お姉ちゃんはいろPと幸せになるべきだと思うの 作:いろかぐヤチは美しい
どうもツキミです。私は今大変な状況に置かれています!
お姉ちゃんに心を救われた私は、今まで溜め込んでいた感情が爆発して、泣きじゃくりながら姉に抱きついてしまったのですが──。
「あ、あの……お姉ちゃん?」
「やだ。……離さないから」
お姉ちゃんがぎゅっとしたまま離してくれないのです。
少し前の私なら、可愛い可愛いお姉ちゃんが抱きしめてくれるのを♡乱舞しながら素直に喜べたのですが……。
「あ、あのねお姉ちゃん…その……う、嬉しいんだけど……ちょ、ちょっと恥ずかしくて……お、お姉ちゃん可愛いし……」
今の私には無理なんです!だって……!!だってぇ……!!
──お姉ちゃんの顔が信じられないぐらいハッキリ見えちゃうんだもん……!!こんなの無理ぃ……!!可愛いすぎるよぉ……!!
……ツキミがこうなってしまっているのには理由がある。
今まで彼女は、大好きな姉の未来を知っているのに何もしなかった、出来なかった上に、逃げ続けてきた罪悪感を胸に抱え生きてきた。
更に自分が生まれて来てしまったことで生じる、原作とのズレと歪みが致命的になるかもしれないと常に怯え続ける日々を送ってもいた。
その上、本来存在しないツキミのせいで何もかもが滅茶苦茶に壊れてしまうかもしれないと、気が狂いそうなほどの恐怖感で心が壊れそうになる時もあった。
だが、ヤチヨはツキミの罪を、絶対に許されるはずのない大罪を、そんなちっぽけな事で嫌いになったりするはずないよと笑いかけて許してくれた。
……その上、全部受け止めてくれた上で、愛してるって言ってくれた。
──本当に嬉しくって、心の中のもやもやが全部晴れ渡ったような感覚がして……ようやく一人の人間として、この世界を見ることが出来るようになって……ボヤけていた景色が、ハッキリと見えるようになって。
でも、だから、だからこそ──。
「ツキミ……大好き」
「あうぅ……」
鮮明に映し出される姉のご尊顔に、ツキミの心は別の意味で危ないことになってしまっていたのだった。
そんな今までにない妹の様子に、ヤチヨは悪戯っぽい笑みを浮かべたかと思いきや。
「……照れてるツキミも、可愛いよ?」
──耳元で、囁くように呟いた。
「はうっ!?……や、やめてよお姉ちゃん……!今お姉ちゃんにそういうこと言われちゃうと私……へ、変な気持ちになっちゃうから……」
消え入りそうな声で、頬を朱色に染めたツキミが、涙混じりの上目遣いでヤチヨを睨みつける。
だが、ヤチヨからすればそれは最早威嚇でも何でもなく。
「……可愛いね、ツキミ」
ただただ嗜虐心を刺激するものでしかなかった。
「うぅ……お、お姉ちゃんだって……可愛いもん……世界で一番可愛いくて優しいんだもん……」
せめてもの反撃として、ツキミも姉に対してやり返すが──。
「知ってるよ⭐︎ツキミはヤッチョのこと大好きだもんねー?」
そこはやはり姉、照れる事なく受け流し余裕の笑みをみせるのだった。
しかし──。
「……冗談じゃないからね?」
「あ、あれ?ツキミ……?」
忘れてはならない。ツキミは姉が大好きすぎて精神的に壊れてしまうほどの姉狂いだと言うことに。
「お姉ちゃんは本当に可愛いし優しいんだよ?まず容姿になっちゃうけどさ、笑顔がとっても可愛いくて大好きなんだ。屈託のないって言うのかな?太陽みたいで心が癒されるの。あと私が月で味のないご飯作っちゃった時も一緒に食べてくれて凄く嬉しかったし、仲良しのやつってさ、私が一人じゃないよって伝えてくれてたのかな?って今なら思うんだ。その優しさにいつも救われてた、ありがとうね。地球でさ、お姉ちゃんが料理作ってくれた時とか美味しかったって私やいろはが言った時のドヤァって顔が天使かな?って思うくらい胸がきゅんきゅんしたし、本当になんでお姉ちゃんってこんなに可愛いんだろうって疑問が溢れ出るんだよね。私が精神的に参っちゃいそうな時は何も言わずににそばに居てくれたし、頭も撫でてくれて私のお姉ちゃんがヤチヨちゃんで良かったって心の底から思ってるよ。本当に大好きで愛してる……愛してるよ、お姉ちゃん」
