八つの大罪   作:ルルルだ。

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「これは未だ人と、人ならざる者の世界が、分かたれてはいなかった、古の物語――」
「ブリタニアの地を絶望の淵に陥れ、王国の守護たる聖騎士たちを敵に回した、荒くれ者共の騎士団。その名は――」

「はい9回目! 心臓が再生するまでの暇つぶしに俺が朗読してやるよ! って、声帯に血が詰まって上手く喋れねえ! ゴボッ……読者のみんな、少々お待ちを!」


第11話『不死身と不死身の泥試合! そして踏み抜かれる最悪の地雷!』

バステ監獄の瓦礫の山。 胸にぽっかりと大穴を開けられ、地面に倒れ伏したデッドプールの横で、メリオダスとバンは再会の喜びを爆発させていた。

 

「バァァァン!!」 「だんちょォォォ!!」

 

パァァァン!! と、二人がハイタッチを交わした瞬間。

ただのハイタッチのはずが、その凄まじい筋力と魔力の衝突により、強烈な衝撃波が発生し、ただでさえ半壊していたバステ監獄の跡地がさらに粉々に吹き飛んだ。

二人はそのまま楽しそうに殴り合いを始め、大地を割り、瓦礫を粉砕していく。

 

「ヒィィィィ!? なんだあいつら、再会の挨拶だけで山が一個消え飛ぶぞ!?」 ホークがエリザベスの後ろで震え上がっている。

 

「ふぅ……ようやく心臓が繋がった」 ズタズタの胸肉がグチュグチュと結合し、デッドプールがむくりと起き上がった。

「いやー、心臓の再生はいつもくすぐったいんだよね。で、おっさん二人の過激なイチャイチャは終わった?」

 

ちょうどその時、メリオダスとバンの激しい腕相撲(という名の地形破壊)が引き分けに終わったところだった。

 

「……ん?」 バンが不思議そうに振り返る。 「おいおい団長、なんだあのトマト野郎。心臓潰したのにマジで生き返ってんじゃねーか」

 

「ああ、そいつ俺たちの新しいペット兼・弾除けのデッドプール。なんか変な体質らしくて死なねえんだよ」 メリオダスが服の埃を払いながら答える。

 

「へェ……」 バンは目を細め、舌なめずりをしてデッドプールに近づいてきた。

「面白ェじゃねーか。俺以外に死なねェ奴がいるなんてなァ。俺の『生命の泉』とどっちが上か、試してみるか?」

 

「上等だぜ、赤い革ジャンの兄ちゃん!」 デッドプールも背中から二丁の刀を抜き放った。

「俺の世界じゃ、不死身(ヒーリングファクター)のキャラは俺とウルヴァリンのオッサンだけで十分なんだよ!

キャラ被りは許さねえ!」

 

バンが地を蹴った。 デッドプールも刀を構えて突進する。

 

ズバッ!! ドグシャッ!!

 

デッドプールの刀がバンの首を半分まで斬り裂き、同時にバンの拳がデッドプールの顔面を陥没させる。 しかし、二人は倒れない。

バンの首の傷は瞬く間に塞がり、デッドプールの顔面もメリメリと音を立てて元に戻る。

 

「ヒャハハ! やるじゃねーかトマト野郎!」 「お前こそ! その治癒力、俺の世界のミュータント基準でもトップクラスだぜ!」

 

血みどろになりながら、笑い合って斬り合い、殴り合う二人。 お互いに内臓をぶちまけ、手足をへし折り合いながらも、数秒後には元通りになってケラケラ笑っている。

そのあまりにも猟奇的でグロテスクな泥試合に、エリザベスは顔を青ざめ、ディアンヌは「うわぁ、気持ち悪い……」とドン引きしていた。

 

「いやー、最高に楽しいぜバン君!」 デッドプールは折れた腕を自力でボキッと戻しながら、軽快なステップを踏んでみせた。 「これなら気兼ねなく全力が出せる!

いいね、君のそのタフネス! まるで化け物だ!」

 

「化け物はお互い様だろォ?」 バンも楽しそうに笑いながら、三節棍を構え直す。

 

その時だった。

テンションが最高潮に達したデッドプールが、カメラ(読者)に向かって得意げにウインクをし、そして、絶対に行ってはいけない「地雷」を意気揚々と踏み抜いてしまったのだ。

 

「いやー、でもさ! 君、昔『妖精王の森』で赤い魔神族と戦ったんだよね!?」

 

ピタッ。

 

バンの動きが、完全に止まった。

 

デッドプールは気づかずにペラペラと喋り続ける。 「あの時は君も死にかけたらしいけど、その魔神族と俺、どっちが強いかな!?

魔神の血を飲んで強化した俺と、その魔神族、どっちがしぶといか――」

 

「……おい」

 

バンの声が、地を這うような低いトーンに変わった。

先ほどまでの狂気じみた笑顔は完全に消え失せ、その両目には、見ているだけで心臓が凍りつくような『絶対零度の殺意』が宿っていた。

 

「……てめぇ、今……なんて言った?」

 

「えっ?」 デッドプールが首を傾げた。

 

「おい、バカお前……」 少し離れた場所で見ていたメリオダスが、顔色を変えて「やらかした」という表情になった。

 

『妖精王の森』。そして『赤い魔神族』。

それはバンにとって、愛する人(エレイン)を奪われた最も触れられたくない過去であり、彼の魂に刻まれた癒えない傷そのものだった。

 

「なんでてめぇが、その事を知ってんだ……? なんでてめぇみたいなゴミが、その名前を軽々しく口にしてんだァ……!」

 

ゴゴゴゴゴゴ……ッ!! バンの周囲から、禍々しくも冷たい魔力が立ち上る。

先ほどのメリオダスの「ガチギレ」が静かなる怒りだとするなら、今のバンの怒りは、全てを八つ裂きにする狂乱の嵐だった。

 

「あ、これヤバいやつだ」 デッドプールはマスク越しに滝のような冷や汗を流した。

「読者のみんな……俺、またしても主人公パーティの逆鱗に触れちゃったみたい……。っていうか、キャラごとの地雷多すぎない!?

触れちゃいけない過去が多すぎるよこの漫画!」

 

「……死ね」

 

バンの右手が、強烈な殺気を帯びて前に突き出された。 「『強奪(スナッチ)』!!」

 

その瞬間、デッドプールは目に見えない力に全身を掴まれ、空中に引き上げられた。 「ぐあぁっ!? 体が、動か……ッ!」

 

「死なねェんなら……てめぇの細胞が一つも残らなくなるまで、永遠にすり潰してやるよォォォ!!」

 




【次回予告】
「(ボコボコにされながら)あばばばばば!! 痛い痛い痛い!! バンくん、ごめん! まじでごめん! エレインちゃんのこととか俺も悲しいと思ってるから!!
いやー、まさか団長に続いてバンにまでガチギレされるとは……。不死身同士の喧嘩って、終わりが見えないから地獄だね!
このままじゃ俺、豚の帽子亭のミンチ肉(メニュー)にされちゃうよ! 誰か助けて! 団長ォ!!
次回、八つの大罪 第12話! 『バン大暴走! デッドプール、千切りキャベツの刑!』
次回も絶対見てくれよな! あ、俺の遺言は『チャイミチャンガが食いたかった』でよろしく!」

かなり後になりますが、結構物語に関わるオリキャラを出してもいいですか?それとも既存キャラのみで話進めたほうがいいですか?因みに出したいと思ってるオリキャラは最高神や魔神王並みの存在として出すつもりです。

  • オリキャラ出してもOK
  • 既存キャラだけにして
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