酒寄研究所の禁止リスト   作:白鷹泉

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こちらは本日2話目となっております。
必ず前話「第91項~第100項」を読んでから目を通す事を推奨いたします。































後悔しませんね?



真・第100項

 

 

 

 

 

100.BEシナリオへの対応は、全てにおいて優先されます。各シナリオ対策チームに停滞は許されません。

 

 ⅰ.例え、この禁止リスト項目の大半に違反する事になったとしてもです。BEシナリオの対策・対応に限り、貴方達は禁止項目の対象外となります。

 ⅱ.BEシナリオの一覧及び詳細についてはこちらを参照。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

シナリオ№01

【メビウスの輪はいとも脆く】

 

担当

シナリオ対策チーム“惑星ループ”

 

発生回数

0回

 

発生確率

0%

 

総合危険度

極低

 

概要

変数によって発生しうる輪廻の崩壊、及びそれに付随する3名の喪失。

 

対策

ⅰ.月に対し、かぐやに関する情報を送信するあらゆる試みは禁止される。

ⅱ.「月の腕輪」送信機能の意図的な遮断。 送信先の不信感を招きかねない為却下。代替案として、機密度B以上のプロジェクト進行時「月の腕輪」から10m以上離れる事を義務付ける。

 

補遺

ⅰ.「サカヨリ式時空間仮説」の提唱及び立証により、当シナリオの発生確率は限り無く0%であると判明。上記対策は棄却し、以後は緩やかな監視に留める。

ⅱ.[インシデント:第3次接近遭遇]以降、特定の月人を外部協力者として認める。該当者との連絡に限り、月とのデータ送受信を許可。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

シナリオ№02

【獅子身中の虫】

 

担当

シナリオ対策チーム“フィクサー”

 

発生回数

1回

 

発生確率

11.5%0%

 

総合危険度

 

概要

所員による酒寄研究所への背信行為。

 

対策

ⅰ.FUSHIの協力の下、毎月のメンタルチェック及び記憶走査を義務付ける。

ⅱ.ⅰにおいて対象にCクラス以上の危険思想が見受けられた場合、直ちに対象の記憶を消去。また、対象へ影響を与えた要因を究明・対処する。

 

補遺

ⅰ.対策チーム総括“幸福安心委員会”の提案により、研究員Fが開発したマインドコントロール装置を全世界を対象に使用。結果、現時点での発生確率は0%に減少。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

シナリオ№03

【値千金の筍掘り】

 

担当

シナリオ対策チーム“マギサ”

 

発生回数

1回

 

発生確率

5%0%

 

総合危険度

 

概要

侵入者による「もと光る竹」の強奪及び損壊。

 

対策

ⅰ.「もと光る竹」は研究所本館地下6階の特別サーバールーム内に安置し、原則として移動を認めない。

ⅱ.地下2階に認証ゲートを設置し、酒寄彩葉の指紋/声紋認証によってのみ開放する。

ⅲ.地下3階の開放権をFUSHIに一任する。

ⅳ.地下4階の開放権を月見ヤチヨに一任する。

ⅴ.地下5階には、常にシナリオ対策チームの人員を3名以上配置・巡回させる。

 

補遺

ⅰ.対策チーム総括“幸福安心委員会”の提案により、研究員Fが開発したマインドコントロール装置を全世界を対象に使用。結果、現時点での発生確率は0%に減少。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

シナリオ№04

【斯くして悪は裁かれる】

 

担当

シナリオ対策チーム“メズマライザー”

 

発生回数

0回

 

発生確率

5%0%

 

総合危険度

 

概要

酒寄研究所に対する悪説の流布及び社会的制裁。

 

対策

ⅰ.広報担当と協力し、カバーストーリー「VR・AR技術の発展と現実への還元」の流布を徹底する。

ⅱ.全世界に認識改変を行う為のより効率的なアイデアを模索する。

 

補遺

ⅰ.対策チーム総括“幸福安心委員会”の提案により、研究員Fが開発したマインドコントロール装置を全世界を対象に使用。結果、現時点での発生確率は0%に減少。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

シナリオ№05

【誰でも良かった】

 

担当

シナリオ対策チーム“哨戒班”

 

発生回数

0回

 

発生確率

0.5%

 

総合危険度

 

概要

酒寄研究所関係者に対する、無差別的な犯行による傷害。

 

対策

ⅰ.酒寄研究所関係者の外出時、対策チーム所属の私服ボディガードを10名以上、半径10m以内に常に配置する。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

