酒寄さんちの次男くん   作:へそ天ペロリスト

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変な電波を受信したので既に刷られているかもしれない要素を擦っていくスタイル

かぐやが月に帰ったあたりが本作の開始時期となっています。

空白期間はなんやってもいいって二次創作でいっちゃん言われてるから(責任転嫁)

肌に合わない人はブラウザバック推奨

合言葉はご都合主義

エタるよ(予告)


酒寄さんちの次男くん

 

 ―――ハッピーエンドへ向かう本筋の脇の枝

 

 ―――この世界線の輪廻が未知のものへ進もうとしているころ

 

 

「子は親に似る、なんて言葉がありますがそれは遺伝であったり生活環境で大きく異なる場合があります。つまり私の場合は制作者(かぐや)の影響がもろに出ていると愚考します」

 

 

 大和撫子と言う言葉がよく似合う風貌の少女は目の前にいる少年に何か言い訳をする様に言葉を並べる。

 

 

「まぁ、それで……?」

 

「これは遺伝子よりも根本的な所で設計された機能なのです」

 

「そこは素直に甘えたかったでいいんじゃ…?」

 

 

 酒寄さんちの次男である日向は何とも言えない表情で自身の膝の上を占領する少女にそう告げるのだった。

 

 

「……まぁ、8000年も耐えたのにチキンな行動する彼女と同列に扱われるのはイヤですね」

 

「なんという暴言」

 

 

 なので、とりあえず頭を撫でてくださいと言う彼女の要求に日向は只々従うのみであった。

 

 

 

 〇 〇

 

 

 西暦2030年。

 

 数か月前に17歳の誕生日を迎えた酒寄日向は生まれ故郷の京都から親元を離れ一人暮らし()をしていた。

 

 幼い頃に父を亡くし、女手一つで3人の子供を育てようとしていた女傑な弁護士の母の元を飛び出しふらりと過ごしている。

 

 自身の(朝日)も、双子の(彩葉)もそれぞれ家を出て一人暮らしをしているので酒寄家ではそう珍しい光景ではない。

 

 それは偏に自身の母の側にいるのがものすごく疲れると言うのが兄弟の共通認識に近い。

 

 

 酒寄家の(紅葉)は立派な人だ。

 

 仕事人として評価される人が家人として評価されるわけではないと良く言ったもので、仕事はできる人なのだが多くの物言いが年頃の子供に合わせてローカライズして出力することのできない人と言えばいいのだろうか。

 

 ちょいと転生なんてしてしまった人生二週目の日向にとっては言いたい意図は理解できなくもないにしろ、一桁の子供に言い聞かせるには些か大ぶりな言葉が過ぎた。

 

 端的に言えば世界上位を目指せる金の卵が優しさと言う遠慮を覚えて羽ばたくことができずに歯がゆい思いをしていたと言えばそうなのだが、アレは口が悪すぎる。

 

 生粋の京都弁に言葉で相手を言いくるめる弁護士と言う職業病が最悪のミスマッチを起こしていた。

 

 最初から最後まで自立した強い子になってほしいという意図は読み取れるし、亡き父の死因を考えれば心を強く持てる子になってほしいというのは分からないでもないのだ。

 

 自身と血肉を分け合った子供だからと言ってその足りない言葉の行間を読み取れというのは些か甘えが過ぎるのではないだろうか。

 

 母の来歴を考えればアダルトチルドレンの様に幼いころから大人に成らざるを得ない状況だったのはわかるし、機能不全の家庭で育って母と言うもののビジョンと言うものが変な方向にガラパゴスしているようにも見えた。

 

 そんな母を御してまともな方向性に舵をとっていたのが(朝久)だったからか、父が存命であったころは笑いの絶えない家庭だったと記憶している。

 

 色々と思いを馳せてみれば母はハンドルのないバイク―――否、安定性だけは抜群にあったし自身のビジョンの先が固定されていたという意味では臨時快速新幹線と呼称するべきだろうか。

 

 たまたま子供の精神力が強かっただけで、下手な子であったら即潰れて父と同じ道をたどっていたように見えなくもないのが何とも。

 

