ウマ娘プリティーダービー 4th season 妄想プロット 作:サンデー狂
療養施設 個室
有馬記念の翌日、午後の陽射しが白いカーテンを優しく透かしていた。
療養施設の個室は静かで、消毒液の匂いと、わずかな機械音だけが響いている。
アグネスタキオン、ジャングルポケット、マンハッタンカフェ、そしてポッケの師匠とも言える
トニビアンカが、ベッドに横たわるダンツフレームを見舞いに来ていた。
ダンツはベッドに体を起こし、弱々しく笑った。
故障と地方転向後の不振、そして心の病で療養中——かつての輝きはまだ遠い。
トニビアンカが、穏やかな声で言った。
トニビアンカ「君の同期に会うのは初めてだな」
ポッケはいつもの明るさで、ダンツの肩を軽く叩いた。
ポッケ「凱旋門賞ウマ娘を合わせたら嬉しくなるんじゃねえかって思ったんだよ」
カフェは心配そうにダンツの顔を覗き込んだ。
カフェ「ダンツさん、元気になれるんでしょうか……」
タキオンはいつもの飄々とした笑みを浮かべ、ベッドの横の椅子に腰を下ろした。
タキオン「でもなんでバンドしようって考えに至るんだい?私はキーボードだけど」
ポッケはニヤリと笑い、拳を軽く握った。
ポッケ「激しい音楽で魂震わせようって感じだ。故障や心の病でくすぶってるウマ娘たちに、『まだ走れる』って叫びたくてよ」
カフェが少し照れくさそうに、でも嬉しそうに続けた。
カフェ「バンド名は『モーニングJAM』です」
ポッケが自慢げに説明した。
ポッケ「俺たちの頭文字、ジャングルポケットのJ、アグネスタキオンのA、マンハッタンカフェのMから取ったんだ。ジャムってパンにつけるだろ?バター派もいるけどよ」
タキオンはくすっと笑い、指で軽くキーボードを叩く真似をした。
タキオン「ふふ、面白いね。朝の光のように、甘く激しいジャム……そういえばウオッカ君もこっちに戻ってきたからねぇ。引っ越させたダイヤ君も元気になったって聞いてるよ」
トニビアンカは少し遠い目をして、静かに言った。
トニビアンカ「彼女のトレーナーは確か故障後引退しようとしたところ、回復後にダートに転向した後勝てないまま病気になってしまった」
ポッケが肩をすくめた。
ポッケ「そのトレーナーは資格を失っちまったんだ」
タキオン(……ダンツ君も、私も、ポッケ君も、カフェ君も。故障や心の病で、走ることを諦めかけた者たち。でも『モーニングJAM』なら、朝のように新しい光を届けられるかもしれない。スピカの皆が示した「日常の光」みたいに)
ダンツはベッドから体を少し起こし、弱々しく笑った。
ダンツ「私も……ギター、やってみようかな。激しい音楽で、魂を震わせて……また走れるようになりたい」
ポッケが拳を突き上げた。
ポッケ「よし、決まりだ!まずは練習室借りて、セッションから始めようぜ!」
カフェが頰を赤らめながら頷いた。
カフェ「私、ベース頑張るね……」
タキオンはいつものイっちゃってる笑みを浮かべ、軽くキーボードのジェスチャーをした。
タキオン「ふふ、楽しみだねぇ。甘く激しいジャムで、みんなの心を溶かしてあげよう」
トニビアンカは静かに微笑み、皆を見守った。
トニビアンカ「師匠として、ポッケの成長を見守れるのも嬉しいよ」
部屋に、療養施設とは思えない温かい笑い声が広がった。
ダンツ(……病の闇はまだ深い。でも、仲間たちの声が、朝の光のように届いている。『モーニングJAM』——。甘く激しいその音で、私もまた、走り出せるかもしれない)
ポッケ「ジャパンカップ見たけど、アーモンドアイは強すぎたぜ。コントレイルもあっさり負けちまったしよ」
ダンツ「アイちゃん破って新時代の扉を開こうとしたんだよね」
タキオン「甘いよ、ポッケ君。コントレイルは君がオペラオーを破った時みたいに新時代の扉を開こうとしたけど、アーモンドアイはその先、ルドルフの壁の完全撃破、即ちURA-G1八勝を狙っていたんだよ」
トニビアンカ「ポッケ、こう言うのもなんだが、君は新時代の扉を開いたが、それはルドルフの掌の上の世界でだった。だが、アーモンドアイはそのルドルフの世界すらも壊して真の新時代を作ろうとしたんだ。サトノダイヤモンドたちに」
タキオン(……ダンツ君も、私も、ポッケ君も、カフェ君も。故障や心の病で、走ることを諦めかけた者たち。でも『モーニングJAM』なら、朝のように新しい光を届けられるかもしれない。
スピカの皆が示した「日常の光」みたいに——甘く、激しく、溶かすように)
カフェが小さく微笑んだ。
カフェ「アーモンドアイさんの九冠……、私たちも、音楽でそんな光を届けられたらいいですね」
ポッケが拳を握り、力強く言った。
ポッケ「そうだな!まずは俺たちの音で、ダンツを元気にしようぜ!」
部屋に、再び温かい笑い声が広がった。
療養の闇の中に、ほんの小さな——しかし確かに、朝の光が灯り始めていた。
バンドのイメージはけいおん!です