個人的に「漢女」キャラだけは、どうしても趣味に合いませんでしたので改変させて頂きました。
イメージとしては『涼宮ハルヒ』シリーズの未来人(大)をイメージしました。
CVイメージは後藤邑子さんです。
ただし、華佗は『原作』キャラクターです。
流石は「王佐の才」と呼ばれた軍師だけあって、桂花の現状分析は的確だった。
まず、危険なのは呂布です。
あの恐るべき武力。我々とは思考が違い過ぎて、恐るべき行動に出かねない点。
更に、呂布が居座っている徐州が此方の勢力圏に近過ぎます。
したがって、呂布に関しては、外交でも謀略でもすぐに打てる手を打って置くべきです。
幸い、我々は朝廷とともにあります。官位とか名誉とかで、呂布を釣ることが可能です。
これに対して、劉備の危険性は其の潜在する可能性に在るでしょう。
確かに、あの益州侵掠は見事でした。それだけの力量を持つ陣営であると認めざるを得ません。
その力量とあの「天府の国」に潜在する国力が結びつけば、何れ恐るべき敵に成長する可能性は大きいでしょう。
ただし、呂布程に差し迫った脅威ではありません。
1つには、天下のほぼ中央にあるこちらの勢力圏に対し、そこから離れた西南に位置するという事と、
今1つは益州の地形です。
こちらから攻撃するには守りの堅いあの「天府」の地形は、向こうから兵を出してくる時にも障害なのです。
益州から兵を出す道は事実上1つだけでしょう。
長江沿いに下って荊州に出るしか無い筈です。
「それじゃ、その道を塞ぐ策を取るのね」
「そうです。そうしておいて、我々は、呂布や袁紹から先に対処するのです」
「次は荊州の現状です」
桂花の分析が続く。
荊州州牧、劉表はほぼ其の勢力圏を安定させていますが、それ以上の野心も余裕も持てていません。
更に、荊州の州内でも本拠地の襄陽の在る北半分は確保していますが、長江以南の南半分4郡に関しては其々の郡太守が中小の軍閥と成っていて、それを通じての間接支配に留まっています。
この4郡の太守を此方側に取り込んで、劉表とは別に劉備に対抗させます。
これで、もし劉備が益州から出てきても、長江の南側には足掛かりはありません。
同時に、荊州の南半分をおさえた事も利用して、北半分を確保している劉表に外交上の圧力を加えます。
そして、長江の北側でも劉備を警戒させます。
これで、劉備の出口は無くなります。
後の問題は、劉表の頭ごなしに郡太守たちを取り込むことだった。
劉表には、郡太守の上位にある州牧という「名分」がある。
「我々は朝廷と共に在ります。官命を持って使者を出す事が出来ます」
*
益州の北、漢中盆地を拠点とする「五斗米道」と名乗る宗教集団が在る。
五斗米道
黄巾の乱をおこした「太平道」のほかに、この時代に勢力を持った宗教集団。
だが「太平道」の暴走と破滅とは異なり「五斗米道」は1時期地方軍閥程度に成っただけで、最終的には、相互扶助や治療を行う民間宗教団体に戻った。
そして存続した。
そもそも「五斗米道」のゆかりは、治療費は1律「斛(ます)に米5杯」だったことにあり、その米も扶助のための“ストック”だった。
その「五斗米道」に所属し、大陸を旅しながら人々を救っていく医師が居た。
彼は、こう名乗る。
華佗
神医とすらいえる医術と、独特の治療で少なからぬ人々を救命しながら旅する華佗への報酬は、1人について「斛に米5杯」だった。
*
何処かの「天の御遣い」なら知っていることだが、華佗の最後は悲劇的に成る。
華佗の治療法を疑った曹操に害され、その結果として曹操自身も絶命した。
*
そんな運命(?)を知ってか知らずが、救命の旅を華佗は続けていた。
そして”その”運命を避ける為には、都合の好い「イベント」が生じた。
華佗の前に、謎の美女が出現したのだ。
「春蘭ちゃんが目にケガをしたわよ。春蘭じゃ分からないなら、夏侯惇ちゃんよ」
謎の美女に導かれるまま、華佗は曹操軍を訪れた。
彼の内心としては、
「患者が居れば、医者は行く」
だった………。
……。
…春蘭の治療は、片目以外には傷も残さず完治した。
やはり、女性であれば傷は残したくない。
その結果、曹操の信頼は得た様だった。
*
さて、時系列は曹操軍が軍議を持った時に戻る。
劉備に対する対策は、後は荊州南部への使者の人選になった。
これについても、軍師たちの何人から何人かの名が上げられ、その内の1人が採用された。
更には、西北方面の情勢も議題になった。
前漢の古都、長安には鍾元常という優秀な行政官を派遣していた。
軍事的にも、華琳たちが許昌から駆けつけるまで持ちこたえられるだろう。
その向こう側の涼州ではどうなっているか。
「旧」董卓軍の壊滅後、空白になった勢力圏を周囲の他の涼州軍閥が切り取っていた。
その1人、馬騰の動きが微妙だった。
政治的に他の軍閥より1歩前に出るべく朝廷に接触して来ている。
*
曹操軍と接触した後、華佗は長江を南に渡った。
治療の旅を続ける華佗の耳に、孫呉の拠点である秣陵の近くで戦いがあったという噂が聞こえた。
早速、秣陵へ向かった。
「患者が居れば、医者は行く」
*
自分の行いが恨みを買わない、等とは雪蓮も思い上がっては居ない。
だが、留守の拠点を1族の非戦闘員ともども狙われて、雪蓮は怒(いか)った。
「報復ならば自分に戦いを挑め!」
直ちに軍を反転して秣陵へ戻った………。
……。
…だがしかし、遠征先から拠点までは遠い。
結局、より近くにいて太湖の水運を利用できる遊撃部隊が、先に秣陵へ戻った。
その明命が率いる遊撃部隊が、秣陵の手前で襲撃軍と衝突する結果になったのである………。
……。
…秣陵の拠点は健在(けんざい)だった。損害は明命の遊撃部隊から出ていた。
明命自身、全身に12ヶ所の傷を負い生命だけは助かった状態だった。
その上、傷が元で高熱を出し意識不明に成っていた。
“この時代の医療”では、生命さえ危険だった。
そこへ、華佗が到着した。
早速、華佗はケガ人たちの治療を開始した。
その華佗を遠征先から駆け戻った雪蓮が呼び出し、明命を診察させた。
「生命は助かる。それに傷は残さない方が好い。女の子だからな」
だがしかし、華佗で無ければ跡が残ったかも知れない様な傷が12ヶ所も在っては、完治には時間がかかる。
それに、明命に掛かりきりになる訳にもいかない。
結局、日数をかける事に成ったが、明命は完治した。傷も残さずに………。
……。
…雪蓮も素直に礼を言った。
「世話になったな」
「何。当たり前の事をしただけだ。こんな時代だからな。ケガ人は後を絶たん」
雪蓮も苦笑するしかなかった。ケガ人をつくる方としては。
「医者としては、ケガ人が少なくなるような世の中にして欲しいだけだ。それ以上の報酬は無い」
孫策なら、この話をしても斬られないと華佗は見ていた。
「いずれ、貴女を治療する事になったときでも、他の患者と差別はしない」
今回も1人当り「斛に米5杯」だった。
*
そのころ、蜀の成都では。
北郷一刀と桃香が「デート」をしていた。
政務の合間に2人だけで出かける事を承知させたのである。
実のところは愛紗とかの方が難関だったが。
それだけ内政に専念出来ていたのだ。ただし、蜀の外は乱世である。
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