第二問
問 以下の意味を持つことわざを答えなさい。
『(1)得意なことでも失敗してしまうこと』
『(2)悪いことがあった上に更に悪いことが起きる喩え』
『(3)一喜一憂するべきではない』
姫路瑞希の答え
『(1)弘法も筆の誤り』
『(2)泣きっ面に蜂』
『(3)人間万事塞翁が馬』
教師のコメント
『正解です。他にも(1)なら『河童の川流れ』や『猿も木から落ちる』、(2)なら『踏んだり蹴ったり』や『弱り目に祟り目』、(3)なら『禍福は
吉井明奈の答え
『(1)河童の川流れ』
『(2)踏んだり蹴ったり』
『(3)沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり』
教師のコメント
『正解です。先程姫路さんの回答でコメントした他のことわざで答えてきましたね。』
須川亮の答え
『(1)弘法の川流れ』
教師のコメント
『シュールな光景ですね。』
横溝浩二の答え
『(2)泣きっ面蹴ったり』
教師のコメント
『君は鬼ですか。』
福村幸平の答え
『(3)人生巨乳あり貧乳あり』
西村先生のコメント
『補習室に来い。貴様のその歪んだ人生観ごと、叩き直してやる。』
僕らが雄二を交えて勉強し始めてしばらく経った頃、再び教室の扉が開かれた。
ガラッ
「うぅ、痛いのじゃ…。」
「…あれは、体罰。」
入ってきたのは残りの親友の秀吉と康太だった。…2人とも頭を押さえているけど、どうしt…あっ。
「おはようございます、木下君、土屋君。」
「おっす、秀吉、康太。」
「おはよう、秀吉、康太。」
瑞希ちゃんと雄二が2人に挨拶していたから僕も挨拶をする。…2人とも西村先生の
「うぅ、おはようなのじゃ。明久、雄二、姫路。」
「…おはよう。」
頭を押さえながら挨拶を返してくれる2人。秀吉に至っては若干涙目だ。
「ところでお主らは一纏まりになって何をしておるのじゃ?」
「…見たところ勉強。」
「よく分かったな。明久に姫路は次席レベルだからな。教わっていたんだ。」
「そんなことないですよ。」
「そうだよ。それに雄二だって霧島さんに教えてもらっていてAクラス並じゃないか。」
「そうじゃったのか。わしらも混ざって良いかのう?」
「…教えて欲しい。」
「もちろん、良いよ。」
「はい、もちろんです。」
「しゃーねな。」
「助かるのじゃ。」
「…助かる。」
僕らは秀吉と康太を新たに加えて勉強を再開した。ところで。
「そういえば、秀吉と康太はどうして頭を押さえてたんだ?」
「…鉄人に殴られた。」
「うむ、強烈な一発じゃった。」
「教師を殴ったからですよね?」
「な、何故知っておるのじゃ、姫路よ。」
「…驚き。」
「校門のところで西村先生に聞いたんだよ。2人はどうして先生を殴ったりしたの?」
「そうですよ、2人とも普段はそういう事をしませんよね?」
「…何と言えば良いかのう。」
「…秘密。」
「そ、そうじゃ。秘密じゃ。2人とはいえ、言うことは出来ん。」
「「でもっ。」」
「そこまでにしておけ、明久、姫路。こいつらは話さないと決めた以上、話さないぞ。」
「だけどさ雄二。」
「くどいぞ、明久。」
「ですけど坂本君。」
「姫路もしつこいぞ。いいから勉強再開するぞ。」
「…分かったよ。」
「…分かりました。」
僕と瑞希ちゃんは渋々勉強を再開した。その目の前で。
「助かったぞ、雄二よ。」
「…助かった。」
「殴った理由を2人を目の前にして言うのは、恥ずかしいからな。俺が殴ってたら同じく言わなかったと思うぞ。」
雄二達が小声で何かを話してた。何を話してるのか分からなかったけど。
それから5人でまた勉強をし続ける。その間にもクラスメイトがやってきたが教室に入ってくる度に少しざわついてた。何なんだろうか。そして。
