ウマ娘プリティーダービー 4th season 妄想プロット   作:サンデー狂

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24R 別れと、新たなる光

アバンシーン

 

キタちゃんのお見舞いの翌日、ダイヤちゃんの病室にて

 

リモートでダイヤちゃん達は各々の両親から叱責されていた

 

父「リスグラシューさんの件……ホテルをサトノ系列の良い部屋にアップグレードした程度とはいえ、お前たちが意図的に優遇した事実はある。

 ……クラウンが宝塚記念の時に移動手段とホテルをアップグレードしてコンディションを整え、ハードトレーニングで消耗していたキタサンに勝利した経験がある以上、この件を強く責めることはできない。URAでのメジロ家に対する発言力強化という側面も理解できなくはない。しかし……」

 

父はテーブルの上に、数冊の心理学とスポーツ科学の本を置いた。

 

父「本質的に許せないのは、図書館でこれらの本を読み漁り、マインドドーピングによるリミッター解除に手をつけたことだ。憎しみと嫉妬を燃料に、精神を無理やり高揚させて限界を超える力を使おうとした……。そんな自滅行為を、よくもやったものだ。お前たちの体と心を、文字通り壊す愚行だったという自覚はあるか?」

 

沈黙が流れる

 

父「 ……それ以上に、許せないのはお前たちの心のあり方だ。キタサンブラックやアーモンドアイ、ひいてはスピカ全体を妬み、彼女らの輝きを憎悪の対象にしていたこと。春天でメジロマックイーンを破ったライスシャワーを称えるような、他者をリスペクトする心を、完全に失っていたこと……。お前たちはサトノの娘だ。かつては他者の勝利を称え、努力を認め、自分も高みを目指す……そんな誇りを持っていたはずだ。それが、完敗の絶望からただの嫉妬と自己憐憫に塗り潰され、他者の光を妬むだけの惨めな石ころと化した……。本当に、情けない」

 

ダイヤちゃん「……はい……、凱旋門賞の惨敗以降、ピークアウトして衰えていく自分が悔しくて……、世代交代の波に飲み込まれる痛みに耐えられなくて……、本で得た知識を使って、憎しみで無理やり力を引き出していました……本当に、愚かでした……」

 

父「……罰として、髪を切る。お前たちがどれだけ愚かなことをしたか、その重さを自分で刻み込むために。」

 

ダイヤちゃん、クラウン、シュヴァルは三人とも抵抗の言葉を発さず、静かに椅子に座った。

 

ただ、目を伏せて覚悟を決めた表情で理容師を見つめていた。

 

ハサミの音だけが病室に響く。

 

本編

 

それから数日後

 

短く切られた髪、痛む体、静かな談話エリア——すべてが、自分たちが歩んできた「トゥインクルシリーズ最後の1年」を突きつけているようだった。

 

ダイヤちゃんは車いすの肘掛けを強く握り、窓の外の夕焼けを見つめながら、掠れた声で呟いた。

 

ダイヤちゃん「……2年前の春、私はまだ……輝いているつもりだった」

 

(ダイヤちゃん・心の声)

凱旋門賞の後……すべてが変わった。

 

G1で勝てなくなって、掲示板にも載れなくなって……

 

京都大賞典でやっと1着を取った時は、本当に嬉しかったのに。

 

でもその後もジャパンカップ6着、ラストランの有馬記念6着……。

 

「サトノダイヤモンド」の名前が、ただの飾りみたいに思えて。

 

キタちゃんが綺麗に引退した姿を見るたび、胸が焼けるように妬ましかった。

 

「どうしてあの子は……私だけがこんな惨めなの?」

 

その気持ちが、どんどん黒く膨らんで……

 

アーモンドアイが現れて、トリプルティアラ、ジャパンカップの大レコード……

 

私の最後の輝きまで、全部塗り潰されていく気がした。

 

だから、ドリームトロフィーに移籍してから、憎しみで無理やり力を引き出して……

 

漆黒の領域……。

 

体が壊れるのも構わずに。

 

……本当に、惨めだった。

 

ただの石ころだった。

 

ダイヤちゃんの目から、ぽろりと涙が落ちた。

 

ダイヤちゃん「……私は、最後の1年で、何も残せなかった。ただ、みんなを傷つけただけ……」

 

隣のベッドで、クラウンは松葉杖を膝に抱え、切られたサイドテールを指でそっと撫でながら目を伏せた。

 

