弥勒Side
探偵事務所を開いたのは良かったものの…
「全然依頼人が来ない…」
みくるが落ち着かない様子を見せてた。いや、そもそも…
「依頼人が来ないのはそれだけ平和だって事じゃないのか?」
「そうだけど…」
まぁ開いたばかりだからそこまで認知されてないのも仕方ないような……
そう思っていると……
「た、助けてー!」
突然鞄を抱えた男が事務所に入ってきた。
「依頼人だ! お茶! お茶!」
「と、と、とりあえず、その前に座ってもらおう!」
「どこに!?」
「どうしよう!」
「おい! みんな、落ち着け!」
ジェットまで慌ててる…僕はため息をつきつつ、依頼人をソファーに座らせた
「お茶どうぞ。」
「「で、どうしました?」」
「僕のバッグの中身が、リンゴとジャガイモになっちゃった!」
どういう依頼だよ…
「探偵の明智あんなです!」
「小林みくるです!」
「ああ、はい…よろしく…」
2人は依頼人に名刺を渡す。僕も渡すべきか悩んだが…あくまで僕は助手みたいなものだし、渡さなくても良いか
「名刺を渡した! 探偵って感じ!」
「やったね! みくる!」
「ったく…」
「ええ、改めまして。僕は小松崎純一です」
自己紹介を済ませた後、改めて僕らは純一さんから依頼内容を聞くことに…
「で、バッグがリンゴとジャガイモって?」
「うん。気付いたら中身が変わってて…」
純一さんは机の上にバッグの中身を見せる
「リンゴ、ジャガイモ、タマネギ、パンに、エプロン?」
「元々バッグには何が入ってたんですか?」
「漫画の原稿…あと、着替えと…」
「漫画の原稿!? 漫画家さんなの!?」
「ううん。目指してる最中なんだ。原稿を出版社の人に見てもらうために来たんだよ! 認められれば、漫画家になれる…いや、絶対なってみせる!」
「すごいな!」
「原稿がないって気付いたのは、どこですか?」
「実は…この探偵事務所の前で…」
「「え?」」
「ここ?」
「出版社に行く前に気持ちを落ち着かせようと歩いてたら、ここにいて…それで、何かバッグが重いな、と思ったら…バッグの中身が変わるなんて…」
「……もしかしてだけど、途中で入れ替わったとか?」
「どういう事?」
「鞄の紐、純一さんが使うにしては短すぎるし…」
「確かに…」
みくるがじっと鞄を見つめるとあることに気が付いた
「ねぇ、この鞄、汚れてない?」
「え?あ、本当だ…なんか、汚れてる…」
「どっかで落としたとか?」
「ああ! そういえば! 駅前で!」
ある劇場にて
「なるほど。新たなマコトジュエルのありかが分かった」
「ボクが華麗に盗ってまいります!」
「いや、アゲが行くっしょ! アンタは、引っ込めって感じ!」
「それは、こっちのセリフだよ! ベイビー!」
「あーあ、また始まった…」
言い争うニジーとアゲセーヌ、その2人を制止する声が響いた
「待て待て待てい! 熱くなるのは結構だがな、向ける相手が違いやしねぇか?そのケンカ、このゴウエモンが預かった!」
「出た…面倒なのが…」
「ウソノワール様! お任せ下さい!」
「結局、キミが行きたいだけだろ?」
「マジ、チョベリバ!」
「違う! 新人のためだ! 連れて行って、怪盗のイロハを教えてーんだよ!」
ゴウエモンはアイスを食べる少女を見つめる
「俺の背中を見て、学ぶといい!」
「余計なお世話なんだけど…」
「ゆけ、ゴウエモン! キュアアルカナ・シャドウ! ライライサー」
『ライライサー!』
弥勒Side
僕たちは駅まで来ていた。純一さん曰くここで鞄が入れ替わったかもとのこと
「そうだ! ここだよ! ここで、向こうから走ってきた人とぶつかって、バッグを落としたんだ…」
「それって、もしかして、純一さんとその人がぶつかった時に、偶然バッグが入れ替わって、そのまま持ち帰っちゃったとか?」
「なるほど! それ、ありえるかも! ぶつかった人は、どんな人でした?」
「うーん…憶えてないな…」
覚えてないんだったら、探しようが……
「そのバッグ、さっき同じのを持ってる人が来たよ。間違えて持っていったお兄さんを探してた」
すると1人のおじいさんが鞄を間違えた人の事を覚えていた
「あんなの推理、当たってた!」
「うん!その人、どこですか?」
「さあ…あっちの方へ行ったけど…」
「どんな人でした?」
「えっと…若い女の人で、こんな眼鏡で、髪型はこんな感じで…」
「できた! ズバリ、この人ですね!」
みくるがそう言って描いて見せたものは……個性的なものだった。決して下手とは言わない。それが身のためだ
「「この人?」」
「おお! 彼女だ!」
「「ええ!?」」
「伝わってる!?」
「さすが!」
なるほど、似顔絵としては…アレだけど、捜査として使う分には見た人が見るとピンッと来るだけの特徴を捉えているってことか
僕たちは早速その女性を探すことに…
「絵画教室です! 生徒募集中です! お願いします!」
「絵画教室か…私も似顔絵描けるようになりたいな…」
「まぁ探偵やるなら色々とスキルを身につけるのも良いかもね」
僕とあんながそんな話をしていると僕らの前に大男が立ち塞がった
「そのバッグ、いや、マコトジュエルを置いていってもらおうか!」
「マコトジュエルって…」
「怪盗団ファントム!」
「か、か、怪盗団!?」
「漫画の原稿の入ったバッグを見つけるの!」
「だから、絶対に渡さない!」
「熱いね! 熱くて茹で上がっちまいそうだ! だが、相手が悪かったな!」
大男が桜吹雪で視界を奪うと純一さんが持っていた鞄が奪われた
「いただいていくぜ!」
大男がそう言いながらその場から逃げ出した。あんなとみくるは直ぐさま…
「プリキットライト!」
「お、大きくなった!?」
「うん! ジェット先輩の発明品!」
「こうやって、好きなものを光で描くと、形になる!」
「ピーナッツ?」
「ううん! トランポリン!」
「そっか!」
まさかトランポリンで大男の先回りをするつもりなのか?
路地裏にて
「どうだ? これが怪盗の仕事よ!」
「で、マコトジュエルは?」
「よっこいせっと」
ゴウエモンが鞄を開くが…
「えっと…丸いもんばっかりだ! お、四角い! こいつか!」
「ただの食パン」
「外れね」
「そういや、やつら、漫画の原稿が入ったバッグを見つけるとかって」
少女はエプロンを見て、あることに気が付き、その場から離れた
「な…おい! どこ行くんだよ! 近頃の新人は…」
「るるか嬢。こんな所で何を?」
「……あなたね」
「あら、あなたもゴウエモンに言われてきたの?」
るるかの前に怪盗風の男が現れる
「いや、ただの散歩。まさかこんな所で会うとは…」
「そう…」
「それでマコトジュエル探しですか?」
「そんなところよ」
「ではお付き合いさせて貰います」
「邪魔はしないでよね。怪盗ダーク」
妖精に名前を呼ばれ、笑みを浮かべる怪盗
「勿論。邪魔はしません。見学だけです」
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