ゴブスレ世界に転生したら不動卿になってしまった件について。   作:這い寄る影

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たっちゃんFGOで脳筋プレイできず煮詰まったから続きました。
むしゃくしゃして書いた反省はしているし続きません。


指導。

当初はゴブリン退治やならず者退治に時々新人連れて溝晒いしていることから。

噂は本当ではなかったと周囲には思われていた。

そう過去系である、現に。

 

「ふっ!!」

「はぁ!!」

「呼吸は最低限にしな、一定に保たないとアッチじゃ読まれる」

「うお!?」

「きゃ!!」

 

ギルドの外で重戦士と女騎士がオーゼンと戦っていた。

無論模擬戦である。刃引きをした得物を使って辺境最高とも言われる重戦士パーティーが加減されて尚且つ手加減ですらされて手も足も出ない。

この光景を見て全員が思った。噂は本当だったのだと。

何故なら両手人差し指であしらってるのだから。

 

「あの連携を同時にいなすなんて・・・」

「そりゃあのオーゼンだぜ?」

 

女魔法使いに実戦的魔法の使い方を教えながら槍使いは呟いた。

それに関しては槍使いはそう言う他ない。

不動卿、動かざるオーゼン。

神々の深淵で生き抜き二つの迷宮を単独攻略し先代勇者と共に魔神王を討伐し迷宮の主を討滅したパーティを導いた生ける伝説だ。

その他にも武勇伝がある単騎で長命竜を討伐したとかがそれだ。

伝説=災害なのである。

そして今に至り重戦士パーティを相手どって手加減して尚且つ余裕で完璧に対処している。

現に前後から挟み込むように完璧に連携して接近戦を挑んだ二人を両手の人差し指で同時に投げ飛ばしていた。

 

「お嬢ちゃんは最前線でオーゼンの戦いっぷりを見てんだろ? どのくらい加減してんだアイツ?」

「蟻を人間が摘まむくらいには加減していると思います、なんせ軽く踏み込んで腕の一振りでゴブリン20匹が挽肉になりましたから・・・」

「・・・挽肉?」

「はい紙風船が炸裂するように、あのゴブリンスレイヤーさんがドンびいていました」

「あの変なのが引くとかよっぽどだぞ」

「後初めての冒険の時には力加減ミスったそうで洞窟が崩れかけていましたし」

「・・・もう人間サイズの古き巨人じゃねぇか」

「その代わりデメリットも在ると言っていましたよ」

「??」

「千人楔の効力で途轍もなく燃費が悪くなっているとか」

 

千人楔は刺した物に千人分の人力を与える。

逆を言えばデメリットも強烈なのだ。肉体がそれだけカロリーを求めるのである。

それを体に全体120箇所刺しているのだ。

パワーは十二万分の人力を誇っている。

本気で動いたら地形が変わるというのも納得できるし。

あの魔境こと神々の深淵で狩れる高カロリーを保有する原生生物を食べているからこそ維持できるのだ。

後は純粋に適性問題もある常人が千人楔を使用すればあっという間に枯れ木だ。

偶々適性が在るのと、向こうから新鮮な原生生物の肉を取り寄せているゆえに維持できているに過ぎない。

閑話休題。

 

「つぅーかそれで加減して技量も極まってるとか反則だろう・・・」

「この程度できなければ、師匠曰くアッチじゃこのくらいプラスゴブリンスレイヤーさん並に用心深くないと、第一層でも壁の染みか苗床か、出来の悪い魔物の餌になるみたいだそうですから」

「噂には聞いちゃいたが・・・どんな魔境だ」

「曰く、旅団規模での攻略やら魔物がスタンピードして水際阻止する魔境見たいです」

「それで行き止まり二つを単独攻略だろ・・・今噂になっている魔神王なんかぼこれるんでね?」

「本人やる気ないですけど、やろうとも思えばまぁやれるんじゃないですか・・・あっ此処の解釈あってますか?」

「おうそれでいいぜ・・・しっかし質上がったなぁ」

「師匠とゴブリンスレイヤーさんの賜物ですね」

 

ゴブリンスレイヤーも新人を率いてゴブリン退治に赴いている。

これはオーゼンの命令だった。

新人に危険のイロハを教え込むにはゴブリン退治が丁度いいとして。

それとゴブリンスレイヤーの発想力が高いがゆえにその知恵は後続の武器になり。

ゴブリンの被害も下がるとして説き伏せてだ。

今や女神官は彼の助手役である。

それにより冒険者の質が上がった。

実戦はゴブリンスレイヤーか重戦士一党が担当し。

模擬戦と教師はオーゼンが担当することによって冒険者の質が跳ね上がった。

現にゴブリンスレイヤーを雑魚狩り専門と侮る新人はいない。

この状況に困惑していたのはゴブリンスレイヤー本人だ。

今や先生先生として新人に慕われる日々である。それに比例してゴブリン討伐速度も上がった。

誠にゴブリンに村を襲われないことはいい事である。

其処にオーゼン直々の模擬戦闘と座学が加わる。

あっという間に辺境の冒険者のレベルは上がった。

 

「さすがは動かざるオーゼンってな、自分では動かずに場の動かし方は分かってるってか」

 

