「優しくないよ、あいつは」
『優しくない』……どうしてだろう。
私は笹妬くんのことを、とっても優しい人だと思ってるし、実際優しくしてもらって私は、あの時間救われたし。
嫉束くんは知ってて私が知らない、そんな彼がいるってことなの?
[朝蔵 大空]
「えっと……でもね! 笹妬くんは泣いてる私に、ずっと寄り添ってくれたし。 ジュースとかくれたんだ!」
私はあの時、笹妬くんに優しくしてもらった内容を、嫉束くんに説明する。
[嫉束 界魔]
「泣いたの?」
[朝蔵 大空]
「あっ」
──『墓穴を掘る』。
[嫉束 界魔]
「やっぱり……何かされたんだね」
やばい、嘘ついたってバレる!
あの子達に、酷いことを言われたなんてバレたら、なんか嫉束くんに悪い気がするし。
ここは誤魔化さなきゃ!
[朝蔵 大空]
「いや? 私が転んじゃって……こ、高校生にもなって転んで泣くなんて。 だ、ダサいよね! あはっ、あははは」
私は笑って誤魔化した、そしたら嫉束くんが話題を変えた。
[嫉束 界魔]
「あいつには、近付かないほうが良いよ」
……ど、どうしてそんなことを言うの?
そんな念を押すように言われたら、笹妬くんを見る私の目が、変わってしまいそうになる。
それとも出会い方がたまたま良かっただけ?
[朝蔵 大空]
「そ、そうなんだね」
第三者からの情報を『真に受けるべきではない』そうは思っても、嫉束くんにそう言われると気になる。
[嫉束 界魔]
「うん……ごめんね、変なこと言っちゃって。 でも、大空ちゃんには傷付いてほしくないから」
私が笹妬くんと関わると、私が傷付くことになる?
[嫉束 界魔]
「ほら、友達だからさ!」
[朝蔵 大空]
「あ……そうだね」
そうだった、嫉束くんとは友達ってことになってるんだった。
全然、実感湧かないなぁ。
そもそも私と嫉束くんとじゃ、周囲からの人気度とか、住む世界が違いすぎて……。
あぁ酷いな私、自分から友達になろうって言ったのに。
でも、友達がいなくて辛いって気持ちは私にも分かるから、せめて私だけでもって思ったんだよね。
こんな私だけど。
[嫉束 界魔]
「……」
[朝蔵 大空]
「あっ」
数人の話し声と、確かな気配を感じる。
もうすぐ私と嫉束くんの元に、人が集まってくる……。
そう察した私は、『どうしよう』とアワアワする。
[嫉束 界魔]
「大空ちゃん、もう行ったほうが良いよ」
嫉束くんに気を使わせてしまった。
[朝蔵 大空]
「う、うん。 じゃあね」
私は学校
[SFC会員C]
「あー♡ 嫉束くんだ〜」
[SFC会員D]
「何してんのー? もしかして、テニス戻る気になった?!」
嫉束を見つけた女子生徒達が、嫉束を囲むように群がる。
[嫉束 界魔]
「……ごめんね」
嫉束はそれに構わず彼女達から離れ、背を向け歩き出す。
[SFC会員D]
「あーん、行っちゃった〜」
[SFC会員C]
「あんたが余計なこと言うから!」
[SFC会員D]
「な、なによ〜」
嫉束が帰り、一同が残念に思う中、隙あらば喧嘩をしだす彼女達。
[嫉束 界魔]
「…………あーあ、嫌だな。 チッ」
嫉束は顔に似合わない、行儀の悪い舌打ちをした。
[嫉束 界魔]
「あれさえ無ければ……クソっ」
誰も見てない所で不満を
……。
[朝蔵 大空]
「元気?」
[永瀬 里沙]
『うん!元気よ』
今は自分の部屋で友達の里沙ちゃんと通話中〜。
[朝蔵 大空]
「よかった……」
[永瀬 里沙]
『いやぁ2年に上がってから、先輩達のコキの使いようが半端無くってさ〜! さすがの私でも潰れちゃったわ』
[朝蔵 大空]
「きゃー、大変だ」
うわぁ……。
やっぱ水泳部とか、運動部ってそう言うのあるんだ……。
パワハラ、上下関係恐るべし!
