そして今、時を超えて復活せんとする厄災を打ち砕くため、伝説の逆賊たちと「赤い不死身の道化師」が再び剣を交える。その名は――八つの大罪』
「読者のみんな、お待たせ! なんか声がエコーかかってるみたいに低くなってるけど、中の人はいつもの俺だぜ!いやー、死ぬかと思ったけど、アメコミ特有の『ヤバい薬打ったらとりあえずパワーアップする法則』がファンタジー世界でも通用して助かったわ!さあ、反撃の狼煙を上げるぜェ!」
王都の地下深く、ヘンドリクセンの秘密研究室。
「グオォォォォォォォォッ!!」
魔神の血の原液を三本同時に打ち込まれたデッドプールの身体が、風船のように膨張し、バキバキと凄まじい音を立てて変形を繰り返していた。
骨が飛び出し、肉が裂ける。適合できずに弾け飛ぶ寸前かと思われた――その時。
ピタッ。
不意に、すべての変形が嘘のように止まった。
「……なに?」
ヘンドリクセンが目を細める。 バンも三節棍を構えたまま、その異常な光景を凝視していた。
「ぷはァーッ!! いやー、痛覚オフ設定がバグってマジで痛かったわ!ヒーリングファクターが異物を排除しようとするのと、魔神の血が細胞を書き換えようとするのが、俺の体内で絶賛デスマッチしてたんだけどさ!」
デッドプールが、ひどく低く、くぐもった声で笑いながら立ち上がった。 その姿は、以前の『赤い変態』とは明らかに異なっていた。
赤いマスクの額から頬にかけて、漆黒の淀んだ魔神の紋章のようなものが浮かび上がっている。
さらに、白いレンズだったはずの目の部分は、底なしの闇のような真っ黒に変色していた。
彼の全身の血管は黒く浮き上がり、どす黒い魔力が間欠泉のように身体中を循環しているのが目に見えて分かる。
「最終的に、両者が和解して『フュージョン』しちゃったみたいだぜ。ハッ! 俺ってば天才的な適応能力!」
バサァァァッ!!
デッドプールの背中のスパンデックスが破れ、そこから魔神族特有の、ダークマターで構成された禍々しい『翼』が勢いよく展開された。
「ヒャハハハ! おいおいトマト野郎。てめェ、完全に化け物じゃねェか!」
バンが腹を抱えて笑い出す。
「うるせェ! お前にだけは言われたくねェよ!さーて、白髪のおっさん。注射の恨みは、たっぷり100倍にして返してやるぜ!」
ドンッ!! デッドプールが足を踏み込んだ瞬間、研究室の頑丈な石の床がクレーターのように陥没した。
「……ッ!?」
ヘンドリクセンの反応が、完全に遅れた。
魔神の力とミュータント細胞が融合したデッドプールの速度は、先ほどまでとは次元が違っていたのだ。
一瞬にしてヘンドリクセンの懐に潜り込んだデッドプールは、黒い魔力を纏わせた強烈な右ストレートを、その顔面に叩き込んだ。
ドゴォォォォォォォォンッ!!!
「ガハッ……!?」
ヘンドリクセンの体が砲弾のように吹き飛び、何十枚もの地下室の分厚い石壁をぶち抜きながら、遥か彼方へと消し飛んでいった。
「ヒュー! ホームラン! どうよ俺のパンチ力!」
デッドプールが自分の拳に息を吹きかける。
「ちッ……調子に乗ってんじゃねェぞ!」
瓦礫の向こう側で、瓦礫を吹き飛ばしてヘンドリクセンが立ち上がった。
顔面を半分ほど陥没させる重傷だったが、彼もまた魔神の力を用いて、黒い物質を這わせるようにして瞬く間に傷を修復する。
「貴様のその異常な融合……やはり、生け捕りにして隅々まで解剖してやる価値がある!」
ヘンドリクセンが右手を振り上げる。
放たれた不可視の黒い刃が、デッドプールとの間にある空間ごと切り裂くような速度で飛来した。
ズバァァァンッ!!