槍使いのボヤキに女魔法使いは内心同意した。

不動卿、動かざるオーゼンというのはダンジョンに住み込み冒険者を育てる手腕にこそあるが故の異名だ。

故にオーゼンは多くの名冒険者を生み出してきている。

隠居の身だからこの辺境に来たというけれどゴブリンスレイヤーを起点に添えて。

多くの新人を生還させ現実を見せつけてきた。

故に女魔法使いも同期の女神官も階級のスキップ上昇と噂され。

辺境三大冒険者は金等級への上昇が検討されているという。

 

「嬉しくないんですか?」

「阿呆が、いまだに人差し指であしらわれて金等級ってのが可笑しいんだよ」

 

槍使いの実力も上がっている。

だがしかしオーゼンからすれば人差し指一本であしらえる程度だ。

現に前に刃引きした槍で真剣勝負を挑んだが。

案の定人差し指のデコピンで軽くあしらわれた。

それで金等級? 馬鹿言うんじゃないと槍使いは思う訳で。

 

「そして嬢ちゃん、次からの教導は魔女に任せる、俺が教えることはゴブリンスレイヤーかオーゼンから学んで馴染ませて座学は奴から習え」

「やっぱすごいんですか? 魔女さん」

「オーゼンから言われたよ次のステップは魔女から習えとな」

 

だがオーゼンは見抜いていたのである。

ぶっちゃけ彼女の標準の魔法使いは魔女だ。

そのクラスで無ければ徒党か旅団を組んでなければ神々の深淵の第四層以降は攻略できない。

本当に魔境なのだ。

 

「それらを学んで、オーゼンとあの変なのが磨き上げる、これで一人前だ。やっぱオーゼンはすげぇよ、一流冒険者を量産する体制を整えるなんてよ、しかも俺たちも鍛えて貰っちまって、頭が上がらん」

 

オーゼンは一流を育て上げるシステムの構築が上手いと槍使いも評した。

現に若手はオーゼンの教導の元、羽ばたいている。

これがあの魔境で一級品を育て上げた手腕かと戦慄せざるを得なかった。

現にこの短期間で辺境全体のレベルは上がったと言っていいのだから。

 

「さて今日はここまでさ、近くの牧場から新鮮なミルクとチーズが来るからねえ」

「「あっありがとうございました・・・」」

「言っておくが呼吸は最低限にまで縮めておきな。まだその様子だとアッチでは第三層が限界だからねえ・・・呼吸を縮めればもっと上に行けるよアンタたち」

 

行き絶え絶えの重騎士と女騎士にそう言いつつ。

オーゼンは槍使いと女魔法使いの元に来る。

 

「二人ともどうだい? 私が奢るよ」

「良いのか?」

「弟子に実戦的魔法の使い方教えているんだ。それくらいはさせな」

「OK!! 所でよぉ、神々の深淵の食材食べてみたいんだが・・・」

「ああ・・・いいよ、一切れだけだけどね」

「なんでだよ!!」

「あそこの岩蜥蜴とかの一部の原生生物の肉は超カロリーなんだ。今のお前さんでは脳に脂肪と糖分が回って至って死ぬよ」

「それマジ?」

「何人か見てきているよ、だから一切れずつ馴染ませていって喰うのさ。」

 

そうオーゼンは燃費が悪い、千人楔を120箇所も打ちこめばそうもなる。

本来なら超カロリーを誇る神々の深淵の魔物の肉を食ってなければ生きてはいけないのだが。

オーゼンは教え子や卸業者に伝手がある。故に保存魔法を掛けた上の神々の深淵の原生生物の肉が手に入るのだ。

それをギルドの料理長に調理してもらっている。

そしてギルドの飲み場には女魔法使い、槍使いが居る。

 

「料理長、今日はワインと岩蜥蜴のステーキさね」

「あいよ」

「ああ、あとこの二人に一齧り程度振舞ってくれたまえ、ワインもだ」

「あいよ」

 

そう注文をする。

岩蜥蜴は聞いたことは二人ともある。

ここら辺でもたまに出現する魔物だからだ。

出されてきた料理は違っていた。

キラキラと光る殻、通常の岩蜥蜴とは違うものだった。

神々の深淵とここら辺の岩蜥蜴は生態からして違うらしい。

それが山盛りにオーゼンの前に並ぶ。

ついでに槍使いと女魔法使いの前には本当に一齧り程度だった。

あと超高級ワインもおかれる。

流石は白金級と言ったところか金は有り余っているらしい。

そして山積みにされたそれらをナイフとフォークで優雅に平らげていくオーゼン。

二人の前には一切れの肉。

まぁ酒のツマミにはなるだろうと二人がその肉を口にしたとき。

視界が歪んだ。

脂肪と糖分による脳の圧殺劇である。

酒に酔っぱらったように二人はフラフラとしていた所謂至るという奴である。

 

「だから言ったじゃないか、常人なら至るってね」

 

そう溜息を吐きながらオーゼンは次々と口に運んでいく。

 

「あのーオーゼンさん、頼まれてたミルクとチーズ持ってきました!!」

「はいこれが金だよ、料理長保管しておいておくれ」

「あいよ・・・」

「しかし、ここのチーズとミルクは質が良い。私が此処にいる間はごひいきさせて貰うよ」

「ありがとうございます!!」

 

そう言って納品が済んだ近所の牧場の娘は去って行った。

 

「はぁ・・・これが神々の深淵の食材かぁ」

 

いち早く復帰した槍使いがそう述べる。

 

