弥勒Side
駅のホームにて、僕らはみんなと少し離れた位置で話していた
「いよいよだね!まことみらい学園2年生の修学旅行」
「はなまる楽しみ~!」
「ポ~!」
話そうとするポチタンを咄嗟に口を押さえる二人
「ポチタン、修学旅行中は、ずっと一緒だよ?」
「ばれないように大人しくしてようね。あとでミルクあげるから」
「それにしても…まさかこうして修学旅行に行けるなんてな」
「あはは、確かに」
しかも過去の世界での修学旅行だからな~
「皆さん、準備はいいですか~?」
クラスメイトのゆみの声が聞こえ、僕らは急いでみんなが集まっている所へ向かう。
「これから班ごとに乗りこんでもらいます!返事は~?」
『は~い!』
「おぉ~、みんなもノリノリだね!」
「よ~し!修学旅行へ~」
ダークSide
電車の中、私とゴウエモンは乗り込んでいた
「フフフ…未來自由の書によると、この辺にマコトジュエルがあるらしいな」
「やれやれ、まさかこうしてタイミングが被るとはね」
「何だ?ダーク、折角の休暇だろ。お前はのんびり見学でもしてろ」
「そうさせてもらうよ。ゴウエモン」
弥勒Side
電車に揺られながら僕は後ろの席であんな達の楽しそうな会話を聞いていた
「遊覧船、楽しみ~」
「お城の見学も楽しみ~」
「私たちが泊まるホテルってごはんがおいしいって評判なんだよね?」
「うん、夜ごはんは地元の食材を使った豪華バイキング、凄腕の料理長なんだよ!」
「それに大浴場は天然温泉なの! 入れば、お肌が、もちもちのつるつるになるんだって!」
「もちもち~!」
「つるつる~!」
「ゆみ、くわしい!さすが実行委員長だね!」
「ヘヘッ、張り切って調べたんだ!みんなに配ったしおりはそのほんの一部なんだよ」
「すごい!」
「ここまでやってたんだ!」
「だって、修学旅行は中学で1回しかないビッグイベントだよ!みんなに思いっきり楽しんでもらうために!事前準備はバッチリなんだから!一生わすれられない、特別な時間にしようね!」
本当に楽しみだったんだな…まぁ流石に今回はファントムやら何やら関わったりしないだろうな…
「まいど~、車内販売でございま~す。あぁ、うるわしの車内販売!」
………何かとんでもないものを見た気がした。とりあえず目を擦り、深呼吸するが…うん、何だ?あの女装したゴウエモンは……クラスのみんなは特に反応を示してなかった。まぁ修学旅行が楽しみすぎるから仕方ないよな。うん
「あっ、UFO!」
『え?』
「どこ?どこ?」
「あっ、あれだ!」
「あれは鳥だよ」
「鳥型のUFOかもしれないだろ!」
「ポチ!」
「えっ?あれ?わたしのしおりがない!なんで? どこ?」
みんなが気を取られている内にゴウエモンがしおりを盗み出したのか?
「あの人、まさか!」
「うん!」
「ゆみ、心配いらないよ!」
「探偵のわたしたちが見つけてみせる!」
僕らはゴウエモンを追いかけ、前の車両に向かう。
「やっぱりゴウエモン! ゆみのしおりを返して!」
「フン!返してと言われて返す怪盗がいると思うか?」
「思わない…思わないけど返して!」
「返さない」
「返して!」
「返さない!」
「どうして返さないの!」
「怪盗だから」
「ぐぬぬぬ…」
うん、普通は返さないよな…
「ゴウエモン、逃げようとしても、無駄だよ。この列車は密室なんだから」
「密室?」
「走る列車から、飛び降りるのは危険すぎる。つまり、次の駅に到着するまでの30分間、誰もこの列車から降りることはできない!」
「そんなことは、もちろん承知のうえ!つまり30分間、列車の中で逃げ切ればいいってことだろ?いでよ、からくり迷路!」
ゴウエモンが力を発動すると電車の内層がレトロな感じに変わった
「どうなってるの?」
「お前らをゴウエモンの迷宮トレインに招待しよう!」
「迷宮トレイン?」
「はたして次の駅に着くまでに全ての事件を解決して、このしおりを取り戻すことができるかな?」
「返して!」
「おっと!あいにく、迷宮トレインに乗車するには切符がいるんですよ」
ゴウエモンはそう言って切符を見せ、机の上に3枚の切符を置いた
「さぁ、そこに置いてある中から、本物の切符を見つけてみな」
「切符が3枚…こんなの簡単、車掌のゴウエモンが持ってる切符と同じものを選べばいいんでしょ」
「そうだね」
「「え~っと…ちらっ」」
僕らはゴウエモンの持つ切符を見た
「あれが本物だから…」
「形や大きさは、みんな同じだね」
「書いてある文字も同じ、本物は1つのはずだけど…あれ?なんで、ここかけてるの?」
切符の一部分が欠けていた。そういえば何でだ?
