簡雍酔夢   作:高島智明

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『簡雍酔夢』の本編を完結まで投稿しましたが、外伝的な中短編を思い付きましたので、後数回だけ投稿致します。

この外伝は『乱世を駆ける男』(作者:黄粋)(原作:真・恋姫†無双)よりインスパイアを受けました。
黄粋様よりは、温かく御許しを得ております。
勝手ながら、黄粋様に応援のエールを送らせて頂きます。


普通の恋愛
外伝の1 生まれ変わっても 君と同じ時代を


俺は簡雍。

劉備玄徳(真名桃香)の同郷の幼馴染みにして、劉備義勇軍挙兵当時からのスポンサーだった。

そして、実は「現代日本」で前世を送った転生者でもある。

 

断っておくが”ここ”は『恋姫』の外史世界だ。

したがって、劉備も真名を桃香という魅力たっぷりの美少女だった。

だからといって、俺の桃香に対する感情は、あくまで幼馴染みの友情であって恋愛感情では無い。

 

大体、最初は前世で知っていた「ゲーム」の中のキャラクターだったし、何れは「天の御遣い」のものに成ると分かっていた。

それでも、恋愛感情は別なものだろう、とか言う者も居るかも知れんが。

 

そもそも、俺は前世で普通に恋愛をして、その相手と家庭も持って其れなりに幸福だった。

そんな境遇で、どうして「エロゲ」の知識を持っていたって。

禁則事項ということにしてくれ。

 

何れにせよ、俺にとっては前世での恋人の思い出は大切だった。

無論、幼馴染みの桃香は其れなりに大切で、幸福に成って欲しいと思っていた。

だから「蜀ルート」に入れる様に「天の御遣い」には、桃香の前に落ちて来て欲しいと願っていた。

 

それでも、俺は桃香や他の『原作』キャラクターに恋愛感情を持つよりも、前世の記憶を大切にしていた。

「生まれ変わっても 君と同じ時代(とき)を」

そんな、アニメ版OPのフレーズを思い返したりしていた。

 

そんな俺は、ある時に夢の中で再会していた。

俺を”この”外史世界に案内した「外史の管理者」

おねえ言葉の筋肉では無くて、某ライトノベルの未来人(大)をイメージしそうな美女だったのは幸いと思っていた、その「管理者」が夢に出て来た。

 

「貴方も我儘ね。けれども、貴方が”この”外史に来たのも貴方の選択。

それなら、せいぜい貴方の希望を叶えてやりましょう」

そこで目が覚めた。何故か、正夢の様に感じられて期待がされた………。

 

……。

 

…桃香こと劉備は蜀に自らの王国を建てた。

「天の御遣い」と共に。

そして、俺には再会が待っていた。

 

それは、蜀の国と成る益州へと向かう為に、その隣の荊州で準備していた時だった。

 

例によって、補給部隊の采配をしている俺の処へ、新しく荊州襄陽の「水鏡女学院」から劉備軍に加わった乙女の1人らしきものがやって来た。

用件は、日常的な打ち合わせだったが、その用件が終わった後で彼女は唐突に言い出した。

 

「簡雍さんは、劉玄徳様の幼馴染みで気安い話をできる仲ですね」

「まあ、そうですけれど」

「それから「天の御遣い」様とも、殿方同士の話が出来るとか」

「それが、どうかしましたか?」

 

彼女は、少しだけ躊躇ってから切り出した。

「私が、益州に連れて行かれない様に御願いして頂けませんか」

「は?水鏡女学院を挙げて劉備軍に協力している中で」

「お願いします。このままだと私……」

「このままだと?」

 

何故か、モジモジとしていたが、遂に感情を持て余すかの様に、

「このままだと、朱里ちゃんに”泣いて斬られる”ことに成るんです」

「え?!それじゃ、もしかして…貴女は馬謖?」

孔明の「泣いて馬謖を斬る」のエピソードは『三国志』でも有名だ。

 

「胡蝶お姉様なんかは、もう熱心に劉備軍の軍師をしていますけれど、私は此のままだと…」

馬謖(?)は訴えて来るが、ここで俺は疑問に思い至った。

 

「貴女は、何故、未来を知っている?」

ハッとした様だった。

何かを躊躇った末に、決意を決めた様に口を開いた。

「私は、馬謖であって”ある”意味本当の馬謖ではありません。

”この”世界とは別の世界の記憶を持って、馬家の末娘に生まれ変わって来たんです」

 

彼女もか!

ここで、俺は何時かの「正夢」のことを思い出した。

「もしかして、貴女は…」




今回の作中に引用しましたのは、アニメ版OP『闘艶結義~トウエンノチカイ~』の中のフレーズです。
その為「歌詞使用のガイドライン」に基づきまして、歌詞コードを入力致しました。

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