[永瀬 里沙]
『大空もいればなぁ? 楽しいのに〜』
[朝蔵 大空]
「え、私は無理でしょ……運動苦手だし」
[永瀬 里沙]
『たまには体動かした方が良いよー! 気分も晴れるしさ!』
私はスポーツをしないから、こんな内気でボーッとした性格になっちゃったのかなぁ?
なんだか急に、自分への危機感が……。
[永瀬 里沙]
『あ、そうそう聞いて! 新しい1年生で、めっちゃ良い感じの子がいてさー』
[朝蔵 大空]
「へぇ、部活の?」
どうせイケメンがいるとか、そう言う話だろうな。
[永瀬 里沙]
『そうそう! その子いっっっっっつもニコニコしてんの! 声も出るし、おまけにイケメンでもう、部の皆
ほら、やっぱり。
[永瀬 里沙]
『でも私はいいや。 ハキハキ系の後輩は可愛いけど〜、私のタイプではないかな〜。 男はやっぱ、クール系一択でしょ!!』
[朝蔵 大空]
「へーそうなんだ? なんか凄いね、あんま想像つかないけど」
[永瀬 里沙]
「あぁ、私にもクールでイケてる王子様が現れないかしらっ!」
[朝蔵 大空]
「……」
ガタン、ガタン。
隣の部屋から物音がする。
[朝蔵 大空]
「あ、部屋に真昼が居る……」
[永瀬 里沙]
『てか、この前聞いた子その子なんだけど、ほんとに知らない?
あーあれか、先生が部活のポスター配ってた時に聞かされたあれか。
[朝蔵 大空]
「うん、誰?」
[永瀬 里沙]
『マジ? なんか大空のこと知ってる感じだったよー? でも、中学の後輩にいなかったと思うし。 てか、いたらあんな可愛い子私が忘れる訳無いもん』
[朝蔵 大空]
「あははっ、そうだね!」
原地 洋助、どんな子なんだろう?
ちょっと気になる……。
[永瀬 里沙]
『中学、
[朝蔵 大空]
「え、他校とか私は全然……その子が言ってるの、ほんとに私?」
[永瀬 里沙]
「いやーでも、大空の名前出してたし……」
[朝蔵 大空]
「えっ」
何それちょっと怖い、なんで他校の中学校の子が、私の名前知ってんの?
他校と言うか、自分の中学ですらあんまり話す人いなかったって言うのに。
[永瀬 里沙]
『まあいいわ、今度また詳しく聞いてみる。 なんか知らんけど、あの子私に1番絡んで来るのよね。 だから先輩達も、私に
[朝蔵 大空]
「ひー、女子って怖いね。 あんまり酷いようだったらまた言ってね?」
私の里沙ちゃんに酷い扱いするなんて、たとえ先輩
[永瀬 里沙]
『あはは! 私はそんなヤワじゃないわよー。 それに、そんなっ……まあアレじゃないから心配しないでー』
[朝蔵 大空]
「そ、そっか?」
なんだろう、里沙ちゃんが今何か言おうとしたみたいだけど、誤魔化された気がする。
でも、
[永瀬 里沙]
『まあ風邪ぶり返すの怖いから、今日は寝るわー。 切るね!』
[朝蔵 大空]
「うんっ、また学校でね」
ピッ。
[朝蔵 大空]
「ふぅ……」
[加藤 右宏]
「女子トーク終わったカっ!!」
なんか隣に居るのが当たり前みたいになってない?
[朝蔵 大空]
「うん。 ごめん、寝よっか」
[加藤 右宏]
「ん」
私は目を
……。
[朝蔵 大空]
「すぅ……すぅー……」
大空は寝息を立てて完全に眠っている。
[加藤 右宏]
「…………ヨし」
皆が寝静まった夜、横になっていたミギヒロが体を起こす。
[加藤 右宏]
「メンドクセーけど、やらなきゃいけないんダよなー……」
ミギヒロは何も無い空間から、分厚い本を出現させた。
[加藤 右宏]
「エーっと、『天使転生の儀』……あなたが
慣れない
[加藤 右宏]
「よしノルマ終わり! 寝るッ」
……。
──そして土曜日の朝が来る。
[朝蔵 葵]
「こんにちはー、お隣の朝蔵です〜」
ん?
