制圧を終えて数日後、ジュフォンは復興に入り、いくつかのリベンジャー化を外したギラ・ドーガやギラ・ズールを残していき、データ回収部第一課の課長である陸也はレジスタンスや傭兵に報酬を与え、元の世界に帰る用意をしていた。
「結局、黒幕は逃がしちゃいましたね……」
「過ぎたことを悔やんでは致し方ない。説教を受ける覚悟はできているさ」
陸也はレジスタンスのリーダーであるクロウザーに最後の面会に立ち会う。
「この度は、本当に世話になりました。ここからは現地にいる我々の仕事になるでしょう」
「そのほうが合理的だろう。後はこの惑星の統治になるが…」
「安心を、すでに決めております。その…黒幕を捕らえることを手伝えなくて申し訳なかった」
「…逃げられたなら、追えばいいだけだ。お前達が気にするものではない」
陸也は「まぁ、この先この惑星は大丈夫だろう。多分な」と言って後ろを向き、その場を去る。
クロウザーは席を立ち、窓の先にある世界を見る。
「……この世界の戦乱は収まるも、別世界では続く、か」
*
「それで…失敗したわけかい?」
「……申し訳ありません。まさか敵の罠にかかり逃がしてしまうとは…」
陸也達は失敗をレクスに伝える。本拠地を見つけたが逃げられる。
しかも問題は異世界という事。普通の会社なら怒鳴られるが、レクスは「まぁ…逃がしたなら仕方ない」と冷静に返す。
「徒党を組んでる国の情報を知れただけでも儲けものか…覇王国であるシェキナーはまだしも、マテリアソーンは流石に分が悪いね…あそこはシュルケン以上に嘘をつくのが多いからね。今回の義体放棄で捕まえたあの姫騎士は洗脳を解除してある。僕達を攻撃したことを深く反省してるけど、操られてるだけだったし、不問にしたよ」
「そのほうが賢明かと。無闇に罪を擦り付ければいいというものではありません」
「まぁ、罰は与えるけどね」
陸也は「どのような罰で?」と言って頭上に?を浮かべる。
「しばらく、彼女はデータ回収部第一課のメンバーとして過ごしてもらおう」
「あの…それはいいのですが、これでは懲罰部隊じゃないですか?」
「そう見えてしまうかね?」
「はい…我々は何でも屋ではありません。あくまで異世界のデータを回収し、来るべき侵略戦争に備えるために創設された課です」
レクスは「確かに、言われてみれば」と言って考え直す。
「せめて彼女の意思を示してもらわないといけません。そこまでしてまで人材不足を解消する気はありません。そんなことすればブラック企業と―――」
「その言葉を出すのは…やめたまえ!」
レクスが怒鳴る。彼にとって「ブラック企業」というワードは嫌っており、陸也がそれを言うと怒鳴り、当たりの空気がピりつき始める。
「……わかった。彼女の処遇は僕の方で何とかする。君達、異界管理レクス支部データ回収部第一課は1カ月の有休を与える。英気を養いたまえ。拒否権はない」
レクスは取り乱さないように陸也達に指示を出す。
「……かしこまりました」
「それと、支部長の豚野郎は相変わらず女遊びかい?」
「ええ…課長である俺に仕事を放り投げて」
「じゃあ、あの豚野郎をこき使ってやろう。そもそも君達がロクに休めてないのはそいつのせいだろう?」
「はい。労基に訴えてやろうかと思うぐらいです」
キリキリと車椅子が動き、レクスが槍を持つ。そう、レクス支部の支部長は仕事を全て陸也達に投げた上に、責任も押し付け、自分は歓楽街で女遊びという愚行に働いているのだ。
「では、話は以上だ。どうせあの豚野郎は他国で奴隷を買ってあれやこれやしてるんだろう。そろそろ神雷を落とす時が来たし、行ってくるよ」
「(支部長、天誅が迫ったぞ。1カ月間覚悟しろよ)」
レクス公国では奴隷を持つことは禁止されている。そもそも奴隷制を廃止してるため、完全なタブーである。
レクスはその愚か者に天罰を与えるべく、支部長のいる店へ向かって転移術で飛んでいく。
「はぁ…まぁ、始末書の山と格闘するよりはマシか…」
陸也は溜息を吐き、オフィスを後にする。
第一次代理戦争篇は終わりですが、引き続きキャラは募集します。内容は変えますが…どのみちフェイタリティも残ってますし…。
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