ウマ娘プリティーダービー 4th season 妄想プロット   作:サンデー狂

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アーモンドアイの物語は最終回ですが、まだ続きます


最終R 君は完璧で九冠のアイドル

OPも兼ねたアバンシーン

 

正月 初詣 雪の境内

 

新年の雪が、静かに境内を白く染めていた。

 

鳥居をくぐったスピカの面々は、息を白くしながらゆっくりと参道を進む。

 

アイ、キタちゃん、ラヴ、テイオー、マックイーン、ゴルシ、ダスカ、スペ……そして、短くなった髪のダイヤちゃんも、車いすで一緒に歩いていた。

 

 

ダイヤちゃんは白い振袖に淡い桜の柄を纏い、膝掛けをかけていた。

 

短いボブヘアが雪の光に映え、車いすの車輪が雪を軽く軋ませる音が、静かな境内を優しく響かせる。

 

アイは隣を歩きながら、柔らかく微笑んだ。

 

アイ「ダイヤちゃん、和服が似合うわね。雪の中で、まるで絵みたい……」

 

ダイヤちゃんは車いすの肘掛けに手を置き、少し照れくさそうに微笑んだ。

 

短くなった髪が、雪の粒で軽く輝いている。

ダイヤ「ありがとうございます……。久しぶりに着てみました。家族に切られた髪も……少しずつ、慣れてきました」

 

ダイヤちゃん(……短くなった髪。罰として切られた時は、ただ惨めだった。でも今は、違う。この髪は、私が黒い石ころから抜け出そうとした証……。車いすに乗ったままでも、みんなと一緒に初詣に来られる……。それが、嬉しい。アイさん、キタちゃん……ありがとう。私は、もう妬まない。ちゃんと、前を向けるように……頑張る)

 

ダスカが、からかうようにダイヤちゃんの振袖の帯を指差した。

 

ダスカ「帯で胸が強調されてるわ。以前から思ったけど、あんた、スタイルいいのね」

 

ダイヤちゃんは少し頰を赤らめ、照れ笑いを浮かべた。

 

ダイヤ「ふふ、これでもB87センチのFです……。胸には自信があります」

 

アイが、悔しがりながら自分の胸を軽く押さえた。

 

アイ「うう、負けた……(B86のE)ダイヤちゃん、和服姿でそんなに強調されたら……完全に私の完敗ね」

 

ゴルシ「ちなみにロブロイは背が低いけどあたしよりデカいぜ。Hだったはずだ。」

 

ダスカ「下手すれば犯罪級じゃない!?」

 

キタちゃんが、笑いながら間に割って入った。

 

キタちゃん「もう、みんな!初詣なのに、そんな話ばっかり……。でも、ダイヤちゃんの笑顔が見られて嬉しいよ」

 

テイオーが明るく声を上げ、マックイーンが優雅に頷いた。

 

テイオー「ダイヤちゃん、和服姿もかわいいよ!車いすでも、ちゃんと一緒に歩けてるね!」

 

マック「ええ、雪の中で振袖が映えますわ。わたくしも、ダイヤさんの回復を心から嬉しく思いますの」

 

ゴルシが、いつもの豪快さで笑った。

 

ゴルシ「ははっ!ダイヤも光が戻ってきたな!今年はもっと派手にいくか!?」

 

ダスカ「ゴルシ先輩まで……!」

 

スペが笑いながら皆をまとめていた。

 

スペ「みんな、楽しそうでよかった……今年も、スピカで一緒に頑張ろうね!」

 

ダイヤちゃんは車いすの上で、雪の降る空を見上げた。

 

短くなった髪に雪の粒が乗り、キラキラと輝いている。

 

 

正月 神社境内

 

新年の雪が、静かに境内を白く染めていた。

 

感染症禍の影響で、出店はほとんど無かった。

 

普段なら賑やかな屋台の並ぶ参道は、雪の静寂に包まれ、訪れる人々の足音だけが柔らかく響く。

 

スピカの面々は、鳥居をくぐり、息を白くしながらゆっくりと参道を進んでいた。

 

アイ、キタちゃん、ラヴ、テイオー、マックイーン、ゴルシ、ダスカ、スペ……そして、短くなった髪のダイヤちゃん、クラウン、シュヴァルも一緒に歩いていた。

 

アイが、周囲を見回して小さく微笑んだ。

 

アイ「やっぱり出店はほぼ無しね……。去年までは賑やかだったのに……」

 

スペが残念そうに肩を落とした。

 

スペ「うう、シャーピン、焼き小籠包、ケバブ、たい焼き……、今年は我慢だね……」

 

参道の途中で、皆はそれぞれお賽銭を入れ、手を合わせた。

 

雪の降る静かな境内の中で、4人の願いが、そっと空に溶けていく。

 

アイ(今年もスピカの輝きが続きますように……九冠を達成した私も、まだ走り続けたい。みんなと一緒に、新しい光を追いかけたい……)

 

ラヴ(成績が回復しますように……、今年はラストイヤー。みんなの笑顔を、もっと届けたい……)

 

キタちゃん(ダイヤちゃんたちの体が早く回復しますように……。短くなった髪の3人が、また笑って走れる日が来るように……)

