オオカミ少女は楽園の夢を見るか   作:樽ナッツ

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エデン条約編を読み返したら早速本編と矛盾してて死にたくなりました。
約四年前の記憶なんてあてにするもんじゃないね。




補習授業部って変な生徒しか入れない決まりでもあるんですか?

 

 

「とりあえず、この名簿に書かれている生徒さん達との顔合わせからですね」

 

「ここからですと本校舎が近いですので、そちらに居そうな方々、下江さん以外の三名ですかね。そちらから探しに行きましょうか」

 

 

先生から渡された名簿を片手に、ボクはそう先生に提案し立ち上がる。

床に寝そべっているヘレルに留守を頼んで、先生と二人で部室を出た。

 

 

「どなたから探しに行きますか?」

 

「"そうだねぇ、ヒフミから会いに行こうかな。私の記憶が間違ってなかったら多分知ってる子だから"」

 

「トリニティの生徒に知り合いがいらっしゃったんですか?」

 

「"うん、この間ブラックマーケットでたまたま知り合ったんだ"」

 

「ブラックマーケット……ですか。それはまた危ないところで」

 

「"あっ、ブラックマーケットに行くのって校則違反なんだっけ。…………このことナギサ達には内緒にしておいてくれないかな?"」

 

「心配しなくても言いませんよ。それにボクもたまに行ったりしますから」

 

「"たまに行くの!?"」

 

 

他愛もない雑談をしながら、付かず離れずの距離で二人並んで歩く。

本校舎に入り近くにいた生徒に、阿慈谷さんが何処にいるか尋ねると、すぐにまだ教室にいると教えてくれた。

いつものとは少し違う視線を全身に浴びながら、教えてもらった教室を目指す。

目的の教室に着き、中を覗き込み、入口付近にいた生徒にお願いして阿慈谷さんを呼んできて貰った。

 

しばらく教室の前で待っていると、亜麻色の髪をツインテールにした少し気味の悪い顔をした白い鳥──彼女は確かペロロ様と言っていただろうか──の鞄を背負った生徒が出てきた。

どうやら本当に先生の知っている生徒であったようで、お互いに気まずそうな顔で見つめあっている。

 

 

「あ、あはは……お久しぶりです先生」

 

「"やっぱり君だったんだね……"」

 

「あの、これはその、やむを得ない事情があって、そのぉ……」

 

 

何やらもごもごと言い訳をする彼女とそれを生暖かい目で見つめる先生。

しばらく続いたこの絶妙に気まずい空気に耐えかねて、咳払いを一つ挟み彼女に声をかける。

 

 

「初めまして阿慈谷さん。ボクは今回補習授業部の補佐を頼まれました、二年の水縹ネモといいます。よろしくお願いします」

 

「あっ、えっと、ご、ご丁寧にどうも。阿慈谷ヒフミです。一応補習授業部の部長を任されています」

 

「今日は軽く顔合わせだけ済まして、皆さんとこれからどうするのかの計画を立てようかなと考えています」

 

「それで他の三人も探しに行かなければならないんですけど、下江さんは正義実現委員会の本部に行けばいいとして、他二人が何処にいるか分からないんですよね」

 

「"ヒフミは何か知ってたりしないかな?"」

 

 

ボク達の問いかけに対し彼女は少し考える素振りをし、何か思い出したのかのように手をたたく。

 

 

「ハナコさんなんですけど、お昼ごろに正義実現委員会に捕まったって話を聞いたので、もしかしたら正義実現委員会の本部に行ったら会えるかもしれません」

 

「"じゃあ、次は正実の本部だね!"」

 

「そうですね。そこでしたら下江さんとも会えそうですし丁度いいかもしれません」

 

 

次の目的地も決まったので、合流した阿慈谷さんも連れ立って正義実現委員会の本部を目指して歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「失礼します、探している方がいてこちらに来たのですが、どなたかいらっしゃいますか?」

 

 

正義実現委員会の本部が置かれている教室に、要件を少し大きな声で伝えながら入り中を見渡す。

なにか事件でもあったのか教室の中にはほぼ人がおらず、正義実現委員会共通の黒い制服を身に纏い、頭に生えた黒い翼を所在なさげにパタパタと動かしている、下級生と思わしき生徒──名簿に載っていた特徴と一致するので、恐らく下江さんだろう──がポツンと立っていた。

 

 

「……私達のこと、ボランティア団体か何かだと思ってるわけ?人探しなんてしてる程暇じゃないんだけど?」

 

 

人見知り故か警戒心からなのか、初対面にも関わらず、想像以上に棘のある反応に少したじろぐ。

 

 

「い、いえ、あの、正義実現委員会の方に捕まったって聞いて……」

 

「……はぁ?…………え、それってもしかして?」

 

「こんにちは。勘違いだったら申し訳ないんですけど、もしかして、私のことをお探しでしたか?」

 

 

唐突に背後から声がかかる。

声がした方向に顔を向けると、何故か水着を身に纏った桃色のロングヘアーの生徒がそこに立っていた。

 

 

「え、は、何で!?あ、あんたどうやって牢屋を抜け出したの!?ちゃんとカギ閉めたのに!?」

 

「いえ、開いてましたよ?私のことを話されているような声が聞こえたので、こちらに来てみました。何かご用でしたか?」

 

「あら。大人の方、ということは先生ですね。なるほど、もしかして補習授業部の件ですか?」

 

「ま、待って!!その格好で出歩かないでよ!?」

 

 

あまりにも場違いな格好で、何事もないかのように話を続ける彼女。

突然のことでパニックになる下江さんと、その隣で啞然としている先生と阿慈谷さん。

そんな色々とカオスな状況に徐々に頭が痛くなってきた。

 

 

「それにしても裸こそが正義とは、なかなか前衛的な考えですね。あまり考えたことはありませんでしたが、……なるほど、試してみるのもいいかもしれません」

 

「いいわけないでしょ!?と、とにかく早く戻って!もうすぐ先輩達が帰ってきちゃう!!」

 

「あら、でもこの方々は私に会いに「うるさいうるさいっ!この公共破廉恥罪!!はやくもどれ!!」……すみません、どうやら色々事情があるようですので、また後ほどお会いしましょう」

 

 

呆気にとられていると、あれよあれよと浦和さんは下江さんに追いやられ、用件を伝える前に牢屋に戻されてしまった。

 

 

「……どうやら、今はちょっと浦和さんとお会いするのは難しそうですね」

 

 

本当は二人同時に補習授業部の件を伝えたかったのだが、浦和さんは牢屋に戻されてしまったので、とりあえず先に下江さんに話してしまおうと思い彼女の方に向き直る。

口を開こうとした矢先、扉が開く音がして、ボク達が入ってきた方向から声が聞こえてきた。

 

 

「ただいま戻りました」

 

「任務完了!現行犯で白洲アズサさんを確保しました!」

 

 

丁度探していた白洲さんを現行犯で捕まえたという声が聞こえる。

聞き間違いであってほしいと願いながら後ろを振り返ると、名簿で確認した通りの生徒。

何故かガスマスクを身につけた白洲さんが、正義実現委員会の方々に連れてこられていた。

 

 




なんかネモちゃんがめっちゃ敬語キャラになっててワロタ。
次かその次ぐらいで敬語やめさせます……多分。

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