「っ……あ、あのツキミ?ちょっとその辺で……」
「あっごめんね?今のはかぐやお姉ちゃんのことだったね。いや私的にはかぐやちゃんもヤチヨちゃんも同じ人なんだけどさ、やっぱりヤチヨちゃんにはヤチヨちゃん特有の可愛さもあるもんね?だから今からそれを語るね」
「ま、待って!お姉ちゃんが悪かったからこれ以上は……!」
「ヤチヨお姉ちゃんはね、太陽と月、両方の性質を持ってると思うんだ。かぐやお姉ちゃんみたいにキラキラ輝いて周りを暖かくする事もできるし、静かで優しい月明かりのようにそっと誰かに寄り添う事だって出来るんだよ。いろはだってそんなヤチヨちゃんに救われたんだし。……私だって、ヤチヨお姉ちゃんが寄り添ってくれなかったら……多分、壊れてた。……ありがとね、お姉ちゃん」
「つ、ツキミ……その……あの……」
まだまだ言い足りないぐらいだけど……最後にこれはちゃんと伝えないと。
私は改めて何故か目を泳がせているお姉ちゃんを逃がさないようギュッと抱きしめ。
「ヤチヨお姉ちゃん。──愛してる」
全ての想いを込めて、そう溢した。
いつものおちゃらけた軽い言葉ではない。
今までないくらい、真剣な声色で伝えられたツキミからの好意。
それは、ヤチヨの心にもしっかりと響き──。
「あ、ありが…とう……や、ヤッチョもツキミのこと……あ、愛して……ます……」
──しどろもどろになりながらも、何とか言葉を返すことに成功。
顔が赤いのは言うまでもない。
……つ、ツキミってやっぱりちょっと……へ、変なファンが付かないようにヤッチョが頑張らないと!私がかぐやだった時は…うっ……不味いかも……。
普段は控えめで割と照れ屋さんなのに、スイッチが入ると一気に魔性になってしまう妹の行く末を心配するヤチヨさんなのでした。
── ── ── ── ── ── ── ──
「と、ところでお姉ちゃん?その……いつまでこのままなの……?」
何だかんだとスイッチが切れて正気に戻ったツキミが、改めてずっと抱きしめられている状況に苦言を呈す。
だが、ヤチヨも色々吹っ切れたのか。
「んー?そうだね〜……ツキミがちゃんと本音を言ってくれたら離してあげよっかなー?……ツキミどうしたいの?本音を聞かせて?お姉ちゃんが叶えてあげるから!」
妹の本音、かぐやだった時には聞き出せず、手遅れになってしまった。
だけど、ツキミが溜め込んでいたもの、その全てを聞かせてくれた今なら──。
叶えて、あげられるかもしれない。
「ほ、本音?……えっと、それは……」
お姉ちゃんといろはと一緒に暮らしたい。ずっと一緒にいたい
「……わ、私はお姉ちゃんといろはとずっと一緒に居たい……です。……どうしようもない自分だけど、それでもやっぱりお姉ちゃんたちと生きていきたい……です」
ささやかで、だけどとても大切な願い。
それが叶えられたら、どれほど幸せだろう。
妹の本心は、ヤチヨにとっても──。
──絶対に、叶えてあげたい。例えそれが、因果に背くことだとしても。
「ツキミ……未来の事を全部知ってるんなら……ツキミは自分が助かる方法も、思いついてるんじゃない……?」
──ヤチヨは8000年間、ずっと考え続けていた。考えて考えて、気がおかしくなるまで考え抜いて、何が正解かなんて最早彼女にも分からないほどに。
ツキミが助かるには、そもそも地球に行かなければいい。そうすれば事故は起こらず、妹が私に身体をあげるなんて事は起こらない。
でも……そうなるとヤチヨは生まれず、彩葉とも会えない。自惚れじゃなければ、彩葉はヤチヨによって救われていた……んだと思う。彩葉がくれた歌が、今度は彩葉を支えてくれて……この世界は、そういう輪廻で廻っているんだ。
……彩葉は、常に苦しそうで、限界で……ヤチヨが居なかったからもしかして……なんて……自惚れすぎなのかな……。
