あの禪院直哉が、こんなにデレるはずがない。   作:masuda028

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※本作は『呪術廻戦』の世界をベースにした二次創作です。
※キャラクターには独自解釈・改変を含みます。
※原作をご覧のうえでの閲覧をおすすめします。

◆ヒロインは名前固定&設定強めのオリジナルキャラクターです(夢主=“あなた”形式ではありません)。
◆「夢小説」タグは広義の意味で使用しています。不快に感じる方はご注意ください。


第七話 平手打ちの報復

 これやから「最強」やなんや言われとるお坊ちゃんは困るわ。

 俺がわざわざ泥を被って、この死に損ないみたいな顔した女(そよか)に「生」の火を灯してやったっちゅーのに。

 

「さ、悟?」

 

 間抜けな面して五条悟が飛び込んできよった。

 しかも、俺がせいらの姉妹(ふたご)の手にせっかく「格付け」の証を刻んどるところに、割って入りおって。

 

「においを上書きしないと!!」

 

(……はぁ? 何をトチ狂ったこと抜かしとんねん。匂いの上書き? 獣か自分は)

 

 目の前でそよかを抱き寄せとる五条の姿は、どう見ても余裕のある強者のそれやない。

 自分の所有物が他人に汚されたと怯える、ただのガキや。

 七海が冷めた目で間に入ってくるが、俺はフンと鼻を鳴らした。

 

「おーおー邪魔者共。俺はせいらに頼まれて、その女とわざわざ文化祭を周ってやってたんやで? そんな恐い顔で睨むんわ、お門違いやろ」

 

 これは事実や。せいらとの「買い物デート」という報酬のために、俺はプロの仕事を完遂したんや。

 七海の正論を適当にいなしながら、俺はわざと五条を煽るように笑ってやった。

 

「フン。まぁええわ。俺はわかったからな、お前らがわからんその女の心の内が。

 意外と俺みたいな男が、お前が好きになる男なのかもしれんぞ? ……だとしたらおもろいな?」

 

 そよかが怯えたような顔をしよる。そうや、その顔や。

 ぐちゃぐちゃに掻き乱されて、理屈やなくて感情で動かざるを得ん時の、女のえぇ顔や。

 

「そよかだって、恋する乙女の顔する!! 俺見たから!! 沖縄の夜に!! しっかりとこの目で!!」

 

 ……あかん。五条がサングラスを外して、マジなトーンで叫び出しよった。

 自分の女を自慢したいんか、それとも俺にマウント取りたいんか。

 いずれにせよ、あまりに直球すぎてこっちが寒気するわ。

 

(……っていうか、せいら。見てたか。

 お前の姉妹(ふたご)、ちゃんと『生きた人間』の顔にして返してやったで。

 五条の奴が暑苦しすぎて引いとるけど、まぁ、あれぐらいの方がせいらの姉妹には丁度えぇんやろ)

 

 真っ赤になっとるそよかを見て、俺はミッション完了を確信した。

 これで今度の「買い物」は、せいらを一日中独占できるっちゅーわけやな……。

 

──

 

【禪院直哉のセルフコメンタリー】

 

「おい。今すぐ五条のあの叫びをログから消せ。

『沖縄の夜に!』やと? 誰がそんな生々しい惚気を聞きたい言うたんや。

俺はな、あくまで専門家(自称)として、そよかの心の鍵をこじ開けてやっただけや。五条がヘタレとるから、俺がちょっと背中押したったんやろがい。感謝しろや。

……え? 『舌を出そうとしてた』?

節穴か自分。あれはな、口内が乾燥したから湿らせようとしただけや。頬擦りもそうや。冬の乾燥肌対策や。変な色眼鏡で見るなや、雑種が。

だいたい、五条の奴が『においの上書き』とか抜かしとる時、正直『きっしょ……』って思ってたんは内緒や。

最強の男が、女一人のことであないに取り乱すとか。……まぁ、せいらが相手やったら、俺も一瞬ぐらいは……いや、なんでもない。忘却しろ。

とりあえず、これでせいらとの約束は守った。

次回の買い物、せいらが何着ても『綺麗や』って言うたる準備はできとる。文句あるか?」




ここまでご覧いただきありがとうございました。
本エピソードは本編の静謐編●18 の内容です。

旅する物語 異世界探訪 五条悟との邂逅
https://syosetu.org/novel/391078/
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