ある日、午前の作業を終えて午後は自由時間になったラヴァベルがヨシキ、ヨウタ、ツエジという少年達3人とリフティングしながらパスを回す遊びをしていた。
全員それなりに出来るようでボールを落とす頻度がパスをする時に4回に1回ぐらいの割合で起きる程度だった。だからなのか、自然と雑談しながら会話の発言権も一緒にパスを回していくようになっていた。そんな最中、子供の1人がある話をしだした。
「そういえばラヴァベル姉ちゃん。人形塚って知ってる?」
ヨシキからラヴァベルにパスが回る。彼はこのような面白そうな話があったら共有したくてたまらない性格である事を彼女は知っていた。
「人形塚?何それ?」
ラヴァベルは2回リフティングしてから今度はツエジにパスを回す。
「確か、人形の魂がそこに眠っているって噂だよ、な」
ツエジが5回リフティングしてからヨウタにパスを回す。その時の勢いが付きすぎて体勢を崩しかけるが何とか持ち直す。ツエジはどちらかというと慎重派であまりこういった噂話はしない事が多い印象がラヴァベルにはあった。
「おっとと……そうだよ。俺もヨシキから聞いた。でも人形塚がどうしたんだ?」
ヨウタは崩れたバランスを整える為にリフティングしてからヨシキにふんわりとパスを回す。彼は噂話は話すネタになったらいいやぐらいのスタンスであるのを、ラヴァベルは知っている。
「よっと、それがさ。俺見ちゃったんだよ」
ヨシキが勢いつけて高く打ち上げたのをラヴァベルがトラップして受け止める。
「見ちゃったって、何を?」
ラヴァベルは他のみんなと距離が離れたのでそれなりの弾速でヨシキにボールを戻した。
「おっとと、こっちをジッと覗いてくる人形が居たんだ、よってあっ⁉︎」
ヨシキはツエジにパスしようとしたがあらぬ方向へ飛ばしてしまった。ツエジは走って追いかけていった。それを見て他の2人は一旦遊びをやめてヨシキの話の詳細を聞く事にした。ヨウタがまず質問する。
「つかなんであんな所通ったんだよ」
「母ちゃんのお使いで近道だったんだよ」
追いついたツエジもボールを抱えて話に加わる。
「人形塚ってどの辺りにあるの?」
ラヴァベルは人形塚のある場所を知らないが、この街の地理には多少は明るいので聞いてみたら分かるかもしれなかった。それに対してヨウタが答える。
「隣町との間にある橋にあるだろ?そこのこっち側の脇にあるんだよ。そういうの」
「あーあの川沿いだけ森みたいになってる所?」
「そこ。だけど車も人も通らないんだよ。もっと大きな道があるからみんなそっちに行くんだよな」
ラヴァベルはそれで思い出した。隣町に行く時に大抵は大きな国道沿いの橋を渡っているが、昔に作られて今も残っている小さな橋がある道があった。
そこの周辺は川沿いのみ森になっている事、主要な施設が周辺に存在しない事から使う人は今やあまり居ないらしい事を。過去に数回程徒歩で抜けるのに使った事があった為思い出せた。だがそんな噂が立つような場所があったように思えなかった。
「でも塚っぽい場所ってあった?」
ラヴァベルのこの質問にはツエジが答える。
「ちょっと高くなっている場所があってそこが人形塚らしいよ」
「んー?どこかにあったっけ」
今度こそ心当たりが無いようで頭を片手で抱えて思い出そうにも思い出せないでいる。それを脇目にヨウタは話を進める事にした。
「それよりもヨシキは何を見たんだよ」
「俺、その高くなった所から誰かが見てるって思って見ちゃったんだ。目をガッと開きっぱなしにしてジーッと俺を見続ける人形を!」
「人形が動くくらいはいつもの事じゃないか」
ヨウタとツエジは視線をラヴァベルに向ける。彼女も人形、正確に言えば生きた人形“シュガードール”である。この街では彼女のような存在はありふれた者であり、そこに不可解な点は無いように思えた。だがラヴァベルには一つ気になった点があった。
「ヨシキ君、その人形って誰かと一緒じゃなかった?」