クラウン「……私も……秋天で負けてから、全部終わった気がしたわ。掲示板にも載れなくて……引退が近づくにつれて、どんどん惨めになって……。ダイヤと同じように、キタサンやスピカの輝きが許せなくなって……」

 

(クラウン・心の声)

サトノクラウンとして、最後の1年を走り切るはずだったのに……

 

ただの影みたいに薄れていく自分が怖かった。

 

ダイヤの惨めさに寄り添うことで、自分の惨めさを誤魔化していた。

 

シュヴァルも……一緒に闇に落ちて……

 

本当に、情けなかった。

 

シュヴァルは短くなった髪を何度も触りながら、苦しげに息を吐いた。

 

シュヴァル「……僕も、有馬記念でアイさんに先着できた時は、少しだけ救われた気がした。

でも、それさえ……結局、惨めさを隠すためのものだった。キタサンの背中が、スピカの輝きが、僕の無力さを突きつけてくるのが怖くて……。だから、ダイヤやクラウンと一緒に、陰で画策して……」

 

(シュヴァル・心の声)

最後の1年、僕はただ、姉さんたちの陰に怯えていた。

 

キタサンが引退した後の空白を埋められなくて、アイさんの大レコードにすべてを塗り潰された気がして……

 

本当に、惨めだった。

 

誇りを失って、ただ他人を妬むだけのウマ娘になっていた。

 

3人は互いの顔を見た。

 

短く切られた髪、痛む体、腫れた目——

 

すべてが「最後の1年」の証だった。

 

ダイヤちゃんが、震える声で言った。

 

ダイヤちゃん「……私たち、惨めだったよね。最後の1年やドリームトロフィーで、輝くどころか……ただ、みんなを傷つけて、自分も壊して……本当に、ダイヤモンドじゃなかった。ただの黒い石ころだった……」

 

クラウン「……でも……今、こうして話せてる。家族に叱られて、痛いほど自分の惨めさと向き合えて……これが、最初の一歩なのかもしれないね」

 

シュヴァル「……うん。もう、妬まない。ちゃんと、自分の足で立って……、キタサンやアイさんとも、向き合いたい」

 

病室に、静かで、しかし確かに温かい空気が流れ始めた。

 

3人はまだ痛みを抱えていたが、その痛みを、初めて「自分のもの」として受け止めようとしていた。

 

 

翌日の午後 府中の病院 個室

病室のドアが、静かにノックされた。

 

ダイヤちゃんが短くなった髪を気にするように軽く触った瞬間、ドアがゆっくりと開いた。

 

入ってきたのは、息を切らしたキタサンブラックだった。

 

マスクを外し、両手には小さなお見舞いの花束と、ダイヤちゃんが昔好きだったフルーツのバスケットを持っている。

 

キタちゃん「……ダイヤちゃん」

 

一瞬、部屋が凍りついた。

 

ダイヤちゃんは車いすの上で体を固くし、短くなったボブヘアを隠すようにうつむいた。

 

クラウンは松葉杖を握りしめ、壁際に視線を逸らす。

 

シュヴァルは短い髪を無意識に手で押さえ、唇を強く噛んだ。

 

キタちゃんは一歩踏み込み、静かに微笑んだ。

 

キタちゃん「ごめん、突然来ちゃって……。メッセージもらってから、ずっと気になって……、我慢できなくて、来ちゃった」

 

ダイヤちゃんの声が、震えながら漏れた。

 

ダイヤちゃん「……見ないで……。こんな惨めな姿……キタちゃんに見られたくない……」

 

キタちゃんはゆっくりと近づき、ダイヤちゃんの車いすの前にしゃがみ込んだ。

 

目線を合わせて、優しく、けれどはっきりと言った。

 

キタちゃん「惨めなんかじゃないよ。ダイヤちゃんは……ダイヤちゃんだよ。短くなった髪も、すごく似合ってる。まるで……新しいスタートを切るみたい」

 

ダイヤちゃんの目から、ぽろぽろと涙が溢れた。

 

ダイヤちゃん「……最後の1年、私は本当に惨めだった……。キタちゃんが綺麗に引退した姿を見るたび、胸が痛くて……。アイさんが輝くたび、自分が石ころみたいに思えて……。ドリームトロフィーに移籍してから憎しみで無理やり力を出して……、体も、心も、全部壊して……、家族にも、こっぴどく叱られて……髪も切られて……本当に……ごめんなさい……」

