になった」

 

ルドルフは書類を叩きつけ、立ち上がった。

 

ルドルフ「それでも!私は全てのウマ娘の幸せを望んでいる!!」

 

エースはため息をつき、ルドルフを真っ直ぐに見つめた。

 

エース「勝てなかった者の嫉妬は怖いよ。あのキタサンの親友のダイヤだって負け続けて決別してしまってたんだ!!キタサンもきっとダイヤが自分を妬んでたって認めてるんだ。お前ももっと自分と向き合え。自分の暗い感情とな」

 

ルドルフは言葉を失い、椅子に崩れ落ちた。

 

ルドルフ(私は、本当の意味でウマ娘たちの幸せを願っていたのか?本当は自分の顔を立てるウマ娘の幸せを願ってただけだったのか・・・?)

 

エースは少し声を柔らかくして、続けた。

 

エース「それになルドルフ。テイオーはお前に失望したとは言ってたが、会長を辞めろとは言ってないぞ」

 

ルドルフ「!!!」

 

その言葉に、ルドルフの瞳が大きく見開かれた。

 

皇帝の顔に、初めて本物の動揺が浮かんだ。

 

クリスエス「Changeだ、エース」

 

エース「ああ、わかった。コーチばっかやるんじゃなくてきちんと会長やれよ、ルドルフ」

 

ルドルフは、心を切り替えて、今は生徒会の仕事をおハナと進めるのであった

 

 

 

ジャパンカップが終わった数日後、アイはトレセン学園のグラウンドでラッキーライラックと並んでいた。

 

引退したばかりのアイは、まだ体に疲労が残る中、静かにララに声をかけた。

アイ「ララ、有馬記念の練習するわよ!引退したからわたしも時間があるし」

 

ララは少し驚いた顔をしたが、すぐに小さく頷いた。

 

ララ「アイさん、ウチの目標は掲示板に載ることや」

 

アイは真剣な目でララを見つめ、力強く言った。

 

アイ「だったらより頑張りなさい!!あなたはわたしのライバルなんだから!!」

ララは一瞬、言葉を詰まらせた。

 

ララ「ライバルか。」

 

ララは遠くを感じた。

 

クラシックのティアラ三戦以外で戦ってないからだ。

 

あの頃の激しい勝負が、まるで遠い記憶のように思えた。

 

ララ(……アイさん。あんたはもうターフを去ったのに、まだウチのことをライバルだって言ってくれるんやね……。でもウチは……。もう、あんたと真正面からぶつかり合う機会は、二度とあらへんのかもしれへん……)

 

二人は静かに並んで、軽いジョギングを始めた。

 

引退したアイの背中は、どこか穏やかで、ララの胸に、複雑な想いを静かに残していた。

 

 

トレーナーの豆知識 芝の違い

 

トレーナー「よう、スピカのトレーナーだ。今回は芝の違いについて説明するぞ!!日本の芝は野芝と呼ばれる芝でクッション性が高く、高速バ場になりやすいが、欧州の芝は洋芝と呼ばれるクッション性が低く、パワーが要求される芝だ!!日本のウマ娘が洋芝で苦戦するが、逆に欧州ウマ娘ですら野芝で苦戦しているぞ!!」

 

ダイヤちゃん「BCターフ出た方が良かったかも……」

 

 

次回予告

 

ダイヤちゃん「アイさんは引退した。でも、まだ有馬記念が残っている。そして私たちは親から罰を受ける。その一方で、寮を引っ越したメンバーはルームメイトと最後の思い出作りをすることとなった。次回、ウマ娘プリティーダービー4th season、別れと、新たなる光。最終回まであと3R。」




次回予告はデジモンアドベンチャー、締めセリフは勇者エクスカイザー終盤です。

ダイヤちゃんと仲直りしたので次回予告を担当しました

追記 予想より話が伸びましたので、次回予告が変わりました
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。