つきんちゅハッピーエンドを求めて   作:超かぐや姫!に脳を焼かれた人

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主人公が未だに出ません!



なんか、名前が決まるらしい

「と、言うわけなの」

「これぞ宇宙人って感じ………で、ええんか?」

 

赤ん坊が少女へ進化した経緯を朝一番に来てくれたお兄ちゃんに説明する。

けれど納得してくれるが理解出来ていない様子だ。大丈夫、私も理解できていない。

 

「それにしてもお兄ちゃんが来てくれてよかった」

「なんでや?」

「私、これから学校」

「はぁ? 休めや」

「学生は学業が本分なのですよ」

「俺かて学生や」

 

いつもの制服に着替えてイソイソと家を出る準備をする。

 

「彩葉どっか行くの?」

 

が、しかし。少女が潤んだ瞳でこちらを見上げて来るではないか。

どうにも私はこの表情に弱いらしい。この表情を見るとなにか揺らいでしまう。

 

「今日はお兄ちゃんが一緒にいてくれるから!じゃ、行ってきます!」

 

なので、決意が揺らぐ前に逃走。

後の事を兄に任せて私は学校に向かうのであった。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 

 

Side朝日

 

 

えぇ~……我が妹ながら図々しいな。まさかこっちに丸投げとは。

 

「うぅ~……彩葉ぁ~……」

 

残された宇宙人少女も彩葉がいなくなって不安なのか、今にも泣きそうだ。

 

「えっと、俺は酒寄朝日。彩葉の兄やってるんだ」

「………あさひ?」

「彩葉が帰って来るまでは一緒にいてあげるから」

「うん」

 

にしても困った。年頃の女の子と接するのはどうしたらいいんだ?

 

「ねぇねぇ、朝日」

「ん?」

 

我が愚妹が帰って来るまでなにをしようと考えていると服をクイクイと引っ張られた。

 

「お腹すいた」

「朝飯は?」

「んっ」

 

どうやら宇宙人でもお腹が空くらしい。

で、朝食は食べてないかと確認すれば、テーブルの上に置かれているソレを見て俺は絶句する。

 

そこに置かれていたのは粉と水で焼かれたナニカ。

 

 

彩葉はパンケーキと称しているが、俺は認めん。

 

 

あんな物がパンケーキなわけあるか。

 

 

ちなみにアレを食したか聞いてみると「くそまじぃ」とのことだ。

なるほど、味覚まで人間と一緒と来たか。

 

「うっし、出かけるか」

「え?」

「朝ご飯食べに行こう。んで、色々揃えないといけないだろ?洋服とか、日用品とか?」

「ホント!!」

「とりあえず、出かける用の服は彩葉の借りるか。外で待ってるから着替えておいで」

「わかった!」

 

ん~……こうして見ると年相応の女の子にしか見えない。

とりあえず、俺は外で彼女の着替えが終わるまで待つ。

 

児童相談所の線はとりあえず無しとする。

三日で急成長する宇宙人を連れてって行ってもしょうがないしな。

彩葉の事だからこの子を理不尽に放り出す事はしないと思う。たぶん。

 

後、彩葉は帰って来たら説教だな。母さんに食生活の事をチクったろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うんまぁ~」

「幸せそうでなにより」

 

目の前で幸せそうに食べる彼女を見て顔が緩む。

 

一通りの日用品や服などの買い物を済ませて俺達。で、今は買い物帰りのカフェで休憩中。

 

にしても今日一日でいくら使った?

いや、考えんとこ。

来月の俺、カード請求に絶望するかもしれないが頑張れ。

 

「朝日~これも頼んでもいい?」

「どんだけ食うんだ。夜、食えなくなるぞ」

「大丈夫!私の胃袋はブラックホールですから」

「宇宙人が言うとギャグなのかわからんな」

 

見た目は人間。中身は宇宙人。

………いや、何を言っているか分からんな。

 

「いや~地球のご飯っておいしいね。ついつい食べちゃうよ」

「月だと食事が必要無いんだっけ?」

「うん、今日行ったショッピングモールみたいに物も売って無いし、必要最低限しか無かったんだぁ」

 

それは想像出来ないな。

 

「でもね、楽しかった事もあったんだよ。向こうで友達と一緒に遊んでたし、歌って、踊って、あの子が一緒にいた時はすっごく楽しかった!でも、その子が仕事で地球に行っちゃってからねぇ~。一人で何かやっても退屈だったし、たまにくれる連絡も地球での自慢話ばっかり。ズルい!って思って私もこっちに来ちゃったんだ」

「おい、待てや。今とんでもないこと言ったぞ」

「んぇ?」

 

つまり、この子みたいな月から来た宇宙人が他にもいると?