 

キタちゃんはダイヤちゃんの短くなった髪にそっと手を伸ばし、優しく撫でた。

 

キタちゃん「謝らなくていいよ。……いや、謝ってくれてありがとう。あたしも、ダイヤちゃんが苦しんでたことに、ちゃんと気づけなかった。ごめんね。でも、もう大丈夫だよ。ダイヤちゃんがこうして向き合おうとしてくれてる……。それだけで、すごく嬉しい」

 

クラウンが掠れた声で言った。

 

クラウン「……私も……ごめんなさい、キタサン。秋天で負けてから、全部が嫌になって……。キタサンの輝きが、許せなくなって……」

 

シュヴァルも、短い髪を押さえながら、目を赤くして呟いた。

 

シュヴァル「……僕も……キタサンの背中が怖かった。アイさんの勝利が、全部を塗り潰す気がして……、本当に、惨めだった……」

 

キタちゃんは3人全員を見回し、涙を浮かべながらも、強く微笑んだ。

 

キタちゃん「みんな……ありがとう。ちゃんと話してくれて。あたしは、みんなのことが大好きだよ。もう、妬まなくていい、ううん、妬みも受け止めるよ。これからは、ちゃんと一緒にいよう?ゆっくりでいいから……元の関係に戻ろうね」

 

ダイヤちゃんは嗚咽を漏らしながら、キタちゃんの手を強く握り返した。

 

ダイヤちゃん「……うん……。キタちゃん……大好き……。もう、離れない……」

 

クラウンとシュヴァルも、静かに頷いた。

 

ダイヤちゃん「ダイヤモンドのことだけど、知ってた?ダイヤモンドはモース硬度10で、世界で一番硬い宝石だって言われてるでしょう?引っ掻き傷はほとんどつかない。……でも、衝撃には意外と脆いの。ルビーやサファイアより、割れやすいって書いてあったわ」

 

彼女は静かに目を伏せた。

 

ダイヤちゃん「……まさに、私だわ。私はずっと、自分の心を『ダイヤモンド』だと思ってた。硬くて、傷つかなくて、輝き続けるものだって……。でも、本当は……ただの硬さだけだった。凱旋門賞の、あの惨敗……一瞬の大きな衝撃で、心にヒビが入った。あのレースで、私の転落が始まった。それ以降、ただの石ころみたいに転がって……キタちゃんの輝きや、アイさんの勝利という衝撃に、耐えられなくなって……」

 

ダイヤちゃんの声が、徐々に震え始めた。

 

ダイヤちゃん「……硬いだけじゃ、脆いんだって……今、知ったわ。本物のダイヤモンドも、強い衝撃を受ければ割れる。私も、同じだった。ピークアウトの痛みと、世代交代の波という衝撃に、何の準備もできていなかった。ただ、悔しくて、惨めで……。だから、ドリームトロフィー移籍後、闇に逃げて、力を無理やり引き出して……本当に、愚かだった……」

 

クラウンが静かに頷いた。

 

クラウン「……私も……同じ。硬いと思っていた心が、あっさり砕けて……秋天の敗北が、最初のひび割れだったわね」

 

シュヴァルも短い髪を撫でながら、苦く笑った。

 

シュヴァル「……僕も、ジャパンカップ賞以降のアイさんの走りが、心に直接叩きつけられる衝撃だった……。自分の心が、こんなに脆かったなんて……」

 

キタちゃんはダイヤちゃんの短くなった髪にそっと手を置き、優しく言った。

 

キタちゃん「でも……今、気づけたんだよね。硬さだけじゃなくて、強さも大事だって……。これから、ちゃんと強くなれるよ。あたしも、一緒にいるから」

 

ダイヤちゃんは涙をこらえながら、静かに微笑んだ。

 

ダイヤちゃん「……ありがとう、キタちゃん凱旋門賞が、心の崩壊のきっかけだった……。そのことを、ちゃんと認めるわ。もう、脆いだけのダイヤモンドじゃない……。少しずつ、強い心になれるように……頑張る」

 

ダイヤちゃんの病室にアーモンドアイ、トウカイテイオー、メジロマックイーンの3人が入ってきた。

 

3人ともマスクを外し、手にお見舞いの花やフルーツを持って立っている。

 