[朝蔵 大空]
「なんだか外が騒がしい……」
今日は、学校が無い休日。
丸一日暇で、部屋でひとり漫画を読んでいるところだった。
ガチャ。
部屋に真昼が入って来たかと思ったら……。
[朝蔵 真昼]
「外来てって、お母さんが」
[朝蔵 大空]
「え?」
なんだろう?
[朝蔵 葵]
「あっ。 大空ー! こっちこっち〜」
お母さんが、私に手招きをする。
[可愛めな奥様]
「こんにちは♪」
[朝蔵 大空]
「あっ、どうも。 初めまして」
誰だろう?
[朝蔵 葵]
「
なるほど、うちの隣ずっと空き家だったもんな。
ここ数日、工事の人が居るなーって思ったら、そう言うことだったんだ。
[巣桜 燕]
「大空ちゃんね、よろしくね!」
[朝蔵 大空]
「は、はい!」
わぁ、可愛いお母さんだなぁ……まあうちの母だって、負けてはないけどね?
[巣桜 燕]
「可愛い娘さんね〜、うちの
[朝蔵 大空]
「えっ!?///」
なんて
[朝蔵 葵]
「ちょっと燕さん! それは気が早すぎるわよ〜! 大空よりこの " 私 " を!!」
それはもっと無ぇーよ。
[巣桜 燕]
「うふふっ、あっそうだ……うちの息子、司って言うんだけど。 大空ちゃんのクラスに入るみたいだから、よろしくね!」
私と同じクラスに入るって……まさか、転入してくるの?!
ついこの前、うちのクラスには卯月神って言う子が、入って来たばかりなんですけど!?
[朝蔵 大空]
「あっ……司くん? そうなんですか」
で、その司くんって子はどこに?
このインドアの私が、お日様の下に珍しく出てきたって言うのに、話題になっている人物は
[巣桜 燕]
「でもあの子……友達出来るかしら? 心配だわ」
[朝蔵 葵]
「ふふっ、大丈夫なんじゃないですか? だって大空がいるんですし」
……へ?
[巣桜 燕]
「それもそうね! 大空ちゃん、司のことよろしくね!」
よろしくね! と言われても、その私がまず友達作り、苦手なんだけどな……。
でもこんなに頼まれたら、見捨てる訳にもいかないよ……。
[朝蔵 大空]
「あの、その司くんは今日は……?」
[巣桜 燕]
「あっごめんなさい。 司は滅多なことが無いと、なかなか部屋から出て来ないのよ。 ごめんなさいねっ!」
[朝蔵 大空]
「あー……そうですか」
何それ、引きこもりってこと?
私も人のこと言えないかもだけど、雰囲気からして私より重度そうだな。
私は冴えないオタクの顔をイメージする。
とりあえず眼鏡掛けてて、髪はボサボサで目は死んでて、身なりが整ってない、典型的な…………オタク。
あと臭い。
ちょっと想像するとやだな。
[巣桜 燕]
「でも安心して! 学校始まったら問答無用で引っ張り出してくるから♪」
[朝蔵 葵]
「うふふっ、顔を出すのを楽しみにしていますわ!」
あ、お母さんは司くんが、イケメンか美少年なのを期待しているな。
私はどうしても、アレな男をイメージしてしまうんだけど。
もちろん、燕お母様のほうはとっても可愛いけどね。
どうかお母様の遺伝子を、色濃く反映されててほしい……。
[巣桜 燕]
「司ってば、前の学校ではあんまり、上手く通えなかったみたいで……だから学校楽しいって思ってほしくて……」
[朝蔵 大空]
「……そうなんだ」
可愛い奥様。
そんな話を聞かされたら、もう面倒を見るしかなくなるじゃないですか。
私もこう見えて姉属性を持っている、ほっとけない。
決めた、たとえどんな粗悪なオタクが出てきても、私は絶対
対面するとしたら、また月曜日。
会えるのを楽しみにしているよ、巣桜 司 くん?
