「成程、それが例の…」
「ああ。士の物なのか、それとも量産されたベルトなのかわからない。このまま知らない状態で持つのも嫌だし、これは一先ず、本物のディケイドに返すべきだと俺は思う」
「そうですね。返すべきものは早く返した方がいいです」
アクトマン達と早めに合流した陸也は手に入れたドライバーを見せて会議をしていた。
データ採取エリアまでは残り1㎞に差し掛かったところ、再び黒色の仮面ライダーの軍団を撃破している。
「それにしても、ここはモブライダーが多い。余裕で倒せるとはいえ、早めに終わらせないとジリ貧まっしぐらだ」
「賛成だ。ボクも先ほどから嫌な気配を感じている。他の課がやられた原因も探さないといけないしね」
陸也達3人はできるだけ敵と遭遇しない範囲で接近し、採取エリアを目指す。
その時だった。
「何だ?」
どこからか戦闘音が聞こえた。そして陸也にとって聞いたことがある機械音もしたのだ。
『ATTACKRIDE SLASH!』
凄まじい斬撃が直撃し、爆散する。
目の前には仮面ライダー同士の戦いが起きていた。
そこには『世界の破壊者』仮面ライダーディケイドが邪悪な色に輝く謎の仮面ライダーと交戦しており、ディケイドが押されていた。
「クッ…!」
「どうした?世界の破壊者?この程度で折れてもらっては困るぞ」
「(あいつは…)」
陸也はディケイドと交戦している仮面ライダーに描かれた紋章を見る。
竜と獅子が互いに睨み合う紋章。それを見た陸也は確信した。
「成程、他国からの妨害は本当だったな。相手は覇王国…無理もないな」
自然とベルトに手を伸ばす。ライドブッカーからカードを取り出しセットした。
「変身!」
『KAMENRIDE DECADE!』
陸也は白いディケイドに変身し、本物のディケイドを助けるべく戦線へ突入した。
途中でモブライダー軍団が白いディケイドの前に立ちふさがる。しかしそのとたんに炎の魔法が降り注ぐ。
「【
「雑魚はボク達に任せてもらおう」
途中で邪魔に入った白いディケイドを見た両者は驚いた。
「白い…ディケイド!?」
「ぬぅ…別動隊からの通信が途絶していたが、貴様か!」
「そうだが?それと、こいつを始末したらこのベルトは士に返すつもりだ。そして…お前は何者だ?」
「オレか?オレは覇王国の異界管理部、第2課の課長…仮面ライダーアンドラスの事…「アージャン=クロウ」とはオレの事よ!」
「(素直に言ってくれるんだ…)」
白いディケイドはライドブッカーをソードモードに変形させ、構える。
「その傲慢な態度…お前の種族は魔族か」
「ほう、知ってるのか?」
白いディケイドはアンドラスに突っ込み、剣戟を交えながら話す。
「知ってるも何も。お前の手によって倒された課の仇だ!」
「レクス公国の使者か!面白い!」
格闘で攻撃を受け流し、アンドラスが構える不気味な銃火器を避け、ライドブッカーから別のカードを取り出す。
「高速戦闘はどうだ?」
『ATTACKRIDE CLOCK UP!』
白いディケイドが高速で動き、アンドラスを翻弄し、斬りかかる。
「ぐおっ!?こいつ…!」
「何だか知らないが、助かったな…!」
一方で白いディケイドの横槍があったおかげか、本物のディケイドが立ち上がり、加勢する。
最初はバラバラの攻撃だったが、次第に連携攻撃になっていき、様々なATTACKRIDEで徐々にアンドラスを追い詰めていく。
「排除するなら、こいつが一番だろ?」
白いディケイドと本物のディケイドが同じカードを取り出し、ドライバーに差し込む。
『『FINALATTACKRIDE DECADE!』』
「ぞ、増援は何をしている!」
アンドラスは後ろを見る。そこには魔法や武装改造が施された車椅子でモブライダー軍団を蹂躙するアクトマン達の姿があった。
「残念ながら助けは来ない。諦めろ」
二人は飛び上がる。アンドラスの目の前に無数の光のカードが並び、その光のカードを通り抜け、強力なキックを叩きこむ。
しかも同じ技を二つもぶつけるため、差し詰め「ダブルディメンションキック」という形で、防御をしようにも、最早耐えきることは不可能。
「ぐわあああああ!」
アンドラスが衝撃に耐えられずに爆散する。
親玉が倒されたのを知ったのか、モブライダー軍団の残党が逃げ出すが、アクトマン達の追撃で一人残らず壊滅させられた。
*
それから数分。変身を解除した陸也は本物のディケイド事、門矢士に自分が使っていたディケイドライバーを手渡す。
「勝手に変身して悪かった。これは返す」
陸也に渡された変身ベルトを見て士は陸也にベルトを逆に返して、言う。「俺の物じゃない、これはもうお前の物だ」と。
「それに…いい写真が撮れたからな」
「……これからも旅を続けるのか?」
「俺は一つの世界に留まる器じゃないからな」
士はオーロラカーテンを使用し、去ろうとする。
しかし、その前に。
「精々頑張れよ。白いディケイド…いや、今日からお前は仮面ライダー「ホワイトディケイド」だ。白の破壊者…そう名付けておこう」
そう言って士はカーテンを潜る。
残された陸也率いるチームは異界データを回収し、その世界を後にした。
「白の破壊者…か。悪く無い響きだが…貰ってよかったのか複雑だな」
陸也はディケイドライバーを異次元インベントリに収納し、追放世界へと戻る。
「また書類が増えそうだな」と愚痴を漏らしながら、主に事の顛末を報告したのだった。