ダイヤちゃん、クラウン、シュヴァルは一瞬、息を飲んだ。

 

ダイヤちゃん「……みんな……」

 

アイが最初に静かに微笑んだ。

 

アイ「ごめん、急に来ちゃって。キタサンから連絡をもらって……。どうしても、直接顔を見て話したくなったの」

 

テイオーが明るく、でも少し緊張した笑顔で言った。

 

テイオー「ボクも! ダイヤちゃん、クラウンちゃん、シュヴァルちゃん……、元気になってるかなって、ずっと気になってたんだ」

 

マックイーンは優雅に、しかし目に涙を浮かべながら近づいた。

 

マック「わたくしも……。皆様のことが、とても心配で……」

 

クラウンは松葉杖を握りしめ、短く切られた髪を隠すようにうつむいた。

 

シュヴァルも短い髪を無意識に手で押さえた。

 

ダイヤちゃんは車いすの上で体を小さくし、掠れた声を出した。

 

ダイヤちゃん「……こんな惨めな姿、見られたくなかった……。短くなった髪も……全部、罰で……」

 

キタちゃんがダイヤちゃんの隣に寄り、優しく手を握った。

 

キタちゃん「みんな、ちゃんと話を聞いてほしいって言ってくれたの。ダイヤちゃんが、宝石のことを話してくれたところだったよ」

 

アイはダイヤちゃんの目を見て、静かに頷いた。

 

アイ「凱旋門賞のことが……心の崩壊のきっかけだったって、聞いたわ。硬いはずのダイヤモンドが、強い衝撃で砕けてしまった……。私も、ジャパンカップで大レコードを出した時、あなたたちの痛みを、ちゃんと理解できてなかった。ごめんなさい」

 

テイオーが真剣な顔で言った。

 

テイオー「ボクも……ダイヤちゃんが苦しんでたことに、もっと早く気づけていたら。凱旋門賞の後、みんなが『キタちゃんは幸せに引退した』って言ってるのを聞いて、どれだけ悔しかったか……想像できてなかったよ。ごめんね」

 

マックイーンはハンカチで目元を押さえながら、穏やかに語った。

 

マック「わたくしも……。あなたが最後の1年で味わった悔しさ、世代交代の痛み……。すべてを、ちゃんと受け止めてあげられなかった。短く切られた髪も……その悔しさの証なのですわね」

 

ダイヤちゃんは涙を堪えきれず、声を震わせた。

 

ダイヤちゃん「……凱旋門賞で、心にヒビが入った。硬いはずのダイヤモンドが、衝撃に耐えられなかった……。それから、ただ惨めで、悔しくて……若い世代の輝きが許せなくて……でも、ちゃんと認めることすらできなかった自分が、一番悔しかった……」

 

クラウンとシュヴァルも、静かに自分の悔しさを口にした。

 

クラウン「……私も、秋天以降、毎日が悔しさでいっぱいだったわ……」

 

シュヴァル「……僕も……時代が終わっていく痛みに、ただ耐えるしかなかった……」

 

4人は静かに3人の言葉を聞き、それぞれが手を差し伸べた。

 

キタちゃん「もう大丈夫だよ。みんなで、一緒に前へ進もう」

 

アイ「これからは、ちゃんと向き合える関係になりたい。悔しさを、力に変えていこう」

 

テイオー「ボクも、みんなの味方だよ!」

 

マック「わたくしたちスピカは、いつでも皆様をお待ちしていますわ」

 

ダイヤちゃんは短くなった髪を触りながら、初めて穏やかな笑みを浮かべた。

 

ダイヤちゃん「……ありがとう。この悔しさを、無駄にしない。脆いだけのダイヤモンドじゃなく……衝撃にも耐えられる、本物の強さを、手に入れたい」

 

病室に、痛みと優しさ、そして静かな希望が満ち、3人の泣き声と、キタちゃん達の優しい声だけが響いていた。

 

短く切られた髪は、まだ罰の象徴だったけれど、そこに、ようやく新しい光が差し込み始めていた。

 

 

Bパート

 

お見舞いから数日後、スピカに一通のメッセージが届いた。

 

送信者はサトノダイヤモンド——ダイヤちゃんだった。

 

メッセージには、簡潔にこう書かれていた。

 

『年内中に元の寮に戻ってください。スピカの皆さん、私のわがままで振り回してしまい、申し訳ございませんでした。私たちの心に光を取り戻してくれてありがとうございます』