「おっとォ!」
デッドプールはかわそうとしたが、魔力による遠距離攻撃の速度が上回った。 彼の右腕が、肩の付け根から綺麗に切り落とされ、宙を舞う。
「ハッ、再生能力を過信したな。そのままダルマにして――」
ヘンドリクセンが嘲笑おうとした、次の瞬間。
「あーあ。お気に入りだったのに、この腕」
デッドプールが切り飛ばされた肩の断面を見つめる。
そこから噴き出したのは、赤い血肉ではなかった。どす黒いダークマターがドロドロと溢れ出し、まるで意思を持っているかのようにウネウネと絡み合い、瞬きする間に失われた右腕を完全に構築し直したのだ。
いや、ただ再生しただけではない。
「過剰修復(オーバーロード)」だ。
新たに生え揃った右腕は、以前よりも一回り太く、黒い魔力の筋が幾重にも走る、より強靭で禍々しい『魔神の腕』へとパワーアップしていた。
「なっ……!?」
ヘンドリクセンの目が驚愕に見開かれた。
「いやー、すげえなこれ! 俺の素のヒーリングファクターと、魔神の再生能力が完全に化学反応起こしてるぜ! 切られれば切られるほど、強くなって再生するシステム!?サイヤ人か俺は!!」
デッドプールは新しく生えた黒い右腕をブンブンと振り回し、黒い目でヘンドリクセンを睨み据えた。
「よォーし。それじゃあ、第2ラウンドと行こうぜェ!!」
ドガァァァァンッ!!
デッドプールが背中の黒い翼を羽ばたかせ、地下の空間を崩壊させるほどの推進力で再び突撃した。
「チィッ……!!」
先ほどの圧倒的なパンチ力と、過剰修復の異常性を目の当たりにしたヘンドリクセンは、たまらず黒い翼を展開し、真上の天井を連続でぶち抜きながら地上……そして王都の空の上へと逃れるように飛び上がった。
「逃がすかよォ!! バンくん! 角笛探しは任せたぜェ!」
デッドプールもまた、ヘンドリクセンを追って上空へと突き進んでいった。
王都リオネス、上空。
ズドドドドォォォォンッ!!
地上から空高くへと突き抜けた凄まじい二つの黒い魔力の衝突は、王都の各地で戦っていた大罪たち、そして聖騎士たちの注意を一斉に惹きつけた。
「……なんだ、今の魔力は?」
城の廊下を駆けていたメリオダスが、窓の外の上空を見上げて足を止めた。
「ヘンドリクセンの魔力……と、もう一つ。なんだありゃ?魔神族の魔力だが、どことなく赤い変態の匂いがするぞ?」
「……計算外の事態が起きているようだ」
ゴウセルがメガネを押し上げる。 アーサーも
「あんな禍々しい魔力、見たことがありません……!」
と息を呑んでいた。
一方、正門から城へ向かって走っていたディアンヌたち。
「うわっ……! なにあの空の黒い光! すごい圧迫感……!」
ディアンヌがギデオンを構え、バッグの中のエリザベスも
「とても恐ろしい気配がします……」
と震えていた。
「……あれは、魔神の力......?しかも、尋常じゃない量がぶつかり合ってる……!」
キングが顔を険しくする。
しかし、その未知の魔力の衝突に、誰よりも心の底から動揺していたのは、城へ向けて撤退中だったドレファス(フラウドリン)だった。
(……な、なんだあの魔力は!?)
ドレファスの足が止まり、彼は空を見上げてワナワナと震えた。
(一つはヘンドリクセン。私が与えた灰色の魔神の血の力だ。……だが、もう一つはなんだ!?
灰色の魔神のものと似ているが、それ以上に禍々しく、不規則で、混沌としている……! 全く未知の波動だ!)
魔神族であるフラウドリンの知識にすら存在しない、絶対的なイレギュラー。
(まさか……三千年の封印を逃れた、私の知らない上位の魔神が復活したというのか!?それとも、ヘンドリクセンの実験が、魔神族の理すら超える『何か』を生み出してしまったのか……!?)
フラウドリンの心の中に、計画が完全に自分の手から離れていくような、得体の知れない『恐怖』が芽生え始めていた。
【次回予告】
「イェェェェス!!読者のみんな、見たか俺のスーパー魔神フォーム!!黒い翼!黒い目!過剰修復によるパンプアップ!
もう完全にラスボスのビジュアルだぜェ!ヘンドリクセンのおっさんを空まで追い詰めて、ここからはドッグファイトの幕開けだ!
一方、ドレファスの中にいるアイツも、俺の存在にビビり散らかしてるみたいだなァ!ヒャハハ!
次回、八つの大罪 第35話!
『規格外のバケモノ! 粉砕される角笛と、暗躍する影!』
次回も絶対見てくれよな!いやー、このフォーム、フィギュア化したら絶対売れるぜ!」
かなり後になりますが、結構物語に関わるオリキャラを出してもいいですか?それとも既存キャラのみで話進めたほうがいいですか?因みに出したいと思ってるオリキャラは最高神や魔神王並みの存在として出すつもりです。
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オリキャラ出してもOK
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既存キャラだけにして