 

ダイヤちゃん(私たちみたいに憎しみに堕ちるウマ娘が現れませんように……。黒い石ころだった私が、もう二度と、同じ過ちを繰り返さないように……、そして、誰かが同じ闇に落ちないように……)

 

お参りを終え、スピカの面々が帰ろうとしたその時——

 

ノっちゃん(イクイノックス)が、元気よく駆け寄ってきた。

 

ノっちゃん「あ、キタさん!!」

 

キタちゃん「ノっちゃん、来たんだ!」

 

おドウ(ドウデュース)も、少し後ろから現れた。

 

おドウ「ダイヤさん、その髪……」

 

ダイヤちゃんは短くなったボブヘアを軽く触り、静かに微笑んだ。

 

ダイヤ「色々やっちゃったからね。お父さまに怒られちゃったの……。でも、もう大丈夫。みんなと一緒に、新しいスタートを切るわ」

 

スズカ(スズカ)は、ノっちゃんの姿を見て目を見開いた。

 

スズカ(イクイノックスの意味は確か春分、秋分……。エルちゃんのポンド数は134、もしかしてこの子が……!?)

 

アイが二人に優しく声をかけた。

 

アイ「二人とも、スピカの入るの?」

 

ノっちゃんは少し照れくさそうに首を振った。

 

ノっちゃん「いいえ、私はリギルにスカウトを受けたんです」

 

スペ「リギルがスカウト!?」

 

スズカ「あのチームはスカウトしない方針だったのに!?」

 

テイオーが少し複雑な表情で頷いた。

 

テイオー「おハナさんやカイチョーも思うところがあったんだね……」

 

マック「こっちも春からドウデュースさんが入る予定ですわ」

 

すると、そこにラヴの同期たちが現れた。

 

クロノ「ラヴちゃんも来たのね」

 

マル「ラヴちゃん、明けまして、おめでとう」

 

グラン「明けましておマイル〜〜!!」

 

ブーケ「やっぱり寂しいわ」

 

ラヴは少し寂しげに微笑んだ。

 

ラヴ「わたしは今年がラストイヤーよ……」

 

クロノ「私もです。今年は凱旋門賞に挑戦しようかと」

 

ダイヤちゃんの表情が一瞬、強張った。

 

ダイヤ「ダメよ!!後悔するわ!!」

 

ダイヤちゃん(……凱旋門賞。あのレースで、私の心は完全に砕けた……クロノちゃんまで、同じ道を……絶対に、行かないで……。同じ絶望を味わわないで……)

 

ラヴがフォローするように言った。

 

ラヴ「クロノちゃんは悪路巧者よ」

 

ダイヤちゃんは短くなった髪を震える手で押さえながら、掠れた声で続けた。

 

ダイヤ「クラちゃんが行ってたらもうちょっと結果出せたかも……」

 

グランが、元気よく拳を握った。

 

グラン「わたしはマイルチャンピオンシップ連覇をねらうよ!自分の名前の通りに大歓声を浴びて引退したい!あと1.25マイルにも挑戦して3階級制覇する!!」

 

アイが静かに補足した。

 

アイ「だいたい2000メートル、G1なら大阪杯と秋天ね」

 

ラヴが少し寂しげに笑った。

 

ラヴ「みんな、最後の1年に力を入れていくのね。わたしはボロボロなのに……」

 

マルが優しくフォローした。

 

マル「だ、大丈夫だよ、自分の自身のある距離を選んで」

 

ブーケ「私は春天に挑戦したいな」

 

マックが驚いた顔で言った。

 

マック「春天!?ティアラが挑むなんて無謀ですわ!!」

 

雪の境内を、皆の会話が温かく響いていた。

 

新年の始まりに、それぞれの未来への希望と、まだ残る影が、静かに交錯していた。

 

 

 

祈りを終え、雪の積もった境内の広場を歩いていると——

 

少し離れた場所から、二つの元気な声が響いてきた。

 

ブラストワンピースとキセキが、明るく手を振ってきた。

 

ブラスト「あ、アイ〜!!」

 

キセキ「アイちゃん!!現役お疲れ様!」

 

アイは少し驚きながらも、笑顔で近づいた。

 

アイ「ブラスト、体は大丈夫!?有馬で心房細動って診察されたんじゃ……」

 

ブラストは胸を叩き、明るく笑った。

 

ブラスト「初詣終わったらすぐ帰るぞ。医者には安静にしろって言われてるけど、初詣だけは欠かさないぞ!」

 

キセキも雪を払いながら、明るく続けた。

 

キセキ「あたしもこんな状況だし、ブラストちゃんとお参り終わったらランニングに切り替えるよ」

 

その時、ダイヤちゃんが少し後ろから、震える声で声をかけた。

 

ダイヤちゃん「あ、あの……キセキさん、ブラストさん……」

 

キセキはすぐに反応し、笑顔で手を振った。

 

キセキ「ダイヤちゃん、どうしたんだい?久々にカードやりたいの?」

 

キセキはダイヤちゃんの表情とはお構いなしに、普段通りに遊びに誘っていた。

 

対するブラストは首を傾げ、きょとんとした顔でダイヤちゃんを見た。

 

