「ブリタニアの地を絶望の淵に陥れ、王国の守護たる聖騎士たちを敵に回した、荒くれ者共の騎士団。その名は――」
「はい10回目! あーもう、俺のバカバカ! 調子に乗って口滑らせるから、絶賛ミンチにされてる最中だよ!クソッ!」
「死ねェッ!!」
ズザザザザザザザッ!!!
バステ監獄の跡地で、バンによるデッドプールの解体ショーが続いていた。
バンの三節棍と『強奪(スナッチ)』の能力によって、デッドプールの体は文字通り「千切りキャベツ」のように細切れにされ、宙を舞い、血の雨となって降り注いでいる。
「ぎゃあああああ!! 痛い痛い! 痛覚設定オフにするの忘れてたァァァ!!」
数十分後。 ようやくバンの怒りのスタミナが切れ、デッドプールの肉片がグチュグチュと音を立てて一つにまとまり、なんとか元の姿へと再生した。
「ハァ……ハァ……。てめェ、マジで死なねェんだな……」 バンは肩で息をしながら、血まみれのデッドプールの胸ぐらを乱暴に掴み上げた。
その目には、未だ冷たい殺気が宿っている。
「……言え。なんでてめェが『妖精王の森』のことや、俺とあの赤い魔神の過去を知ってんだ」
「げほっ、ごほっ……」 デッドプールは血を吐き出しながら、両手を上げて降参のポーズをとった。 「だ、だから俺は『視聴者』なんだって!
お前らの過去編も全部ブルーレイで……」
「……バン。ちょっと待て」
そこに、静かな、しかし有無を言わせぬ圧を放ちながら、メリオダスが歩み寄ってきた。 いつもはおちゃらけているメリオダスの顔から、笑顔が完全に消え去っている。
「団長……?」
メリオダスはバンの横に立ち、地面にへたり込むデッドプールを冷ややかに見下ろした。
「……お前、前に俺に言ったよな。王都の聖騎士長……ヘンドリクセンが、魔神の死体から血を抜いて、見習い聖騎士たちに飲ませようとしてるって」
「あ、ああ。言ったけど……」 「俺は半分冗談だと思ってた。だが、バンの過去の『絶対に他人が知り得ない事実』まで知ってるとなると……話は別だ」
メリオダスから立ち上る、底知れぬ魔力。 バンから放たれる、研ぎ澄まされた刃のような殺意。
ブリタニア最強の騎士団『七つの大罪』のトップ2から、逃げ場のないプレッシャーを真正面から浴びせられ、不死身のデッドプールでさえ本能的に震え上がった。
(ヤ、ヤバい……! この二人のガチの威圧感、画面越しで見るより100倍エグい!! チビる! スパンデックスが黄色くなっちゃう!)
「答えろ、デッドプール」 メリオダスの声が、地獄の底から響くように重くのしかかる。 「ヘンドリクセンは、魔神の血を使って何をしようとしてる?
そして……他の『七つの大罪』の仲間たちは、今どこにいる?」
「…………」 デッドプールはゴクリと唾を飲み込んだ。
メタ的な制約(作者の都合)を気にして出し惜しみしていたが、この状況で黙っていれば、今度こそ細胞一つ残らず消し飛ばされると悟ったのだ。
「……わァーったよ! 降参! 全部吐く! 全部喋るから、その物騒な魔力をしまってくれ!」
デッドプールは正座し、ついに口を開いた。
「いいか?まず、ヘンドリクセンの野望についてだ。あいつは、お前(バン)が倒した『赤い魔神』の死体を王都の地下に隠し持ってて、その血を見習い聖騎士に飲ませてる。適合した奴は魔力が増幅して化け物(新世代)になるんだよ!」
「なっ……!」 バンの目が見開かれた。 「俺が倒した魔神の死体を……王都に持ち込んだだとォ!?」
「あいつの最終目的は『聖戦』を起こすことだ! 女神族の封印を解いて、魔神族を復活させようと企んでるんだよ!
ちなみに赤い魔神だけじゃなくて、『灰色の魔神』の死体まで持ってるからな!」
メリオダスの瞳孔がキュッと収縮した。 「魔神族の……復活……。ヘンドリクセンの野郎、自分がどれだけヤバいものに手を出そうとしてるか分かってんのか……!」
「分かってないから厄介なんだよ! で、次! 仲間の居場所な!」 デッドプールは指を折りながら早口で捲し立てる。
「怠惰の罪-グリズリー・シン-のキング! あいつは死んでない! バンを恨んで『死者の都』ってところで待ってる! 色欲の罪-ゴート・シン-のゴウセル!あいつは『オーダンの森』で、巨大な鎧を着て化け物のフリして歩き回ってる! 暴食の罪-ボア・シン-のマーリン!彼女はキャメロットのアーサー王のところにいる!」
そこまで一気に言い切って、デッドプールは大きく息を吸い込んだ。
「……そ、そして傲慢の罪-ライオン・シン-のエスカノールは……!」
メリオダスとバンが身を乗り出す。
「エスカノールは……! 俺も知らねえ!! だってあいつ、アニメの第一期じゃシルエットくらいしか出てこないんだもん!!」
「「…………は?」」 メリオダスとバンが、顔を見合わせて呆けたような声を出した。
「いやマジで! 俺の持ってる知識は第24話(第一期最終回)までなの!