「一週間は飲み食いしなくてもよさそうだぁな」

「まぁそれくらいの栄養素は在るからねえ・・・ハグ・・・ムグゥ・・・」

「お前さんどんだけ燃費悪いんだよ・・・」

「千人楔を120箇所も刺してればそうもなるさ、言っておくがそれを食えなきゃ向こうではやってけないよ。探索は一週間とかざらだしねぇ、第3層までは魔物どもの縄張り争いとか地殻変動がある。第4層からは地下世界が広がっているからねえ、喰う物にも困るのさ。食い溜めは基本だよ」

 

そう神々の深淵の探索は一週間とかザラだ。

さらに言えば旅団規模で潜る為、こういう超高カロリーの魔物の肉は重宝されている。

そう言いながらオーゼンはステーキを6対4に切り分け6の方を口に運び一口で咀嚼する。

 

「まぁ私の見立てでも中堅どころとして活躍は出来ると思うよ、何なら旅団へ推薦状でも書いてやろうか?」

「いいや俺はまだまだだ。だから今は断っておく」

「その向上心を忘れないようにねえ、所で女魔法使い、魔法回数は増えたのかい?」

「はい、数学勉強で回数が向上するなんて・・・」

「魔法ってのは脳の力さ高速暗算できれば脳の性能が向上して回数だけは増やせる」

「へぇそれはいい事聞いたぜ、俺もやってみっかな」

「だが才能って言う限度はあるからね」

「へいへい、それと気になっていたんだが・・・なんでダンジョンに籠ってたんだアンタ」

「精神的に疲弊してたからねえ老後はダンジョンに引きこもって隠居生活でもやろうかと思っただけさ、何の因果か教導者に成っちまったがね」

「だからある時からパッタリと詩とかでアンタの活躍聞かなくなったのか・・・」

「私も年だからねぇ、王様の命が無きゃずっとあそこで隠居さ」

 

それを聞いてお前の様なババアが居るかと内心突っ込む二人。

そして大量の岩蜥蜴のステーキを食べ大量のワインを飲み干し。

ボトルキープしていた火酒をグラスに注ぎチマチマと飲み始める。

 

「やはりドワーフの火酒は上手いねえ」

 

本当に燃費が悪いんだろうなぁと二人が思った時である。

受付の方が騒がしかった。

助けてくれと受付嬢がオーゼンに視線を送っている。

 

「はぁちょっと行ってくるさね、二人は好きな物頼んでな」

 

そしてオーゼンは受付に向かった。

 

 

 

 

「どうしたんだい?」

 

スケールが違うと三人は思った。

背後から現れた2m越えの黒衣の女性にだ。

 

「あのぉ、この人たちが探している人が居ると・・・」

「おや?探し人かい、なら此処じゃなくて情報屋に行くんだねえ、口利きくらいはしてやるよ」

「いや確かに此処にいるはずなのよ、オルクボルグが」

「何度も言っとるじゃろかみきり丸じゃ」

 

常人なら要領を得ないだろう。

そんなトンチキな名前なんぞ、まぁ世界探せば居るかもしれないが。

 

「オルクボルグにかみきり丸ねえ・・・両方ともゴブリン退治に使える魔剣だが・・・人か、となるとアイツだね」

「知っているの?」

「此処では奴と良く仕事をしている、ゴブリンスレイヤーって名で流している奴さ、今奴は新人共の教育も兼ねてスレイトレイン中さな、まぁそろそろ戻ってくるだろうけどねぇ」

 

女性はそう言って自分の席に戻り、再び火酒を舐めるように飲み始めた。

そしてその時である。

ひいこら言っている新人10名を連れて薄汚れた皮鎧に鉄兜の青年が戻って来た。

 

「ゴブリンスレイヤーさんどうでした?」

「欠けは無しだ、小鬼英雄が出たが対処できた。だがスレイトレインしたからな、報告書は明日書くし報酬清算も明日で良いか?」

「もちろんです、熟した依頼の数が多いですし10人も連れての討伐だったんですから、でもお客さんです、詳しい話は待合室で」

「了解した」

 

そこで教導一党は解散となり、6人は二階の待合室に上がった。

 

「それで要件は?」

 

詮索は無用、単刀直入に言えとゴブリンスレイヤーは切り出す。

受付嬢は5人分の紅茶を淹れていた。

 

「都の方で悪魔が増えているって話しは聞いたことあるわよね?」

「知らん」

「・・・その原因は魔神の復活なの。奴らは軍勢を率いて世界を滅ぼそうとしているわ」

「そうか」

「それで私達はあなたに協力を・・・」

「オーゼンが此処にいる、そう言う仕事は奴に頼め、俺は小鬼を殺すだけだ」

「アンタ!! 現状分かって・・・ってオーゼン?」

「ああ、あのオーゼンだ」

 

場が静まり返る。

 

「拙僧が聞いた話では不動卿はすでに70過ぎかつ神々の深淵から今なお戻ってきていないときいているが・・・」

「吟遊詩人による彼女への詩も聞かなくなっているしね」

「儂も死んだと聞いておるぞ?」

 

そう皆が死んだとも聞いている。ここ辺境でもそう思われていたし。

まさか生きていて王命で辺境の冒険者の手ほどきをしてるなんて誰も思っていなかっただろう。

 

「王の命で最近上がって来て、ここ辺境の地で冒険者兼教官をやっている、実力は伝説道理だ。だから彼女に頼め、魔軍なんぞ殺し切るぞ」

 

ゴブリンスレイヤーは淡々という。

 

「あのぅオーゼンさんを呼んできますか?」

「お願いします」

 