「いや、その人形だけだったけど……あ、あとなんかめっちゃ目が光ってた!」
ヨシキの回答でさらに違和感を強めたラヴァベル。その人形の正体こそ知らないが、少なくとも彼女と同じ存在とは到底思えなくなっていた。
コネルコやラヴァベル達のようなオーナーの側に居ないシュガードールは非常に稀であり、その稀なケースでもおつかいで出掛けているケースが殆どで、コネルコ達のように人形だけで施設を運営管理しているというのもこの図書館以外には存在しない。それだけ特殊な事例である事である。
また目が光るドールこそ居ても、それが強調されている程の物はラヴァベルは聞いた事が無かった。
「うーんちょっと気になるなぁ。ちょっと見てみたくなってきた……けど今から行くと帰る時に夜遅くなっちゃうかも」
実際人形塚がある場所はやや遠い上に街灯の光が弱く、夜間にその道を通るのは少々憚られる所である。そんな所に少年達を午後から連れて行くのは危険であるとラヴァベルは思えた。
それに彼らにも当然家族が居る。家族に心配かけさせたく無いのも理由の一つだった。故に一つ提案をする事にした。
「今度の休館日に調べに行ってくるから、後から来る?」
ラヴァベルの提案に3人は首を縦に振った。
ラヴァベルは図書館の閉館時間過ぎにコネルコと合流して帰路につきながら昼にあった事を話していた。
「――という事があって、今度の休館日に人形塚に行って調べてきます」
「なら私も一緒に行っていいかしら?ちょうどその噂に関連してるかもしれない物の調査をしたかったの」
「いいですよ。でもあの場所に何かあるんですか?」
意外にもコネルコも行く気になっている事に少し驚いたラヴァベル。それと同時になにやら調べたい事があるようなのだが彼女にはあの場所に何かがあるようには思えなかった。
「実はその人形塚って言われている場所の近くにはかつて“人形作りの村”という場所があったみたいなの。少なくとも明治時代まではあったらしいけど、水害で廃村になってしまった……という言い伝えがあるわ」
「凄い詳しいですね」
「史料の整理と電子化をしている時に気になっちゃってね」
コネルコ達の図書館は地元の歴史博物館と共同で史料整理や電子化によるアーカイブ化を行なっている。あまり知られてはいないが重要な仕事である。
そんな中でも今、噂になっている事とかつて存在したとされる村、両方ともに関わる“人形”というワード。コネルコには少し気になる所があったようだ。
「誰かのイタズラかもしれないけど、もしそうだとしたら人形作りの村の話しが広がって出来た……かもしれないわね。ちょっと複雑な気持ちになっちゃう」
「噂はコネルコさんのせいじゃないですよ」
「それでもちょっとね……?」
もし噂の大元が人形作りの村だとしたらコネルコにとって少々複雑な話しになるかもしれない。何せ自分が纏めた物が曲がり曲がって妙な噂になったとすれば、史料の内容が広まると同時に、尾鰭が付いてしまっている状況であると推察出来るからだ。その様子を実際の現場を自分で見てどうなるか気になって仕方がないようだった。
ラヴァベルは別に気にしなくてもいいのに、とは思っているが口には出さない。実のところ彼女1人だけでは少々心細かったのは事実であるので着いてきてもらう方が彼女にとって都合が良かった。
「それに、その噂と見つかった伝承がまるっきり逆なの」
「逆……ですか?」
「そうなの、最近見つかった史料だと人形作りの村では埋めたり雑に捨てるとう怨みを買って捨てた人形に復讐される。だから丁寧に送り出すためにお焚き上げをする文化があったようなの。それも引っ掛かっちゃって」
「確かに、丸っきり逆となれば気になりますね……」
コネルコの話しでラヴァベルも非常に気になって来た。これだけ正反対だともしかしたら、歴史博物館の人が見つけた史料とは、全く別の史料があったのかもしれない。もしくはよく知らない誰かが本当にイタズラ目的で広めようとしたのかもしれないとラヴァベルは考える。
