八つの大罪   作:ルルルだ。

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「これは未だ人と、人ならざる者の世界が、分かたれてはいなかった、古の物語――」
「ブリタニアの地を絶望の淵に陥れ、王国の守護たる聖騎士たちを敵に回した、荒くれ者共の騎士団。その名は――」

「はいはい、もう3回目ね! 読者のみんなもそろそろ飽きてくる頃だから、俺がアレンジしてやるよ!『これは未だディズニーと20世紀フォックスが分かたれてはいなかった、大人の事情の物語――』っておい、誰だマイク切ったやつ! 弁護士呼ぶぞ!」


第5話『バーニャの村と雷の剣! デッドプール、必死の就職活動(パーティー入り)!』

ツイーゴを星の彼方へ吹き飛ばした、小高い丘の上。

メリオダスは、真っ二つから見事に再生したデッドプールを見下ろして、腕を組んでいた。

 

「さてと。お前、さっき『俺は協力者枠だ』って言ったよな」

「オウ、イエス! 頼れる助っ人外人とは俺のことさ!」

「でも、俺はお前のことを全く信用してない。なんで俺が、正体不明で不死身の、口の減らない不審者を連れて行かなきゃいけないわけ?」

 

正論だった。主人公としてあまりにも真っ当な危機管理能力である。

ホークも「そうだそうだ! こいつ絶対やべー奴だぞ! 豚の勘がそう言ってる!」と鼻息を荒くしている。

 

「待って待って、俺を置いていかないで! 俺がいないとこの先のギャグのテンポが落ちるって!」

デッドプールはメリオダスの足にすがりついた。

「俺、役に立つよ! トラップの解除(※身代わり)とか、敵の弾除け(※身代わり)とか! なんなら、次の仲間の居場所も教えてあげる! 白夢の森にいる、でっかいツインテールの女の子だろ!?」

 

「……ディアンヌの居場所まで知ってんのか」

メリオダスの瞳が再び細められたが、やがて彼はふっと息を吐き、いつもの無邪気な笑顔に戻った。

 

「ま、いっか。目の届かないところで嗅ぎ回られるより、手元に置いて監視した方が安全だしな。弾除けにもなりそうだし」

「やったぜ! 採用! 読者のみんな、俺、ついに『七つの大罪』のパーティー(暫定)に入ったぞ!」

 

「ただし、給料は出ないし、賄いは俺の特製料理だ」

「ブラック企業ゥゥゥ!!」

頭を抱えて絶望するデッドプールをよそに、メリオダスは「おーい、母ちゃん!」と大声を上げた。

 

ズズン……ズズン……!

 

大地を揺らしながら、地中からホークママが姿を現した。その頭上には『豚の帽子』亭が丸ごと乗っている。

 

「Holy sh〇t……!!」

デッドプールはあんぐりと口を開けた。

「まじかよ、生ホークママでっか! これCGの予算どれくらい食ってんの!? ていうか、グッズ化したら絶対売れるぜこれ! ぬいぐるみにしてマーベルストアに置こう!」

 

「あなた……本当に不思議な方ですね」

呆然とするエリザベスに、デッドプールはウインク(マスク越し)をして、軽快に豚の帽子亭へと乗り込んでいった。

 

 

 

翌日。

ホークママに乗って彼らが到着したのは、酒造りで有名な『バーニャの村』だった。

 

だが、村の様子はおかしい。

川は干上がり、村人たちは絶望した顔で座り込んでいる。

 

「なんだいこりゃ。水がすっからかんだぞ?」

メリオダスが首を傾げると、村の広場の中央から、バチバチと不穏な音が響いてきた。

 

地面に深々と突き刺さった、一本の剣。

そこから放たれる強烈な雷の魔力が、地脈を封じ、川の水を干上がらせていたのだ。

 

「あー……これはアレだな。生意気なピンク髪の坊ちゃん、ギルサンダーの仕業だ」

デッドプールが腕を組んで解説モードに入る。

「あいつ、聖騎士になったからって調子乗ってんだよね。昔は団長の後ろをついて回る可愛いガキだったのに」

 

