八つの大罪   作:ルルルだ。

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「これは未だ人と、人ならざる者の世界が、分かたれてはいなかった、古の物語――」
「ブリタニアの地を絶望の淵に陥れ、王国の守護たる聖騎士たちを敵に回した、荒くれ者共の騎士団。その名は――」

「だからもうわかってるって! なんなら俺が言おうか? 『七つの大罪』だろ! はい、これでオープニングの尺は削れたな! さっさと本編行くぞ!」


第4話『決定ゥ! ツイーゴの一撃 vs デッドプールの無駄口! 団長、ついに本気出す!?』

ズバァァァァァァァァンッ!!

 

凄まじい剣圧が木々を薙ぎ倒し、大地を抉る。

巻き起こった突風の中で、エリザベスは顔を庇い、ホークは「ひぃぃぃ! 豚の丸焼きにされるゥ!」と悲鳴を上げた。

 

「素晴らしい……! やはり私の剣筋は今日も絶好調! 決定ゥ!」

 

土煙の中から姿を現したのは、聖騎士見習いのツイーゴ。

その巨体とが、夕日に照らされて異様な威圧感を放っていた。

 

「見つけたぞ、エリザベス王女。国王陛下からの勅命により、貴方を捕縛……いや、国家反逆の意思ありとみなし、この場で処刑する! それが私の決定ゥ!」

 

「なっ……私を、殺す……!?」

エリザベスが絶望に目を見開く。

 

「おーおー、相変わらず声がデカいねぇ、ツイーゴ君!」

緊迫した空気をぶち壊すように、デッドプールが能天気な声で前に進み出た。

「その髪型、毎朝何分かけてセットしてんの? まさか自分で切ってないよな? 決定ゥ! とか言う前に、別の美容院を決定した方がいいぜ!」

 

「き、貴様はなんだそのふざけた赤装束は! 王女に付き従う道化か!? ええい、目障りだ! 死の決定ゥ!!」

 

ツイーゴが巨大な剣を横に薙いだ。

発生した不可視の刃が、空間を切り裂きながらデッドプールへと迫る。

 

「おっと危な――」

デッドプールが刀を抜こうとした瞬間、凄まじい衝撃が彼の胴体を直撃した。

 

ザシュゥゥゥンッ!!

 

「あ、これアカンやつ」

デッドプールの体が、綺麗に上半身と下半身に真っ二つに分断され、宙を舞った。

 

「デッドプールさん!!」

エリザベスが悲痛な叫び声を上げる。

 

「フン、口の減らない道化だったが、私の剣の錆にしては脆すぎたな! 決定ゥ!」

ツイーゴが鼻で笑った。

 

が。

 

「いやー、まじで焦った。あの剣圧、俺の世界のミュータントでも中々出せないレベルじゃん。さすがファンタジー世界だわ」

 

「…………は?」

 

ツイーゴが目を剥いた。

地面に落ちた上半身だけのデッドプールが、よいしょと腕の力だけで這い進み、自分の下半身を拾い上げてポンとくっつけたのだ。

グチュグチュという気色悪い音と共に、切断面の肉とスパンデックス(なぜか服まで!)が瞬く間に結合していく。

 

「ふぅ、元通り。ちょっと背骨がズレてる気がするけど、まあいいや」

デッドプールは首をポキポキと鳴らしながら立ち上がった。

 

「な、な……バ、バケモノゥ!?」

さしものツイーゴも、常識外れの光景に顔を引きつらせて後退りした。

 

「おいおい、失礼だな。俺はバケモノじゃない、愛と狂気の親愛なる隣人だ。まあ、お前のその攻撃力じゃ俺は殺せないってことさ」

デッドプールは刀を抜き放ち、ドヤ顔で言い放つ。

「……とはいえ、俺の攻撃力じゃお前のアソコは斬れそうにないから、あとはパスな! 団長、出番だぜ!」

 

「……お前、本当に変な体質してんな」

 

呆れたような声と共に、メリオダスがデッドプールの横を通り抜け、エリザベスの前に立った。

先ほどデッドプールを蹴り飛ばした時と同じ、底知れない瞳でツイーゴを見据えている。

 

