四楓院夜一と俺の話   作:四角いトマト

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AI利用しての執筆になります。
何卒ご容赦ください。
皆様のイメージと著しく乖離することがあります。
ごめんなさい。


第3話 卵焼き

「……おーい、生きておるか、カズキ」

 

翌朝、猫の姿に戻った夜一が、ベッドで抜け殻のようになっているカズキの頬を肉球で叩いた。

 

シャツはいつの間にか外れ、足元に転がっている。

 

「……夜一さん……腰が、抜けました……」

 

「ギャハハ! 初心(うぶ)な反応をしてくれるから、ついやりすぎてしまったわ。礼を言うぞ、良い夜じゃった」

 

夜一は窓枠に飛び乗ると、朝日を浴びて振り返った。

 

「さて、今日は何を作る? おぬしの卵焼き、昨日は食べ損ねたからのう」

 

カズキはフラフラと立ち上がり、苦笑いしながらキッチンへ向かった。

 

嵐のような美しき居候との日々は、どうやらまだまだ、身体がいくつあっても足りそうにない。

 

 

カズキがキッチンで卵焼きを焼き始めると、背後から「スッ」と気配が消え、次の瞬間には人間の姿に戻った夜一が、カズキの背中にぴったりと張り付いていた。

 

「……夜一さん、一応言っておきますけど、今の俺は絶賛筋肉痛ですからね?」

 

「案ずるな。わしの瞬歩で運んでやってもよいのだぞ? どこへ行くにも、わしの腕の中というわけじゃ」

 

「それを介護って言うんですよ!」

 

夜一はカズキの首筋に顔を埋め、クスクスと喉を鳴らす。

 

昨夜の激しさが嘘のような、穏やかで、けれどどこか独占欲の滲む距離感。

 

 

 

 

「カズキよ、おぬしの動きには無駄が多い。卵を引っくり返すその一瞬、隙だらけじゃ」

 

「料理に隙とか言われても……」

 

「いいか、こうじゃ」

 

夜一がカズキの手の上に自分の手を重ねる。驚くほど滑らかな肌だが、その指先は戦い抜いてきた強者の硬さを秘めている。

 

「手首の返しに『霊圧』を込める。……ほれ!」

 

シュパッ!

 

「あッ! 卵焼きが天井に!!」

 

「……。加減を間違えたわい。まあ、天井の埃も取れて一石二鳥ではないか?」

 

「食べるものがなくなったでしょうが!!」

 

結局、二人は天井から回収した(カズキが必死に止めた)少し形崩れした卵焼きを分け合うことになった。夜一は行儀悪く膝を立てて座り、箸を動かしながら満足げに目を細める。

 

「ふむ……。やはり、おぬしの作るものは落ち着く。ソウル・ソサエティの高級料亭より、わしにはこれが合うようじゃ」

 

「……そう言ってもらえると、作った甲斐がありますけど。でも、いつまでここにいるつもりなんです? 浦原さんのところに戻らなくていいんですか?」

 

カズキの問いに、夜一の手が止まる。彼女は窓の外、広がる青空をじっと見つめた。

 

「喜助のところには、いつでも戻れる。だが……。たまには、ただの『女』として、何者でもない男の側にいるのも悪くない」

 

夜一はカズキの目を見据え、その頬を親指でなぞった。

 

「カズキ。おぬし、わしを離さぬ自信はあるか?」

 

「離さないっていうか……。あんたが勝手に居座ってるんでしょ。……まあ、嫌じゃないですけど」

 

カズキが照れ隠しに皿を洗おうとすると、夜一がその腕を掴んで引き寄せ、耳元で残酷なまでに甘い声を出す。

 

「ほう。嫌ではない、か。ならば、もっと『嫌ではない』ことを教えてやろう」

 

夜一の手が、カズキのシャツの裾から忍び込む。

 

昨夜あんなに翻弄されたというのに、彼女の指先が触れるだけで、カズキの心拍数は跳ね上がる。

 

「よ、夜一さん、昼間ですよ……っ」

 

「昼が何じゃ。わしは猫。猫は時を選ばぬ。……それとも、昨日のシャツがなくては、わしを満足させられぬか?」

 

夜一は挑発するように唇を噛む。その瞬間、アパートのチャイムが鳴り響いた。

 

「チッ、野暮な奴じゃ……」

 

夜一が不機嫌そうにドアを睨む。

 

カズキが慌ててドアを開けると、そこにはまたしても浦原喜助が、今度は大量の高級酒を抱えて立っていた。

 

「いやぁ、昨夜のデータがあまりに面白かったので、お祝い(?)に持参しました!」

 

「……喜助。おぬし、死にたいようじゃな」

 

夜一の霊圧がピリリと部屋を震わせる。褐色肌の瞬神は、獲物を仕留める直前の野獣のような笑みを浮かべ、黒い稲妻を指先に宿した。

 

「わしの『時間』を邪魔した代償、高くつくぞ?」

 

「おーっと! 退散、退散!」

 

「待て!喜助!!」

 

逃げ出す浦原と、それを追って窓から飛び出す夜一。

 

静かになった六畳一間で、カズキは深い溜息をついた。

 

「……結局、俺の生活、メチャクチャだな」

けれど、テーブルの上には二人分の空の皿。

 

カズキは、少しだけ重くなった幸せを感じながら、夜にまた戻ってくるであろう「気まぐれな黒猫」のために、今度はもう少し上等なツマミを用意しようと決めたのだった。




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