シナリオ№06

【ラストダンスをもう一度】

 

担当

シナリオ対策チーム“アンハッピーリフレイン”

 

発生回数

0回

 

発生確率

20%0%

 

総合危険度

 

概要

「8000年後のかぐや」を標的とした月からの第2次侵攻。

 

対策

ⅰ.月に存在が露呈しないよう、かぐやのセキュリティクリアランスをCに固定する。

ⅱ.侵攻に備え、あらゆる電子的干渉を阻害するカウンタープログラムを構築・改良する。

 

補遺

ⅰ.[インシデント:第3次接近遭遇]により、研究員Mより月側の公式見解が得られる。以降、上記の対策は棄却する。

ⅱ.対策ⅱにて構築されたプログラムは、シナリオ対策チーム“マギサ”に譲渡する。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

シナリオ№07

【時よ止まれ、お前は美しい】

 

担当

シナリオ対策チーム“スロウダウナー”

 

発生回数

0回

 

発生確率

87%

 

総合危険度

 

概要

地球人類と月人類の寿命差によって生じ得る別離。

 

対策

ⅰ.かぐやを地球人類に限りなく近づける為、以下の秘匿プロジェクトを完遂する。

 -(ⅰ)完全な人体の生成

 -(ⅱ)月人の魂の物質化

 -(ⅲ)かぐやと「もと光る竹」の完全な分断

ⅱ.酒寄彩葉を月人類に限りなく近づける為、以下の秘匿プロジェクトを完遂する。

 -(ⅰ)地球人の魂の物質化

 -(ⅱ)地球人の意識の完全な電脳移行

 -(ⅲ)ツクヨミ一部サーバーの独立永久稼働

ⅲ.秘匿プロジェクト「ヒトの魂の複製」は、両者の意向により凍結する。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

シナリオ№08

【いずれ来たる恐怖の大王】

 

担当

シナリオ対策チーム“snooze”

 

発生回数

1回(予定)

 

発生確率

100%

 

総合危険度

 

概要

超大型隕石の地球への衝突。

 

対策

ⅰ.対象の早期発見の為、各国天文台の観測情報を1週間に1度以上分析する。

ⅱ.「もと光る竹」内の映像データから対象の質量を算出し、無害化する為に必要な質量兵器を算出・開発する。

 

補遺

ⅰ.[インシデント:第3次接近遭遇]において、研究員Mの証言により『「もと光る竹」との2度にわたる衝突により対象は消滅する』と判明。以降、上記の対策は棄却する。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「──要は、かぐやちゃんが言うところの“超バッドエンド”への対策さ」

 

 

 カツン、カツンと。

 階段を下りながら、彼はあなたにそう言った。

 

 

「私達は研究者、その成果を以て世の人々を先に進めるのが仕事だ」

「だがそれ以前に、酒寄所長の賛同者でもある」

 

 等間隔の照明が、幽かに照らす闇の中。あなたと彼は手摺りを頼りに、ゆっくりと下へ下へと向かっていく。

 

「酒寄所長は天才だ。たった10年で、月の技術を一部とはいえ手中に収めてみせた。あの8000年に追いつき、そして追い越した。それは言葉で讃え切れないほどの偉業だし、それを否定する者は誰もいないだろう」

「そして、ヤチヨさんを──かぐやちゃんを、再び地上に降ろした。当時の彼女の喜び様は、それはもう凄かったよ。当時見ていた所員達も、私含めほとんどが泣いていた」

 

 地下5階の入り口を、彼は無視して下へと進む。

 ……おそらく行先は地下6階、あの「もと光る竹」のあるフロアなのだろう。

 

「……だが、彼女は其処で満足していない。あの体は義体(アバターボディ)、あくまで本当の生身の肉体を用意できるまでの繋ぎだ……そう酒寄所長は考えてる。今の時点ではな」

「元々はアバターボディがゴール地点だった。でも10年あれば人は変わる、直截的に言えば欲が出る」

「……あの人は、かぐやちゃんを『本当の意味で人間に』しなければ、気が済まなくなってしまった」

 

 踊り場に降り立つと、彼は一瞬だけあなたを見た。澄み切った瞳に、あなたの姿が映り込む。

 

「勿論、私達もそれに付いていく。お前も、此処にいるって事はそうだろう?」

 

 問いへの答えは、当然イエスだ。

 無言で頷いたあなたに満足したのか、彼は再び歩き始める。

 

