【再構成作業中】聖剣の勇者カリナ・クロスロード戦記 ―世界を救った少女は、鋼の未来でも人を救う―   作:美風慶伍

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Ⅲ:カリナ直轄軍団 ―精鋭親衛軍アルカナヴァンガード―

 出陣式を終えて各部隊はそれぞれの作戦方面へと向かう。

 序盤の攻略対象は、魔王軍の最前線拠点であるブラッドレイブン要塞、魔王軍最大の兵站補給基地でもあるダークスウォンプ駐屯地基地、この2つだ。

 この2拠点の制圧を目指して、諸部隊は進軍を開始している。

 

 続いてカリナは出発を控えるアルカナヴァンガードの2000人ほどの団員たちに向けて高らかに叫んだ。彼女の傍らにはエルリックやソフィアやミリアが待機しており、ケラブノスのリザードマン兵団と、ゲオルグの牙狼騎士団も、アルカナヴァンガードに同行することとなる。

 

「全団員に告げる!」

 

 カリナの声を隊員たちは熱心に聞いていた。 

 

「我々の行動指針と作戦目標について共有する。

 まず、ソルスター自由軍の各部隊が、複数の別ルートに分かれてそれぞれの目標地点へと向かいこれを攻略します」

 

 彼女の言葉を聞く団員たちにはいささかの乱れもなかった。 

 

「各部隊がそれぞれの目標を攻略している間に、我々本隊であるアルカナヴァンガードは先行して魔王城攻略の前哨地〝ドラゴンの墓場〟へと直進します」

 

 その前哨地についてケラブノスが確認するように尋ねてくる。

 

「前哨地の詳細については、ドラゴン種族の竜将のマルセウス卿から聞いておられますな?」

「はい、魔王軍すら忌避する特別な場所――そこに入るための術もご教授いただきました」

「結構――、詳細についてはくれぐれの漏洩無きように」

「心得ました」

 

 ソフィアもその〝術〟について聞いているのか、カリナとケラブノスとの視線で頷いていた。

 エルリックが補足する。

 

「我々の役目は魔王軍根拠地のダークフォージ本城の前哨地に先行して到達し、その次の魔王城突撃へのタイミングに合わせて全軍集結の旗印となることだ」

 

 つまりアルカナヴァンガードは単独で魔王城に直行するルートをたどるということなのだ。

 

「我々が魔王城を攻略する足がかりを先行して作ることで、後続の各部隊が再集結する〝機会〟を生み出す事が重要目的となる。敵側から見て我々が単独で魔王城に到達したように見せかけることが、まず重要だ。そうすることで敵の油断を誘う事ができる」

 

 エルリックの言葉を受けてカリナは皆の気持ちを引き締めるように告げた。

 

「非常に危険な任務です。ですが――、我々の行動の成否が、後続の部隊の生存、ひいては魔王城攻略の成否につながります! 失敗は許されません! 各自気持ちを引き締めて作戦に臨んでください」

「はっ!」

 

 2000人の大軍団が一斉に敬礼をする。カリナの仲間として、戦友として、苦楽をともにして困難を乗り越えてきた団員たちだ。全員の心は今や完全に1つになっていた。

 カリナは傍らを振り向くと、今回本隊に同行するリザードマン兵団と牙狼騎士団の長であるケラブノスとゲオルグにも声をかけた。

 

「ケラブノス卿、ゲオルグ卿、お二人にもアルカナヴァンガード本隊への同道、よろしくお願いいたします」

「うむ、抜かり無く力を尽くそう」とケラブノス、

「任せろ! ケラブノスの旦那ともども、役に立ってみせるぜ!」

「はい! 期待しています!」 

 

 そこには種族を超えた深い絆があったのだ。

 そしてカリナは号令をかける。

 

「全軍出発!」

 

 その声とともにアルカナヴァンガード2000人とリザードマン兵団1500人、牙狼騎士団800人は魔王城に向けて行軍を開始したのだった。

 




今回は、カリナが率いる精鋭軍アルカナヴァンガードに焦点を当てた回でした。
カリナを支える仲間たちと軍勢の戦いを、引き続き見守っていただけましたら嬉しいです。
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