「これは切り口だね。自動改札じゃない駅では切符を使った証拠として、駅員さんがハサミで切れ目を入れるんだよ。切り口には、いろいろな形があるの」
「それだよ、みくる!弥勒くん!よく見ると切り口が全部ちがう!」
「ゴウエモン車掌、もう一度、切符見せて!」
「しょうがないですねぇ、一度だけですよ」
ゴウエモンはチラッと切符を見せる
「短っ!」
「ゴウエモンの切符と同じ形は…」
「これだ!」
「フッ、正解、やるじゃねぇか。どうぞ、ご乗車ください。これからが本番だぜ!」
ゴウエモンはそう言って前の車両に向かう。僕らは移動するとそこは…
「え~っ、列車の中にレストラン!?」
「豪華列車の食堂車、映画や小説の探偵ものでよくあるシチュエーションだよ」
食堂車…そんなのあったのか…
そう思っているといきなり車内が暗くなった
「「わっ!」」
「トンネルに入ったんだ」
「電気がついた!」
「キャーッ!」
悲鳴が聞こえた席に行くと…
「どうされました?」
「わ…わたくしの…わたくしの料理が消えましたの!」
「トリュフとフォアグラの濃厚デミグラスソースあえ、極上生オクトパスですわ!」
何だ?その料理は…
「トリュフとフォアグラ! 2つともとっても高級な食材なの!」
「えっ、おいしいの?」
「分からない!食べたことないから。でも高級なの!」
「いいね、高級!美味しければ、もっといいよね!」
「いや、タコは…」
「料理が消えたのは、トンネルに入って暗くなった時だよね」
「ほんの数秒だった」
「あの短い間にタコ1匹をまるまる食べきるのは無理」
「…ってことは、犯人はタコを、どこかにかくしたんだ」
「被害者の女性以でこの食堂車にいるのは3人、犯人は、この中にいる!」
タコを盗む意味は…気にしたら負けなのか?
とりあえず僕らはロブスター料理を食べているお客さんに話し掛ける
「この人がタコを隠すとしたら、どこだろう。その瓶を見せてください」
「どうぞ」
あんなは酒瓶を覗き込む。タコならグニャグニャだから入りそうだけど…
「空っぽか…」
次のお客さんに話し掛ける僕ら
「こちらのかばんを見せていただけますか?」
「どうぞ」
「この人がタコを隠すとしたら、このかばんの中くらいね。何かある! タコ?」
みくるがかばんの中を漁ると何故かイカの干物が出てきた
「イカ?」
「干物が好物なんです」
直に入れるなよ…
「残りはウエイターさんか」
「ご用でしょうか?」
「そのクロッシュを持ち上げて、中を見せてください」
「いいですよ、はい」
「何もない!」
「そんな…じゃあ、一体誰が?」
一体どこに隠されたのか考えていると、さっきのタコを盗まれたお客さんの声が耳に入った
「あら、いけない、ソースで服がくっついてしまったわ」
「くっつく…分かりました」
「「犯人は、あなたです!」」
「な…なぜ、わたしが?」
「クロッシュの中をもう一度見せてください」
「はぁ…ほら、何もないでしょう」
「なるほどな…ウエイターさん、クロッシュの内側を見せてください」
「おねがいします」
ウエイターさんがクロッシュの内側を僕らに見せると、そこにはタコが張り付いていた
「あなたは新鮮なタコの吸盤を利用して、クロッシュの裏にタコを張り付けたんです」
「クロッシュを持ち上げても、見えないように」
「正解です」
無事謎が解け、僕らは次の車両に向かう。
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