女尊男卑な異世界で成り上がるためにはわからせとハクスラが必要らしい   作:ベリーナイスメル/靴下香

4 / 39
レベリング作業を楽しめる奴はマゾってはっきりわかんだね

 投げた石が思う場所に届くようになった、それすなわち。

 

「投擲レベル3に到着、かね」

 

 どれくらい時間が経ったか、人間種の取得経験値アップも効いているとすればやっぱり3時間ってところだろう。スキルレベル上げはほんとにマゾいね、気持ちいいからヨシ。

 

「残り時間半分として、ここからはっと」

 

 できるだけ尖った石を探す、見つけた石を手に持って。

 

「よーい、どんっ!」

 

 一気にゴブリンの探知範囲へと入り込む。

 ゴブリンが特徴的な声を上げた、上げたと同時に持っていた石を。

 

「グゲッ!?」

「よーし狙いばっちり!」

 

 ゴブリンの目に投げる。

 これでスキル「目つぶし」が手に入っただろう、チュートリアルダンジョン突破のキースキルだ。

 

 そしてそのまま、っと。

 

「よいしょおっ!」

「プギュッァ!?」

 

 目を押さえて痛がるゴブリンの後頭部を持って顔面から地面に叩きつける。

 

 ステータスは五分、武器を持たれているだけ相手のほうが有利だけども使われなければ意味がない。

 

「キミがッ! ヤられるまでッ! 叩きつけるのをッ――っと、やりましたねぇ!」

 

 ゴブリン調理、完了です……!

 経験値はパーティ平均分配式だからね、ソロで倒せたら分けられるはずの経験値を独り占めでうまうまですよ。

 

「つっても、レベルアップはご主人様が決まるまでお預けだけど」

 

 レベルアップ処理はご主人様によって行われる、これすなわちご褒美である。

 まーゲームがゲームだったので、アレやコレのぶひひんシーンでレベルアップするわけだが、リアル化したらどうなるのかね、楽しみだね。

 

「ゴブリン棍棒も、あるな。確定ドロップだもんね、これで何とかなるだろう」

 

 光の粒子となって消えていったゴブリンだが、しっかり持っていた棍棒は残っている。

 店売り棍棒より少し攻撃力が高く、何らかの追加効果を持っている場合もあるが鑑定スキルがまだないからわからない。

 

 ともあれこれでひとまずスタートラインに立ったと言えるだろう。

 目つぶし属性を付与した小石投擲からの棍棒殴打、ゴブリン棍棒ならこれでノーマルゴブリンは確殺だ。

 

「一時間くらいゴブリン狩りしたら殴るスキルレベルも3になるだろうし、そこからどうするか」

 

 ちらりとこの光景を映しているだろう魔石を見る。

 チュートリアル、これすなわちご主人様たちによる品評会だ。

 ここでの結果である程度ではあるが自分のご主人様が誰になるかを選べる。

 

「やっぱわかりやすくわからせたいとすれば、あのメスガキだよなぁ」

 

 とりあえずロリが雑魚ざぁこと言っていればメスガキになれるってのは微妙だが、それだけにわかりやすくわからせ欲は結構ある。

 

 ならやっぱり最高評価を目指すべきかね、チュートリアルダンジョンボス撃破は結構厳しいんだけども。

 

「我ながら最悪のパターンありきで考えるのはマゾが過ぎるよなぁ……」

 

 思わず呆れてしまう。

 レア度Dアイテム取得で無難に突破が安定ルートだってのに、自ら最悪のケースをやる気満々とかイかれてる。

 

 普通に死ぬ可能性だってあるのにな、やれやれだよね。

 

「んじゃ、ゴブリンナイト対策しつつスキルレベリングしますか」

 

 

 

 そんなわけでゴブリンを目つぶし投擲スキルからのコンボでなぎ倒しつつ、対策開始だ。

 

 ゴブリンナイトは一丁前に軽鎧を装備していて、フルフェイスじゃないが兜も被っている。

 棍棒による攻撃は打撃属性で半減されるし、目つぶしも投擲スキル5まで上げないと安定して発動できない。

 

「ならどうするかって言うのが、魔法なんだよなぁ」

 

 ちょっとわくわくするよね、子供のころ木の棒持ってファイアーとか言ってたのが懐かしい。

 

 この世界における魔法は基本的に習得ではなく装備による発動だ。

 種族特性として初級魔法なんかを装備なしで発動できるヤツもいるが、ぶっちゃけ序盤が楽になる程度で恩恵は薄い。

 

「……いたいた」

 

 お目当ての火炎魔法を放てる装備を落とす可能性があるゴブリンメイジを見つけてほくそ笑む。

 時間制限を考えなければチュートリアルダンジョンにおいて稼ぐならコイツってのは常識だろう。

 1体倒せばゴブリン3体分の経験値が得られるにもかかわらず、投擲目つぶしからのゴブリン棍棒ぶん殴りで確殺も変わらない。

 

「注意するとすれば、先制されないようにする、だけど」

 

 ゴブリンメイジの放つ炎魔法でこっちが確殺される。

 リスクに見合ったリターンと思うべきだよね、転がってる黒焦げ死体は見なかったことにしようね、うん。

 

「潜伏スキル、取れるかな」

 

 投擲なんかのスキルとは違って、取得条件がいまいちわからない。

 ゲームとの弊害ってここだよな、画面で選んでポチーじゃないから体感で判断するしかないのだ。

 

 可能であれば潜伏からの目つぶし投擲、そこから炎魔法ドンッ! フルボッコ! でゴブリンナイトを倒したいわけだが……うーむ。

 

「とりあえず、それっぽい動きをしてやってみよう」

 

 岩に隠れて、そこからゴブリンメイジめがけて投擲、そして殴打殴打。

 

「よし。上手くいった、けど……クリスタルに確認しに戻るか? 時間的に微妙だな」

 

 ふぅむ……ふふふ。

 

「いいじゃない……気持ちよくなってきやがった……!」

 

 分の悪い賭けは気持ちが良い。

 こういうちょっとしたことを乗り越えてこその逆転だよな、くぅ~!

 

「よぉし! やったるでぇ! おいちゃん楽しくなってきた!!」

 

 迷ってる時間があるならレッツゴーである!

 

「ひゃっはー! ゴブリンスティック置いていけ~!」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。