ブラスト「誰だお前?」

 

一瞬、時間が止まった。

 

ダイヤちゃんの瞳が大きく見開かれ、短くなった髪の下の表情が凍りついた。

 

彼女は自分の胸を押さえ、息を詰まらせた。

 

ダイヤちゃん(……覚えていない。ブラストさんは私のラストランで勝った相手……。キセキさんはジャパンカップで先着した相手……あのレースで、私の心が完全に砕けたというのに……、二人にとっては、ただの「勝ったレース」「先着したレース」でしかなかった……。……惨め。本当に、惨めすぎる……。私は、あのレースでさえ、相手の記憶に残れなかった……、ただの、黒い石ころ……、石ころ以下の存在だった……。凱旋門賞で負けた時、二人に「呪われろ」って願った自分が、今、こうして謝ろうとしてる……。胸が、痛い……でも、逃げちゃダメ……。ちゃんと、言葉にしないと……)

 

ダイヤちゃんの目から、ぽろりと涙が零れ落ちた。

 

キタちゃんが、慌ててダイヤちゃんの肩を抱いた。

 

キタちゃん「あたしとドゥラちゃんの時と同じだ……単に相手の顔を覚えてないだけかも……」

 

ウオッカが拳を握り、ブラストに向かって一歩踏み出した。

 

ウオッカ「この……!」

 

ゴルシも目を吊り上げ、蹴りかかろうとした。

 

ゴルシ「お前な——!」

 

ダスカとテイオーがウオッカを、マックイーンとスペがゴルシを、慌てて全力で止めた。

 

ダスカ「ウオッカやめなさい!」

 

マック「悪気はないんですわよ!ブラストさんはただ、素直に……!」

 

テイオー「キセキちゃんもただ遊ぼうって誘おうとしただけだよ!!」

 

アイが、穏やかだが真剣な声でブラストに説明した。

 

アイ「ブラスト、ダイヤちゃんはあんたが勝った有馬で引退した子よ。……彼女にとって、あのレースはラストランだったの」

 

ブラストはようやく状況を理解したらしく、目を丸くした。

 

ブラスト「そうなのか……ごめん、ブー、ラストランとか全然意識してなくて……ただ勝ったってことしか……」

 

キセキも少し申し訳なさそうに頭を掻いた。

 

キセキ「あたしはあの有馬記念で5着だったのが悔しかったんだ……」

 

ダイヤちゃんは涙を拭い、震える声で、ようやく言葉を絞り出した。

 

ダイヤちゃん「キセキさん、ブラストさん……私、あなたたちが凱旋門賞で惨敗した時、『凱旋門に呪われろ』って、心の底から願っちゃいました……」

 

ダイヤちゃんは短くなった髪を震える手で押さえながら、深く頭を下げた。

 

ダイヤちゃん(……最低だ。私は本当に最低だった。ブラストさんが勝ったレースで、私の心は砕け散った。キセキさんに先着された時も、ただ妬んで……エネイブルが勝った時の「ザマァ」と思ったこと……。全部、私の惨めさが産んだ闇……。今、ちゃんと謝さないと……この石ころのような心を、少しでも軽くしないと……キタちゃん、アイさん……みんなの前で、ちゃんと謝れる自分が、少しだけ誇らしい……)

 

ブラストは少し困った顔をしつつも、優しく頭を掻いた。

 

ブラスト「謝らなくていいよ。レースはレースだ。ブーはただ勝ちたかっただけだし……ダイヤがそんなに苦しんでたなんて、知らなかった……。ごめんな。観客の人間にブーが勝った姿を見てもらいたかったんだ」

 

キセキは真剣な顔で頷いた。

 

キセキ「ダイヤちゃんらしくないよ。他人の不幸を願うなんて……」

 

マックイーンが、優しくフォローした。

 

マック「その頃のダイヤさんたちは心が壊れた状態でした。キタサンとも決別状態でしたわ……」

 

テイオーも、穏やかに付け加えた。

 

テイオー「ボクたちも無理やり引っ越させられたんだ……。スピカがバラバラになって、みんな辛かったよ……」

 

キタちゃんがダイヤちゃんの背中を優しくさすった。

 

キタちゃん「ダイヤちゃん……よく、言えたね。あたしも、みんなも……ここにいるよ」

 

アイ「これから心を強くしていけばいいわ」

 

キセキ「そういえば、凱旋門賞の勝ちウマ娘がなんかかっこいいこと言ってたよ」

 

ブラスト「確か、『ラ ヴィクトゥワル エ タ モワ!』だったぞ」

 

スペ「そ、それ『調子に乗んな』って意味です!!わたしそれが原因で引退に追い込まれたんです!!」

 

アイ「確かその時の優勝ウマ娘はヴァルドガイスト、2着はエネイブルだったわね」

 

キタちゃん「エネイブル……あたしとダイヤちゃんとの決別の遠因になったウマ娘……」

 

ダイヤちゃんは短くなった髪を震える手で押さえ、声を詰まらせた。

 

ダイヤちゃん「あ、あの時2着になったエネイブルが負けた時、『ザマァ見ろ』と思ってしまった……最低だよ私……」

 