 

部室に集まったメンバーは、スマホの画面を見つめ、静かに息を飲んだ。

 

キタちゃん「……ダイヤちゃんから、連絡が来たよ」

 

マック「やっと……元の寮に戻れるのですわね」

 

ウオッカ「ふん、ようやくか」

 

しかし、誰もがすぐに喜ぶわけではなかった。

 

引っ越しから始まったこの奇妙な生活は、予想外の別れの予感を、みんなに与えていた。

 

テイオーが静かに立ち上がり、みんなを見回した。

 

テイオー「みんな……同室になったメンバーと、最後に遊ぼう。せめて、思い出を残そうよ!!」

 

キタちゃん「そうだね!最後に、みんなで楽しもう!」

 

ゴルシ「あたしはパス。ステゴは元々同室だからな。三浦寮のみんなで騒ぐつもりだよ」

 

トレーナー(また碌でもないこと考えてるな)

 

スペ「ラヴさんは私たちで特訓します!!」

 

ラヴ「ありがとう、みんな。わたしも有馬記念、頑張るわ!」

 

アイ「じゃあその日はラヴちゃんの特訓に付き合うわ」

 

こうして、引っ越させられたスピカのメンバーは、それぞれが同室になった相手と、最後の思い出を作ることにした。

 

 

ジャパンカップが終わってからしばらく、オグリのチーム部室ではクロノジェネシスが有馬記念に向けた調整を行っていた。

 

軽いジョギングと並走練習の合間、オグリキャップがスマホの画面を見て小さく笑った。

 

オグリ「ダイワスカーレットが遊びに行かないかって?」

 

イナリワンがタオルで汗を拭きながら、肩をすくめた。

 

イナリ「引っ越し前の最後の思い出作りだとよ。あたしもクロノの特訓があるだろ?引っ越しの準備はできてるけど、どうしようか迷ってんだよ」

 

タマモクロスがペットボトルを傾けながら、明るく言った。

 

タマ「行ってきいや」

 

クリークが優しく微笑みながら、イナリの背中を軽く叩いた。

 

クリーク「たまには休むのも大事よ❤️」

 

ディクタストライカがサンドイッチの袋を差し出しながら、にやりと笑った。

 

ディクタ「クロノは俺たちで見るからよ」

 

イナリは一瞬迷った後、大きく頷いた。

 

イナリ「ありがとよ、みんな!!」

 

クロノは先輩たちの言葉に胸を熱くし、思いを伝えた。

 

クロノ「イナリさん、たまには休んでください。休めば心がリフレッシュできますよ」

 

オグリは静かに微笑み、イナリの肩に手を置いた。

 

オグリ「行って来てくれ。クロノの有馬記念に向けた特訓は、帰ってからでも十分間に合う。最後の思い出は、ちゃんと作っておいた方がいい」

 

部室に、温かい空気が満ちた。

 

引っ越し前の最後の思い出作り——

 

それは、ただの遊びではなく、ルームメイトとの絆を、もう一度確かめる時間でもあった。

 

遊園地

冬の風が少し冷たい遊園地に、4組のペアが散らばっていた。

 

キタちゃん&ドゥラメンテ

 

キタちゃんはドゥラメンテの手を握り、観覧車に乗り込んだ。

 

キタちゃん「ドゥラちゃん、引っ越してから……本当にありがとう。ダイヤちゃんのことで悩んでた時、ずっとそばにいてくれて……」

 

ドゥラメンテは静かに微笑んだ。

 

ドゥラ「キタサンこそ、ありがとう。君のおかげで、私も少し強くなれた気がするよ」

 

二人は観覧車が頂上に達した瞬間、静かに手を重ねた。

 

テイオー&バブルガムフェロー

 

ジェットコースターの列で、テイオーがフェローの肩を叩いた。

 

テイオー「フェロー、引っ越してからも毎日楽しかったよ!これからも、ボクの友達でいてね!」

 

フェローは笑いながら、テイオーの腕に絡みついた。

 

フェロー「もちろん!テイオーと一緒なら、どこまでも高みを目指せるよ!」

 

ウオッカ&ツインターボ

 

コーヒーカップの前で、ウオッカがターボの頭を軽く小突いた。

 