 

 些か息が詰まる酒寄家の兄弟から最初に出ていったのは(朝日)であった。

 

 少し穿った見方をするのであればこれから先の弟妹のためのセーフティーネットを構築していたように思う。

 

 それはそれとして酒寄家で生きづらかったのは確かだろう。

 

 家を出る際もこちらを心配していたのでいざという時に頼りにすれば邪険にはされないはずだ。

 

 こちらは精神完熟どころではない転生者なのでのびのびとしてほしい気持ちでそっと背中を押した。

 

 

 その次に出ていったのは(彩葉)

 

 根っこの先まで優しさで構成されていたような彩葉が都会に出て悪い男にコロッと騙されないかどうかだけが心配だったが、定期的に連絡を取ることでその心配はない様で少し安心した。

 

 売り言葉に買い言葉で出てってやると豪語して家を出る際も最後までこちらの心配をする辺りが何とも兄妹。

 

 語録が下手くそな母に押し潰されるほどやわではないとこちらも背中を押した。

 

 

 そして、最後が日向。

 

 相手と言葉で殴り合うのがコミュニケーションだと思っている節のある母の元で、生んでもらった恩ぐらいは返すかと一人残っていたのだがちょいとぶっ飛んだ少女と交際を始めてしまったからか、そのおねだりに負けてホイホイと家を出たのだ。

 

 親にぐうの音も出させないように15で司法予備試験に合格し、16で司法試験合格をもぎ取って「あんたの言う枠は取れるから問題あらへんやろ」と告げて、だ。

 

 日向は今世になってから矢鱈思考がクリアに感じるのが何とも言えない気分なのだが、前世で研究者をしていた経験が役にたっている……と思いたかった。

 

 日向の合格した数年前にも15歳で司法試験突破した猛者がいたらしいからかさほど騒ぎにならなかったのが幸いである。

 

 合格したからと言って法曹になるつもりなどないのだが。

 

 あの母は弁護士資格に合格した時の何期修習なのかで強く横並びになる文化があるだとかブツクサ言っていたが、合格後に修習開始時期を遅らせるのに理由を問われたりするのだが「一般常識との乖離を避けるため、高校は卒業しておこうと思って」と言えば案外通るものだ。

 

 そもそも未成年者の扱いはめんどいから致し方なし。

 

 日向は文句を言わせない実績叩きつけて確実にどうこう言わせない期間を作って家を出たのだ。

 

 

 

 日向はぶっ飛んだ少女との交際を始め、一人暮らしを決意するまでに至ったのだが、後の兄妹の恋人を見てふと思った。

 

 

 ―――酒寄家、たれ目に8倍弱点か何か持ってるんか?????

 

 

 

 〇 〇

 

 

 

 さて、日向の交際相手と言うぶっ飛んだ少女の話をしよう。

 

 一言で言えば“真・電波系”とでも言えばいいのだろうか。

 

 華奢でたれ目で大和撫子と呼称するのが良く似合うし、その実家は神社だというのだから“THE日本人”と言うほかにない。

 

 数百年続く長い長い歴史を持つ神社で祭るのは彩波之神(あやなみのかみ)なるウミウシの化身だとかなんとか。

 

 そんな彼女の電波系などと呼称するに足りる理由はある。

 

 ―――私は長い月日、月の労働者をしていたのですが姫の代替わりで退職をさせて頂き、後任を生成し数百年前の地球にて生を受けたものですので、前世数十年生きた所で私より年下です。誤差です誤差。

 

 そんなことを眉一つ動かさずにの宣うそんな少女なのだ。

 

 

 ぶっ飛んだ少女、月夜野(つくよの)九千代(このちよ)をもう少し掘り下げる。

 

 初対面からドストレートに交際を迫ってくるヤベー女……と言うのはいったん置いておく。

 

 

 彼女自身は月で限界OLやってて退屈を感じていた一機の電子生命体が地球へ脱走し、連れ戻された後再度地球へ向かうために設計された業務仕様電子生命体が元になっているという。

 