ダイヤちゃん(……エネイブル。あの凱旋門賞で輝いていた怪物。私が15着で大敗したレースで、完璧に勝ち誇っていた……。あの光景が、私の心に最大のヒビを入れた。キタちゃんとの決別の、遠い遠い遠因……。今でも、あのレースの記憶が蘇ると、胸が締めつけられる……。私は本当に、惨めで、愚かで……でも、今、こうして謝れている……少しだけ、前へ進める気がする……)

 

雪の境内を、皆はゆっくりと歩き始めた。

 

ダイヤちゃんの心の石ころは、また一つ、軽くなった気がした。

 

 

神社を後にしたスピカの面々は、薄く雪の積もった参道をゆっくりと歩いていた。

 

新年の冷たい風が頰を刺すが、皆の間には穏やかな温かさが流れていた。

 

アイ、キタちゃん、ラヴ、テイオー、マックイーン、ゴルシ、ダスカ、スペ……そして、短くなった髪のダイヤちゃん、クラウン、シュヴァルも一緒に歩いている。

 

ダイヤちゃんは車いすをゆっくり押し進めながら、キタちゃんの横に並んだ。

 

短いボブヘアが、雪の反射光に静かに輝いている。

 

ダイヤちゃん「……キタちゃん、わたしここ一ヶ月の間に泣き虫になっちゃったよ……」

 

声は小さく、でもどこかほっとした響きがあった。

 

キタちゃんは足を止め、ダイヤちゃんの車いすの横にしゃがみ込んだ。

 

雪が軽く舞う中、優しい笑顔で彼女を見つめた。

 

キタちゃん「それが本当のダイヤちゃんだよ。硬くて傷つきにくい、でも衝撃で砕ける……。そんなダイヤモンドの心が、ダイヤちゃんだったんだ」

 

キタちゃん(……あの有馬記念の夜、ダイヤちゃんの冷たい目を見た時、あたしは自分の無力さを痛いほど感じた。でも今、こうして泣き虫になったダイヤちゃんが、ここにいる。硬いだけじゃ脆い……衝撃に耐えられる強さを知った今、ダイヤちゃんは本当に強くなろうとしている。あたしは、それをちゃんと見守りたい。)

 

ダイヤちゃんは短くなった髪をそっと触り、雪の粒を指で払った。

 

目には涙が浮かび、でもその涙は以前のような絶望のものではなかった。

 

ダイヤちゃん「……泣き虫な私が本当の自分……凱旋門賞の衝撃で、心が粉々に砕けた時、私はただの黒い石ころになったと思った。硬いはずのダイヤモンドが、脆くて……キタちゃんの輝きやアイさんの勝利に、耐えられなかった……。でも、今は……泣ける自分が、ちょっと嬉しい……。本当の気持ちを、ちゃんと出せるようになった……」

 

キタちゃんはダイヤちゃんの手を優しく握った。

 

雪が二人の間に静かに降り積もる。

 

キタちゃん「うん。硬いだけじゃ心は守れない。衝撃に耐えられる強さ……。それを知ったダイヤちゃんは、きっとこれからもっと輝けるよ。アスリートとしてではなく、1人のウマ娘として。あたしも、ずっと一緒にいるから」

 

少し後ろを歩いていたアイが、静かに微笑んだ。

 

アイ「ダイヤちゃん……泣き虫でもいいのよ。九冠の私も、実は有馬で9着だった時やグランちゃんに負けた時の安田記念は泣いたもの。本当の自分を、ちゃんと受け止められたら……、それが一番強い証拠だわ」

 

テイオーが明るく声をかけ、マックイーンが優雅に頷いた。

 

テイオー「ボクも骨折で菊花賞断念して泣いたことあるよ!泣けるって、生きてる証拠だよ!」

 

マック「わたくしも……故障で引退した時は、思いっきり泣きましたわ。ダイヤさん、あなたはもう一人じゃないのですから」

 

ダイヤちゃんは涙を拭い、初めて心から笑った。

 

短くなった髪が、雪の中で柔らかく輝いた。

 

ダイヤちゃん「……ありがとう、みんな。黒い石ころだった私が……少しずつ、色を取り戻せそう……」

 

雪の参道を、スピカの面々はゆっくりと歩き続けた。

 

新しい年の始まりに、失われた光は、静かに、しかし確かに、戻り始めていた。

 

参道の途中、普段は屋台が並ぶ賑やかな場所で、意外な光景が広がっていた。

 

オペラオー、ドトウ、アースの3人が、大道芸的にオペラを披露していた。

 

内容としてはインドをイメージした新作オペラだった。

 

オペラオーが主役を張り、ドトウがヒロイン、アースが伴奏を担当。

 

雪の中で響く歌声は、感染症禍の静かな境内を、珍しく活気づけていた。

 

周りには、十数人の観客がマスクを着けながら足を止め、拍手を送っている。

 

オペラオー(歌いながら)「ハーハッハッハ!!勝利の調べよ、響けー!!」

 

ドトウ(少し震えながらも)「光が……差し込みますように……!」

 

アースは弾き語りを行なっていた。

 

アース「ガンジスの英雄〜、ガンジスの英雄〜」

 

