オオカミ少女は楽園の夢を見るか   作:樽ナッツ

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ネモちゃんの見た目は別ゲーにはなってしまいますがアークナイツのレッドの瞳の色だけ空色にしたみたいな姿をイメージをしております。
私の文章力が無い故にこんな形で説明することになってしまい不甲斐ない気持ちでいっぱい
でございます。




補習授業部では普通なのは恥ずかしいことなんだよ!

 

「……惜しかった。弾薬さえ無くなっていなければ、もう少し道連れにできたのに」

 

 

少々改造が施されたトリニティ総合学園共通の制服を身に纏い、あまりにも異物感の強いガスマスクを身につけた少女は、その儚げな──ガスマスクを除く──印象からは全く想像がつかないような物騒な事を口走っていた。

本日何度目かわからない珍事に頭を抱えて蹲ってしまいたい衝動を抑え、彼女達の身柄をこちらに引き渡してもらう為、白洲さんを連れてきた正義実現委員会の二人にボク達の用件を説明する。

 

 

「はじめまして、正義実現委員会副委員長の羽川先輩でよろしかったですよね。ボクは二年の水縹ネモです」

 

「はい、私が羽川ハスミで合っていますよ。それど本日はそのようなご用件で?」

 

「少々無理なご相談になってしまうんですが、こちらに捕らえられている浦和ハナコさんと、そちらの白洲アズサさんの身柄をボク達に引き渡して欲しいんです」

 

「はぁ!?ダメに決まってるでしょ!?凶悪犯なのよ!?」

 

 

単刀直入にこちらのお願いを話すと、絶対にダメだと横にいた下江さんにごもっともな理由をつけて断固拒否されてしまう。

しかしこちらもティーパーティーから直々に依頼されたことなので、ここで引き下がる訳にはいかない。

 

 

「ティーパーティーからの依頼で、こちらのシャーレの先生を顧問として補習授業部という部活を作ることになりまして、お二方はそこに所属ししていただく予定なんです」

 

「無茶を言っているのは重々承知していますがどうかお願いします」

 

「"私からもお願いするよ"」

 

「どんな理由があってもダメなものはダメ!!」

 

「コハル。先生達はティーパーティーからの依頼を受けてこちらにいらしゃったのです。それに先生は補習授業部の顧問、つまり担任の先生になるのですから規定上は何の問題もないでしょう?」

 

 

ボクの必死のお願い故か先生の人徳のおかげか羽川先輩はどうやらボク達の要求を聞いてくれるようだった。

下江さんも先輩からの説得もあって渋々ながら納得してくれたようだった。

 

 

「ふ、ふん!こんな凶悪犯達なんてこっちから願い下げよ!それに補習授業部だなんて恥ずかしい!悪党と変態、そこに“バカ”の称号だなんて、私なら一緒にいるだけで羞恥心で死んじゃいそう!」

 

 

まさか自分がその“恥ずかしい集団”の一員になるなんて夢にも思っていない下江さんは口早に捨て台詞を吐き捨てる。

「あぁ恥ずかしい」と笑う彼女に、先生と顔を見合わせていた阿慈谷さんが、非常に気まずそうに声をかける。

 

 

「……あの、非常に言いにくいのですが、最後の一人はその、……下江コハルさん、です」

 

「……?え、私っ!?」

 

 

阿慈谷さんがそう下江さんに伝えると、何を言われたのか理解できないかのように一瞬呆けた顔になり、徐々にその意味を理解したのか顔を真っ赤にして驚愕の声をあげた。

 

 

 

 

意図せず直ぐに集まった補習授業部の生徒達と使っていいと言われた空き教室で対面する。

校内であるにも関わらず相変わらず水着の不審者が一名、不釣り合いなガスマスクをつけシュコーシュコーと呼吸音を立てている不審者が一名、普通の成績不振者が一名、自らの趣味の為に定期試験をすっぽかした自称普通の生徒が一名と中々カオスな面々が集っていた。