──ツキミを選べば彩葉が、彩葉を選べばツキミが……もう、分かんないよ……。
だから私は、未来を知っているツキミにならもしかしてって縋り付くことしか出来ない。
……本当に、駄目なお姉ちゃんでごめ──。
「えいっ!」
「んむっ!?な、なに?どうしたのツキミ?」
突然頬を引っ張られた衝撃で、沈んだ思考が現実に回帰する。
「だってお姉ちゃん、私と同じ表情してたから。……自己嫌悪は駄目だよ?碌なことにならないから!実体験なのでわかります!!」
「笑えないブラックジョークだよそれ……」
「まあそれはいいじゃん!お姉ちゃんのお陰で何とかなったし……そんな事よりさ!私が消えなくて済む方法って、二人で一緒に月に残ったりすることだったりする?」
──やっぱり、ツキミは本当に未来を知ってるんだ。
「でもそれだとさ、ヤチヨちゃんは生まれなくなるよね?そうしたらいろはが……やっぱり私達はその輪から外れる事は出来ないんじゃない?お姉ちゃんが過去に飛ぶのと同じように、私が身体をあげるのももう決まってることなんだよ、多分。……あと私が月に残っても、何だかんだで消えちゃう気がするんだよねー、私の魂ってちょっと特殊だからさ」
あはは、と何も気にしてないかのように笑うツキミ。
ただ、それを見てヤチヨは──。
「……わから……ないよ………」
何でツキミは、そんなふうに笑ってられるの?
「……お姉ちゃん?」
ツキミは、私と彩葉とずっと一緒に暮らしたいんじゃなかったの?
なのに何で自分が消えることをあっさりと受け入れられるの?
……私達と生きたいって思ってくれたんじゃなかったの?
──もう、無理だよ。私はもう、自分を抑えられない。
「何でツキミは笑ってるの?……消えちゃうんだよ!?私に身体をあげて……!それが世界に決められてて……!!なのになんで……!!」
「お、お姉ちゃ──」
「私は彩葉もツキミも、どっちも大切で……大好きで……!だけど、どっちかしか選べなくて……!!もう、分かんないよぉ……!!」
──最低だ。妹に、最愛の妹に八つ当たりするなんて……やっぱり私は駄目なお姉ちゃんで……私がツキミのお姉ちゃんじゃなかったら、もっと幸せに出来たのかな……。
自己憎悪に沈みそうな姉を見て、ツキミは──。
「……お姉ちゃん、一つ聞きたいことがあるんだけど……いい?」
泣きじゃくる姉の頬に手を添えながら、ツキミは優しく語りかける。
「お姉ちゃんはさ、きっとシミュレーションとかしてくれてたんじゃないかな?私が無事に地球に辿り着ける確率とかさ」
「そ……れ……は………」
──した。何度も……何度も何度も何度も!何千何万何億何兆回と、シミュレーションを繰り返して……!それでも……!!
それ……でも……。
──ツキミが助かる可能性は、0%だった。
どれだけ月で設備を整えても、どれほど『もと光る竹』の性能を向上させても、隕石と衝突した時、ツキミの思念体だけが必ず宇宙船外に弾き出されて……そのまま完全に消滅して……二度と、会えない。
その時の事を思い出し、じわじわと心が絶望感に染め上げられていくのを感じる。
もう、無理だよ。
「やっぱりしてくれてたんだ。……確率は多分、0%だったでしょ?私ってやっぱ異物だからさ、世界の修正力?的なもので消されちゃうんだろうなぁ……本当にあるんだね、そういうの」
「……ツキミは、異物なんかじゃないよ……私の、妹だよ……」
「お姉ちゃんがそう言ってくれるのは、本当に……本当に嬉しい!でも……こればっかりは、どうしようもないんだよね。……ごめんね」
そんなこと、言わないでよ。だってやっとツキミと本心から話せて、ツキミの願いも聞けて、なのに結局……そんなの……そんなの……。
──ハッピーエンドに連れていくって、約束したのに……私は……。
──彩葉との約束も、ツキミとの約束も、何一つ果たせないまま、私はこれから先も生きていくのだろうか?