受付嬢の提案に素直に妖精弓手は頭を下げた。

がしかし。

 

「他を当たりな」

「なっ」

「引退寸前のババアに何期待しとるね。そう言う物は若い物がやるべきだよ」

「私2000才なんだけど」

「6000才のエルフになってから大人を名乗るんだねぇ」

 

神々の深淵に挑むエルフは6000才とかザラだったしあそこでは神代を知っているがゆえに重宝される存在である。

現にオーゼンもそのクラスの上森人と知り合っていた。

皆ちゃんとした大人だったが目の前の上森人たちはそれ等に比べてまだ精神が子供だと思う。

 

「まぁ待ってくれ御二方、我々は混沌と対峙しに来たわけじゃない」

「鱗の言う通りじゃ、実はゴブリン退治を依頼しに来たんじゃ」

「そう言う事か」

 

ゴブリンスレイヤーは納得する。

混成軍という奴のようだ。

ゴブリンを使役し此処辺境を滅ぼさんとする何物かが居るという事だ。

オーゼンがここに来てから判明した野良ゴブリンの大量発生を事前にオーゼンに察知させてもらった貸もあり。

初期には手伝ってもらっていたこともあって貸が更にあるが。

流石に魔軍との混成軍となると新人連れての数の暴力は効かない。

槍使いは明日魔女と別件で重騎士一党も同じくで在り連れていけない。

 

「すまない貸が在るのは理解しているが此処は手を貸してくれ」

 

ゴブリンスレイヤーは頭を下げた。

それを見たオーゼンはため息を吐き。

 

「わかった。あの牧場に潰れてもらっては困る手伝うさ」

 

根負けして結局オーゼンも手伝う事になった。

現実問題とタイミングの問題だ。

気楽に放置も出来ぬがゆえにだ。槍使いか重騎士一党がいればこの状況下でも話は蹴っていた。

という訳で一日跨ぐという事もあって即日出撃と相成った。

メンバーはゴブリンスレイヤー、オーゼン、女神官、女魔法使い、妖精弓手、蜥蜴僧侶、鉱人道士だった。

女魔法使いを参加させたのは暇なのと適当な良い教材が手に入りそうだからと思ったからである。

 

「しかしバランスを考えるなら最悪だねえ」

 

だがバランスとしてはよろしくない。

やれることは手広いだろうが、逆に言えば格上相手に勝てぬ編成であり、格上が出た場合オーゼン頼りという事である。

はぁとオーゼンはため息をしつつ干し肉と火酒を食しながら揺れる馬車に身を任せていた。

そして夜になる。

此処からの道中の距離は歩いても近い。

荷物を下ろし、馬車を引きかえらせ。

其処から歩く事三時間程度、すっかり太陽は沈み月が上がっていた。

今日は休むという話になった。

薪を焚き各々の故郷の味を舌で盛り上がっている。

 

「故郷の味か、もう思い出せないねえ」

 

彼此色々あって白金級、されどそれが故に故郷の思い出も愛した歌も家族の味もオーゼンは思い出せなかった。

それはさて置き、ミートワームの燻製肉をフライパンに置き、ゴブリンスレイヤーの住んでいる牧場から買った卵を投入。

ベーコン&エッグに仕立て上げていく。

 

「なにそれ肉の香りなのに虫って」

「通称ミートワームさ、豚肉に近い触感でねえ、あっちじゃポピュラーに食える食材さ」

「へぇ・・・」

「上森人も喰ってたからアンタでも食べれると思うよ」

 

上森人は基本菜食主義か虫を食べる。

故にこのミートワームも触感や味は豚肉に近いとはいえオーゼンの知り合いの上森人も愛食していた。

最も性格は凶暴で肉食なため外縁都市からは持ち出し禁止の目録に入っている。

妖精弓手も之には目を輝かせ手を伸ばす。

オーゼンはまぁ少しくらいならと分けて上げた。

 

「ん~美味しい。人の食べる肉料理ってこんなかんじなの?」

「ああ普通の肉料理は進めないねえ。ミートワーム食えるからって私のキャンプで鬼豚肉のステーキを食ったやつが盛大に吐いたからねえ」

 

そう言うオーゼンにゴブリンスレイヤーが反応した。

 

「種族的な問題か」

「そうとも言う、あと誓約とか結んでいるのもご法度だ」

「誓約ってなんですか師匠?」

「誓約ってのは神々に自分自身へのルールを誓い出目を良くしてもらう事さ。例えば敵の攻撃を躱さないと宣誓を立てることによって超回復の出目を振ってもらえるとかさ」

「ふうむ、そう言うのもあるのか」

「だがやるには強烈な世界への信仰心が必要さね神々の玩具になるって言っている様なもんだよ、さらに誓約を破れば問答無用でファンブル判定さね、割に合っていない」

 

誓約は安易に力を手に入れられるが破ったが最後、問答無用でファンブル判定である。

 

「まぁそんな話は置いておいてだ。ゴブリンスレイヤー、チーズ持って来ているんだろう?分けてくれないかい? 私もコールの25年を開けるからさ」

「わかった」

「まてなんじゃその火酒は」

 

鉱人道士も見た事の無い銘柄に驚く。

 

「向こうで作られている火酒さね、競売に出せるレベルだから向こう側からは出ない、なまじ値段も張るからねえ」

 