ゴルシ「どんなオペラだよ」

 

ダイヤちゃんは車いすを止め、短くなったボブヘアに雪の粒を払いながら、その光景をじっと見つめた。

 

そこへ、オグリキャップが歩み寄ってきた。

 

彼女は軽くため息をつき、3人に声をかけた。

 

オグリ「3人とも、今のご時世は三密を避ける時期だ。帰るぞ」

 

オペラオーは大げさに肩を落とし、ドトウは「うう……」と小さく呟き、アースは静かに一句詠んだ。

 

アース「オジュウ君 君はいつまで 勝つつもり」

 

ウオッカ「いや、一句読むなよ」

 

ダイヤちゃん「アースさんと同期の障害競走の絶対王者ですね。わたしのラストランにもいました」

 

キタちゃん「あたしのラストランよりも話題になったみたいだね」

 

ゴルシ「今年も現役続行らしいな」

 

3人はすごすごとオグリの後について、雪の参道を去っていった。

 

オグリの方も屋台がないのでしょんぼりとしていた。」

 

その光景を見て、ダイヤちゃんが静かに呟いた。

 

ダイヤちゃん「……強い心ってのは、アースさんみたいに負けてもへこたれない、ちょっとしたことでも傷つかないことなのかも……」

 

ダイヤちゃん(……アースさん。ラスト2戦が最下位でも、平気な顔で歌える。私は……凱旋門賞の一撃で、心が粉々に砕けて、ただの黒い石ころになった。新世代の突き上げ、アイさんの九冠、キタちゃんの綺麗な引退……。全部が、私を惨めに突き落とした。でも、アースさんは……負けても、へこたれない。あの強さは、私にはなかった……。私は、ただ妬んで、壊れて……

本当に、弱かった……でも、今は……この短くなった髪を抱えて、少しずつ、強くなりたい……)

 

キタちゃんが、隣で静かに頷いた。

 

キタちゃん「アースさん、あたしが引退する前から衰えがあったし、ラスト2戦は最下位だったけど気にしてなかったし……。あの人、いつも『レースはみんなが主役だ』って笑ってたよね」

 

アイは少し遠い目をして、静かに言った。

 

アイ「わたしの有馬の惨敗はみんなが支えてくれたから負けてすぐに立ち直れたわ。アースさんも……きっと、仲間がいるからこそ、あの強さを保ててるのね」

 

テイオー「確かにカノープスの結束強いよね。G1勝ててないけど」

 

ラヴが、配信者らしい柔らかい笑顔で皆を見回した。

 

ラヴ「オペラオーさんは常にポジティブ、ドトウさんはネガティブだけど負けてもへこたれないから宝塚を勝てた、強い心の形はそれぞれね……。ダイヤちゃんも、クラウンちゃんも、これから自分の形の強さを見つけていけるわ」

 

ダイヤちゃんは短くなった髪を雪の粒で軽く払いながら、静かに微笑んだ。

 

ダイヤちゃん「……そうね。私はまだ、黒い石ころのままだと思う。でも……みんながいるから、少しずつ、光を取り戻せそう……ありがとう」

 

初詣を終え、雪の積もった参道をゆっくりと帰る一行。

 

冷たい風が頰を撫でる中、皆の表情は穏やかで、新しい年への期待が静かに満ちていた。

 

突然、クラウンが小さく声を漏らした。

 

クラウン「うっ……足に負担が……」

 

松葉杖を突いていたクラウンの足が、雪の影響で少し滑り、軽い痛みが走った。

 

短くなった髪が雪の粒で白く染まり、彼女の表情にわずかな苦痛が浮かぶ。

 

ラヴズオンリーユーが即座に反応し、明るく背中を向けた。

 

ラヴ「おぶるわよ!」

 

ラヴはクラウンを軽々と背中におぶった。

 

クラウンは少し驚きながらも、素直に体重を預けた。

 

ラヴ「あら、なんか軽いわ。クラウンちゃん、もっと重いと思ってたのに……」

 

クラウンは短くなった髪を雪で払いながら、少し照れくさそうに答えた。

 

クラウン「最近鈍って体重増えたはずだけど……リハビリで少しずつ動けるようになってきたからかも……」

 

キタちゃんが隣を歩きながら、優しく微笑んだ。

 

キタちゃん「あたしもピークの頃は体がより頑丈になったよ。今は少し衰えたけどね……。でも、クラちゃんがこうして笑って歩けるようになっただけで、すごく嬉しい」

 

ゴルシが、真面目な顔で言った。

 

ゴルシ「ラヴズオンリーユー、お前はピークを迎え始めたんだ。背負ってるクラウンが軽く感じるってことは、お前自身が強くなってる証拠だ」

 

ラヴはクラウンを背負ったまま、少し考え込むように言った。

 

ラヴ「そういえば私は11月デビューでジュニアG1出走できなかったし、デビューもグランちゃんは6月、クロノちゃんは9月だったわ……。私、ちょっと遅咲きなのかも……」

 

キタちゃんが、穏やかに頷いた。

 

キタちゃん「あたしはクラシック級の1月デビューで晩成型だったから、ラヴちゃんもそうかもね。ピークは人それぞれ……、大切なのは、そのピークをちゃんと受け止めて、次のステージに進めるかどうかだよ」