つづく……。
[嫉束 界魔]
「優しくないよ、あいつは」
『優しくない』……どうしてだろう。
私は笹妬くんのことを、とっても優しい人だと思ってるし、実際優しくしてもらって私は、あの時間救われたし。
嫉束くんは知ってて私が知らない、そんな彼がいるってことなの?
[朝蔵 大空]
「えっと……でもね! 笹妬くんは泣いてる私に、ずっと寄り添ってくれたし。 ジュースとかくれたんだ!」
私はあの時、笹妬くんに優しくしてもらった内容を、嫉束くんに説明する。
[嫉束 界魔]
「泣いたの?」
[朝蔵 大空]
「あっ」
──『墓穴を掘る』。
[嫉束 界魔]
「やっぱり……何かされたんだね」
やばい、嘘ついたってバレる!
あの子達に、酷いことを言われたなんてバレたら、なんか嫉束くんに悪い気がするし。
ここは誤魔化さなきゃ!
[朝蔵 大空]
「いや? 私が転んじゃって……こ、高校生にもなって転んで泣くなんて。 だ、ダサいよね! あはっ、あははは」
私は笑って誤魔化した、そしたら嫉束くんが話題を変えた。
[嫉束 界魔]
「あいつには、近付かないほうが良いよ」
……ど、どうしてそんなことを言うの?
そんな念を押すように言われたら、笹妬くんを見る私の目が、変わってしまいそうになる。
それとも出会い方がたまたま良かっただけ?
[朝蔵 大空]
「そ、そうなんだね」
第三者からの情報を『真に受けるべきではない』そうは思っても、嫉束くんにそう言われると気になる。
[嫉束 界魔]
「うん……ごめんね、変なこと言っちゃって。 でも、大空ちゃんには傷付いてほしくないから」
私が笹妬くんと関わると、私が傷付くことになる?
[嫉束 界魔]
「ほら、友達だからさ!」
[朝蔵 大空]
「あ……そうだね」
そうだった、嫉束くんとは友達ってことになってるんだった。
全然、実感湧かないなぁ。
そもそも私と嫉束くんとじゃ、周囲からの人気度とか、住む世界が違いすぎて……。
あぁ酷いな私、自分から友達になろうって言ったのに。
でも、友達がいなくて辛いって気持ちは私にも分かるから、せめて私だけでもって思ったんだよね。
こんな私だけど。
[嫉束 界魔]
「……」
[朝蔵 大空]
「あっ」
数人の話し声と、確かな気配を感じる。
もうすぐ私と嫉束くんの元に、人が集まってくる……。
そう察した私は、『どうしよう』とアワアワする。
[嫉束 界魔]
「大空ちゃん、もう行ったほうが良いよ」
嫉束くんに気を使わせてしまった。
[朝蔵 大空]
「う、うん。 じゃあね」
私は学校
[SFC会員C]
「あー♡ 嫉束くんだ〜」
[SFC会員D]
「何してんのー? もしかして、テニス戻る気になった?!」
嫉束を見つけた女子生徒達が、嫉束を囲むように群がる。
[嫉束 界魔]
「……ごめんね」
嫉束はそれに構わず彼女達から離れ、背を向け歩き出す。
[SFC会員D]
「あーん、行っちゃった〜」
[SFC会員C]
「あんたが余計なこと言うから!」
[SFC会員D]
「な、なによ〜」
嫉束が帰り、一同が残念に思う中、隙あらば喧嘩をしだす彼女達。
[嫉束 界魔]
「…………あーあ、嫌だな。 チッ」
嫉束は顔に似合わない、行儀の悪い舌打ちをした。
[嫉束 界魔]
「あれさえ無ければ……クソっ」
誰も見てない所で不満を
……。
[朝蔵 大空]
「元気?」
[永瀬 里沙]
『うん!元気よ』
今は自分の部屋で友達の里沙ちゃんと通話中〜。
[朝蔵 大空]
「よかった……」
[永瀬 里沙]
『いやぁ2年に上がってから、先輩達のコキの使いようが半端無くってさ〜! さすがの私でも潰れちゃったわ』
[朝蔵 大空]
「きゃー、大変だ」
うわぁ……。
やっぱ水泳部とか、運動部ってそう言うのあるんだ……。
パワハラ、上下関係恐るべし!