「そういえば他には誰が行くの?」
「今のところ私とコネルコさんと学校が終わった後からヨウタ君達が行きます」
「そうなると、しばらくは私達2人だけという事ね」
「そうなりますね」
「分かったわ……ちょっと楽しみね」
ラヴァベルはコネルコの反応を意外そうしていた。自分のせいで噂が出来てしまった事に自責の念があると思っていたが、実際はもっと別の思惑があるように思えた。それが何なのかは彼女は分からないまま帰路を進んでいく事となった。
休館日の朝、ラヴァベルとコネルコは早速、人形塚があるとされる場所に赴いていた。階段があったのでそれで登るとそこは、石碑らしき物も無くただ土と草のみが広がる何の変哲もない広まっただけの場所だった。そんな中で1箇所、円形の形で草が無く土のみになっている箇所があるのが2人は気になった。
ラヴァベルは他にも何かないか周囲を見渡すが人形のにの字も見えない。コネルコはその間に考え込んでいる。
「……殆ど何もないですね。この土以外は」
「ええ、多分最近誰かが埋めた……かもしれないわね」
獣道なども無く、ただただその場所には草が生えておらず土が露出している場所を見つめるラヴァベルとコネルコ。ただ2人はスコップやシャベルのような土を掘る道具を持ってきていなかった。
「ラヴァベルちゃん。確かこの後ヨウタ君達が来るんだったよね?」
「はい、学校が終わってから一旦家に帰ってから来るって言ってました」
「ならその時にスコップを持ってきて貰えるかしら?」
「分かりましたチャットで送っておきます。……あの子達見てくれるかな?」
ラヴァベルはスマホでチャットを送ってから地面を軽く掘ってみる。掻き出そうと指を入れるが力を入れないと深く入っていかない。
「結構入念に埋めたのでしょうか?上から踏み固められてるような気がします……やっぱりつい最近掘られた物みたいですね。これを見てください」
「これは?」
ラヴァベルがコネルコに見せたのは周りに生えていた物と同じ種類の千切れた草と根っこだった。
「この草、土の中に埋まっていたのもそうなんですが、まだ草の中に水分が残っているみたいです。それにこの根っこも千切れ方が不自然な気がしませんか?」
「…そうね。少なくとも最近掘り起こしたのは確かなようね。でもまだ何かが埋まっているかは……」
「ですね。そこは後からヨウタ君達と合流してからにしましょうか」
コネルコとラヴァベルは一旦掘るのをやめて、周辺の散策に移ることにした。コネルコは2枚の紙を取り出して重ね合わせる。それをラヴァベルは不思議そうに見つめている。
「コネルコさん、何をしているんですか?」
「村があったとされる場所を探しているの。この森を少し行った所にありそうね」
コネルコが指差した方向は森になっており、奥に進めば進むほど深くなりそうな程の規模がありそうだった。ラヴァベルはコネルコが持っている地図を捲る。片方の地図には何かの建物が何軒も建てられているが、もう片方には森しかない。恐らく古い地図と現在の地図なのだろうが、古い方は文献からの再現と記載されている事から当時の物という訳ではないようだ。
「何も無さそうですけど……こっちの地図は本当に合ってるんですか?」
「それを確かめに行くの。文献でしか場所の特定が出来ていないから、実際に調べていかないと……ね?」
「図書館じゃなくて博物館の人たちの仕事だと思います」
実際、この手の仕事は博物館の職員の方が向いている筈である。だがコネルコが史料のアーカイブ化をさせる過程でその存在が気になって仕方なく、今回の人形作りの村の実態調査に来たのだ。
「本当ならそうだけど、この目で見たくなっちゃったの」
「あっコネルコさん待ってください!」
そう言いながら森の中に入ろうとするコネルコ。ただ地面には獣道すら見当たらない為、非常に迷いやすい。そこでラヴァベルはその辺に落ちていた石を拾って木に一筋の線を描いた。その光景をコネルコが少し不思議そうに見ているのを彼女は視線で感じ取った。