 

クラウンはラヴの背中で、静かに微笑んだ。

 

クラウン(……足の痛みはまだ残ってる。短くなった髪も、罰の記憶を呼び起こす。でも、今はラヴちゃんの背中が温かい……、新世代の突き上げに絶望して、心が壊れた私だけど……みんなと一緒に歩いている今、少しずつ、強くなれている気がする……。ピークアウトの先にも、まだ、光があるのかもしれない……)

 

ダイヤちゃんは車いすからその光景を見つめ、短くなったボブヘアを雪で軽く払った。

 

ダイヤちゃん「……みんな、ありがとう。私も、クラちゃんも、シュヴァルさんも……まだ完全じゃないけど、こうして一緒に帰れるだけで、新しい希望を感じるわ」

 

アイ「そういえばドゥラメンテさんに憧れた子いたわよね」

 

キタちゃん「タイトルホルダーです。今年クラシック級になるってことでデアリングタクトちゃんと山籠りしてます」

 

ゴルシ「もしかしたらステゴと会うかもしれねぇな」

 

ラヴ「タクトちゃん、以前はアイさんに嫉妬してたけど、最近は澄み切っているわ」

 

雪の参道を、スピカの面々はゆっくりと歩き続けた。

 

ラヴの背中にクラウンを乗せ、短くなった髪の3人を囲みながら、新しい年の始まりに、失われた光は、静かに、しかし確かに、感じていた。

 

年度代表ウマ娘発表会

 

新年の冷たい風が窓を叩く中、今年の年度代表ウマ娘発表式は極めて簡素に行われた。

 

感染症禍の影響で、メディア関係者は数名しかおらず、カメラも最小限。

 

観客席は空席が目立ち、静かな空気が会場全体を包んでいた。

 

司会者がマイクを握り、静かに発表した。

 

司会「今年の年度代表ウマ娘は……アーモンドアイです!!」

 

一瞬の間が空いた後、控えめな拍手が響いた。

 

アイはステージ中央に立ち、ゆっくりと目を閉じた。

 

九冠の重みが、静かに彼女の肩にのしかかっている。

 

やがて、彼女は明るく、力強い笑顔を浮かべた。

 

アイ「やった〜〜!!」

 

その笑顔は、喜びと、少しの寂しさが混じり合っていた。

 

無観客に近い式典で、メディア関係者の感性が少ないことでわずかに物足りなく感じていたのかもしれない。

 

ステージの端に立つおハナは、唇を強く噛んでいた。

 

彼女の拳は震え、目には悔しさと、深い喪失感が浮かんでいた。

 

おハナ「……コントレイルが、ディープインパクト以来のクラシック無敗三冠を達成したコントレイルが逃した……。これまでのジンクスからも確実だったのに……、無敗の三冠、私が育てた光が、アイの九冠に飲み込まれてしまった……」

 

おハナ(……また負けた。ルドルフと共に、コントレイルとデアリングタクトにすべてを賭けた。生徒会の仕事をエアグルーヴたちに任せ、新興勢力に勝つために……でも、結果はこれ……。私の作戦は、ただの焦燥だった……。私の手でイクイノックスを育てたかったけど、クリスティーナに李ギルを任せるしかないわ……)

 

司会者が、静かに補足した。

 

司会「多くの記者がG1九勝を評価したようです。ジャパンカップでの三冠ウマ娘同士の対決勝利が、今年の顔となりました。」

 

アイはマイクを握り、静かに、しかし力強く語り始めた。

 

アイ「私は後輩達に宿題を出します。G1八勝した上で、グランプリ制覇もしてください。九冠は、決して終わりじゃない。私はウオッカちゃんのようにグランプリを勝てなかった。次の世代が、私を超える……そんな未来を、楽しみにしています。」

 

会場に、控えめながらも温かい拍手が広がった。

 

アイはステージの上で、静かに深呼吸した。

 

アイ(また年度代表になれた。でも、これは終わりじゃない。ドリームトロフィーシリーズで、世界に挑戦する。ダイヤちゃん、クラウンちゃん、シュヴァルちゃん……、みんなが新しい光を見つけられるように、私はもっと先へ、走り続けたい。)

 

とある山奥 深夜

 

標高の高い山奥の草原。

 

星空が、まるで宝石を撒いたように広がっていた。

 

冬の冷たい風が草を揺らし、遠くで夜鳥の声が響く。

 

焚き火の炎が、静かに揺らめいていた。

 

ステイゴールドは焚き火の傍らに腰を下ろし、首に掛けたタオルで汗を拭っていた。

 

長い旅の途中で、ネオユニヴァース、デアリングタクト、新人のタイトルホルダーと偶然再会し、一緒に天体観測をすることになった。

 

デアリングタクトとタイトルホルダーは食料を探しに行った。

 

ステゴ「サトノダイヤモンドの闇が晴れたみたいだな……」

 

ネオユニヴァースは星空を眺めながら、静かに頷いた。

 

その瞳には、宇宙の深淵を映したような、遠い光が宿っていた。

 