ウオッカ「ターボ、お前と一緒の部屋は毎日ジェットコースターみたいだったぜ。ただのクラスメイトの時とは違う感覚だった。……悪くなかったよ」

 

ターボは目を輝かせて飛びついた。

 

ターボ「ウオッカ〜!これからも玉には一緒に遊ぶも〜ん!」

 

アニメではわからないが誤字ってるwww 字幕になったらわかるが

 

 

ダスカ&イナリワン

 

射的のブースで、ダスカがイナリに肩を貸しながら歩いていた。

 

ダスカ「イナリ先輩、引っ越してから……あなたとの生活はウオッカとは違った騒がしさがあったわよ。……でも、寂しくなるかも」

 

イナリは照れくさそうに笑った。

 

イナリ「へへ、あたしもだぜ。スカーレットと一緒の部屋、結構好きだったんだよな」

 

4組のペアは、遊園地の賑わいの中で、それぞれの思い出を胸に、最後の時間を大切に過ごした。

 

マックイーンとライアンは、元々メジロ家のウマ娘だったため、引っ越し後もメジロ家で簡単な会食をする程度で済んだ。

 

二人は穏やかな笑顔で、互いの近況を語り合いながら、静かに別れの時間を過ごした。

 

 

しかし——

 

スピカの他のメンバーが遊園地に遊びに行った後の三浦寮は、まさに無法地帯の賭場と化していた!!

 

ナカヤマフェスタがテーブルを叩き、興奮気味に叫んだ。

 

ナカヤマ「ルドルフはホテルにカンヅメで不在、バクシンオーはロッカーに閉じ込めてある!!」

 

ステイゴールド(ステゴ)がカードをシャッフルしながら、ニヤリと笑った。

 

ステゴ「さあ、賭場を開張するぞ」

 

ゴールドシップは弁当箱を大量に抱え、豪快に声を張り上げた。

 

ゴルシ「ゴルシちゃんも弁当売りまくるぜ!!」

 

三浦寮の休憩スペースは、たちまちバカラ、ポーカー、ブラックジャックなどのゲームテーブルで埋め尽くされ、チップの音と笑い声が響き渡っていた。

 

ルールもマナーも忘れた無法地帯——

 

引っ越し騒動の余波は、予想外の混沌を生み出していた。

 

 

永世三強のイナリも三浦寮に帰る日が来た

 

イナリ「じゃあな、みんな。楽しい2年だったぜ。」

 

オグリ「ああ、寂しくなるな」

 

タマ「また学園でな!!」

 

クリーク「ターボちゃんによろしくね」

 

ディクタ「俺もお前と関われてよかったぜ。俺はお前と関わりなかったからな」

 

イナリ「おう!!また学園でな!!」

 

 

引っ越させられたメンバー帰寮日 夕方

 

三浦寮から栗東寮への帰還の日が、ついに訪れた。

 

約2年間だったが、それぞれのウマ娘にとって、忘れられない時間となっていた。

 

テイオーの部屋

 

テイオーは荷物を抱え、いつもの明るい笑顔でドアを開けた。

 

テイオー「ただいま、マヤノ!」

 

部屋の中で待っていたマヤノトップガンが、勢いよく飛びついてきた。

 

マヤノ「おかえり、テイオーちゃん!!もう、めっちゃ寂しかったんだから!!」

 

テイオーはマヤノを抱きしめ返しながら、照れくさそうに笑った。

 

テイオー「ごめんね。三浦寮では偶に賭場が開かれてて、なんかカオスだったよ(笑)。でも……ダイヤちゃんたちのことがあって、ちゃんと向き合えた気がする。戻ってこれて、よかった」

 

マヤノはテイオーの背中をポンポンと叩き、優しく言った。

 

マヤノ「テイオーちゃんが元気なら、それでいいよ。次は一緒に、ちゃんと走ろうね」

 

マックイーンの部屋

 

マックイーンは優雅に荷物を置き、部屋の主に声をかけた。

 

マック「ただいま、イクノディクタスさん」

 

イクノディクタスは。

イクノ「マックイーンさん おかえりなさい。三浦寮でゴルシさんたちと一緒にいたとターボから聞いてましたが、大丈夫でしたか?」

 

マックイーンは穏やかに微笑みながら、短くため息をついた。

 

マック「ええ、賑やかではありましたわ。でも……ダイヤさんたちの惨めさと向き合う時間が、わたくしにとっても大切でしたの。彼女たちが短く髪を切られてまで反省している姿を見て……、本当に、胸が痛みましたわ」