「席についてもらえますか?HRを始めます。」
先生がやって来た。
「うし、ここまでにするか。」
「じゃな。実りのある時間じゃったぞ。」
「…充実してた。」
「確かに、たまにはみんなでするのも良いよね。」
「そうですね、教えることで忘れにくくなりますからね。」
そう言い合いながらそれぞれの席に着く。といってもわりかし近いところだけど。僕の目の前に雄二が。瑞希ちゃんの前に康太、その前に秀吉が座っている。全員が座ったのを確認してから先生が壇上でゆっくりと口を開いた。
「えー、おはようございます。2年Fクラス担任の福原慎です。よろしくお願いします。」
先生が黒板に名前を書こうとしてやめた。そういえばさっき見た時ほんのちょっぴりのチョークしかなかったな。
「皆さん全員にちゃぶ台と座布団は支給されてますか?不備があれば申し出て下さい。」
50人程度の生徒が所狭しと座っている教室には畳とちゃぶ台と座布団がある。
「せんせー、俺の座布団の綿がはみ出してますー。」
と、クラスメイトの誰かが先生に設備の不備を申し出る。
「あー、はい。針と糸を渡すので後で自分で直してください。」
「先生、俺のちゃぶ台の脚が折れかかっています。」
「木工ボンドが支給されていますので、後で自分で直してください。」
なるほど。このクラスは自分の設備は自分で直すのか。
「必要はものがあれば極力自分で調達するようにしてください。」
ふむ。家で使ってない座布団とか持って来てもいいのかな?あとで先生に聞いてみよう。
「では、自己紹介でも始めましょうか。そうですね、廊下側の人からお願いします。」
福原先生の指名を受け、車座を組んでいた廊下側の生徒のひとりが立ち上がり、名前を告げる。
「ーです。よろしくー。」
「ーです。よろー。」
そこからしばらく名前と一言だけと言う自己紹介が続いていた。それにしても、見渡す限り男だなぁ。なんて考えていると。
「ーです。海外育ちで、日本語は会話できるけど読み書きが苦手です。」
女子の声が聞こえてきた。珍しいなぁ。僕と瑞希ちゃん以外で女子が居るなんて。(←外見は無視している)
「あ、でも英語も苦手です。育ちはドイツだったので。趣味はー吉井明久を殴ることです☆」
と思ったらピンポイントかつ危険な趣味を出してきた。
「はろはろー、吉井。今年もよろしくね。」
「…し、島田さん…。」
島田さんだった。去年少し助けてそこから仲良くなったんだけど後半になるにつれて暴力を振るってきてたから苦手なんだよねぇ。
島田さんの自己紹介が終わり、その後は淡々と自分の名前を告げるだけの作業が進む。それを聞き流しながら眺めていると丁度秀吉の番になった。
「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる。Aクラスに姉上が居て外見は似ておるが、儂は男じゃからな。よろしく頼むぞ。」
『『『なにぃっ!!』』』
周囲から男の大声が響く。
「馬鹿なっ!あの外見で男だとっ!」
「だが待てっ!男であると言ったが女でないとは言ってないぞっ!」
「つまり第3の性別:秀吉ってことだなっ!」
馬鹿でしょ。男って言ってるんだから男に決まってるでしょ。さすがは最低クラスの思考回路っていうところか。
「秀吉ー、付き合ってくれっ!」
「結婚してくれーっ!」
「結婚を前提としたお付き合いをしてくれーっ!」
「だから儂は男じゃと言っておるだろうっ!」
『『『秀吉ーっ、好きだぁー!!!』』』
秀吉も大変だなぁ。後で励ましてあげよう。呆れながら座った秀吉に代わり今度は康太が立つ。
「…土屋康太。趣味は写真撮影。よろしく。」
寡黙で言葉が少ないのは康太らしい。静かに座った康太に代わって次に瑞希ちゃんが立つ。その瞬間周りが少し騒めいた。
