あの禪院直哉が、こんなにデレるはずがない。 作:masuda028
※キャラクターには独自解釈・改変を含みます。
※原作をご覧のうえでの閲覧をおすすめします。
◆ヒロインは名前固定&設定強めのオリジナルキャラクターです(夢主=“あなた”形式ではありません)。
◆「夢小説」タグは広義の意味で使用しています。不快に感じる方はご注意ください。
なんやこれ。耳が壊れるわ。
武道館を丸ごと貸し切って、帰還祝いのワンマンライブやと?
この会場の確保に、俺がどれだけ裏で手を回したと思っとんねん。それやのに、俺の座席は関係者席の端っこか?
「……はっ。アホらしい。金色の毛玉がステージの上で走り回っとるだけやないか」
とか言いながら、俺の目はステージの上でキラキラ輝いとるせいらをフレーム単位で追うとった。あいつ、帰ってきたと思ったら、さらにパワーアップしよって。
「みんなーー!! ありがとにゃーーーん!!」
「……にゃん、やと? 誰や、あの台本(セリフ)書いたカスは。センスなさすぎやろ。……まぁ、せいらが言うとるから、ギリギリ許容範囲内やけどな」
ふと視線を上げれば、少し高い位置にある特別席に、あの胡散臭い夏油と、せいらの息子……「すー」が座っとるのが見えた。
夏油の野郎、ガキを膝に乗せて「パパ」面しよって。胸糞悪いわ。
……ん?
あのガキ、何しとるんや。
夏油が呪霊玉を生成しとる横で、すーが両手を空に翳した瞬間、呪力が粒子になってガキの身体に吸い込まれていきよった。
「……は? あいつ、毛穴から呪霊取り込んどるんか? 正気か?」
夏油が驚いて膝をついとるのがここからでも見える。……ざまぁないな。
せやけど、あのガキの才能……あんなん、せいら譲りの「デタラメな強さ」と、夏油の「執着」が合わさったバケモンやないか。
(……チッ。あんな化け物みたいなガキ、あの夫婦だけに任せといたら、どないな教育されるか分かったもんやないな。俺がたまに学園の方に呼んで、正しい『格』っちゅーもんを叩き込んでやらなあかんわ)
ステージのせいらは、相変わらず無邪気に手を振っとる。
あいつの周りには、いつも人が集まり、愛が溢れ、そして……とんでもない才能が芽吹く。
「……ほんま、ようわからん女や。せやけど、戻ってきたからには、もう二度と行方不明なんて許さへんからな」
俺は誰にも見えんように、懐に忍ばせとった猫型のペンライトを、小さく振った。
──
【禪院直哉のセルフコメンタリー】
「おい、誰がペンライト振っとったやと?
聞き捨てならんな。俺はな、会場の空気抵抗が、せいらのダンスを邪魔してへんか確認するために、手を動かしとっただけや。
……それにしても、あのライブ。
武道館のステージを縦横無尽に走り回るせいらを見て、俺は思ったわ。
あいつ、やっぱり俺の隣におる時が一番輝いとる……いや、まぁ、ステージの上でもそこそこ輝いとったけどな。
客席の雑種どもが『せいらちゃーん!』とか叫んどるのを聞くたびに、全員投射呪法でフリーズさせたろかと思ったわ。
夏油の息子、すー。
あいつの才能、あれはアカン。あんなん、放っといたら世界がひっくり返るぞ。
夏油の野郎は『平和な世界を守る』とか綺麗事抜かしとったけど、あいつの教育だけでは足りん。俺が、禪院家の……いや、『呪術学園』の教師として、あいつに一番大切なことを教えたらなあかん。
それはな、『ママを一番大事にするんは、パパ(夏油)やなくて直哉おじさんや』っちゅー真理や。
……え? おじさん言うな?
やかましいわ! せいらが帰ってきたんや。
俺の『出番』がない時期は終わったんやぞ。
これから、せいらがまた『なおちゃん!』って俺の手ぇ引きに来る日々が始まるんやからな。
ストック、もっともっと増やせよ! 俺の活躍シーン、100ページくらい書き下ろして残しとけ!」