[永瀬 里沙]
『大空もいればなぁ? 楽しいのに〜』
[朝蔵 大空]
「え、私は無理でしょ……運動苦手だし」
[永瀬 里沙]
『たまには体動かした方が良いよー! 気分も晴れるしさ!』
私はスポーツをしないから、こんな内気でボーッとした性格になっちゃったのかなぁ?
なんだか急に、自分への危機感が……。
[永瀬 里沙]
『あ、そうそう聞いて! 新しい1年生で、めっちゃ良い感じの子がいてさー』
[朝蔵 大空]
「へぇ、部活の?」
どうせイケメンがいるとか、そう言う話だろうな。
[永瀬 里沙]
『そうそう! その子いっっっっっつもニコニコしてんの! 声も出るし、おまけにイケメンでもう、部の皆
ほら、やっぱり。
[永瀬 里沙]
『でも私はいいや。 ハキハキ系の後輩は可愛いけど〜、私のタイプではないかな〜。 男はやっぱ、クール系一択でしょ!!』
[朝蔵 大空]
「へーそうなんだ? なんか凄いね、あんま想像つかないけど」
[永瀬 里沙]
「あぁ、私にもクールでイケてる王子様が現れないかしらっ!」
[朝蔵 大空]
「……」
ガタン、ガタン。
隣の部屋から物音がする。
[朝蔵 大空]
「あ、部屋に真昼が居る……」
[永瀬 里沙]
『てか、この前聞いた子その子なんだけど、ほんとに知らない?
あーあれか、先生が部活のポスター配ってた時に聞かされたあれか。
[朝蔵 大空]
「うん、誰?」
[永瀬 里沙]
『マジ? なんか大空のこと知ってる感じだったよー? でも、中学の後輩にいなかったと思うし。 てか、いたらあんな可愛い子私が忘れる訳無いもん』
[朝蔵 大空]
「あははっ、そうだね!」
原地 洋助、どんな子なんだろう?
ちょっと気になる……。
[永瀬 里沙]
『中学、
[朝蔵 大空]
「え、他校とか私は全然……その子が言ってるの、ほんとに私?」
[永瀬 里沙]
「いやーでも、大空の名前出してたし……」
[朝蔵 大空]
「えっ」
何それちょっと怖い、なんで他校の中学校の子が、私の名前知ってんの?
他校と言うか、自分の中学ですらあんまり話す人いなかったって言うのに。
[永瀬 里沙]
『まあいいわ、今度また詳しく聞いてみる。 なんか知らんけど、あの子私に1番絡んで来るのよね。 だから先輩達も、私に
[朝蔵 大空]
「ひー、女子って怖いね。 あんまり酷いようだったらまた言ってね?」
私の里沙ちゃんに酷い扱いするなんて、たとえ先輩
[永瀬 里沙]
『あはは! 私はそんなヤワじゃないわよー。 それに、そんなっ……まあアレじゃないから心配しないでー』
[朝蔵 大空]
「そ、そっか?」
なんだろう、里沙ちゃんが今何か言おうとしたみたいだけど、誤魔化された気がする。
でも、
[永瀬 里沙]
『まあ風邪ぶり返すの怖いから、今日は寝るわー。 切るね!』
[朝蔵 大空]
「うんっ、また学校でね」
ピッ。
[朝蔵 大空]
「ふぅ……」
[加藤 右宏]
「女子トーク終わったカっ!!」
なんか隣に居るのが当たり前みたいになってない?
[朝蔵 大空]
「うん。 ごめん、寝よっか」
[加藤 右宏]
「ん」
私は目を
……。
[朝蔵 大空]
「すぅ……すぅー……」
大空は寝息を立てて完全に眠っている。
[加藤 右宏]
「…………ヨし」
皆が寝静まった夜、横になっていたミギヒロが体を起こす。
[加藤 右宏]
「メンドクセーけど、やらなきゃいけないんダよなー……」
ミギヒロは何も無い空間から、分厚い本を出現させた。
[加藤 右宏]
「エーっと、『天使転生の儀』……あなたが
慣れない
[加藤 右宏]
「よしノルマ終わり! 寝るッ」
……。
──そして土曜日の朝が来る。
[朝蔵 葵]
「こんにちはー、お隣の朝蔵です〜」
ん?