「ギル坊が……?」

メリオダスの表情が少しだけ真剣なものに変わる。

 

「あの剣を抜かないと、水が戻らないんですか……? 私がやってみます!」

エリザベスが駆け寄ろうとしたが、デッドプールが制止した。

 

「ストップ、ストップ! ヒロインちゃんが触ったら黒焦げになっちゃうよ。ここは俺の出番だ!」

デッドプールは指の関節をポキポキと鳴らし、剣の前に立った。

 

「ふふん、雷の神の武器を引き抜く……どこかの北欧神話の金髪マッチョ(ソー)を思い出すぜ。俺なら高潔な魂を持ってるから、絶対に抜けるはず! いざ、エクスカリバァァァ!!」

 

デッドプールが剣の柄を握りしめた瞬間。

 

バチバチバチバチバチッ!!!!

「アバーーーーーッ!!??」

 

数万ボルトの雷撃がデッドプールの全身を駆け巡り、彼は一瞬にして真っ黒な消し炭になった。

 

ポフッ。

消し炭になったデッドプールは、そのまま風に吹かれて崩れ落ちた。

 

「ぎゃああああ!? 赤い変態が死んだァァァ!!」

ホークがパニックになって叫ぶ。

 

「……あー、いてて。さすがに痺れたわ」

しかし次の瞬間、消し炭の中から赤いスーツがぐちゃぐちゃと再生し、デッドプールが平然と立ち上がった。

「やっぱ高潔じゃなかったわ、俺。ムジョルニア(ソーのハンマー)も持てないしな。団長、パス!」

 

「……お前、本当に便利な体だな」

メリオダスは呆れながら進み出ると、バーニャエールのジョッキを片手に持ったまま、もう片方の手で剣の柄を握った。

 

バチッ! と雷が跳ねるが、メリオダスは顔色一つ変えない。

「ふんっ!」

 

ズポンッ!!

何事もなかったかのように、ギルサンダーの剣が大地から引き抜かれた。

「うおぉぉぉぉ!! 抜けたぞォォ!!」

村人たちが歓声を上げ、塞がれていた水脈から清らかな水が勢いよく吹き出した。

 

「さすが団長! よっ、日本一! いやブリタニア一!」

デッドプールが歓声を上げる中、メリオダスは引き抜いた剣の切っ先を、王都のある方角へと向けた。

 

「……ギル坊。挨拶はちゃんと受け取ったぜ」

 

その頃、遠く離れた王都の城。

雷を纏うピンク髪の聖騎士、ギルサンダーが、わずかに目を見開いていた。

 

「……バカな。私の剣を抜いた者がいるのか。……まさか、『七つの大罪』」

 

王都とバーニャの村。

離れた二つの場所で、かつての師弟の因縁が再び交差しようとしていた。

 

「おおっと! 向こうのカメラ(王都)でピンク髪くんがかっこよくキメてるぜ!」

デッドプールが急に画面に割り込んでくる。

「いい展開になってきたじゃないの! さーて、この後はお待ちかねのアレが飛んでくるぞー!」




【次回予告】

「いやー、雷の剣まじで痛かったわ! 電気風呂の1万倍効いたね!
村を救ってハッピーエンド! ……と思いきや、王都からギルサンダー君の特大の『お返事(物理)』が飛んでくるぞ!
次回、八つの大罪 第6話!
『王都からの超長距離槍投げ! 団長の本気のキャッチボール!』
あ、ついにでっかいツインテール娘も登場するかも!?
次回も絶対見てくれよな! あと俺の給料、誰か原作者に交渉してくれ!」

※投稿頻度まあまあ落ちます。
 あと評価してくれた方、ありがとうございます。

かなり後になりますが、結構物語に関わるオリキャラを出してもいいですか?それとも既存キャラのみで話進めたほうがいいですか?因みに出したいと思ってるオリキャラは最高神や魔神王並みの存在として出すつもりです。

  • オリキャラ出してもOK
  • 既存キャラだけにして
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