 

 

「放課後に人気(ひとけ)のない教室で、素行の悪い女子高生と大人が集まって……何やら始まってしまいそうですね」

 

「始まる……?何のことかは分からないが構わない。ちなみに本気を出せば、この教室で一ヶ月ぐらいは立てこもれる」

 

「死にたい……本当に死にたい……」

 

 

いかがわしい事を唐突に口にする浦和さんに、理解してなさげに物騒な事を言い返す白洲さん。

譫言のように死にたいとブツブツ言い続ける下江さんと、あははと引きつった笑顔で苦笑い漏らす阿慈谷さん。

全く協調性の感じれない彼女達の様子に全てを投げ出したくなる。

死んだ顔で先生を見ると、ボクと同じような顔でこちらを見つめる先生と目が合った。

 

「……先生これから頑張りましょうね」

 

「"……うん、精一杯がんばるよ"」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆が落ち着きを取り戻し始めたあたりで、各々から簡単な自己紹介と、阿慈谷さんとボクから補習授業部がどういった部活なのかの説明を行った。

 

 

「えっと、そういうことですので……短い間ですがよろしくお願いします」

 

「"皆、よろしくね!"」

 

「微力ながら誠心誠意サポートさせて頂きます」

 

 

これからどうしようかと今後のことを考えていると、いつの間に仲良くなったのか阿慈谷さん達は、何やら身の上話なんかで盛り上がっているようだった。

三回ある特別学力試験に全て落ちてしまったら落第となってしまうのだから、すぐにでも試験勉強に取り掛かってほしいところである。

しかし、これから暫くは共にいる間柄なので、今のうちに親交を深めるのも大事だろうと思い直し、彼女達の雑談を少し離れた場所から静観する。

 

いつの間にか混ざった先生と彼女達との姦しい話し声を聞き流しながら、先に試験範囲の予習でもしていようかと教科書を開き彼女達、特に下級生の二人に教えるとき用に参考書を片手に注釈をノートに書きこんでいく。

そんなことを一人で黙々とやっていると、不意に声をかけられた。

 

 

「ねえ水縹さん。水縹さんのこともネモちゃんって呼んでいいですか?」

 

「別に構いませんけど。……急にどうしたんですか?」

 

 

浦和さんの言葉に手を止めて彼女の方を見やると、いつの間にか帰った下江さんを除いた三人と先生がこちらを見つめていた。

 

 

「厳密に言えばネモちゃんは補習授業部ではないですけど、これから一緒に頑張る仲間じゃないですか。なので親しみを込めて“ネモちゃん”って呼びたいなと思いまして」

 

「"後もう一個、その堅苦しい敬語は無しにしないかな?ほら、ちょっと距離を感じちゃうし、ヒフミもハナコも同級生だし、アズサとコハルに至っては後輩なんだしさ!"」

 

 

呼び方を変えたかった理由を説明すると同時に、先生達から敬語をやめて欲しいとお願いされる。

この話し方は他人と話すときの癖なので治すのは少々億劫だが、先生の言っていることもごもっともなので、いつもヘレル達と話すときのことを思い出しながら、口調を崩れたものにする。

 

 

「分かりま──分かったよ。これでいいかな?」

 

 

満足そうに頷きながらワイワイと帰る準備をする先生達を見ながらボクも教科書なんかを片付けて身支度を整え、一通り片付け終わった教室を先生達と連れ立って後にする。

それから本校舎を出て四人と別れるまで、普通の女子高生みたいに最近あった出来事なんかの他愛もない雑談に花を咲かせた。

 

 




流石に校舎内にでっけぇ狼を連れていく訳にもいかないので、基本的にヘレル君としか喋らないネモちゃんの、動物と会話できる設定が死に設定になっています。
合宿ぐらいからヘレル君を出す予定なのでもうしばらくこの設定は腐り続けます。

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