八つの大罪   作:ルルルだ。

22 / 30
「これは未だ人と、人ならざる者の世界が、分かたれてはいなかった、古の物語――」
「ブリタニアの地を絶望の淵に陥れ、王国の守護たる聖騎士たちを敵に回した、荒くれ者共の騎士団。その名は――」

「はい19回目! いや待って、ナレーションさんちょっとストップ! 今、俺の命が絶賛大ピンチなんだけど!?
主人公差し置いて、敵のヘイトが全部俺に向いてるって、どんなバグだよ!
読者のみんな、助けてェェェ!!」


第22話『ターゲットは俺!? 結成、八つの大罪とヘルブラムの正体!』

バイゼル闘技場に、聖騎士ギーラの爆炎と、ジェリコの振るう剣閃が雨あられと降り注ぐ。

 

「ぎゃああああ! 痛い! 熱い! ジェリコちゃん、登場するのかなり時間かかったね!? てか剣の振り方えげつねェ!」

デッドプールは両腕を切り飛ばされ、全身を黒焦げにされながら、リングの上をゴロゴロと転げ回って逃げていた。

 

「ふん。不死身だと聞いていたが、ただの気持ち悪いトカゲ野郎じゃないか」

ジェリコが冷酷に笑い、剣を振り上げる。

 

「待て! 二人とも、デッドプールを助けるよ!」その時、人間サイズに縮んだディアンヌが、ジェリコの剣を素手でガシィッと受け止めた。

「いくら赤い変態でも、団長の大事な(?)仲間なんだから、勝手にはさせない!」

 

「『霊槍シャスティフォル』第五形態・増殖(インクリース)!」

空から無数のクナイ状の槍が降り注ぎ、ギーラとジェリコを牽制する。宙に浮くキングの援護だ。

 

「ディアンヌちゃん! キングくん! サンキュー! マジで愛してる!」

デッドプールが切り飛ばされた両腕を拾ってポンとくっつけ、涙ぐむ。

 

「おい赤い変態! 俺たちは逃げるぞ!」

リングの端では、ホークが気絶したメリオダスとバンを(凄まじい豚力で)背中に引きずり乗せ、猛ダッシュで闘技場から逃げ出そうとしていた。

ホークの頭の上には、妖精サイズに縮んだエリザベスが必死にしがみついている。

 

「メリオダス様、バン様、死なないでくださいーっ!」

「エリザベスちゃん! お前も飛ばされないようにしっかり掴まってろよ! 豚の突進、なめんなァーッ!」

ドドドドドッ! と砂煙を上げて避難していくホーク。

 

「おいおいおい! 主人公とライバルが気絶したまま退場って、どんだけ原作改変してんだよ俺!」

デッドプールがツッコミを入れた、その時だった。

 

「……ほう。随分と余裕だね、赤い男」

 

不気味な声が響き、デッドプールの目の前に、ラブヘルムがふわりと降り立った。

 

「……おや? 審判のおっさん、空飛んでる?」

キングが眉をひそめる。

 

ラブヘルムは兜の奥から冷たい視線をデッドプールに向けた。

「ヘンドリクセン様が君を高く評価(警戒)するのも頷ける。不死身の体……そして、我々の手の内をすべて知っているかのようなその態度。……私の正体にも、気づいていたんじゃないのかね?」

 

ラブヘルムの体が眩い光に包まれ、兜が割れる。 中から現れたのは、重厚な鎧を纏った初老の聖騎士……いや、その背中に妖精の羽を生やした男。

かつてのキングの親友であり、人間に絶望して復讐鬼と化した妖精、ヘルブラムだ。

 

「なっ……お、お前……その姿、まさか……ヘルブラム!?」

キングが目を見開き、愕然と声を漏らす。

 

「あー、うん。知ってた知ってた」

デッドプールは鼻をほじりながら、あっけらかんと言った。

「兜のおっさんがヘルブラムで、ギーラたちを率いてる黒幕(中ボス)だってことくらい、俺の脳内Wikiにはバッチリ載ってたぜ」

 