[朝蔵 大空]
「なんだか外が騒がしい……」
今日は、学校が無い休日。
丸一日暇で、部屋でひとり漫画を読んでいるところだった。
ガチャ。
部屋に真昼が入って来たかと思ったら……。
[朝蔵 真昼]
「外来てって、お母さんが」
[朝蔵 大空]
「え?」
なんだろう?
[朝蔵 葵]
「あっ。 大空ー! こっちこっち〜」
お母さんが、私に手招きをする。
[可愛めな奥様]
「こんにちは♪」
[朝蔵 大空]
「あっ、どうも。 初めまして」
誰だろう?
[朝蔵 葵]
「
なるほど、うちの隣ずっと空き家だったもんな。
ここ数日、工事の人が居るなーって思ったら、そう言うことだったんだ。
[巣桜 燕]
「大空ちゃんね、よろしくね!」
[朝蔵 大空]
「は、はい!」
わぁ、可愛いお母さんだなぁ……まあうちの母だって、負けてはないけどね?
[巣桜 燕]
「可愛い娘さんね〜、うちの
[朝蔵 大空]
「えっ!?///」
なんて
[朝蔵 葵]
「ちょっと燕さん! それは気が早すぎるわよ〜! 大空よりこの " 私 " を!!」
それはもっと無ぇーよ。
[巣桜 燕]
「うふふっ、あっそうだ……うちの息子、司って言うんだけど。 大空ちゃんのクラスに入るみたいだから、よろしくね!」
私と同じクラスに入るって……まさか、転入してくるの?!
ついこの前、うちのクラスには卯月神って言う子が、入って来たばかりなんですけど!?
[朝蔵 大空]
「あっ……司くん? そうなんですか」
で、その司くんって子はどこに?
このインドアの私が、お日様の下に珍しく出てきたって言うのに、話題になっている人物は
[巣桜 燕]
「でもあの子……友達出来るかしら? 心配だわ」
[朝蔵 葵]
「ふふっ、大丈夫なんじゃないですか? だって大空がいるんですし」
……へ?
[巣桜 燕]
「それもそうね! 大空ちゃん、司のことよろしくね!」
よろしくね! と言われても、その私がまず友達作り、苦手なんだけどな……。
でもこんなに頼まれたら、見捨てる訳にもいかないよ……。
[朝蔵 大空]
「あの、その司くんは今日は……?」
[巣桜 燕]
「あっごめんなさい。 司は滅多なことが無いと、なかなか部屋から出て来ないのよ。 ごめんなさいねっ!」
[朝蔵 大空]
「あー……そうですか」
何それ、引きこもりってこと?
私も人のこと言えないかもだけど、雰囲気からして私より重度そうだな。
私は冴えないオタクの顔をイメージする。
とりあえず眼鏡掛けてて、髪はボサボサで目は死んでて、身なりが整ってない、典型的な…………オタク。
あと臭い。
ちょっと想像するとやだな。
[巣桜 燕]
「でも安心して! 学校始まったら問答無用で引っ張り出してくるから♪」
[朝蔵 葵]
「うふふっ、顔を出すのを楽しみにしていますわ!」
あ、お母さんは司くんが、イケメンか美少年なのを期待しているな。
私はどうしても、アレな男をイメージしてしまうんだけど。
もちろん、燕お母様のほうはとっても可愛いけどね。
どうかお母様の遺伝子を、色濃く反映されててほしい……。
[巣桜 燕]
「司ってば、前の学校ではあんまり、上手く通えなかったみたいで……だから学校楽しいって思ってほしくて……」
[朝蔵 大空]
「……そうなんだ」
可愛い奥様。
そんな話を聞かされたら、もう面倒を見るしかなくなるじゃないですか。
私もこう見えて姉属性を持っている、ほっとけない。
決めた、たとえどんな粗悪なオタクが出てきても、私は絶対
対面するとしたら、また月曜日。
会えるのを楽しみにしているよ、巣桜 司 くん?
つづく……。