そう言ってグラスに注ぎ。

切り分けたチーズを串に刺して薪で火を通す。

丁度蕩けたチーズを一口食み火酒を煽る。

 

「ねぇねぇそれより私、アンタの単独水蒼宮、白鳳宮攻略の話を聞きたいんだけど!!」

「アレは事故さね、地盤沈下から教え子たちを庇って自力でどうにかする必要があったからやっただけさ」

 

水蒼宮、白鳳宮の攻略はファンブルの結果だったという。

其処から持ち直し単独制覇、攻略と宝を持ちかえったのは長命竜単独討伐より伝説とされている。

一つの迷宮かつあの神々の深淵の行き止まりを二つファンブルの結果とは言え単独制覇というのは白金級でも難しい。

故に伝説なのだ。

 

「拙僧は長命竜を単独討伐というのが気になりますな」

「ああ、アレは悲劇だっただけだよ、卵を持ち出した馬鹿が居てねぇ・・・駆けつけた時には遅かった・・・もう互いに引っ込みがつかなかった」

「・・・卵は?」

「別の長命竜に託した。後は知らんさ」

 

胸糞悪いとオーゼンは顔を顰めつつそう言った。

事の顛末はこうだ。長命竜の卵を戦利品として持ち帰った阿呆が居た。

結果怒り狂った長命竜が人の姿で外縁都市に出現。

下手人を見つけ暴れ狂った。

その時オーゼンは千人楔とかを入手する為に競売に出ていたのが幸いし。

オーゼンが討伐に出た。

最初は説得も出来るかと思ったが町に被害が出て引っ込みがつかない事案に成り。

仕方なくオーゼンが長命竜を殺害、追いかけてきたその長命竜の盟友の長命竜に卵を渡し場は収まった。

卵泥棒の馬鹿は無論の事、サクサクの刑に処されたというのが事の顛末である。

さしものオーゼンもギリギリだった。つまるところ重傷を負った。

だが誠意を示すために誰も来ない場合はその長命竜の子を育てる気で高潔な長命竜だから盟友が居るだろうと重症の身で討った長命竜の盟友であろう長命竜が来るであろうことを予想し待った。

賭けは当たった訳である。

オーゼンの義理堅さに長命竜の盟友の長命竜もオーゼンの顔を立てて引いてはくれたが次はないと言って去って行った。

それでこの話はお終いという予想以上の胸糞悪さだった。

英雄譚もガワを剥がせばこの通りである。

オーゼンの義理堅さがある意味外縁都市を救ったが、同時に人間の醜さが外縁都市を滅ぼしかけたとも言えるのだから。

 

「なんか私の知っている冒険と違う」

「そんな物さ・・・あそこは欲望渦巻く魔都でもある。一件治安はよさそうに見えるが。黒社会が蔓延る魔都でもあるのさ」

 

妖精弓手にそう答えるオーゼン。

 

「・・・それを嫌がってダンジョンに引きこもった訳か」

「ああそうさ、外縁都市は面倒ごとがすごいからねえ、だがここを知っていたなら早めに越して来たよ」

 

ゴブリンスレイヤーの言いように、オーゼンはそう返す。

ゴブリンスレイトレインをするだけで民には感謝され面倒ごとも少ない。

流石に一部を除きいい人々であるし牧場のミルクとチーズも美味い。

隠居先としてはこれ以上ないくらいだった。

 

「言っておくが神々の深淵では陰惨な話が多い、アッチは教会による治癒すらないんだ」

「なぜですか」

「それはね女神官、まず致命傷を負った奴は足手まといでダンジョン内に放置される、で死体回収も苗床になっている危険性があるからねえ、まず見向きもされない、良心的な冒険者がその場で火葬してくれる程度なのさ」

 

女神官の疑問にオーゼンは躊躇なく答えた。

それだけ厳しい場所なのだ。現代において唯一残っている神々の領域という称号は伊達ではない。

だからこそオーゼンは伝説で御伽噺なのだ。

 

「暗い話は脇においておきましてだな・・・、オーゼン殿、それは美味なのか?」

「ああこれかい美味いよ、食べてみるかい?」

「是非に」

 

お勧めされた蜥蜴僧侶はオーゼンに串に刺さった焼きチーズを手渡されかぶり付く。

 

「おお!! 甘露!! 甘露!!」

「ゴブリンスレイヤー、あの娘に伝えておきな顧客が増えたってね」

「ああ伝えて置く」

 

その様子をオーゼンは見て顧客が増えたとゴブリンスレイヤーに伝える。

鉄兜で見えないがどことなく嬉しそうだった。

 

「今更、儂の火酒を出しても見劣りしそうじゃのぉ」

「これは所謂向こうでの秘伝だからねえ。一般販売とはわけが違うのさ」

 

鉱人道士は残念がりながらそう言う、自分が持つ物より遥かに上物だからだ。

 

「師匠、聞く限り高級品みたいですけれどこれ一体いくらで?」

「金貨100枚から始まって、300枚で競り落としたかねえ」

 

誰もが吹いた。

たかが酒に金貨三百枚である洒落になっていない。

 

「だが酒は飾って嬉しいコレクションじゃないだろう? せっかく開けたんだ飲みな、空き瓶は投擲物やポーションの入れ瓶になる」

 

そう言って皆に配るオーゼン。

 

「オーゼン、俺は・・・」

「見張りならやっておくから今は飲んどきな」

「ああ・・・」

 

ゴブリンスレイヤーにそう言いつつオーゼンは舐めるように火酒を楽しんでいた。

 