「エリザベス、怪我はないか?」

「メリオダス様……でも、私のせいで皆さんが……っ!」

エリザベスが涙ぐみながら後ずさる。

「逃げてください! 相手は聖騎士……私がここで死ねば、皆さんは助かるから……!」

 

「はいストーップ!!」

 

感動的な自己犠牲のシーンに、デッドプールが横から大声で割り込んだ。

「ヒロインちゃん、泣くのはまだ早い! そこで団長が『お前が俺の生きてる理由だ』的な超カッコいいこと言って助けてくれるから! 俺、このシーン大好きなんだよ! さあ団長、あの技見せてやって!」

 

「……お前、本当に空気読まねえな」

メリオダスは深いため息をついた。

デッドプールのせいで、本来ならシリアスで感動的になるはずの場面が、完全にバラエティ番組の公開収録のような空気になってしまっている。

 

「ええい、どいつもこいつも! まとめて消し飛べェ!!」

 

激高したツイーゴが、大剣を天高く振り上げた。

「我が剣圧で、この丘ごと塵となれェェ! 決定ゥゥゥ!!」

 

凄まじい嵐のような剣圧が、メリオダスとエリザベス、そしてデッドプールたちを飲み込もうと襲いかかる。

 

「さあ! カメラ目線でお願い、団長!!」

ポップコーンを片手に応援するデッドプール。

 

メリオダスは、背中に背負っていた刃折れの剣をゆっくりと引き抜いた。

 

「仕方ねーな……」

 

メリオダスが刃折れの剣を振るう。

その瞬間。

 

『全反撃(フルカウンター)』!!!

 

ツイーゴの放った巨大な剣圧が、メリオダスの剣に触れた瞬間、何倍もの威力に増幅され、そのままツイーゴ自身へと跳ね返った。

 

「な、なんだとォォォォ!?」

 

ズガァァァァァァンッ!!

ツイーゴの巨体が、自身の放った剣圧に飲み込まれ、遥か彼方の空の星へと消えていった。

 

静まり返る丘。

残されたのは、圧倒的な力を見せつけた小柄な少年と、驚きに固まるエリザベスだけだった。

 

「す、すごい……! あの聖騎士の攻撃を、あっさりと……!」

 

メリオダスは剣を鞘に収め、エリザベスに向かってニシシと笑いかけた。

そして、自分の左腕の袖をまくり上げ、真っ赤な獣の紋章を見せつける。

 

「俺は『七つの大罪』の一人。ドラゴン・シンのメリオダスだ」

 

「メリオダス……様……」

エリザベスはへなへなとその場に座り込み、安堵の涙を流した。

 

「ヒュウ! よっ、大統領! 待ってました名シーン!」

デッドプールが一人で拍手喝采を送る。

 

メリオダスはエリザベスに手を差し伸べながら、チラリとデッドプールを一瞥した。

「……さて。お前の処遇はどうしたもんかな、赤い変態」

 

「え? 俺、一応協力者枠なんだけど?」




【次回予告】
「いやー、フルカウンターまじパねぇ! あのエフェクト、生で見ると迫力段違いだわ!
さてさて、無事にヒロインも仲間になって、いよいよ『七つの大罪』探しの旅がスタートだぜ!
次回は確か、どこかの村で雷を操る生意気なピンク髪(ギルサンダー)が刺した剣を抜く話だったっけ?
でも待って、俺、団長にまだガッツリ怪しまれてるんだけど!? このまま置いてきぼりにされたら俺の出番終了じゃん!
次回! 八つの大罪 第5話!
『バーニャの村と雷の剣! デッドプール、必死の就職活動(パーティー入り)!』
みんな、俺がクビにならないように応援してくれよな!」

かなり後になりますが、結構物語に関わるオリキャラを出してもいいですか?それとも既存キャラのみで話進めたほうがいいですか?因みに出したいと思ってるオリキャラは最高神や魔神王並みの存在として出すつもりです。

  • オリキャラ出してもOK
  • 既存キャラだけにして
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