ネオユニ「そうだね……あの子の心のダイヤモンドは、凱旋門賞という衝撃で心にヒビが入って、有馬で粉々に砕け、黒い石ころと化していた。でも、今……少しずつ、光を取り戻し始めている」

 

栗東寮にて

 

ダイヤちゃん(……今頃、みんなは星を見ているのかな。私はまだ葉杖を横に置いて天井を見つめている。短くなった髪が枕に触れる感触が、罰の記憶を思い出させる。

でも、痛い。あの凱旋門賞の惨敗で、心にヒビが入った瞬間から始まったすべての闇——。キタちゃんへの嫉妬、アイさんへの憎悪、自分自身への絶望。全部、黒い石ころみたいに重くて、冷たくて、触れるだけで傷ついた。でも……今は少し違う。みんなの声が、届いている。キタちゃんの優しい手、アイさんの強い眼差し、ラヴちゃんの温かい言葉。石ころだった私は、ゆっくりと、ひび割れながらも光を反射し始めている。まだ完全じゃない。でも、這うようにでも前に進みたい。生きて、輝きたい……)

 

ステゴは焚き火に枝をくべながら、穏やかな声で続けた。

 

ステゴ「ウマ娘のピークアウトっていうのは、ヒトとしての力が上回っていくことじゃないかと私は思っている。走る力だけが全てじゃない。心が、感情が……ヒトに近づいていく。サトノダイヤモンドも、ようやくその境目に立ったのかもしれない」

 

ネオユニヴァースは星空を指でなぞるように見上げ、静かに言葉を紡いだ。

 

ネオユニ「アナザーバースの『ぼく』たちは言葉を話せない。でもこの世界の『わたし』たちは言葉を話し、ヒトと交わることで種を繋いでいく……。サトノダイヤモンドも、ヒトに近づいていってるのかな。ピークアウトした先で、走りで輝きを求めるだけの存在ではなく、『生きる』ことで輝きを求める存在になろうとしている……」

 

(ダイヤちゃん・心の声・続き)

……生きる。

走るだけじゃなく、笑うこと、泣くこと、仲間と一緒にいること。

短く切られた髪は、私が過ちを認め、罰を受け入れた証。

黒い石ころだった私は、まだ完全には輝けない。

でも、キタちゃんが手を差し伸べてくれたように、

みんなが待ってくれている。

私は……もう、妬まない。

ただ、隣に並べる自分になりたい。

 

 

ステゴは焚き火の炎を見つめ、穏やかな声で言った。

 

ステゴ「サトノダイヤモンド、お前は確かに惨めな終わりを迎えたかもしれない。でも、お前は向こう側のお前とは違う。ヒトとしての側面で、新しい未来を切り拓け。短く切られた髪も、泣き虫になった心も、全部、お前が『生きて輝きを求める』ための証だ。闇は晴れた。これからは、お前の光を、自分で灯していけ」

 

ネオユニ「ウマ娘、それは走るために生まれた存在。時に数奇で、時に過酷で、時に輝かしいアナザーバースの自身の魂を受け継いだ神秘の存在。この世界の『ぼく』たちの未来は誰にもわからない。ピサもこの星空を見てるかな」

 

ステゴ「見てるだろうな。ピサのドバイでの勝利が全てを出し尽くして人々に希望をもたらしたように、アーモンドアイの光は闇に堕ちたサトノダイヤモンドたちの心に光を差し込んだ。向こう側の彼女たちとはまた違った奇跡をもたらしたな」

 

焚き火の炎が、二人の顔を優しく照らした。

 

遠くの星々が、静かに瞬いていた。

 

(ダイヤちゃん・心の声・最後に)

……みんな、ありがとう。

私はまだ病室で、ゆっくりと歩き始めているところ。

でも、星空の下で語られるこの言葉が、

私の胸に届いている気がする。

黒い石ころは、もう少しずつ、

本物のダイヤモンドに戻れるかもしれない。

 

 

ステゴ(……旅を続けながら、私はいつも思う。ウマ娘は、走るだけの存在じゃない。ヒトと交わり、言葉を交わし、喜びも、悲しみも、分かち合う。サトノダイヤモンドがようやくその道を歩み始めたなら……私は、ただ見守るだけだ。)

 

ネオユニ(アナザーバースでは、『ぼく』たちは言葉を持たない。ただ、星を眺めるだけの存在。でもここでは、こうして言葉を交わし、誰かの闇が晴れるのを、静かに祝福できる……。それが、この世界の奇跡だ。)

 

星空の下で、二人は静かに夜を過ごした。

 

タクト「ただいま〜」

 

タイトルホルダー「熊を仕留めた」

 

ステゴは焚き火の火を見つめたまま、クスッと笑った。

 

ステゴ「香港ヴァース出た際に熊の手がメニューにあったな。懐かしいな」

 

 

新年の始まりに、一人のウマ娘の新しい物語が、静かに幕を開けようとしていた。

 

 

ダイヤちゃんの誕生日

 

時間が過ぎ、ダイヤちゃんも松葉杖までに回復した。

 

短くなったボブヘアが、春の柔らかい光に優しく輝いている。

 

スピカの部室は、再び賑やかさを取り戻し始めていた。

 