「女魔法使い大丈夫かい?」

「ええだいじょうぶれふぅ」

「大丈夫じゃないねえ、火酒は慣れないうちは・・・「zzzz」この様になるから休んでおきな」

「ふぁい」

 

ゴブリンスレイヤー、火酒を飲みなれておらずここ最近忙しい疲れも相まって寝てしまった。

飲みなれていない女魔法使いも同様だ。

挙句の果てに妖精弓手は絡み酒を始め女神官を困らせている。

 

「はぁ・・・酒の飲み方くらい知って置けと言うのに」

「オーゼンはよくわかっているのぉ」

「まぁさっきの話通りの事が数多くあってねえ・・・嫌でも覚えるってものさ」

「お前さんも苦労しているんだな」

「苦労の無い冒険なんぞあるかい」

 

鉱人道士にそう返して一晩過ぎていくのだった。

 

「さて目的地に着いたわけだがどう思う?」

 

そこからさらに一日かけて目的の遺跡前に到着した。

遺跡前の茂みに皆が巧みに隠れる。

巨体のオーゼンも背をいつも以上に猫背にしてだ。

入り口前には見張り二人と番犬一匹。トーテムは無しと来ている。

やはり混成軍かと思い気を引き締める一行。

 

「アレじゃ私が仕留めるが・・・」

「いいや此処は私に任せて、オーゼンの逸話は聞いてるから」

「そうかい」

 

そう言って妖精弓手は矢を二本番え射出。一本はあらぬ方に。

もう一本は番犬に向かって一直線だった。

そして外れた矢が軌道変更し二匹のゴブリンの頭部を貫通し殺傷。

 

「ふふんどうよ?」

「まぁまぁだね、軌道変化が甘い」

 

オーゼンはこういう技を見てきている。熟達した森人なら今のを一射で殺し切っているからだ。

 

「・・・しかし奴らは番犬も飼うとは」

「裕福な群れなのだろう、まぁ魔族の誰かが統率しているなら在りえん話でもない、中に入ったら大量に湧き出てくる上に奴らが怯えるナニカが出てくるだろう」

 

蜥蜴僧侶の呟きにゴブリンスレイヤーはそう評価した。

 

「さて・・・」

 

ゴブリンスレイヤーは短剣を取り出しゴブリンの腸を取り出して布にくるむ。

妖精弓種は絶句していた。

 

「「奴らは鼻が良い」」

 

ゴブリンスレイヤーとオーゼンがそう言う。

 

「女や特に森人系の匂いには敏感だ」

「えちょ、まっ・・・あ・・・」

 

にじり寄るゴブリンスレイヤーから逃げようとしてオーゼンの右手が妖精弓手の左肩に置かれる。

所謂所の骨子術という奴である、これをされると人型タイプは動けぬ故にだ。

 

「ちょっとそこの二人は!?」

「オーゼンさんから取り寄せてもらった特性の匂い消しがあるので」

「私もそれに」

「「慣れます/るわよ」」

 

女神官&女魔法使いは諦めの境地で言った。

故に多少高い金払ってオーゼンに頼んで特別製の匂い消しを外縁都市から取り寄せてもらったのである。

それにもう慣れたというのもある。

妖精弓手は動けず助けも見込めない。

そしてゴブリンスレイヤーは手をひねり、赤黒い液体が妖精弓手の頭上から降り注いだのだった。

 

「うぇえええ・・・気持ち悪い」

「匂い消しを持つのは常識だよ、眼より鼻の利く魔獣もいるんだからね」

 

気持ち悪いと妖精弓手は言うが常識的に考えて匂い消しを持たぬお前が悪いと切って捨てるオーゼンだった。

 

「まぁこれが終われば洗い流せますから」

 

女神官はそう言う。

匂い消しの他に洗剤も取り寄せてもらっているからである。

 

「ふむ・・・見たところ古代の砦か、中期ころだと見えるねえ」

「オーゼンはその壁画とかの文字読めるの?」

「神々の神殿の第一層から三層まで時々目にしていたし、暗号としては丁度いいからねえ」

 

そう言って興味なさげに壁に走った文字を読むオーゼン。

 

「師匠私にも・・・」

「ああ教えてあげるさ。それより少し先はゴブリンスレイヤーか妖精弓手前に出な。そう言うのは斥候の役目だろう?」

「わかった」

「了解」

 

そして二人が前に出る、案の定という奴だった。

 

「鳴子ね」

「爆発物よりマシさね、向こうでは追剥は爆薬を使う」

 

発見されたのはワイヤートラップの一種である鳴子。

尚、神々の深淵では爆発物が仕掛けられているという事を聞いて発言者のオーゼン以外は引いた。

もうこの一党の中で神々の深淵に対するあこがれは吹き飛んでいた。

地獄であるという認識があった。

 

「まぁ解除すると連鎖するタイプだから踏まない様に」

「わかったよ」

 

そう言って皆が罠をよけながら奥へと進む。

そしてT字路へ。

 

「右か左か・・・どちらだ? オーゼン」

「そう言うのは鉱人道士に聞くんだねえ」

「おうやっと儂の出番じゃか・・・ふぅむ」

 

そう言って鉱人道士は床を鑑定する。

 