「あの人は天才だが、確かに弱点もある」

「手が足りない」

「時間が足りない」

「人が1人である以上、どうしても覆せないもの。だが、そこは研究者として私達が補う事が出来る。あの人の目標は、私達が必ず達成させてみせる」

 

 これは決定事項だと、そう笑って。

 

「決まった事でいちいち立ち止まるよりも、その先を見据えた方が余程有意義だ」

「だから問題は最初に戻る。即ち、『彼女達の行く末に降りかかる不幸を、どう振り払うか』」

 

 下りて、下りて、下りて。

 そうして地下6階の入り口を前に──彼は目もくれず通り過ぎる。

 

「自己進化型のAIを使って、あらゆる『バッドエンド』の可能性を洗い出そうとした」

「ああ、第71項で禁止したやつだ。禁止されたって事は、つまりは失敗したんだと思うだろう?」

「逆だ、成功し過ぎたんだ」

 

 あなたは驚愕した。

 既に下り終えたとばかり思っていた階段が、()()()()()()()

「もと光る竹」を擁する地下6階より更に下。それが意味するのは、つまり──

 

「あのAIが出した予測を基に、私達が対策する。思いつく限りの最悪は、全て未然に防げたか展望が見えた、筈だった」

「だが、その後も奴は動き続けていた。既に無い筈の不幸を探して、演算に演算を重ねて……」

 

 

 

 ──この先には、研究所最大の機密を差し置いてでも、秘匿しなければならない何かがある。

 

 

 

「……あの日、奴はとうとうパンドラの箱を開けちまった」

「まぁ、すぐに蓋を閉ざせたのだけは、不幸中の幸いだったが」

 

 辿り着いた地の底は、地下7階。

 フロアへ続く広い入り口は無く……代わりに扉が1つだけ。四方をコンクリートに囲まれた狭い空間で、それは異様な存在感を放っていた。

 

「この先にいるのは、いわば最後に残った希望みたいなものだ」

 

 コンコンコン、とノックを3回。リスト編纂担当者は、なんら躊躇いなく扉を叩き。

 

 どうぞ、と。

 この場に居ない筈の人の声がした。

 

「……え、」

「さて、紹介しよう」

 

 疑問符で頭が埋まりつつあるあなたをおいて、彼は扉を開く。

 そのさきにいた、ひとは。

 

「やあ、初めまして研究員U。私と会った記憶は後で消す事になるけど、それまではよろしくね」

「彼女は研究員T。私達の同志であり──()()()()()()()()

 

 

 

──()()()()()姿()()()()()()

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シナリオ№09

【深淵もまた我等を覗く】

 

担当

研究員T

 

発生回数

1回

 

発生確率

ERROR

 

総合危険度

想定不可

 

概要

並行世界からの侵略/殲滅行動。

 

対策

 

補遺

ⅰ.即時再発生阻止の為、分岐次元観測装置(仮称)は破壊されました。また、同装置の偶発的成立に直接・間接問わず関与したプロジェクト及びプロトコルは、全て永久凍結されます。

ⅱ.前回発生時に事態が解決できたのは、まさしく奇跡に奇跡が重なったに等しい結果でした。二度はない事を念頭において下さい。詳細は[インシデント記録:ANOTHER END;CONTINUE]を参照。該当の記録は削除されました。

ⅲ.前回の発生に関わった人物の記憶・記録は全て、FUSHIによって封印されます。FUSHIもまた、当案件に纏わる自身のデータを封印する事が義務付けられています。この封印は、特定のキーワードを連想した場合にのみ解除されます。

ⅳ.我々の預かり知らぬ理由でシナリオが再発生した場合に備え、[インシデント記録:ANOTHER END;CONTINUE]の原本は地下7階に暗号化した上で保管されます。当階層に入場する際は、酒寄彩葉、かぐや、月見ヤチヨの3名に加え、研究員Tの同意が必要です。

 

本シナリオに対策チームは存在しません、存在してはいけません。

 

対応は無意義です。抵抗は無意味です。挑戦は無価値です。

 

本シナリオは認識する事そのものが、破滅へのトリガーとなります。

 

本シナリオを想定する事そのものが、パンドラの箱を開けるに等しい所業です。

 

本シナリオについて言及している当項目についても同様です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──本当に理解出来てるのか。

 

私は()()に言ってるんだよ。

 

視るな(視られるな)識るな(識られるな)閉じ籠めろ(閉じ籠れ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





初手で禁止リストパロに手を出して変な癖がついたせいで、普通の小説調の文章を書くのに四苦八苦したバカがいるらしい。
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