「姫路瑞希といいます。趣味は料理です。よろしくお願いします。」
「はいっ!質問です!」
瑞希ちゃんが自己紹介を終えると同じく自己紹介を終えた男子生徒の1人が右手を挙げる。
「はいっ。何ですか?」
自分に質問が向けられるとは思ってなかった瑞希ちゃんが驚いてる。小動物的な仕草が可愛い。
「なんでここにいるんですか?」
聞きようによっては失礼な質問が浴びせられる。だけどこれはクラスにいるほぼ全員の疑問のはずだ。
「その、振分試験の最中、高熱を出してしまいまして…。」
そんな瑞希ちゃんの言い分を聞き、クラスの中でもちらほらと言い訳の声が上がる。
「そう言えば、俺も熱の問題が出たせいでFクラスに。」
「ああ。化学だろ?アレは難しかったな。」
「俺は弟が事故に遭ったと聞いて実力を出し切れなくて。」
「黙れ1人っ子。」
「前の晩、彼女が寝かせてくれなくて。」
「今年1番の大嘘をありがとう。」
予想以上の馬鹿な発言が飛び交っている。
「はいはい。静かにしてくださいね。」
周りが騒ついていてパンパン、と教卓を叩いて先生が注意を促す。
バキィッ バラバラバラ……
突如、先生の前で教卓が崩壊した。まさか叩いただけで崩れ落ちるとは。
「え〜……替えを用意してきます。少し待っていてください。」
気まずそうに告げると、先生は足早に教室から出て行った。さっき見た時はそこまで古くなかったと思うけど。
「「あ、あはは……。」」
瑞希ちゃんと同時に苦笑いが出てしまう。
「秀吉、康太。ちょっといいか?」
「なんじゃ?」
「…用か?」
「ああ。ここだと話し難いから廊下で。」
「分かったのじゃ。」
「…了解。」
雄二達は少し言葉を交わして廊下に出ていった。
「どうしたんでしょうね、坂本君達は。」
隣で瑞希ちゃんが廊下の方を見ながら呟いてた。
「本当だね。どうしたんだろう?」
僕も廊下の方を見ながら呟く。一体何を話しているだろう。
〜明久・瑞希sideout〜
廊下に出てきた俺達は早速秀吉と康太に話を振る。
「さて、早速だが試召戦争を仕掛けようと俺は思っている。」
「うむ。儂も思っていたところじゃ。」
「…俺もだ。」
「意見が合致していて助かる。理由を聞いてもいいか?」
「何のためと言われたら明久と姫路の為かのう。」
「…クラスメイトの殆どがFFF団なるものに入っている。」
「あ奴らはカップルやモテる男を見ると、見境なく攻撃するからのう。」
「ああそうだ。明久は今、外見は男だが本来は女子だからな。それに姫路との関係も隠している。」
あいつらは明久の本当の性別に絶対に気づかない。もし明久と姫路の関係を知ったら、迷いなく襲いかかるだろう。そんなことは絶対に阻止する。
「して雄二よ。策はあるのかのう?」
「…俺達は力になる。」
「ああ。策はしっかりと考えてー、おっと、先生が戻ってきた。続きは後でだ。教室に入るぞ。」
明久に姫路、お前らに受けた恩はこれで返せるとは思わないが、俺がお前らを守ってやる。……貸し借りなしにするには、まだ足りないがな。
〜雄二・秀吉・康太sideout〜
雄二達が廊下に出てから数分が経った。その間僕は読書をして暇を潰していた。隣では瑞希ちゃんも読書をしている。扉が開いて雄二達が入ってきたと思ったら先生も戻ってきた。
「さて、それでは自己紹介の続きをお願いします。」
壊れた教卓を替えて、気を取り直してHRが再開される。
「えー、須川亮です。趣味はー。」
特に何も起こらず、また淡々とした自己紹介の時間が流れる。
「坂本君、キミはクラス代表なので最後にお願いします。」
「うっす。」
いつの間にか雄二の前の人が自己紹介を終えていた。雄二はクラス代表だから最後らしい。ってことは僕か。
「吉井明久です。趣味は料理と読書です。よろしくお願いします。」
