「ブリタニアの地を絶望の淵に陥れ、王国の守護たる聖騎士たちを敵に回した、荒くれ者共の騎士団。その名は――」
「はい11回目! ってのんきに数えてる場合じゃない! 読者のみんな、助けて! 俺の軽はずみなメタ発言のせいで、少年漫画史上最悪の内ゲバが始まっちゃったよ!誰か俺の口を縫い合わせてくれェ!」
ズガァァァァァァァァンッ!!!
バステ監獄跡地に、落雷のような轟音が響き渡った。 砂塵が晴れた後には、すり鉢状に抉れた巨大なクレーター。 その中心で、二つの影が激突していた。
「……答えろよ、団長。てめェが、俺のエレインを殺した化け物共と同類だってのは……本当かァ?」
バンの声は、まるで地獄から這い出た亡者のように低く、怨念に満ちていた。 彼の振るう三節棍が、空気を切り裂き、メリオダスの首めがけて襲いかかる。
ガキィィンッ!! メリオダスは刃折れの剣でそれを受け止めていたが、その表情はかつてないほど険しかった。
彼の額には漆黒の紋章が浮かび上がり、その体からは、バンがかつて『妖精王の森』で相対した赤い魔神と同じ、おぞましく淀んだ魔力が立ち上っている。
「……」
メリオダスは何も答えない。 ただ、その沈黙と溢れ出る魔力こそが、バンにとっては何よりの肯定だった。
「ふざけんなァァァッ!!」
バンの怒声と共に、『強奪(スナッチ)』の力が解放される。 メリオダスの身体能力が強制的に奪われ、バンの筋力が爆発的に膨れ上がる。
放たれた拳がメリオダスの腹にめり込み、小柄な身体が砲弾のように岩壁へと吹き飛ばされた。
「メリオダス様!!」
エリザベスが悲鳴を上げる。
「団長!! バン、やめて! なんで急に喧嘩してるの!?」
ディアンヌが止めに入ろうと巨大な腕を伸ばすが、二人が放つ異常な殺気と魔力の衝突弾き飛ばされ、近づくことすらできない。
「や、やべえ……マジで洒落になってない……」 遠くの瓦礫の陰から顔だけ出して震えていたデッドプールは、事の重大さに完全に顔面を蒼白にしていた(マスク越しだが)。
(バンは本気で殺そうとしてる。団長も防戦一方だけど、このままだと魔神の力が暴走して手がつけられなくなる……!この展開、原作の『バイゼル喧嘩祭り』の時の暴走よりタチが悪いぞ!)
「死ねェッ!! 魔神族ゥゥッ!!」 バンが跳躍し、全魔力を込めた一撃をメリオダスに叩き込もうとした。 メリオダスの黒い瞳に、冷酷な光が宿る。
(あ、これどっちか死ぬ……いや死なないけど、連載が終わる!!)
「ええい、待てェェイッ!!」
デッドプールは瓦礫の陰から飛び出し、交差する二人の必殺の一撃のど真ん中へと、己の身を投げ出した。
ドグチャァァァァァァッ!!!!
バンの三節棍と、メリオダスの魔神の力が、デッドプールの身体を前後から同時に粉砕した。 「アバーーーーーッ!!!」 トマトのように弾け飛ぶデッドプールの肉体。
しかし、その肉塊の中心から、デッドプールの首だけが叫んだ。
「待てェェェ! バン! ストォォォォップ!!」
「……あァ?」 バンは顔にデッドプールの血を浴びながら、忌々しげに動きを止めた。メリオダスも拳を寸前で止める。
「てめェ……まだ俺の邪魔をする気か。細切れじゃ足りねェらしいな」 バンの目が、今度はデッドプールへと向けられる。
「ち、違う! 落ち着いて俺の話を聞け!!」 デッドプールの首は、地面を転がりながら必死に弁明を始めた。
「確かに団長は魔神族だ! でも、お前の愛する妖精の女の子(エレイン)を殺した魔神とは違う! むしろ団長は、その魔神族と敵対してるんだよ!!