「やつら左から来て右側に行ってもどるか、外に出るかじゃの」

「なら決まりだな右側だ」

「そうさね、リミットがあるかもしれないからねえ」

「ちょっと二人で何を納得してんのよ」

「妖精弓手さん、右側はゴブリンにとっての発展場という事なんです、もし捕らわれた人がいないとも限りません。偶々お楽しみ中のゴブリンに挟撃されるリスクも出ます」

 

女神官がそう説明する。

散々ゴブリンスレイヤーのゴブリンスレイトレインに付き合っていたのだなれると言う物である。

 

「まぁ慣れないうちは覚悟していた方が良いよ」

 

オーゼンはそう言う、そう言う悲惨なのはゴブリンスレイヤー以上に見て見飽きているからである。

右に行き行き止まりの部屋は。

 

「「「「うっ」」」」

 

凄まじい臭いだった糞尿と腐肉の混じった臭いである。

 

「意識して鼻で呼吸しな」

「オーゼンの言う通りだ慣らすには丁度いい」

 

ゴブリンスレイヤーもオーゼンも女神官も動じてはいなかった。

それより生き残りの捜索だった。

嬲られた森人を発見、其処からゴブリンの不意打ちが入ったが。

 

「「邪魔」」

 

ゴブリンスレイヤーとオーゼンの一撃が決まり不意打ちは失敗に終わった。

連中を皆殺しにしてくれという彼女の懇願を受け入れたゴブリンスレイヤー一党は彼女を竜牙兵に任せ左側に向かう。

連中にとっては朝という時間帯で在り案の定寝起き連中が多かった。

 

「数が多いのぅ」

「問題にもならん」

 

ゴブリンスレイヤーはそう言って現状を確認。

ならこう攻めて行こうと戦略を決める。

そして各々が行動に移った。

 

「《いと慈悲深き地母神よ、我らに遍くを受け入れられる、静謐をお与えください》」

「《呑めや歌えや酒の精。歌って踊って眠りこけ、酒呑む夢を見せとくれ》」

 

沈黙の奇跡と酩酊の精霊魔法の組み合わせによるサイレントキリングである。

女魔法使いは手慣れたのか最初は杖の石突で殺していたが指が痺れてきたため、杖を腰に括り付け連中の武器を奪って殺し始めた。

ゴブリンスレイヤーは言わずもかなという奴で。

蜥蜴僧侶は竜牙刀で切り裂いていく。

妖精弓手も慣れぬ手つきでやっていくが。

もっとも無慈悲なのはオーゼンだった。

まるで道端の蟻を踏みつぶすかのような気軽さで連中の頭蓋を片っ端から踏みつぶしていく。

 

「これで最期だ」

 

剣を最後の一匹に突き刺しゴブリンスレイヤーが一息つく。

その時である。

奥から何かが出てきた。

その巨躯は小鬼英雄を余裕で超え重装騎士ですら一撃で倒す力強さと巨大なメイス。

普通の冒険者では手に余る存在。

即ちオーガである。

 

「なんだゴブリンではないのか」

 

しかし何時もの様子を崩さないゴブリンスレイヤーと。

くつくつと不気味に笑っているオーゼン。

そしてオーガは気づく、オーゼンにだ。

人間にしては高身長に全身黒衣に漆黒のマントに得物としても機能する巨大なガントレットに頭には三角笠のような幅広の円形兜。

忘れもしない、このオーガの故郷を先代勇者と共に滅ぼした怨敵。

 

「オーゼン!!」

「おやぁ私の事を知っているのかい?」

「貴様が我らが一族を滅ぼした」

「なにいってんだい。オーガなんて腐る程いるじゃないか」

 

ゴブリンスレイヤー以外何言ってんだ此奴と全員の目線がオーゼンに集中する。

ぶっちゃけオーガなんて神々の深淵ではポピュラーなモンスターだ。第三階層ではお目に掛かれるくらい程度である。

 

「まぁいいさ」

「!?」

「お前は良い教材になる」

 

床を踏み抜き瞬間移動したかのようにオーゼンはオーガの懐に潜り込み右膝に右ストレートを叩き込み身を捩って左膝に肘打ちを叩き込む。

余りの早業にオーガの両膝が同時に爆発四散したかのようだった。

そのまま倒れそうになるオーガの首を掴み片腕で背負い投げの要領で投げ飛ばし床に思いっきり叩きつける。

大きなクレーターを穿ちながら強引に仰向けに倒された。

更に両腕も踏み抜かれ潰される。

 

「が・・・あっ・・・」

 

もう完全に死に体だった。

こうもあっさりと倒せるものなのかと言われれば神々の深淵に潜る上位層ならこれ位やってのける。

オーゼンなら初撃で終わらせることが出来たのにそうしなかったのは。

 

「さて皆来な、授業の時間さね」

「じゅ、授業って」

「格上及び再生能力の高い奴の殺し方さ、実験台はこのオーガ」

「貴様ぁ殺せぇ!!」

「嫌だねぇ、自分は部下にそれをさせて置いて自分の番になると潔く散ろうとする。度し難いねえ」

 

オーゼンの言葉にいやアンタの方が度し難いよとゴブリンスレイヤー以外の全員が内心で突っ込みを入れた。

 

「ふむ、役に立ちそうか?」

「ああ時間はタップリとある、私の業を教えてあげるよ」

 

そしてオーゼンの業を技術を教えてもらえるという事もあってゴブリンスレイヤーはノリノリだった。

 

「さぁどこまで君は持つのかな?」

「やめろ!! やめろっぉっぉおおおおおお!!」

 