……ツキミを見殺しにした私に、そんな価値あるの?
私の罪は、どうやって償えばいいの?
──ああそうだ、私の人格データを削除して……ただのAIとして──。
「──お姉ちゃん。私はまだ、諦めてなんかないよ?」
「……え?」
不意にかけられた、予想だにしない言葉。
あきらめて…ない……?
ツキミは一体、何を言って……。
「お姉ちゃんがシミュレーションかけた時ってさ、私が生き残ろうと色々として頑張った場合の結果だよね?じゃあさ……私がお姉ちゃんに身体をあげる前提で行動したら、どれくらいの確率で地球にたどり着けたの?」
「──────」
何度か、試した事がある。ツキミが私に……かぐやに身体を捧げる前提条件でシミュレーションをかけた時、地球に辿り着ける確率は──。
「……………100%………………だったよ」
──その場合だけは、何度やっても100%だった。
……本当は何となく分かっていた。この世界の因果は、ツキミの生存を絶対に許さないって。
それを認めなくて、必死に足掻いて、現実から目を背けて……結局は、何の意味もなかった。
だが、それを聞いたツキミは落ち込むどころか寧ろ──。
「あー…やっぱそうなんだ……消える前提で行動したら世界さんは邪魔して来ないと……じゃあ、まだやりようはあるね!それにしても、本当に世界は私が嫌いなんだなー……ちょっとへこむ……」
あはは、とツキミの口から思わず苦笑が溢れてくる。
「……ツキミは何で、そんな風に笑ってられるの?」
お姉ちゃんが、私の様子に怪訝そうな顔でそう聞いてくるけど、その答えだけはすぐさま答えられる。
何もない、空っぽの私だけど。
「だって私は
「ツキミ……」
「だからこのまま消滅するなんてありえないよ!バッドエンドなんてお姉ちゃんには似合わないよ!!」
私はハッピーエンドを迎えて、いろpと幸せに笑ってるお姉ちゃん達が見たいんだから!!このまま誰かの書いた筋書きになんて負けてたまるか!!
他の誰が否定しようと、世界が私を嫌おうと、お姉ちゃんが愛してくれるなら、私はもう何もいらない。
「お姉ちゃんがこんなにも私を必要としてくれてるのに、消えたままなんて妹として耐えられないよ!!……私は、お姉ちゃんがいろpと幸せになってるところが見たいのっ!!だから絶っ対蘇ってやるから!!」
「つ、ツキミ……でも、どうやって……」
「ふっふふ…実はちょっと思いついたことがあるんだ!まず月に帰って姫様に土下座して設備を借りて──私の肉体データを──思念体──アップデート──で、あとはまあ……奇跡が起きてくれたら、なんとかなるよね!」
矢継ぎ早にそう語るツキミの計画は荒唐無稽で、到底実現出来るものではないように聞こえた。
当然ヤチヨも──。
「…奇跡なんて、起きないよ……」
──ツキミが居なくなった時、何度
『神様……つきみを……ツキミを返してください……もうわがまま言いません……いい子にします……だからかぐやのツキミを……かえしてください』
──どれほど望んでも、奇跡は起きなかった。
この8000年間は、ヤチヨの中から奇跡を信じる心を奪うにはあまりにも十分すぎる時間だった。
だがそんなヤチヨに対し、ツキミは──。
「ううん、絶対起きるよ」
──ハッキリと、起こらないはずがないと、確信を込めた表情でそう語った。
「何で…何でそう、言い切れるの……?」
縋るように尋ねてくる姉の姿。
どうしてそんなに不安そうなのか分からない。
私たちには居るじゃん。バッドエンドを、超ハッピーエンドに変えてくれる、そんな優しい人が。
「──だってお姉ちゃんの為ならどんな無理難題もこなして、その上奇跡だって起こしてくれる。……そんな人が居るでしょ?もしかして忘れたの?」
「あ……いろ、は……?」
私の言葉に目を見開いたお姉ちゃんが、泣きそうな声でその名を呼ぶ。
「そう!いろはがお姉ちゃんのおねだりを断ったことがあった?……ないでしょ?だから大丈夫!絶対全部上手くいくっ!!……正直いろはに丸投げの作戦とも言えない無茶振りだけど……いろはなら何とかしてくれるって私は信じてる」
お姉ちゃんのならともかく私の無茶振りまで聞いてくれるのかは……ちょ、ちょっと自信ないけど……自意識過剰かもだけど……け、けどお姉ちゃんの笑顔のためならいろpは絶対聞いてくれるから大丈夫だよね!
