簡雍酔夢   作:高島智明

72 / 72
梁山泊108星の第14位として登場する天傷星「行者」武松にとっては、兄の仇として登場した敵役。
この色男の権勢家である西門家当主と“6人”の夫人との、爛(ただ)れた「性」活は”その”後は別の作品として、発展しながら描かれました。
遂には『水滸伝』其の他と共に「四大奇書」とも呼ばれる『金瓶梅』にまで発展します。


外伝の10 水滸偽伝 梁山泊とは全く関係ない話

俺こと簡雍(真名絆(きずな))と馬謖(真名希望(のぞみ))の「上林苑」での「ハネムーン」は何事も無く日時が過ぎて行った。

そして、帝都に戻った俺たちが挨拶の為に皇宮へ出向くと、何やら不穏な情報が待っていた。

 

「巫蠱(ふこ)?」

「卜占」の類が「科学」である時代、呪殺が殺人であると法的にも認められている。

だから逆に、政敵を落し入れる冤罪事件としても「正史」に残っている。

 

「干吉と左慈たちに依頼した、何者かが居る事までは確からしいのです」

帝都の治安を担当する中堅“クラス”の官僚が1人居て報告していた。

「当然ながら、直接接触したのは使いの者に過ぎず、真の依頼人は目下不明です」

「それで「誰」を呪う積もりだったの?」

同行していた希望が疑問を呈した。

「それが、断る積もりだった道士たちは、相手の名前も聞いていないそうです」

 

報告者を下がらせた後で、皇帝は側近に対して相談を持ちかけた。

「俺たちの感覚だと、巫蠱で処罰はしたくは無いのだけれども」

「そうは言っても、向こう側は本気で殺す積もりで行動しているんだろうだからな。

あくまでも冤罪で無かった場合だが」

俺としても不穏だった………。

 

……。

 

…何となく不気味な感じを残して、城内の私邸に帰って来た俺と希望だったが、

「現代人の感覚からすると、巫蠱なんかは、本当に有効でも他の手段が無くなったから使うものだろうけれども」

この問題に関する限り、俺も歯切れが悪かった。

「その問題は真面目に取り組むべきだけど……」

結論は、簡単には出なかった。

帝都洛陽の西の門内。

ここに近辺の庶民の住居とは「格差」を見せ付ける様な「邸宅」が敷地を拡げている。

 

前漢時代、当時の帝都だった長安西門の番人から成り上がった、そして後漢の時代と成れば例えば「4代3公」の袁家ほどでは無くても何代も朝廷の高官を出しもすれば、地元では広い領地を持つ豪族だった勢力家。

しかし、初心を忘れていないという“ポーズ”のためか、今尚「西門」の姓を名乗り、帝都の西門近くに邸宅を構えている。

 

そうした権勢家らしく(?)現在の西門家当主は「第6夫人」まで揃えており、生ませた何人もの子供をあちらの「名家」こちらの「名士」と縁付ける事で権勢を維持し、とうとう、直近の乱世まで乗り切っていた。

 

その西門家からすれば、簡雍は狙い目だった。

当人が皇帝の側近であるだけでは無い。

「第1夫人」が昔からの許婚だったのも、むしろ好都合だ。

「馬家の5常」と呼ばれる姉妹全員が朝廷に仕えている、その末娘。

”この”コネまでも利用出来るかも知れない。

 

どうせ、西門家の側の「手札」は多い。

「第2夫人」「第3夫人」……と異母姉妹でも送り込めば……

ジュリオ・チェーザレとかいう“羅馬”の英雄は名セリフを幾つも残したそうである。

「人は、自分が見たいと思う現実だけを、見たいと思う」

さて、今日の俺こと簡雍は馬家の私邸に希望の姉たちを訪問していた。

先送りに成ったのは、やはり”この”時代では皇帝を優先するのが当然だったからに過ぎないが。

 

「これを持って帰ると好いわよ」

そういって瓶に入れた「お土産」を持たせてくれた事自体は、善意を疑う事が出来ないが。

「最近の「北宮」では“はにい”風味の“きす”だとかが流行っているみたいよ」

姉たちの誰かが、そんな乙女らしい噂をした。

流行らせたのは「蜂蜜大好き」のあの『恋姫』だろうか?

 

「俺は「味噌汁」味が好いかも知れませんね」

勿論、俺は冗句を言った積もりである。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

黄権伝(作者:高島智明)(原作:真・恋姫†無双)

誰か故郷を想わざる。▼故郷蜀からも、信頼し合った主君劉備からも引き離されて生涯を終えた武将黄権。▼ところが『恋姫』の外史世界に転生していた。▼この世界の劉備たちと再会はかなうのか。▼そして、故郷への帰還は…▼本サイトにて連載中の『簡雍酔夢』の設定に更に外伝的作品を創作した外史です。▼この為『簡雍酔夢』と「入れ子」の様な投稿に成ると思います。▼『簡雍酔夢』の注…


総合評価:26/評価:-.--/完結:12話/更新日時:2026年05月22日(金) 21:00 小説情報

これが俺の恋姫†無双(作者:篝火 灯)(原作:恋姫†無双)

恋姫無双の世界に現代日本から【能力】を神から渡され恋姫無双の1つの外史に召喚された男…▼この男は恋姫の世界で何を成すのか…ソレは…時の流れるままに…▼神様は平和に過ごしてくれって言ってたけど…様々な問題もあって平和とは…?ってなってる俺だけど…頑張ってこの恋姫の外史で頑張って生き抜いてやるー!▼※なろう。に2025/7/7から投稿していた作品になります。こち…


総合評価:210/評価:3.6/連載:61話/更新日時:2026年07月03日(金) 18:36 小説情報

サクラ大戦 貴水玄治物語(作者:無月)(原作:サクラ大戦)

太正十二年、帝国劇場に大神一郎が赴任するその年、地下からある男が姿を現した▼彼の名は、貴水玄治▼対降魔部隊の忘れ形見にして、姿を消した山崎真之介の直弟子である▼これは家族も、記憶も、恩師も全てを失った男が▼再び歩みだし、覚悟を決め、都市に希望を見出し、世界を美しいもので包み込む物語▼


総合評価:329/評価:8.45/完結:79話/更新日時:2026年05月06日(水) 20:22 小説情報

真・恋姫†夢想 正義の後継者(作者:シバヤ)(原作:真・恋姫†無双)

▼魔術師の血を受け継ぎし青年、衛宮正騎▼とあるうっかりな事故で別の世界に飛ばされてしまう▼様々な経験を得て魔術師として、そして1人の人間として成長するお話▼この作品は【真・恋姫†無双 小さな正義の蕾】のリメイク作品です▼大まかな流れなどは同じですが、オリキャラや話などは少し改変があったりします▼前作をお付き合いしていただいた方、また新しく読み始めてくれる方、…


総合評価:554/評価:8.23/連載:53話/更新日時:2026年03月17日(火) 00:00 小説情報

十文字の御旗のもとに(作者:るいぼすてぃー)(原作:恋姫†無双)

何番前事かの一刀君の成り上がり物です。▼メインヒロイン候補が複数、序盤の展開はある作品を参考にさせていただきました。▼基本的には仲間を集めて旅をし成り上がっていくという解り易いもの▼自分の好きなキャラたちをメインヒロイン系にしたかっただけの作品▼一応革命魏伝までプレイしてますが魏以外の追加キャラは特に口調や呼び方に差異が出るかもしれません。▼生暖かい目で見て…


総合評価:158/評価:8.67/連載:4話/更新日時:2026年06月17日(水) 08:29 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>