 

そんな話聞いたことないし、それが本当なら地球は月から侵略を受けてるってことか?

 

うわっ、怖っ………。

 

そうなると、実はあの人がってパターンもあり得そうで、怖い。

 

「ねぇねぇ、朝日。どうして、朝日は喋り方が変なの?」

「変?俺の?」

「彩葉の時は、えーっと…キョウトベン?ってのなってるけど、私とだと周りにいる人と同じように喋ってる」

「あぁ~周りに合わせてるってのはあるな。東京じゃ標準で喋ってる方が普通だし。そんな中で一人京都弁だと目立つ」

「なんで、周りに合わせるの?朝日は朝日でしょ?」

 

心底不思議そうにそう言う彼女の言葉に思わず、考えさせられてしまう。

 

俺は、周りの空気を読むのが上手いと思う。

 

人付き合いはのらりくらりと相手を不快にさせない様に合わせて来た。

それで問題無いし、実際上手くやっている。

 

自分の素を出すのは家族の前ぐらいだろうか?

あの場所は切った張ったの空気も無く気楽に出来る。

 

後、ツクヨミで帝アキラとして活動しているぐらいだろう。

 

俺様系キャラで売りを出しているが、なんかアレも自分の中ではしっくり来る。

演じている部分はあるが、それでも楽しい。

 

あぁ、これは社長にも言われたことがあったな。

当然、ここで言う社長とは月島圭一郎さんの事だ。

 

帝アキラはムーンライトに所属するプロゲーマーである。

 

βテスターの件からなんだかんだで長い付き合いをしており、実績を重ねていざプロゲーマーになろうって時に「じゃ、ウチに所属するか?今度ストリーマー部門作るんだけど」なんて軽く言われて所属が決定。当時はマジかって思っていたが、大変ありがたい申し出であった。

 

で、ライバーとして活動するが一時期フォロワー数取得に伸び悩んでいたこともあった。

視聴者の声に応えた配信をしたり、無茶なチャレンジなんてこともして苦しくも思った。

そのことを社長に相談すると「相手に合わせるのもいいが、主役はお前だろ?なら、好き勝手やっちまえ」って言ってくれて、今の帝アキラがある。

 

あの時はカッコいいなって思ったけど、その後に「炎上だけは勘弁な」って言って台無しだったけど。

 

現実で自分を押し殺して、仮想世界で発散する。

プラスマイナスゼロなやり方だけど、これで何か不都合があるわけではない。

 

「……でも、キミの言う通りかもな」

「え?」

 

社長も良く言ってた。(らく)したいと考えるなって、自分が(たの)しいって思えることを考えろって。

 

「なんでもあらへん。すぐに素を晒すのはちょっと難しいかもやけど…頑張ってみるわ」

「うんっ!やっぱそっちの方がいいよ!」

「あんがとさん」

 

すぐに直すことは出来ないけど、それでも少しづつ自分を出していこう。

 

「あっ、彩葉!」

「え?」

 

突然、彩葉の名前が出て来てビックリした。んで、宇宙人少女が急に立ち上がり、トテトテと歩いて行ってしまう。

見れば、確かに彩葉の姿が見えた。どうやら、友達と一緒に来ていたらしい。

 

あ、彩葉のパンケーキを奪い食しやがった。

彩葉も突然の出来事に画風が変わるような驚き顔しとる。ウケる。

 

「お名前なんて言うの?」

 

彩葉の友達の一人がそう尋ねた。

そう言えばあの子の名前聞いて無かったな。いや、名前自体無かったのか?

 

「か、かぐや!この子の名前はかぐやって言うの!」

「かぐや……かぐやかぁ~うへへへっ」

 

 

かぐや。

 

 

咄嗟に出た名付けがこれでいいのかと思うが、なるほど納得。

月から来たお姫様のような少女、これはまごうなきかぐや姫だ。

本人もかぐやと名付けられた事を嬉しそうにしており、満更ではない様だ。

 

「ごめん!私達帰るね!埋め合わせはまた今度!!」

 

あら、彩葉のヤツ。慌てて帰りやがった。

しゃーない、俺も帰るか。かぐやちゃんの荷物もあるし。

 

っと、その前に。

 

「君等、彩葉の友達?」

「え?」

「ハッ!イケメン!?」

 

残された彩葉の友達に挨拶ぐらいはしなきゃな。

 

「いつもありがとな。彩葉も悪気あって帰ったんやないねん。後で謝らすさかい、怒らんといてな。ほな」

 

 

とりあえず、自分を押し出すのはここから始めるか。

 

 




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