 

イクノはマックイーンの手を握った。

 

イクノ「マックイーンさんが戻ってきてくれて嬉しいです。これからは、また一緒に走りましょう」

 

ウオッカの部屋

 

ウオッカがドアを開けると、ダスカが勢いよく立ち上がった。

 

ウオッカ「ただいま、スカーレット」

 

ダスカは一瞬、言葉を詰まらせた後、突然ウオッカに抱きついた。

 

ダスカ「……本当に、本当に寂しかったんだから!!あんたがいないと、なんか……ペースが違いすぎて……毎日、胸が苦しくて……!」

 

普段はツンツンしているダスカが、嬉し涙を浮かべてウオッカの胸に顔を埋めていた。

 

ウオッカは少し驚きながらも、照れくさそうにダスカの背中を優しく叩いた。

 

ウオッカ「悪かったな。三浦寮では毎日カオスだったぜ。でも……ダイヤやクラウン、シュヴァルの惨めさを間近で見て、改めて思ったよ。俺たち、ちゃんと大事にしなきゃなって」

 

ダスカは涙を拭いながら、頷いた。

 

ダスカ「……ええ。あんたが戻ってきて、本当によかった……」

 

キタちゃんの部屋

 

キタちゃんは荷物を置いた。ルームメイトのダイヤちゃんはまだ帰ってきていない……

 

そこにスペがやってきた

 

キタちゃん「ただいま戻りました、スペさん」

 

スペシャルウィークは明るく笑顔で迎えたが、少し寂しげに言った。

 

スペ「おかえり、キタさん!……でも、ダイヤさんはまだ戻ってきてませんよね?」

 

キタちゃんは静かに頷いた。

 

キタちゃん「うん。ダイヤちゃんはまだ入院中だから……。あたしは、ダイヤちゃんがちゃんと戻ってくるまで、ここで待ってます。彼女が心の傷を癒して、笑顔で戻ってこれるように……あたしも、ちゃんと準備しておきます」

 

スペはキタちゃんの手を握った。

 

スペ「キタさん、優しいね。ダイヤちゃん、きっと大丈夫だよ。みんなで待ってるから」

 

ゴルシ&ステゴの部屋

 

ゴルシ「ついに栗東寮だな」

 

ステゴ「年明けたらまた旅に出るか。今回は山だな」

 

ドリジャ「おかえりなさい、アネゴ」

 

オル「お前が帰ってくるのを姉上は待っておられたぞ」

 

ステゴ「ああ、心配かけたな」

 

スピカ部室 夜

 

全員が栗東寮に戻った後、スピカの部室に集まった。

 

アイ「みんな、無事に帰ってこれてよかった……」

 

ラヴ「でも、ダイヤちゃんたちが完全に元通りになるまでは……まだ時間がかかりそうね」

 

キタちゃんは静かに微笑んだ。

 

キタちゃん「うん。あたしは待つよ。ダイヤちゃんが、心から笑える日が来るまで……」

 

部室に、穏やかで優しい空気が流れた。

 

別れと再会の季節は、まだ終わっていなかった。

 

 

 

トレーナーの豆知識 SPORTS LIGHT

 

トレーナー「よう、スピカのトレーナーだ。今回はSPORTS LIGHTについて解説するぞ。SPORTS LIGHTはウマ娘専門のスポーツ用品企業だ。そこの令嬢のベルノライトはオグリキャップをカサマツ時代から支えていた。その縁がきっかけでオグリはSPORTS LIGHTがスポンサーになっている。オグリキャップモデルは今も人気の商品だ!!」

 

オグリ「ベルノの別荘には世話になったからな(シングレ172話参照)」

 

 

次回予告

 

シュヴァル「僕は結局G1も1つしか勝てなかったし、活躍はキタサンやアイさんの影になったんです。だからダイヤ達と一緒にスピカを潰そうとしたんです。そうしたらパパたちに怒られたんです。そりゃ当然だよね。次回は、『明けない夜はない』です。お楽しみに。(短くなった髪を掻きながら)ポリポリ」

 

 




断髪フェティシズムではありません。

別れは、自分の髪の毛と惨めさから逃げる自分、そしてルームメイトです。

次回予告はかりあげクンを意識しました。シュヴァルの髪がベリーショートになったので。
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