女尊男卑な異世界で成り上がるためにはわからせとハクスラが必要らしい 作:ベリーナイスメル/靴下香
サティア、というよりご主人様の魔力浸食はデメリットが多い。
しかし僅かながらにも……いや、捉え方によってはだがメリットがある。
「おーおーさっすが男のロマンダンジョン、素晴らしいね」
それがご主人様以外から向けられる魅了に対して興味と影響が薄くなるという点だ。
何も考えなしに魔力浸食を受け入れていたわけではない、ほんとだよ?
今の状態を作り出さなきゃ、侵入推奨レベル1のくせに低レベルで入ったら即わからされゲームオーバーの淫魔の園になんかこれないもんね。
「こんなとこきちゃって可愛いね♡ ホテル行こ♡」
「間に合ってますー」
入ってから秒でしなだれかかって来たサキュバスさんにごめんなさいして、スルー。
深呼吸した後、周りを見渡せば際どい格好をしたサキュバスちゃんたちがうっふん、あっふんと俺の気を引こうと頑張っている。ええぞええぞ。
「彼女さんにできない事、シよ♡」
「出来ないからやろうとしてるんですー」
「えーご主人様ひどぉい♡ あたしなら、そんなことしないのになー♡」
「あ、結構です」
うーん、我ながら塩対応ですねぇ!
ちょっとでも関心を向ければ即バトルだからね、仕方ないね。
もちろん性的なバトルである。このダンジョンは唯一、モンスターと性的な戦いを繰り広げられるという場所なのだ。ご丁寧にここだけユーザーの希望聞いちゃってまぁ……開発には敬礼を捧げざるをえまい。
「ふー……しっかし、予想はしてたけど、やぁっぱサティアの魔力浸食、すごいなこれ」
流石の上流階級さんというべきか、レベル100程度のモンスターが仕掛けてくる魅了を完全無視できる。
アイテム目的で来たって部分に関しては物凄く助かるけれど。
「実験に関してはどうしたもんかねと困っちゃうよね。意識せずともカッツォ自身に全く影響ないや」
ついでの目的、カッツォが魅了された時、自意識である俺はどうなるのかって部分を確かめることはできそうにもない。
「っていうかむしろ……はぁ、俺のほうが飛び込め―したくなってるのを否めない。実にけしからんちですわ」
なんて言うんすかね。
彼女とか嫁さん居ても風俗に通っちゃう男の気持ちって言うんすかね、わかりますねぇ!
っていうかなんだ、やっぱ俺も男なんですよ。
キュリオを良いようにした後からさ、溜まってるんすよね……。
「こんな形でもどかしさを感じることになるとは思わなかったわ……辛いです」
下半身にうずうずするものを感じるが、当のカッツォ君は全くキてないのか反応がない。
自意識とカッツォ君のズレを確認するって面に関して確認したかったのはそうだが、こういう形で確認できるとは思わなかったわ。このカツオくんの目をしても、ぐぬぬ。
「まだナニもしてない、されてないってのに、ちょっと調教されすぎじゃないかね? カッツォ君や?」
大げさかもしれないが、これはまさしく致命的なズレって奴だろう。
魔力浸食を受け入れた俺の責任と言えばそうだが、こうも俺の思い通りにナニすら反応させられなくなるってのはマジの問題である。
「まーさかエロゲーで心の不能になるとかバグだよバグ。勘弁してくれ」
そういうゲームがあってもいいのかもしれないが、今はちょっと。
結局サティアをわからせるというか、カッツォくんをないないしなきゃ無理なのかね。
したらしたで別の問題が出てきそうで困ったものだが。
「……まぁ、とりあえず」
「ふーっ♡ フーッ……♡」
淫魔の園、ボスイベント。
発情したサキュバスの群れを何とかしますかね。
「キュリオで磨いた性技の刃、見せてやる。かくごー」
「いい勝負だったっ!!」
負けてない、断じて負けてない。
だってちゃんと貞操守ったし? 目的のアイテムはゲットできたし? 総じて俺の勝ちである、ほんとだよ? 白亜の教会で磨いた耐性スキルと耐久力は無駄じゃあなかったのだ!
いやいや、俺はヤる気満々だったよ? マジもマジ、サティアとかどうでもいっか、いれるねしたくなったし!
でもさ、でもさぁ!
「……生殺しって、このことねー」
サキュバス如きに失望の目を向けられるのは相当心を抉られたが、抉られたが故に気持ちいいってことで一つ。
もしかして本当にごしゅ通りにはEDっていうデバフでもあったんだろうか? 俺が知らないだけ? コンプした俺が?
「はぁ……」
がっくりだよね。
結果的にクリアできたのは喜ばしいことではあるが、どうにもこうじゃない感が強い。
「キュリオで磨いた性技はちゃんと通用するってのがわかっただけでも良いか」
寸前までは物凄く良かった、俺ツエー感あった。
うん? いやいや、元からそのつもりだったし、寸前まででノックアウトの予定だったし、嘘じゃねーし。
「精神系統の耐性磨けたってことで、納得するしかないよね」
アイテムもアイテムで必要だったが、どちらかと言えばこっちだろうメインの目的と言えば。
今のちょっと腑抜けてるアイリからは精神攻撃を貰えそうにもないし、今のあいつなんか罵倒の語彙力少ないし、いいリカバリーだったと自負している。
「後は、何処までコイツが通用するか、だけどなぁ」
目的のブツ、『淫魔の秘薬』を見つめる。
コイツの効果は男に使えば性的能力の一時的なバフとなるってものだ、主なプレイヤーの用途はそっち系スキル経験値稼ぎのお供って感じ。
女に使えばキャラクターにもよるが、ビーストモードとなった逆レ的なプレイが見られる。
そっち趣味の人にはまさしく垂涎のアイテムと言えるだろう、たまにお世話となりました。
「……サティアはいつ帰ってくるかねぇ」
最低限の準備はこれで整ったと言えるだろう。
残るやるべきことと言えば、サティアにこれを飲んでもらってお布団でバトルして、その光景をメモリースフィアに記録して、アイリへプレゼントするくらい。
「そこまでやりゃあ、流石のアイリも――」
「――私が、どうかしましたか?」
「え? ――ぷぎゅっ!?」
あ、やばい、目の前がまっくらに。
「ふふ、うふふふふ……ええ、カッツォ、お疲れ様でした。後は、全て私に任せておきなさい?」
「アイ、リ……?」
「ええそうです、アイリです。あなたのご主人様である、アイリですよ」
「うー、わ……こう、くる? マジ、かー……ぐぇ」
残念、ここでカツオくんのわからせ冒険譚は終わってしまった!
……ってか?
R-17.9で(以下略