「……知っていたのに、なぜ黙っていたんだ?」 ヘルブラムが不気味に目を細める。

 

「だって、俺も『喧嘩祭り』に出たかったんだもん!!」

デッドプールはビシッと指を突きつけた。

「せっかくの格闘大会エピソードだぜ!?最初からお前らの正体バラしてバトルになったら、俺の華麗なルチャ・リブレを読者に見せる機会がなくなるじゃん!!」

 

「……は? それだけの理由で?」

ヘルブラムも、背後のギーラとジェリコも、そして味方のディアンヌでさえも、デッドプールのあまりにもふざけた理由に呆然とした。

 

「トマト野郎……まじでブッ飛ばすよ!?」

ディアンヌが怒ってデッドプールを踏み潰そうとする。

 

「まあいい。君の存在はイレギュラーだが、ここで解剖して王都へ送ることに変わりはない」

ヘルブラムが冷酷に笑い、魔力を高める。

「新世代の二人よ、あの赤い男を捕獲しろ。七つの大罪は……私が殺す」

 

「「はっ!」」

ギーラとジェリコが、再び殺気を放ってデッドプールへ飛びかかってきた。 ヘルブラムの強大な魔力が、ディアンヌとキングに重くのしかかる。

 

(ヤバいヤバいヤバい! 原作じゃ団長の魔神パワーと、ディアンヌのギデオンでどうにかなる場面だけど、今はどっちもない! まじで絶体絶命じゃん!)

 

デッドプールは、ジェリコの剣を二丁の刀でギリギリ防ぎながら、カメラ(読者)に向かって叫んだ。

 

「……おいおい、王国の聖騎士さんたちよォ!」

 

デッドプールの声が、不敵なトーンに変わった。 彼はジェリコの剣を弾き返し、ギーラの爆炎を前転でかわすと、リングの瓦礫の上に仁王立ちになった。

 

「伝説の逆賊『七つの大罪』の団長と不死身の男をガン無視して、俺みたいなポッと出の赤い変態を最優先で狙うって……それってつまり、俺の『脅威度』が七つの大罪を上回ってるってことだよなァ!?」

 

「……だから何だと言うのだ」

ギーラが細剣を構え直す。

 

「だったら! 今日から俺も正式に仲間入りってことでいいよな!?」

デッドプールは背中の二丁の刀をクロスさせ、胸を張って高らかに宣言した。

 

「七つの大罪、改め! 『八つの大罪』!! 第四の壁を破る不条理の罪-アブサード・シン-、デッドプールの誕生だァァァッ!!」

 

バーーーーーン!!!(背後で謎の爆発エフェクト)

 

「タイトル回収キターーーーーッ!! 読者のみんな、拍手喝采!!」

 

「……本当に、意味のわからない男だ。ジェリコ、刻みなさい」

「言われなくても!」

 

「あああ! 決め台詞言ったのに全然止まってくれない! ディアンヌちゃん、キングくん、俺の背中は任せたぞォォォ!」




【次回予告】

「いやー! ついに言っちゃったよ『八つの大罪』! でも状況は最悪!
気絶した主人公たちを乗せたホークはどっか行っちゃうし、俺たちは新世代とヘルブラムのおっさんに囲まれてボッコボコ!
頼みの綱はキングの霊槍と、ディアンヌちゃんのステゴロだけ!?
次回、八つの大罪 第23話『蘇る親友! 妖精王の涙と、大地の鉄槌(ギデオン)!』
次回も絶対見てくれよな! あ、俺のちぎれた腕、そっちに飛んでいかなかった!?」

かなり後になりますが、結構物語に関わるオリキャラを出してもいいですか?それとも既存キャラのみで話進めたほうがいいですか?因みに出したいと思ってるオリキャラは最高神や魔神王並みの存在として出すつもりです。

  • オリキャラ出してもOK
  • 既存キャラだけにして
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。