ガルマ・ザビ
「機動戦士ガンダム」に登場する人物。ザビ家の末弟。
一年戦争ではジオン公国軍の地球方面軍司令官だったが、シャアの陰謀により戦死した。
…はずだったが。追放世界に流れ着いており、彷徨っていたところレクス公国軍の偵察隊に保護される。自分の生死を知る追放世界の住人から驚きの真実を知り、最早元の世界に戻れるが「死んだ存在が現世に残るのは正直に言って禁忌である」とレクスに伝えられる。
普通なら人間不信になってもおかしくないが、このSSでは精神が逞しくなっており、開き直る。あの世界では死んだ。ならばこの世界で新たな人生を歩むことを考え、レクスの説得により、レクス公国軍に所属した。階級は元は大佐だったが中佐に降格してる(だがこれはあくまで一時的な降格らしい)。
惑星ゲルセト―――
表面に映る自然環境は60%を達成し、テラフォーミングが進んでいる惑星。
元はただの荒野しかない星だったが、多くの移民や難民たちがこの星に住み着き、自然と環境を整えるためにテラフォーミングに協力し、水の惑星へと変わりつつあった。
しかし、この星にも戦乱の種は降り注ぎ、今ではフェイタリティの本拠地として黒幕二人の支配権に置かれている。
奴隷制度こそないが、ゲルセト政府は傀儡化しており、幾度かレジスタンスの介入が起きていた。
フェイタリティの補給部隊を退けたヘヴンリペアラーズは破壊した敵機の残骸からデータを抜き取り、本拠地を見つけ出すことに成功する。
そんな時だった。
「新たな搭乗員ですか?」
『ああ。実は君達が任務中に国の周囲を探索してた偵察隊が漂流者を見つけてね』
漂流者…様々な異世界で死んだ者や行方不明になった人物が稀に追放世界に漂流することがある。
住人はそれを「漂流者」と呼び、保護を優先される。
保護した後はその人物を元の世界に返すのは追放世界の住人の義務であるが、死んだ人物だった場合は手続きが必要となった。
場合によっては返せない状況になり、追放世界に永住…っというアクシデントもあった。
「その人物の名は?」
『そうだね…一年戦争でシャアに謀殺された人物は知ってるかい?』
「…!ガルマ・ザビ!?」
『そうだ。彼をそちらに送る。ただ、軍階級は元は大佐だったけど、階級は中佐に下げさせてもらったよ。流石にいきなりアクトマン君の上司が二人いるのはいけないからね』
陸也は「いや確かに戦力は欲しいとは言ったけど…」とたじたじな表情となって話を聞く。
「……他に漂流者は?」
『可能性は低いかもしれないけど、彼の兄である「ドズル・ザビ」を捜索も視野に入れてるよ』
「……見つかればいいですな。してですが、彼はいつ頃に到着で?」
『すぐに到着するよ。丁度、君たちの元に送るワームホール技術が完成できてね。今頃、艦内で味方全員に挨拶してるんじゃないかな?』
「仕事が早いことで…」と陸也は溜息を吐きながら、次の指示を待つ。
レクスは引き続き、陸也達にシュトローク達の追跡、撃破及び捕縛を言い渡す。
しかし、非常事態であるため、最悪殺害は許容された。
追放世界の住人は死の概念はない。しかし、死の概念を持たせる道具は独自開発されており、非常事態のみ使用が許可されていた。
『それじゃあ、頼んだよ。惑星突入前に彼の分の機体を用意しておいてくれるとありがたいが…』
「なら、彼専用のザクリベンジャーを作りましょう」
『いいのかい?本来は君の予備機でしょ?』
「ヒュッケバインやゲシュペンストもありますし、俺の予備機がアレになっても問題はないでしょう」
『そっか…いつも苦労をかけさせるね』
「(そう感じるなら、仕事押し付けたクソのような局長をクビにしてくれ…)」
*
数分後、陸也は通信を切りメンバー全員と合流し、新しく入った仲間を迎える。
「よろしく頼むぞ。ガルマ中佐」
「こちらこそ…噂は聞き及んでいます。課長」
「陸也でいい」
「ですが、皆は貴方を課長と呼んでいますが…」
陸也は「気にするな」と言って作戦を伝える。
「皆の働きによってシュトローク達の本拠地がわかった。惑星ゲルセト、テラフォーミングが進められた星で、現在はフェイタリティの本拠地として支配されている。奴隷制度こそないが、圧政しているのは変わりない。所詮は政治に向いていない黒幕二人が支配してるんだ。ああなる」
「となると……レジスタンスやゲリラが活動している可能性が高いね」
「そこで俺達は反抗勢力を手助けしながら奴らを追い詰める。勿論抵抗はされるかもしれないが」
「勝算はあるのか?」
「ある。レジスタンスやゲリラがいるなら、その活動を手助けすればいい。自然に分担して敵地を荒らしてくれるんだからな」
陸也はゲルセトの地図を表示し、降下地点を設定する。
「恐らくデッドセイバーズもいるはずだ。表舞台で活動しているディバイン・ドゥアーズやドライクロイツがこいつらに狙われたが、難なく撃破している情報を得た。そして俺達が本拠地に向かってると聞けば、嫌って程に本拠地に部隊を集めるだろう。そこを逆手に取る。まずはフェーズ1としてその情報に釣られてきたフェイタリティ・デッドセイバーズの部隊を可能な限り倒す。降下はその後だ」
「皆殺しにする必要は無いのでは?」
「それはごもっともだ。だが相手は死を振りまく部隊と死の曲剣と呼ばれた部隊だ。碌な奴らではない。情けをかければやられるぞ」
ガルマは「それもそうだが…」というが、陸也は「安心しろ、俺とて無駄な殺生はしたくない」と苦笑いしながら説明を続ける。
「フェーズ1が終われば、降下を開始。フェーズ2に移行する。フェーズ2はレジスタンスと協力しながら地上にいるフェイタリティやデッドセイバーズを撃破しながら本拠点を目指す。恐らくここが一番長いフェーズとなるだろう。フェーズ3は俺達だけで本拠点を攻撃し、ヴァデッドとシュトロークを捕らえる。万が一の場合は殺害しても構わないそうだ」
「あっちだと、同盟国が敵国の謀略にかかって味方が幾人か持ってかれたって聞くしね…」
「けど…この戦いで一番の障壁となる人物って…」
「ああ……デッドセイバーズの親玉「アグリス」という鬼人族の将校だ。あいつの目的は俺の首だろう。その為、彼女の相手は俺がする。黒幕二人の追跡と捕らえる方は任せたぞ」
「作戦開始の時間は?」
「3日後だ。かれこれ連戦で疲れただろ?少しは休め。俺はガルマの為の機体を作る」
作戦・役割を伝え、ブリーフィングは終了する。
その後、陸也は格納庫に向かい、予備機のザクリベンジャーをガルマ専用にチューンアップさせる作業に入ったものの、途中でガルマを呼び、機体性能を確かめていたのであった。