お姉ちゃんに愛してるって言われてちょっと調子に乗っちゃってた自分を戒め、私は改めて呆けた顔をしているお姉ちゃんに。
「それとも……お姉ちゃんはもう、いろはの事を信じてないの?」
──少しだけ、発破をかけるように言ってみた。
すると、当然お姉ちゃんは──。
「…信じてない訳……ない……っ!!」
目尻に涙浮かべながら、愛おしそうにそう言い切ってくれた。
「だよね♪だから後は全部大丈夫!ツッキが保証しちゃう⭐︎」
でも、そんな風にちょっと寂しそうに泣いているお姉ちゃんに笑って欲しくて、記憶にあった未来のヤチヨちゃんの真似をしてみながらvサインを決めてみる。
「……ふふ……なにそれ……全然理由になってないよ……ツキミは相変わらず、滅茶苦茶なんだから……ほんと、変わらないね……」
──そう言って少しだけ笑ってくれたお姉ちゃんを、私は改めて抱きしめ。
「私はお姉ちゃんといろはの結婚式に参列するまでに絶対蘇ってやるからね。……お姉ちゃんといろpのウェディングドレス姿……見たいなぁ……♡」
「……私みたいなおばあちゃんを、彩葉は受け入れてくれるかな……?」
「いろはがお姉ちゃんを拒絶する?え?なにそれ?有り得ないんだけど。そんな世界は偽物だから滅びた方がいいよ」
「そっか…そうだね……そうだと嬉しいなぁ……っ」
……絶対に、ハッピーエンドに辿り着かなきゃ。お姉ちゃんの幸せには、私も必要なんだから。
だからこれは、私の最初で最後のおねだり。
「……お姉ちゃん、ハッピーエンドの向こう側……超ハッピーエンドまで一緒に連れて行って?」
「!しょうがないなぁ……可愛い妹の貴重なおねだり、お姉ちゃんが絶対叶えてあげる!!」
滅多にないツキミからのおねだり。ヤチヨはもう嬉しく嬉しくてたまらなかった。
それにしても、とヤチヨは徐に口を開き。
「彩葉の責任、重大だなぁ……」
苦笑しながらそんな事を呟いた。
……………?お姉ちゃん、何言ってんだろ?
「お姉ちゃんは最初からいろpにこのくらいの無茶振りはしてたよ?」
「え?い、いやいやいや……流石にここまでは……してなかったよね?」
「……してたよ?」
「で、出かける前にその格好じゃつまらない!」
あっ…誤魔化した……でもそんなお姉ちゃんも可愛い……♡
────酒寄彩葉の''超''竹取物語は、まだまだ始まったばかりである────
因みに無理して生き残ろうと地球に向かった場合、世界さんが本気でツキミを消しにかかるのでツキミは完全に消滅します。
その場合かぐやちゃんは精神が壊れかかりますが、未来でツキミを助けるために何とか踏ん張ります。
しかしツキミが消えた場合辿り着く世界線は原作世界線となる為、ヤチヨはツキミと二度と再開することはできず鬼の超バッドエンドを迎えます。そうならなくてよかったですね。