だからエスカノールおじさんの詳しい居場所は、俺のデータベースには入ってないんだよ!!」
デッドプールは涙目で訴えかけた。
「……お前の言う『あにめ』とかいうのはよく分かんねーが」 メリオダスが、ゆっくりと刃折れの剣の柄から手を離し、魔力を収めた。
「その必死な顔を見るに、嘘はついてないみたいだな」
バンもチッと舌打ちをして、殺気を引っ込めた。
「……赤い魔神の死体があるなら、ちょうどいい。王都に乗り込んで、あのおっさん(ヘンドリクセン)ごと全部ぶっ壊してやるよ」
「おっ! いいねいいね、その意気だぜバンくん!」 デッドプールはペラペラと喋り切ってすっかり安心しきったのか、調子に乗って立ち上がり、ポンとバンの肩を叩いた。
「まあでも、ヘンドリクセンが魔神の力を引き出してきても大丈夫だって! なんせこっちには、同じ『魔神族』の団長がいるんだから! 魔力勝負ならどうにかなるって!」
ピタッ。
その場を包み込もうとしていた安堵の空気が、一瞬にして『真空』に変わった。
「…………あ?」 バンの肩が、ピクリと震えた。
「……ん?」 デッドプールは首を傾げた。
(あれ?前に豚の帽子亭で俺が『魔神族』って言った時、団長は適当に流してたから、てっきりみんな知ってる周知の事実かと思ってたけど……)
バンの顔が、ゆっくりと、ギギギ……と錆びた機械のようにメリオダスの方を向いた。 「……おい、団長。こいつ、今……なんて言った?」
「…………」 メリオダスは、何も答えなかった。 だが、その瞳は、一切の光を失っていた。
いつも飄々としている彼の額に、じわじわと『漆黒の紋章』が浮かび上がりかけている。
「……団長が、俺のエレインを殺した……あの魔神族と、同じ……?」 バンの声が、怒りとも絶望ともつかない、ひび割れた音に変わった。
彼から立ち上る殺気が、先ほどデッドプールをミンチにした時とは比べ物にならないほど、どす黒く膨れ上がっていく。
「あ……」 デッドプールの口から、間抜けな音が漏れた。
(やべええええええええ!!!)
デッドプールの脳内で、けたたましい警報が鳴り響いた。
(しまった! バンが魔神族を親の仇以上に憎んでること、完全に忘れてた!
団長が正体隠してたのって、もしかしてコレのせいか!?俺、最強の仲間同士を一番最悪な形で同士討ちさせる地雷を……核弾頭スイッチを押しちゃった!?)
「だ、団長ォ……。冗談だよなァ……?」 バンの右手が、ギリギリと音を立てて三節棍を握りしめる。
メリオダスはゆっくりと顔を上げ、黒く染まりかけた瞳でデッドプールをスッと見つめた。 その視線には、かつてないほどの底冷えするような『本気の殺気』が宿っていた。
「……デッドプール」 メリオダスの声は、感情の抜け落ちた氷のようだった。 「お前……本当に、余計なことしか言わねえな」
ドゴォォォォォォォォォォンッ!!!
次の瞬間、メリオダスとバンから同時に噴出した魔力と殺気が激突し、バステ監獄の跡地一帯が、巨大なクレーターとなって消し飛んだ。
「ひぃぃぃぃぃぃっ!? なにこれェェェェ!!!」 デッドプールは巻き起こる破壊の嵐の中で、カメラ(読者)に向かって泣き叫びながら両手で「T」の字を作った。
「タイム! タイムタイム!! 尺の都合! 大人の事情! 強制終了ォォォ!!」
【次回予告】
「(嵐の中で吹き飛ばされながら)うわああああああ!! 俺のバカ! 口の軽さは天下一品!せっかく仲間が増えたのに、俺の余計な一言のせいで七つの大罪が内部崩壊の危機!?
バンくんの目がマジだよ! 団長も目が真っ黒だよ! これ俺が原因だけど、俺に止められるレベルの喧嘩じゃないよォォ!! 次回、八つの大罪 第13話!
『激突するドラゴン・シン vs フォックス・シン! 俺は逃げます!』 誰か助けて! チャンネル変えないで!
あと、誰か時間を巻き戻すボタン持ってない!?」
※原作、アニメとあまり展開変わらなくね?と思ってる方もかなりいらっしゃると思いますが、一応第二期以降は改変を大きくしていくつもりです。
デッドプールはアニメの展開に近くしないと原作者から怒られる!と思っています。なので展開をあまり脱線させないように頑張ってる訳ですね〜。あくまで知識がある第一期までですが。
かなり後になりますが、結構物語に関わるオリキャラを出してもいいですか?それとも既存キャラのみで話進めたほうがいいですか?因みに出したいと思ってるオリキャラは最高神や魔神王並みの存在として出すつもりです。
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オリキャラ出してもOK
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既存キャラだけにして