オーガはオーゼンの手によってゴブリンスレイヤー一党の技術向上のための実験材料にされたのだった。

 

「アイツラっていつもあんな感じなの?」

 

帰りの馬車で疲れたかのように妖精弓手が呟いた。

今日の出来事は殺戮と解体という名の授業だ。

精神的に疲弊するのは当たり前である。

 

「まぁゴブリンスレイヤーさんですから」

「そこは師匠だから・・・」

 

ゴブリンスレイヤーの助手とも言えなくはない女神官と。

オーゼンの弟子である女魔法使いはそう答えた。

 

「こんなの冒険じゃない・・・絶対あの二人に冒険させてやる!!」

 

そう誓う妖精弓手の決意の言葉と共に。

馬車は辺境の町へと向かうのだった。

なおこれからもなんだかんだ言ってゴブリン騒動に巻き込まれるとはこの時の妖精弓手は思っても居なかったのであった。

それでも賽は投げられ冒険の道は止まらない。

 

 




オーゼンからのゴブスレへの評価。
知識さえやれば神々の深淵でもやっていけるという高評価。
和マンチやマンチキンしてでも死ぬのが神々の深淵だからね。
故にオーゼンはゴブスレの事を思考力を切らさない秀才且ついい師に巡り合ったと評価している。

現状辺境のゴブリンの状況。
オーゼンが来た当初ゴブスレとオーゼンが新人率いて片っ端から駆除。ついでに小鬼王をオーゼンがスーパーウリアッ上してぶち殺している
現在、オーゼンがゴブスレの教導力が上がったの確認ゴブスレが教導役として新人連れて片っ端から駆除。ついでに小鬼英雄を袋叩きにして駆除。
完全に牧場襲撃フラグがへし折れている。
その代わりオーなんとかさんの軍勢が強化されたがオーゼン参戦で焼石に水となった。

現状のゴブスレの評価。
新人教導とかの影響で雑魚狩り専門とか言われなくなり。社交性も向上した為か。
辺境三羽烏の一角を担う存在として現在は皆にちゃんと認められており新人たちからは先生と呼ばれている。
なおそんな現状にゴブスレ困惑中。


原生生物の肉。
美味なのは美味だが一部原生生物の肉とかは体に慣らしておかないと至って死ぬレベルには高カロリー。
なおオーゼンはこれが無いと飢え死ぬので、外縁都市から保存魔法掛かったこれらを取り寄せ。
調理長に的確な値段払った上で食べている。
なおそれでも大量に食わないといけないらしい。

千人楔
ほぼメイドインアビスと一緒であるがゆえに一本刺せば千人力の力を発揮できる。
オーゼンは全身に120本も刺しているので単純計算で本気さえ出せば12万人力を発揮できるし。
若さも保てるが、それゆえに燃費が最悪になるので外縁都市から超高カロリーの原生生物の肉を取り寄せている。

エリクサー
神々の深淵とその周囲に連なる外縁都市では高額な代物だけで済んでいるが。
王都や辺境の地だとこれ一本で大豪邸が立つ代物。
オーゼンは前述の燃費が悪いこともあって栄養ドリンク代わりに飲んで大量に常備している。

ミミックエリクサー
エリクサーよりも希少だがエリクサーと同効果で飲むと数年の寿命をすり減らす外れ。
ミミックに引っ掛かった間抜けを指してミミックエリクサーとも呼ばれる。

神々の深淵の魔力。
第四層から一気に濃くなり年を取りずらくなる。
オーゼンが20代後半なのも千人楔とこの魔力に寄るための物。
ただしこの魔力は精神的に強くない人間を変異させ精神的にも変容させる。
強い精神力の持ち主であっても疲弊はするため負荷を受ける。

第零層
所謂外縁都市と呼ばれる場所。王都レベルで栄えている冒険者都市である。
一件治安が良いように思えるが裏路地に入るとそこからは黒社会と呼ばれる。
各国のマフィアなどが支配する地域が多く見た目ほど治安は良くないとの事。

第一層から第三層。
所謂不思議ダンジョン形式の回想。駆け出しや中堅はまずここで腕を磨く。
ただし辺境の銀等級クラスが中堅という魔境でもある。

第四層から第十層。
地下世界とも呼ばれる魔境、現在確認されているのは十層までのみ。
オーゼンが単独攻略した二つの迷宮と金等級及び銀等級のある旅団が開拓した四つの行き止まりが確認されている。
だがまだ潜れる場所があるようで深さは不明である。
オーゼンはこの第四層にキャンプを構えて過ごしていた。

オーゼンの防具。
柔らかい鉄や石綿で出来ている為、皮装備に見えて一級冒険者の物より強靭。
現にゴブリン程度の一撃では傷一つ着かず。また重量も千人楔を前程としているため利用されることはない。
ガンドレットはそれ以上の重量且つ強度を誇り武器としては十分である。
特に火には強いらしくオーなんとかさんの火炎を受けても無傷なほどである。

オーなんとかさん
オーゼンに恨みがあった。前の魔神戦争でオーゼンと先代勇者に一族を滅ぼされたことを根に持っていたが。
慢心王したのとオーゼンが強すぎたため即座に鎮圧された挙句、くっ殺したが教材として利用され嬲り殺された。
なおオーゼンやゴブリンスレイヤーが油断なく監視していた為逆転は不可能だった模様。
結論、固定値厨と和マンチの二人敵に回して勝てるはずがなかった。
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