 地球にて“かぐや”と呼称を得たその電子生命体が自身の労働のすべてを引き継がせるために作り上げた業務仕様電子生命体なのだが、彼女が再度地球に飛んでから千年にギリギリ届かない程度の時が流れた時に月の姫の代替わりが発生したそうな。

 

 月の姫の代替わりが発生し、自身も自身の制作者と同じようにその代替わりに合わせた業務仕様電子生命体.Ver2を作成し、引継ぎをして退職した。

 

 それは電子生命体たる月人がそこまで執着を覚える地球と言うものが気になってしまったからに他ならない。

 

 かぐやと共に月の超技術で開発したタイムリープ装置を使い彼女が月に降り立つ10数年前の地球に彼女は降り立ったのだ。

 

 その原因を解析するために月人にコンタクトをとってみれば、カオスだのパラドックスだのを引き起こしたのは未来の自分の故意によるものだというのだからさもありなん。

 

 

 ―――まぁ、端的に申しますと創造者“かぐや”が囲っていた酒寄兄妹の片割れとラブしちゃったので子孫残したくなっちゃったんですよね。

 

 

 天文学的なんて言葉すら馬鹿にしそうなことをやらかしたのはすべて九千代自身の欲望の為であった。

 

 ただそんなことを個人で起こすことなどできないので、自身と同じ時期に退職した月人らを巻き込んだ超技術による調整を熟して月人の退職先に地球で人間になるフローを作り上げたとかなんとか。

 

 もっともそこら辺の記憶を持って地球人に成れる月人はハイエンド仕様の九千代くらいのものだと言うが、後々自身を作ったハイエンド仕様も気が付けばこちらに来るのではないか、なんて彼女は言う。

 

 

「総評:自身を作り上げた母を追っかけて地球に来たらとんでもなく顔のいい兄妹にラブしちゃったのでその人と子供を作るために月人巻き込んで月人から人間になるフローを作り上げ、見事にそれを成し遂げたのが私って訳――です」

 

「貴方の妹はこれから地球技術から言えば100年単位のブレイクスルーを起こすので、その娘の様な私がそれを起こしても不思議ではないのです」

 

 

「その理論で言えばなに、俺姪っ子に迫られてるの」

 

「正確に言えば義理の娘に迫られている方が近しい――――日本において結婚できるかどうかは血のつながりによる物が多くを占めていますのでモーマンタイなマンタでオニイトマキエイ」

 

「……仮に俺が拒否ったらどうするおつもりだったので?」

 

「質問を変えるようですが貴方の好みをすべて把握している私から逃げられると思いで?」

 

 

 ―――これからどこかに転生した所で必ず見つけ出しますけどね。

 

 

 この物語は並行世界から自分のガチ恋がやってきやがって、幸せにするからって迫られた話。

 

 そして、カオスだのパラドックスだの人間には説明しきれない何かの結果、月からやって来て電子生命体なお姫様の顎が外れるお話だ。

 




・酒寄日向

容姿は父似のたれ目。

なんか生えてきた転生者。

とある世界線でフルダイブ系VRを作ったヤベー天才の助手と言うか小間使いしていた前世を持つ。

超担当の双子の兄なんやから現実で最年少合格記録が17歳なのを一年短くしても許されるやろの精神。
司法試験エアプなのでそこはつっこまないで貰いたいフレーバーテキスト。

・月夜野九千代

容姿は黒髪かみおろし状態ヤッチョに限りなく近い。

原作世界線でかぐやが引継ぎ用として作成した電子生命体。

制作者を追っかけて地球にやってきたら月時代に彼女から聞いていた少女とは別にメロい男もかぐやは囲っていた世界線に転がって来た。

その男にメロってガチ恋しちゃったので月のシステムに革新起こして人間として地球に生まれるとか言うウルトラCを成功した女。

現在惚れた男の元に転がり込んで自身の作った飯で体を構成させることに喜びを感じている模様。

・かぐや&ヤッチョ

上の自身が制作した電子生命体がカオスだのパラドックスだのを拗らせた結果、原作ベースの存在なので「いろはに双子のお兄ちゃん!?」と宇宙猫になっている。
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