「ラヴァベルちゃん?何をやっているの?」
「こうやって木に印を付けておけば戻りやすいので……前にヨウタ君達と森で遊んでいた時に帰れなくなってしまった事があって、その時はなんとか出る事が出来たんですが、その件から森で遊ぶ時は印を付けておこうって思って」
「そんな事が……あぁ、あの時ね!」
コネルコはラヴァベルの帰りが遅かった時の事を思い出していた。その時に何があったのか合点がいった。そんな会話をしながらも森を進んでいくと、ラヴァベルがある事に気付く。
「……?コネルコさん」
「どうしたの?」
「ここからあっちの方を見てください。ここと反対側だけ少し遠くも見えるんです。他は殆ど木で視界が塞がれるのに」
ラヴァベルに言われて見てみると確かにその方向だけ、奥の方まで見えていた。それが何を示しているのか考える。
「……もしかして」
古い方の地図を取り出して指でなぞる。すると、村へつながる道が確かに森の中にあった。人形塚へ繋がる道自体は無いが、他からの方角からの道は伸びているので恐らくここが、その道であるかもしれないという推察に至った。
「多分どちらかに行けば、村には行ける筈なんだけど……」
「どっちに行きます?」
「方角さえ分かれば……うぅん。アプリだとズレ続けて分からないわ」
問題はそこからどっちの方向へ向かえば村に行けるのか。携帯電話で方位を確認しようとするが、何故か右往左往して定まらない為、シュベルコから聞いた別の方法を試す事にした。
「確か、まずは今の時間を見て……次に太陽の位置を見る……だったかしら?」
まずは時刻を確認し、上を見上げる。森の中ではあるが幸いにも太陽の大まかな位置がわかるぐらいには上は開けていた。そこから太陽の方角を割り出した結果、ラヴァベルが最初に指差した方向が村に行ける側であるのが分かった。
「こっちの方へ行きましょう?」
「あっはい!でも本当に合っていますか?」
「自信はあまり無いけど……多分これで合っている筈よ」
そうやって進んでいくと、所々に人形塚と同じように草しか生えていない僅かに開けた場所が現れた。だが人形塚よりも非常に狭く、獣道とも呼べない程荒みきった場所であった。
「ここ……でしょうか?」
「森なせいで正確な場所が分からないけど……多分ここだと思うわ」
想像以上に荒れ果てた推定人形作りの村をみてコネルコとラヴァベルは困惑していた。いくら水害で消えたと言えど少しぐらいは何か面影があっても良いだろうと思っていたが、実際はもはやそこに人が居たという証明なぞ誰にも出来ない状態だった。
「水害があったからこそ、ここまで朽ちてしまったのでしょうか?」
「それもそうだけど……時間の流れもあると思うわ」
「……どれだけの時間が……あれはなんでしょうか?」
他に何か無いか周辺を見てみるとラヴァベルが階段状に積み上げられた何かを見つける。その脇には大きく欠けた像らしき物が蔦に雁字搦めにされており、赤黒い鳥居が所々欠けつつも未だに残されていた。そしてその奥には社が建てられており、何かの神社だった事が伺えた。それを見たラヴァベルとコネルコは蔦を退かしながら何の神社だったのかに思いを張り巡らせる。
「これは一体……」
「人形の魂を祀る為の神社だったのかもね……でも、ならなんであの場所は人形塚って呼ばれるようになったのかしら?」
コネルコはこの神社や村からそれなりに離れた場所にある、あの場所が何故“人形塚”と噂されているのか一層不思議に思えた。ラヴァベルもこのまま境内に行きたい気持ちはあったが当然老朽化があまりに酷く、明らかに危険な為、断念する事にした。ふと携帯をみるとそろそろヨウタ達が人形塚に向かい始める頃だった。
「コネルコさん、そろそろヨウタ君達が人形塚に来る頃です。私達も戻りましょう」
「そうね。ここの調査は博物館の人たちに任せましょう」