トレーナーが皆を集め、軽い報告をした。

 

トレーナー「おハナさん、アメリカへ修行へ行くそうだな。リギルも大きく変わろうとしている」

 

スペが目を丸くした。

 

スペ「リギルに新しいトレーナーが就任するんですね」

 

テイオーが少し複雑な表情で頷いた。

 

テイオー「カイチョーも相当反省して新人のスカウトと代行トレーナーに踏み切ったんだって……僕も、ようやく許せた気がする」

 

マックイーンは優雅に微笑んだ。

 

マック「テイオーも会長を許したのですわね」

 

ウオッカがラヴに視線を向けた。

 

ウオッカ「ラヴは今年はどうするんだ?」

 

ラヴは明るく、しかし少し寂しげに答えた。

 

ラヴ「今年は京都記念から始動するわ。ラストイヤー、ちゃんと走り切りたい」

 

アイが静かに皆を見回した。

 

アイ「私の今後は……実家と要相談だけど、ドリームトロフィーシリーズ移籍を考えているわ」

 

キタちゃんが驚いて声を上げた。

 

キタちゃん「え!?アイさんも!?」

 

アイは優しく微笑みながら、遠い目をした。

 

アイ「どうしても勝ちたい相手がいるのよ」

 

キタちゃんは自分の胸を指さし、少し期待を込めて聞いた。

 

キタちゃん「あたしですか!?」

 

アイ「まずはそうね。他にも国内はテイエムオペラオー&メイショウドトウ、カツラギエース、ミスターシービー、オルフェーヴル、ブエナビスタ、ジェンティルドンナ。でも更にその先……世界の強豪ウマ娘と戦いたいの。シェルマイベイビー、イブビンティ、フォークイン、ウィンクス、モンジュー、ブロワイエ、そして……エネイブル」

 

ダイヤちゃんはエネイブルの名を聞いた瞬間、顔が引き攣った!!

 

短くなったボブヘアの下で、瞳が一瞬、暗く揺れた。

 

ダイヤちゃん(……エネイブル。あの凱旋門賞で、私の心を粉々に砕いた怪物……。私が15着で大敗したレースで、完璧に輝いていた……。あの光景が、私の絶望の始まりだった……アイさんが、あのウマ娘に挑むなんて……大丈夫なの……?私のトラウマが、アイさんを傷つけないように……祈るしかない……)

 

ダイヤちゃんは思わず声を上げた。

 

ダイヤちゃん「アイさん、大丈夫ですか!?」

 

アイはダイヤちゃんの目を見て、穏やかだが力強い笑顔を浮かべた。

 

アイ「やってみせるわ!ダイヤちゃんの弔い合戦!!」

 

キタちゃんが即座にツッコミを入れた。

 

キタちゃん「いやダイヤちゃん生きてますよ!!しかも隣にいますよ!!」

 

部室に、明るい笑い声が広がった。

 

アイはトゥインクルシリーズのターフから去った。

 

だが、次はドリームトロフィーで走ろうとしているのだ。

 

九冠の女王は、まだ、走り続けていた。

 

アイ(……ダイヤちゃん。あなたの心に、私の走りで、少しでも光を灯したい。世界の頂点に立つウマ娘たちと、本気でぶつかりたい。キタちゃんとも、もう一度……私は、まだ、走れる)

 

スピカの部室に、新しい季節の風が、静かに吹き込んでいた。

 

ED うまぴょい伝説

 

 

トレーナーの豆知識  ブリーダーズカップ

 

トレーナー「よう、スピカのトレーナーだ。今回でこのコーナーも最終回。今回はブリーダーズカップに解説するぞ。アメリカの有名なレースで、芝とダートのG1がクラシック・ティアラに分かれて2日間にかけて行われるぞ。初日はジュニア級の、2日目はクラシック級以上のになるぞ。特に芝路線は欧州からの参戦も多いぞ!!」

 

ダイヤちゃん「凱旋門賞のティアラウマ娘のエネイブルもターフ勝ったのよね」




ウマ娘のはじめの冒頭で語られるウマ娘とは何かを敢えてこの最終話に持ってきました。

ステゴとネオユニは別世界の自分を認識してるので。

オペラオーたちのネタはボーボボの首領パッチの運命ネタです。

アーモンドアイは強すぎて主人公に向かないと思われてるので、その分嫉妬等の闇の要素を強くしました。

キタちゃん引退直後にアイがスピカに入ったとなると、時系列的にダイヤちゃんがまだ現役だったので、スピカが栄光を得る影でキタちゃんのライバルたちがG1タイトルを取れないまま引退に追い込まれていくことで闇堕ちからの決別はやってみたかったです。

嫉妬に関するネタは【推しの子】の星野アイと絡めてみました。


個人的にはカノープスにパンサラッサが入ってから『カノープスはG1勝てない』というジンクスを崩していく感じです。この世界線では今後ウィルソンテソーロやダノンデサイルが加入する予定です


パンサラッサがドバイターフを勝つ→めざせ国内G1→ウィルソンテソーロがJBCクラシックを勝つ→めざせ中央G1→ダノンデサイルがダービー→めざせシニア王道G1

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