八つの大罪   作:ルルルだ。

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「これは未だ人と、人ならざる者の世界が、分かたれてはいなかった、古の物語――」
「ブリタニアの地を絶望の淵に陥れ、王国の守護たる聖騎士たちを敵に回した、荒くれ者共の騎士団。その名は――」

「はいはい、わかってるわかってる! ナレーターさん毎回お疲れ様! 読者のみんなもそろそろ暗記したよな? テストに出るから赤線引いとけよー!」


第3話『不死身の変態と、激怒のドラゴン・シン』

「な、ななな……『七つの大罪』だと!? あの王国への反逆者!?」

 

デッドプールの容赦ないメタばらしにより、アリオーニたち下っ端騎士は完全にパニックに陥っていた。

目の前にいる小柄な少年が、あの伝説の逆賊だと知った彼らの顔面は、真っ青を通り越して白紙のようになっている。

 

「て、撤退だァーッ!! ツイーゴ卿にお知らせしろー!!」

 

彼らは武器を放り出し、互いを蹴落とすような勢いで山のふもとへと転がっていくように逃げ出していった。

 

「ヒュー! お見事!」

デッドプールは手を叩いて大喜びだ。

「これで森での面倒な追いかけっこは全カット! すぐに中ボスのツイーゴ君がやってくるって寸法さ! 俺ってば有能なタイムキーパーだろ?」

 

得意げにカメラ(読者)に向かってピースサインを作るデッドプール。

だが、その直後…彼の首元に、冷たくて重い鉄の感触がピタリと添えられた。

 

「……有能なのは結構だけどさ」

 

ゾクリ。

背筋が凍るような殺気。

いつの間にかデッドプールの背後に回っていたメリオダスが、刃折れの剣の切っ先を、赤いスーツの喉仏に突きつけていた。

 

「お前、本当に何者? なんで俺の正体や、こいつが王女だってことを知ってる?」

 

声は平坦だが、そこに含まれる圧力は先ほどまでの比ではない。

店内の空気が重力を増したように感じられ、ホークやエリザベスでさえ息を呑んで硬直している。

 

「お、おっとォ……団長、怒ると怖いタイプ? ちょっと待って、これは視聴者特権っていうか、第一話のあらすじに書いてあったというか……」

「適当な嘘をつくなら、舌ごと切り落とすぞ」

 

(ひぃっ! ガチのやつだ! 読者のみんな、助けて! 主人公の目が完全に魔神族のソレになってる!)

 

「……答えられないなら、消えろ」

 

ドゴォォォォンッ!!

 

メリオダスが軽く片足を振り抜いた瞬間、デッドプールの体は砲弾のような速度で弾き飛ばされた。

『豚の帽子』亭の頑丈な壁を突き破り、そのまま外の地面を何度もバウンドして、大木に激突してようやく止まる。

 

「きゃあああっ!!」

エリザベスが悲鳴を上げた。

「メリオダス様! やめてください、あの方はただ……!」

 

「エリザベス、お前は下がってな。こいつはただの変人じゃない」

 

メリオダスは壁に開いた大穴から外へゆっくりと歩み出る。

「今の一撃、普通の人間なら全身の骨が粉々になって即死してるはずだけど……」

 

土煙の中から、「いてててて……」と暢気な声が聞こえてきた。

 

「あー、クソッ! 痛ぇ! アニメのステータス暴力ハンパねぇ! 肋骨が5本……いや6本イッたぞ!」

デッドプールは首をありえない方向に曲げたまま立ち上がり、自分の手でゴキッと元の位置に戻した。

「でも残念! 俺には超回復能力があるから、この程度じゃ死なないんだよねー! 団長、もうちょっと手加減してくれない? 俺、一応お前らの味方(ファン)なんだけど!」

 

「……不死身?」

メリオダスの目がわずかに見開かれる。

その横で、ホークが「ひぃぃぃ! 首が曲がったまま喋ったぞあいつ! バケモノだー!」と豚足を震わせていた。

 

「ま、待ってください!」

エリザベスが二人の間に割って入ろうとした。

「あの方は私の正体を知っていました! もしかすると、父上……国王陛下からの使いの方かもしれません!」

 

「いやヒロインちゃん、俺はただのマーベルの稼ぎ頭で……って、おい! エリザベスちゃん、動くと下着が見えそう! アニメ第1話のお約束ラッキースケベが発動しちゃう!」

「えっ!?」

「どれどれ?」

メリオダスがスッとエリザベスの足元を覗き込もうとする。

 

「お前らどさくさに紛れて何やってんだ!!」

ホークの強烈な突進が、メリオダスとデッドプールを同時に撥ね飛ばした。

 

その、ギャグみたいなやり取りの最中だった。

 

『…決定ゥゥゥゥ!!!』

 

突如として、森の奥から鼓膜を破るような大音声が響き渡った。

 

「お?」

デッドプールが顔を上げる。

 

ズバァァァァァァァァンッ!!

 

凄まじい衝撃波が森の木々を薙ぎ倒し、大地を一直線に切り裂いて『豚の帽子』亭のすぐ横の崖を削り飛ばした。

轟音と共に地面が揺れ、エリザベスが「きゃあっ!」とバランスを崩す。

 

土煙の向こうから現れたのは、巨大な剣を担いだ巨漢の聖騎士。

「見ィィィつけたぞォォ! 錆びた鎧の騎士、いや、エリザベス王女ォォ!!」

 

「おっとォ! タイムキーパーの計算通り、中ボスのお出ましだぜ!」

デッドプールは折れた肋骨が治りきっていない胸を叩きながら、ニヤリと笑った。

 




【次回予告】

「いやー、団長の蹴りマジで痛かったわ! 内臓が口から出るかと思ったわ! でも大丈夫、俺は死なないから!
さてさて、ついにやってきたぜ、聖騎士見習いツイーゴ君! 第一話のやられ役にして、声のデカさだけは一級品の見習い野郎だ!
次回! 八つの大罪 第4話!
『決定ゥ! ツイーゴの一撃 vs デッドプールの無駄口! 団長、ついに本気出す!?』
次回も絶対見てくれよな! あ、ポップコーン買ってこよっと」

かなり後になりますが、結構物語に関わるオリキャラを出してもいいですか?それとも既存キャラのみで話進めたほうがいいですか?因みに出したいと思ってるオリキャラは最高神や魔神王並みの存在として出すつもりです。

  • オリキャラ出してもOK
  • 既存キャラだけにして
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