コネルコとラヴァベルは人形塚に戻った。その時ラヴァベルが木に付けた傷のお陰でスムーズに戻る事が出来た。人形塚に辿り着くと既にヨウタとツエジとヨシキが居た。
「遅いぞ!ラヴァベル姉ちゃんに館長さん!」
「待ちくたびれちゃったぞー」
「てかどこに行ったんだよ」
森から出てきたラヴァベル達に質問を浴びせる3人。どうやら思っている以上に時間が経っていたらしい。
「待たせちゃったみたいでごめんね。少し野暮用で離れていたの。それで……準備はバッチリのようね」
コネルコの言う通り彼らの手には大きめのスコップが握られていた。どうやらラヴァベルが送ったチャットは見てくれていたようだ。
「だけどなんでこんな物が要るんだ?」
こんな物何に使うのかという疑問の声が上がる。ただ探検するだけの筈なのに何故と思うのは当然の疑問だった。
「何かが埋まっていると思う場所が見つかったの。私たちの手だけでは掘れないから、持ってきてもらって助かるわ。そういえば、ヨシキ君はその人形は何処で見たの?」
「あっそういえば人形がありませんでしたね」
その問いにコネルコが答えるのと同時にヨウタに聞いてみる。ラヴァベルはハッとした表情を浮かべる。どうやら彼女は人形の事を忘れていたようだ。ヨシキは辺りを見渡してから一回下に降りる。そして再度上に上がって縁の方を指差した。
「こっからアイツが見てきたんだ」
指差した場所はただ岩があるだけで、何かがいた痕跡も見当たらない。下からも人形の大きさによっては見えるような位置ではあった。
「ヨシキ、本当に見たのかよ?」
「本当に見たんだよ!」
「じゃあ何処にあるんだよ」
ヨウタとヨシキとツエジが言い合いになりだす。険悪になり出した空気にラヴァベルはタジタジになるがコネルコは気にしてか気にせずか、ある提案をする事にした。
「話し合いは後にして、とりあえず、今からあそこを掘って欲しいからお願い出来る?」
「「「はーい!」」」
コネルコの一声で3人は再び纏まって、土が露出している場所を掘り始めた。途中でラヴァベルとコネルコが変わって掘り進めていく。ラヴァベルの身体半分が埋まる程掘った所で何かが引っ掛かるような感触がした。すぐさま手で掘ると、小さな人間の顔のような物が現れた。
全員ギョッとした表情をしてお互いの顔を見合わせる。そしてもう一度顔をよく見る。
「は?何だコレ」
「いや、え?えぇ?」
「うわ……」
ツエジ、ヨウタ、ヨシキの3人はあまりの衝撃にうわ言しか発せなくなっている。対してコネルコとラヴァベルもその光景に言葉を失っていたが、よく見てみるといくつかの違和感があることにコネルコが気づいた。
(目が人にしては大きすぎるし、埋められていたのならもっと目に光が無い筈。それに肌も艶が良すぎるような?)
「ねぇラヴァベルちゃん。もう少しだけ掘ってもらっていいかしら?」
「え?あぁ、はい」
コネルコの言葉通りにラヴァベルは土を掘る。すると人の顔のような物の全体像が見えてきた。埋める過程でぼろぼろになった布とそれに包まれた身体の部分が露出した所でラヴァベルは持ち上げて土埃を払うと正体が判明した。
「これは……市松人形ですか?」
「どうやらそのようだけど……目が今時というよりもドールで使われてそうな気がするような?ねぇヨシキくん。君が見たのはこの人形かしら?」
「多分……いやよく分かんないや。チラッとしか見てなかったから」
「なら一回下から見てくれるかな?」
コネルコは以前に見たという場所に人形を置いてみる。多少ボロくはなっているものの、自立させることは出来た。ヨシキと他の子供達は下に降りていく。そしてその人形を見ていると少年達の後ろから誰かに話しかけられているのをコネルコ達は上から見かけた。
捨てられた市松人形を見つけた彼ら
少年達に話しかけた男とは一体何者なのか、そして人形とはどういう関わりなのだろうか?
謎が謎を呼ぶ、そんな展開になってきました。