「では、坂本君。お願いします。」
「了解。」
先生に呼ばれて雄二が席を立つ。ゆっくりと教壇に歩み寄るその姿はクラスの代表として相応しい貫禄を身に纏っている。
「Fクラス代表の坂本雄二だ。俺のことは代表でも坂本でも、好きなように呼んでくれ。」
男に興味がないクラスメイトは注目すらしてない。
「さて、皆に1つ聞きたい。」
そんなクラスメイトが、ゆっくりと、雄二の方を向く。雄二は全員の目を見るように告げる。
間の取り方が上手いせいか、全員の視線はすぐに雄二に向けられるようになった。
皆の様子を確認した後、雄二の視線は教室内の各所に移りだす。
埃っぽい教室。
草臥れた座布団。
古いちゃぶ台。
つられて彼らも雄二の視線を追い、それらの備品を順番に眺めていった。
「Aクラスは冷暖房完備の上、座席はリクライニングシートらしいがー。」
一呼吸おいて、静かに告げる。
「ー不満はないか?」
『大ありじゃぁっ!!』
Fクラス生徒の魂の叫び。
「だろう?俺だってこの現状は大いに不満だ。代表として問題意識を抱いている。」
「そうだそうだ!」
「いくら学費が安いからと言って、この設備はあんまりだ!改善を要求する!」
「そもそもAクラスだって同じ学費だろ?あまりに差が大きすぎる!」
堰を切ったかのように次々とあがる不満の声。
「みんなの意見はもっともだ。そこで。」
級友達の反応に満足したのか、自信に溢れた顔に不敵な笑みを浮かべて。
「これは代表としての提案だがー。」
これから戦友となる仲間達に野性味満点の八重歯を見せ。
「ーFクラスはAクラスに『試験召喚戦争』を仕掛けようと思う。」
雄二は戦争の引き金を引いた。
〜グダグダコーナー〜
藤「第二回後書きのコーナー。今回は明瑞カップルに続いて坂本夫妻「誰が夫妻だっ!」と間違い、坂本カップルの2人を呼んでまーす。どうぞー。」
「坂本雄二だ。よろしく頼む。」
「……坂本sy「まだだろうが。」……霧島翔子。よろしく。」
藤「まだってことは将来てk「ガシッ」待って、頭掴んで締め付k…痛い痛い、悪かった。ごめんなさいっ!」
「ったく。これに懲りたら揶揄ったりするなよ。」
「……雄二、作者を虐めない。」
「へーへー、すまんな。」
藤「いや、こっちも悪かった。それよりコーナーを始めようか。茶菓子を用意するから待ってて。」ゴソゴソ
「……。(パアァァァッ)」
「(翔子の奴、前回の明奈と姫路の展開を期待してやがる。)」
藤「あったあった。はい、お菓子。」
コトリ←マカロンと煎餅
「……。(しょぼん)」
「…前回みたいにチョコが出てくると思ったが。(正直助かった)」
藤「前回は間違ってアルコールを含んだ物を出しちゃったからね。今後は間違えないようにと思ってね。さて何を話そうか。」
「そうだな、話の流れ的には原作通りで進むのか?」
藤「基本その通りだけど、たまに閑話を挟んだりするかな。」
「……それはどういったもの?」
藤「過去話だったり、日常の一部だったりかな。」
「……私と雄二のことも書く?」
藤「それはもちろん。」
「……なら、いい。」モグモグ
藤「他に何か聞きたい事でもある?」
「そうだな、今は何もねえな。」バリバリ
藤「じゃあ、今回はここまでにしようか。それじゃあ、次回もよろしくー。」
「よろしく頼む。」
「……よろしく。」ヌギヌギ
「おい待て翔子。なぜ服を脱ぎ始める。」
「?……前回の終わりで瑞希が作者に明奈との『ピー』を見せつけようとしていた。だから私もそうしようと思った。」
「あれは姫路が酔っ払っていたからでやらなくていいんだよっ!」
「……雄二は照れ屋さん。」
「だぁっ!俺はしないからなっ!」ダッ
「……雄二、待ってっ。」タッ
藤「ありゃりゃ、2人とも走っていちゃった。今度こそまた次回っ!」