詳しいことは俺も知らない(※本当にアニメ24話までしか知らないため)けど、団長はお前らを裏切ったりしねえ!!」
「……知るか。魔神族ってだけで、俺にとっては皆殺しの対象だ」 バンが三節棍を構え直す。
「馬鹿野郎!! ここで団長と殺し合ってどうする!? お前の目的は何だ!?」 デッドプールは首だけの状態で、血走った目でバンを睨み返した。
「次の目的地は『死者の都』だろ!? そこに行けば、死んだ人間の魂に会えるかもしれないんだぞ! エレインちゃんに会いたくないのか!?
ここで仲間割れして、足(ホークママ)を失って、どうやってそこに行くんだよ!!」
ピタッ。
『エレイン』。そして『死者の都』。 その言葉を聞いた瞬間、バンの殺気が嘘のように霧散した。
「……死者の都。そこで、エレインに……」 バンの三節棍が、カラン……と地面に落ちた。 彼は呆然とした表情で自分の手を見つめ、やがて、深く、重いため息を吐いた。
「…………チッ」
バンはメリオダスから視線を外し、背を向けた。
「……赤い変態の言う通りだ。今は、エレインに会うのが先だ。……だがな、団長」
バンは肩越しに、冷たい声で言い放った。
「俺はまだ、てめェを許したわけじゃねェ。この旅が終わったら……必ずその首、もらいに行くからな」
「……ああ。好きにしろ」 メリオダスは静かにそう答えると、額の魔神の紋章をスッと消し去り、いつもの無表情に戻った。
だが、空気が元に戻ったわけではない。 かつてのような気の置けない悪友としての態度は消え、二人の間には、触れれば切れるような氷の壁がそびえ立ってしまった。
「あー……うー……」 デッドプールの身体がぐちゃぐちゃと再生し、元の姿に戻る。 「と、とりあえず! ギスギスしてるけど、パーティー崩壊は免れたってことで!読者のみんな、俺のファインプレーに拍手!」
「デッドプール」
「はいっ!」 背後からメリオダスに肩を掴まれ、デッドプールは直立不動になった。 振り返ると、メリオダスの目は全く笑っていなかった。
「お前、次に俺やバンの前で『余計なこと』を言ったら……お前が不死身だろうとなんだろうと、俺が直々に、お前の口を一生開かないように縫い付けてやる。分かったな?」
「……イエッサー」
デッドプールは口にジッパーを引くジェスチャーをして、深く頷いた。
(ヤバい……。俺の口の軽さのせいで、大罪メンバーの雰囲気が最悪になっちゃった。これ、ギャグ漫画じゃなくて完全にシリアスダークファンタジーの空気じゃん……!
なんとかして軌道修正しないと!)
重い空気を引きずったまま、一行はホークママに乗り込み、次なる目的地『死者の都』へと向かうのだった。
【次回予告】
「いやー……みんな、まじでごめん。俺、ちょっと反省してる。 団長とバンの間に超えられない壁ができちゃったよ……。俺のせいだけど! でも落ち込んでる暇はない!
次は『死者の都』! そこには、死んだ人間の魂が集まる場所! そして、空飛ぶクッションに乗った怠惰の罪-グリズリー・シン-キングが登場だ!
でもあいつもバンを親の仇みたいに恨んでるんだよな…… 次回、八つの大罪 第14話!
『お通夜ムードの豚の帽子亭! キングの怒りと、自暴自棄のバン!』 次回も見てくれよな……ハァ、胃が痛い……」
かなり後になりますが、結構物語に関わるオリキャラを出してもいいですか?それとも既存キャラのみで話進めたほうがいいですか?因みに出したいと思ってるオリキャラは最高神や魔神王並みの存在として出すつもりです。
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オリキャラ出してもOK
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既存キャラだけにして